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フレックスタイム制とは|導入のメリットから手続きまで総まとめ

残業や過労によるストレスから、労働者をうつ病や精神病に追い込んでしまい、労働者が自殺をしてしまうというニュースが後を絶ちません。

国をあげて多くの企業が仕事と私生活の調和「ワークライフバランス」のために様々な働き方が導入されるようになってきました。

育児や、介護などをする必要がある人でも働ける環境を作るために、導入が増えてきた働き方の制度が『フレックスタイム制度』です。

本記事では、『フレックスタイム制度』の知識から、メリット、導入における必要な手続きまでを全て網羅した記事をご紹介します。

フレックスタイム制度とは

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フレックスタイム制度』という言葉は2000年近くから耳にするようになった制度かと思われがちですが、実は1988年から日本国内での導入が始まっていました。しかし当時はそこまでワークライフバランスという考え方がなかったのでフレックスタイム制度が浸透することはありませんでした。

また日本人の特徴として集団行動を重んじる傾向が高かったために、多数の行動に同調しないといけない風習があったことから、普及しなかったのではないでしょうか。

しかし現在では育児をする女性や男性(イクメンという言葉があるように)など多様な生活に合わせた働き方が必要になってきたのでフレックスタイム制度を導入する企業が増えてきています。

フレックスタイム制度とは、最大期間を1か月とする一定期間内(精算期間)の総労働時間をあらかじめ決めておき、労働者はその精算期間内で毎日の労働日の労働時間を自分で決めることができるという制度です。

たとえば、1ヶ月の営業日が20日間で1日8時間労働をしている企業であれば、総労働時間は160時間になります。この160時間を毎日労働者の生活に合わせて好きな時間に出勤、退勤をしながら1ヶ月で働くという制度がフレックスタイム制度になります。

労働時間を自由に決めることができるといいましたが、一般的にはコアタイムと、フレキシブルタイムという時間に分けて運用されることがほとんどです。

【もっと詳しく知りたい方はこちらの記事へ】
フレックスタイム制度の仕組みと今さら聞けない基礎知識

フレックスタイム制度|コアタイムとフレキシブルタイム

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フレックスタイム制度には「コアタイム」と「フレキシブルタイム」という時間を分けて運用をしています。それぞれについてご説明しましょう。

コアタイムとは

1日の中で必ず出勤していなければならない時間帯です

たとえば、11時から15時をコアタイムを設けることで、会議や外部との取引や、急遽必要になるような打ち合わせに参加できるようになります。
※コアタイムを設けない完全フレックスタイム制も可能です。

フレキシブルタイムとは

いつでも出退勤が可能な時間帯です。勤務をするもしないも本人の自由となります。また、コアタイムの前後に設ける必要があります。

コアタイムとフレキシブルタイムのバランスが重要

「コアタイム」と「フレキシブルタイム」のバランスがフレックスタイム制度を導入する際に最も重要になってくると考えられています。フレキシブルタイムを十分にとらずに、コアタイムの割合が多くなってしまうと、社員のワークライフバランスを重要視した働き方だということはできません。

厚生労働省はコアタイムが極端に長かった場合、始業時間と終業時間の決定を、労働者本人に委ねていることにはならない(実質的なフレキシブルタイムの採用にはならない)、と通告をしています。

私が調べた中で最も多かった生産性の上がるコアタイムとフレキシブルタイムのバランスは、4時間未満のコアタイムとその他の時間をフレキシブルタイムという結果が多かったです。
会議や、打ち合わせなどをおこなうためにも11時から15時までの間をコアタイムと設定するのがいいみたいです。

【もっと詳しく知りたい方はこちらの記事へ】
フレックス制度を成功させるコアとフレキシブルのバランス

フレックスタイム制度のメリットとデメリット

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フレックスタイム制度を導入する際にはそのメリットとデメリットを把握しておく必要があります。社員に自由な働き方を提供するのはいいものの、会社の業績が落ちてしまっては本末転倒になってしまいますよね。ここではメリットとデメリットをご紹介します。

フレックスタイム制度のメリット

フレックスタイム制度を導入するといろいろなメリットが考えられますよね。

社員からすると、自由に出勤をして、自分のタイミングで帰宅ができるというのは夢のような働き方に感じることもあるでしょう。

ここで3つのメリットを紹介してみましょう。

ライフスタイルに合わせた出退勤が可能

フレキシブルタイムの間であれば自由に出勤退勤ができるので、急な用事が入ってしまって帰宅しなければいけない場合や、通勤ラッシュの時間帯をずらしての出勤などが可能になります。

社員のワークライフバランスを重要視することができるので、働くことにストレスを感じる社員も大幅に減るのではないかと考えられます。

無駄な残業の軽減に

また、朝少し早く出勤して定時まで働く場合や、終業後の残業が従来の働き方で多い傾向にありましたが、もし1日で10時間以上働いたとしても、別の日で労働時間を調整すればいいだけになるので、無駄な残業を減らすことにも繋がる可能性があります。

優秀な人材が集まりやすい

女性が働く機会が増えてきてから、多様な働き方が求められるようになりました。ワークライフバランスを重視するようになった今、従来の働き方では、優秀な人材も嫌気がさしてしまうでしょう。確かに転職サイトや求人サイトにも『フレックスタイム制度』という言葉を見ることが増えてきていますよね。

