組織分析とは?代表的なフレームワークの7S・SWOT分析・PPM分析を解説
更新日: 2025.2.14
公開日: 2025.2.14
OHSUGI
「組織分析の概要を知りたい」
「組織分析のフレームワークについて知りたい」
上記のようにお悩みの方も多いでしょう。
組織分析とは、主にフレームワークを用いて自社の課題や全体像などを明確にすることです。代表的なフレームワークには、7S・SWOT分析・PPM分析などがあります。
本記事の内容は、組織分析の概要や代表的なフレームワーク、また組織分析のフレームワークの成功事例の解説です。
そのほかに、組織分析へのストレスチェックの活用方法や組織分析の結果を有効活用する方法についても解説しているため、ぜひ参考にしてください。
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1. 組織分析とは
組織分析とは、組織課題や全体像の把握のために、フレームワークにより細分化した各要素の詳細を明確にし、新たな情報を引き出すことです。フレームワークとは、学者やコンサルタントなどの専門家が考案した効率的に精度の高い分析ができる思考の枠組みのことを指します。
組織分析には幅広い情報の整理が必要ですが、各フレームワークの枠組みに要素をあてはめていくだけで、精度の高い分析結果を導き出せるでしょう。目的に沿うフレームワークを選び、それぞれの法則や規則などに沿って分析を進めることで課題が発見できたり組織全体の現状が把握できたりします。
2. 組織分析の代表的なフレームワーク
組織分析の代表的なフレームワークは、以下の3つです。
- 7S
- SWOT分析
- PPM分析
各フレームワークの詳細を見ていきましょう。
2-1. 7S
組織分析の代表的なフレームワークの一つは、米国のマッキンゼー社が考案した7Sです。組織がもつ7つの経営資源(以下「7要素」)の現状を把握し、組織が望む状態との差を明らかにできます。
7Sの呼び名の由来は、7要素の頭文字です。また、以下の7要素のうち3要素は組織の制度を示す「ハード」に、残りの4要素は潜在的な部分を示す「ソフト」に区分されます。
ハード | Strategy(戦略) | 目標達成のための限られた財的・人的資源の配分に関する一定期間の行動方針や計画のこと |
Structure(組織構造) | マトリクス型組織や分権化など、組織のしくみに関する特徴のこと | |
Systems(システム) | マネジメントシステムや報告パターンなど、恒常的な方法のこと | |
ソフト | Skills(スキル) | 特許やリサーチ力など、組織がもつ顕著な能力のこと |
Staff(人材) |
|
|
Style(組織風土・経営スタイル) |
|
|
Shared values(共通の価値観) | 組織の理念や指標などのこと |
各要素を分析したのち、それぞれの関連要素と連動させて分析するため、各要素の相互関係の把握にも役立つフレームワークです。
2-2. SWOT分析
ハーバードビジネススクールで開発されたSWOT分析も、組織分析の代表的なフレームワークの一つです。以下の4つの要因について洗い出すことで、自社の現状や将来的な変化を分析できるため、特定の目標の実現可否についても判断しやすくなります。
内部環境要因 | Strength(強み) | 自社の強みとなる能力や競合に対する優位性など |
Weakness(弱み) | 競合に劣る自社の能力や製品・サービスの弱みなど | |
外部環境要因 | Opportunity(機会) | 市場環境や競合の変化など、自社に好影響をもたらす外的要因 |
Threat(脅威) | 法改正や競合の変化など、自社に悪影響をもたらす外的要因 |
経営資源の最適化や改善計画、今後の事業目標や行動指針などの策定にも役立つフレームワークです。また、各要素のリストアップ後に他要素と連動させて分析する手法をクロスSWOT分析と言います。
単体要素の分析よりも多くの戦略を導き出せるだけでなく、新たな課題や自社の強みなどの発見も期待できるでしょう。
2-3. PPM分析
組織分析の代表的なフレームワークには、米国のコンサルティング会社が考案したPPM分析もあります。市場成長率・市場占有率の2軸のなかにある以下の4つのグループに、自社の事業や製品などを分類して適切な経営資源の配分を目指す分析手法です。
