HR NOTE [HRノート]コンテンツ人事管理離職防止のためのリテンション施策とは|企業の取組事例も紹介

離職防止のためのリテンション施策とは|企業の取組事例も紹介

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リテンションは「維持、保持」といった意味の言葉で、人事領域で使用されるときは「人材の維持、確保」という意味合いで使われており、「従業員の離職を引き止める」施策のことをいいます。
 
近年では、少子高齢化や働き方のダイバーシティ化によって、人材の流動化が加熱し、人材獲得競争が激化しています。その中で、いかに優秀な人材を自社に定着させるかが、人事としても悩みのひとつとしてあるのではないでしょうか。
 
採用コストよりも離職コストのほうが大きなコストになるといわれています。例えば、せっかく時間をかけて教育して経験を積んでもらい戦力として成長してくれた人材が、何かしらの要因で離職となるケースがあるとします。そうした際に、今までの教育コストに加え、新しい人材の採用コストやその間の生産性の低下、職場のモチベーション低下など、組織に与えるさまざまなマイナスの影響が考えられます。
 
そのため、「辞めそうな従業員」を事前に発見し、その芽を摘むことも人事に求められる役割です。しかし、退職理由も従業員によってそれぞれです。企業はどのようにリテンション対策をおこなっていけばいいのでしょうか。
 
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リテンション対策で効果的なのは、社内コミュニケーション

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リテンション対策として、まず「金銭的な報酬」が挙げられますが、離職の要因としてそれ以外の要素が大きく影響している場合もあります。エンジャパン「エン 人事のミカタ」のアンケート調査によるとリテンションに効果的だと感じた施策の上位5つは以下のようになっています。
 

[リテンションで効果的だと感じた施策]
  • 1位:社内コミュニケーションの活性化/59%
  • 2位:待遇改善/58%
  • 3位:能力開発・教育制度/29%
  • 4位:キャリアプランの提示(異動など)/25%
  • 5位:人事考課・目標管理の改善/22%

 

1位:社内コミュニケーションの活性化

従業員同士、上司・部下との間で何かしらのコミュニケーションに不満を抱えている方は意外と多くいることでしょう。そのため、社内コミュニケーションを活性化させる仕組みを創ることが大切です。
 
例えば、社内ブログ、社内SNSなどの社内情報共有ツールを用いて、どんな従業員がいるのか、お互いの部署が何をしているのかなどを把握できる機会をつくる、社内の不満声を集めて改善策を従業員から募る、定期的なレクリエーション・懇親会の開催、フリーアドレスの活用、メンター制度の活用など、多くの方法があり、自社に合った活用策を構築してみてはいかがでしょうか。
 
 

2位:待遇改善

待遇とは、給与・勤務時間など、雇用者の勤労者に対する取り扱いのことをいいます。
そこで、給与増加や、評価制度の見直し、労働時間削減のための生産性向上の取り組みなど、従業員の待遇改善をおこなうこともリテンション施策には効果的です。給与増加は即効性がある改善施策ですが、それだけだと従業員の不満は別のところにあり、長期的なリテンションにつながらない場合があります。
 
きちんと評価されていると従業員が感じているのか、有給取得がしやすい環境か、労働時間は適切かなど、従業員がいきいきと働ける環境かどうかなど、見直しをしていきましょう。
 
 

3位:能力開発・教育制度

やる気があって優秀な従業員ほど、環境の変化がなければ、「自分が成長できているか不安に感じている」「ずっと同じ環境で仕事をしており、多くのスキルが身につかない」などと不満が募り、離職につながることもあります。
そのため、会社が従業員の能力向上の機会として、マネジメント研修や、スキルアップ研修といった研修制度を導入していくことが求められます。
 
 

4位:キャリアプランの提示(異動など)