(高い)
市場成長率 (低い) |
問題児(Problem Child) | 花形(Star) |
負け犬(Dog) | 金のなる木(Cash Cow) | |
(低い) 市場占有率 (高い) |
また、各グループの特徴や分類の仕方を紹介します。
花形(Star) |
|
金のなる木(Cash Cow) |
|
問題児(Problem Child) |
|
負け犬(Dog) |
|
PPM分析により、客観的に自社事業の現状のポジションを把握できるでしょう。また、現状の結果ではなく将来性を見越した投資判断の際にも役立ちます。
3. 組織分析のフレームワークの成功事例
組織分析のフレームワークの成功事例として、以下の2社の事例を紹介します。
- A社
- B社
各社の成功事例の詳細について見ていきましょう。
3-1. A社|7Sを用いた事例
組織分析のフレームワークに7Sを用いたA社の成功事例の詳細は、以下のとおりです。
分析前の課題 | 顧客情報が一元管理されていない結果、有力情報の見逃しや検索に時間がかかるなどの問題が生じていた |
7Sのハード要素の分析による対策 | 情報管理に関するシステムを見直し、情報を一元管理できる情報管理システムを導入した |
7Sのソフト要素の分析による対策 | 社内風土を見直して社内SNSを普及させ、従業員間での容易な情報交換の場を提供した |
上記の対策により課題が解決し、成長スピードがアップしました。
3-2. B社|SWOT分析を用いた事例
組織分析のフレームワークにSWOT分析を用いたB社の成功事例の詳細は、以下のとおりです。
内部環境要因 | Strength(強み) |
|
Weakness(弱み) |
|
|
外部環境要因 | Opportunity(機会) |
|
Threat(脅威) |
|
分析結果を踏まえて、B社ではネット通販に特化した新たなサービスを導入しました。また、人材不足を補うために業務効率を向上させる新たなツールを導入します。
結果、成長が高止まりしていたブランド力のある事業の戦略を見直すことで、成長を加速させた成功事例です。
4. 組織分析へのストレスチェックの活用方法
組織分析へのストレスチェックの活用方法は、集団分析の結果から組織の問題点を洗い出して職場環境の改善に役立てる方法です。
ストレスチェックは従業員のメンタルヘルスの不調を未然に予防するために実施される検査で、条件を満たす企業には法的な実施義務があります。
ストレスチェックの集団分析とは、部署やグループごとに集計したストレスチェックの結果に基づくストレス状態や傾向の分析です。グループごとの問題点が明確になるため、より効果的な職場環境の改善が期待できるでしょう。
ただし、ストレスチェックの集団分析は努力義務であるため、ストレスチェックの実施者への依頼が必要です。
5. 組織分析の結果を有効活用する方法
組織分析の結果を有効活用する方法は、分析結果を反映した具体的な施策を策定して実施することです。組織分析により課題や組織の全体像の把握は可能ですが、課題を解決したり企業成長を促したりするためには何らかの行動が必要になります。
分析により現状を正しく把握し、課題解決や企業成長につながる新戦略を策定して実施しましょう。組織分析に用いるフレームワークによっては、事業拡大やコスト削減につながる新たな発見も期待できます。
組織課題を解決するための方針や施策を策定する際などに、経営幹部で分析結果を共有するとより有効活用できるでしょう。
6. 組織分析により企業の課題を洗い出そう
組織分析とは、7S・SWOT分析・PPM分析などのフレームワークを用いて、自社の課題や全体像などを明確にすることです。フレームワークと併用して、ストレスチェックの集団分析を活用して、組織の課題を見つける方法もあります。
組織分析の結果を有効活用するためにも、経営幹部で情報を共有するなどして、企業の課題を洗い出して具体的な施策を検討しましょう。
本記事で紹介した成功事例なども参考にしつつ、組織分析を実施して企業成長に役立ててください。
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