上記の「自分が成長できているか」という不安に加え、「同僚・後輩との人間関係」または「上司との人間関係」に不満があり、離職してしまう方が多くいます。そのようなことをいち早くキャッチアップし、別の環境を用意してあげたり、「社内公募制」や「社内FA制」などを導入したりして、従業員の適材適所、キャリアプランに力を注いでいきましょう。そうすることで、長期的に働く上でのビジョンが描けるため、リテンションにつながります。
 
 

5位:人事考課・目標管理の改善

従業員にとって納得できない評価制度であれば、当然離職につながってしまいます。理不尽に高い目標設定やノルマではないか、自分の頑張りが人事考課に反映されにくいなどの不満の声がでていないかをチェックし、成果主義でいいのか、絶対評価か相対評価どちらがいいのかなど見直しを行ってみてはいかがでしょうか。
 
 
 
ここで、注意しなければいけないことは、業種や職種によって対応を変えるべきだということです。実際に、営業職、技術職、サポート職では、モチベーションの源泉となるものが違ってくることでしょう。自社に合った施策を模索することが求められます。
 
 

離職率を引き下げるための3社の事例を紹介

 

サイボウズ株式会社|『社内部活動』の促進制度が、離職率28%から4%への引き下げに貢献

サイボウズ

サイボウズでは、社内コミュニケーションの活性化に向けて、『社内部活動』を推奨しています。普段コミュニケーションが取りにくい、組織の横串のつながりを形成することが目的で、部活動が積極的に行われることにより、部署間の連携がスムーズにでき、業務スピードアップにつながるとのことです。
 
複数の部署をまたがった5人以上の部員で構成すること、年数回の活動報告書の提出をすること、これらをクリアすれば、どんな部でも設立でき、補助を受けられることができます。社内部活動の促進がサイボウズの離職率を20%以上軽減したことに大きく貢献しているとのことです。
 
 

三幸グループ|離職防止に『キャリアチャレンジ制度』を導入

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学校法人をはじめとした教育サービスを展開している三幸グループでは、『キャリアチャレンジ制度』を導入しています。この制度は、2年間同じ部署に在籍していた従業員が、新たな成長の機会を求めて他部署への異動を申請できる制度です。
 
また、『三幸プロデュース』という制度もあり、年1回、会社に対して新規事業の発案や業務の改善提案ができます。この制度から、若手の提案で、新しい専門学校が立ち上がるなど、新規事業の創出につながっています。
 
 

カネテツデリカフーズ|「制度を変え、風土を変えた」ことで離職率が激減

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カネテツデリカフーズは、新人の離職率が50%を超えていたのを、わずか数%に低下させました。
以前は、「仕事は見て覚えろ」という風土があり、現場での新人へのスキルやノウハウの共有不足やコミュニケーション不足が発生していました。しかし『マンツーマン制度』という、現場の先輩が新人をマンツーマンで見る制度を導入し、徹底的に新人へ教育するという風土に変更。一か月の目標を先輩と一緒に立て、それをしっかりと振り返る。その目標設定や振り返る時間もキチンと作ることで、制度の浸透を徹底することで、離職率低下につなげました。
 
 

※その他の離職率改善の企業事例はこちらからご覧になれます。
鳥貴族、サイボウズなど10%以上「離職率が激減」した5つの会社は何をしたのか

 
 

最後に

 
いかがでしたでしょうか。
 
活躍してくれている優秀な従業員が離職してしまうと、企業としては大きな痛手になります。
リテンション施策の企業がどのようなことに取り組んでいるのかをご紹介させていただきましたが、従業員のコンディションをきちんと把握・理解したうえで自社にあったリテンション施策を実行していくことが重要でしょう。

 

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根本 慎吾

根本 慎吾

人材サービス、Web広告の営業を経て、HR NOTE編集部にて活動。 人事領域に携わる方々が『最先端人事』となるために役立てるメディアとなれるよう盛り上げていければと考えています。 猫背。とにかく姿勢が悪い。年中ダイエットをしている。
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