フレックスタイムのデメリット

メリットをご紹介しましたが、フレックスタイム制度を導入するにはいくつかのデメリットも考えられます。こちらではデメリットを2つご紹介します。

出社時間がバラバラになる

出社時間がバラバラだと緊急の案件に対応することができない場合が出てきます。そうなってしまうと取引先に多大な迷惑をかけてしまう可能性があります。このような事態にならないために、コアタイムとフレキシブルタイムきちんとを設けて、必ず会社に出勤しなくてはいけない時間を設定しましょう。

また、コアタイムに遅刻を押してもその分の賃金をカットすることができないので、遅刻ペナルティを設けないとコアタイムの意味がなくなる可能性があります。

従業員の出退勤管理が大変

勤怠管理に関しては本人の自己責任でおこなっているというところです。自己管理がしっかりできていない場合、総勤務時間が不足しているという事態になることもあります。もしそうなった場合は給料から控除されるか、次の期間に不足分を足した時間を総労働時間として勤務しないといけなくなるので自分で自分の首を絞めてしまいます。

さらに、フレックスタイム制度にいては、繁忙期になったとしても特定の時間帯に出勤命令を出すことができません。

フレックスタイム制度を導入する際に、対象となる従業員が信頼できる人材なのかを見極める必要がありそうですね。

【もっと詳しく知りたい方はこちらの記事へ】
【3分で分かる】フレックスタイム制度のメリットとデメリット

フレックスタイム制度の導入に必要な手続きとは

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フレックスタイムの導入を実現するために、次の2つの要件を満たす必要があります。

  • フレックスタイムを導入する旨を就業規則等に規定する
  • 具体的な事項に関して労使協定を締結する

就業規則等の規定

フレックスタイム制度を導入するには、就業規則に「始業・終業時刻を労働者の自主決定に委ねること」と規定する必要があります。

注意すべき点は、フレックスタイム制度において、始業時間だけあるいは終業時間だけを労働者に委ねることは不適だということです。必ず両方の時刻を労働者の決定に委ねなければなりません。これらを規定したのち、所轄の労働基準監督署に届け出が必要です

労使協定を締結する

労使協定では、フレックスタイム制度の基本的な枠組みについて次のように定めていきます。

1.対象となる労働者の範囲

全労働者、○○課に所属する者、本社の事務員など様々な範囲が考えられます。

2.清算期間

清算期間に関しては「期間の長さ」と「起算日」の両方を定めなければなりません。期間の長さは1か月以内であればよいので、1週間単位など任意に定めることが可能です。

3.清算期間における総労働時間

清算期間内に労働しなければならない時間を定めます。この時間を平均した1週間の労働時間は、法定労働時間と同じかそれより少なくなければならないことに注意してください。
法定労働時間が40時間/週の場合、清算期間における総労働時間は次の「法定労働時間の総枠」以下にする必要があります。

<清算期間>  <法定労働時間の総枠>
31日       177.1時間
30日       171.4時間
29日       165.7時間
28日       160.0時間
7日        40.0時間

労働時間が上記の時間を超える場合、時間外労働として取り扱われます。

※特例事業場(商業、映画・演劇、保健衛生業、接客娯楽業で10人未満の事業場)は、法定労働時間が週44時間なので、「週40時間」をすべて「週44時間」と読み替えて計算します。

4.標準となる1日の労働時間

定めた総労働時間を清算期間における所定労働日数で割ったものを記載します。労働者が有給休暇を取得した場合、ここで定めた時間を労働したものとして取り扱われます。

5.コアタイムとフレキシブルタイム

コアタイムを設ける場合はその開始時刻と終了時刻を定める必要があります。

なお、労使協定に関しては届け出をする必要はありません。

【もっと詳しく知りたい方はこちらの記事へ】
フレックスタイム制度を導入する際に知っておきたい条件とは

フレックスタイム制度の残業代や労働時間の計算方法

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この章は、社員の給料に関わってくるので、フレックスタイム制度を導入する為にも詳しく理解をしておく必要があるでしょう。

残業時間の考え方

フレックスタイム制における残業時間とは、清算期間内で総労働時間が超過した分を指します。超過分が法定労働時間内であれば法定時間内残業となり、法定労働時間を超えた分は法定時間外残業の対象です。

そのため、総労働時間を超える分に対しては残業代を支払う必要があります。また、超過した労働時間を、次の精算期間に繰り越すことはできません。必ず当月に残業代として清算する必要があります。

総労働時間が不足した場合の考え方

清算期間内での総労働時間が不足した場合、2つの方法で調整をします。

1.不足分を次月に繰り越す

不足した労働時間分を次月に繰り越すことで調整します。
たとえば、今月10時間不足した場合は、次月の総労働時間に+10時間の労働時間を追加することが可能です。この場合、実際の労働時間が不足していますが、清算期間内の総労働時間分の給料を当人に支払う必要があります

しかし、繰り越せる労働時間は、翌月における労働時間の合計が法定労働時間内までと規定されています。法定労働時間を超過してしまう場合は、下記の方法を使って調整します。

2.不足分の給料をカットする

文字通り労働時間不足分の給料をカットして調整します。たとえば、今月10時間不足した場合は、10時間分の給料の削減です。

また、不足分の繰り越しとの複合的な調整も可能です。法定労働時間を超過しない時間分だけ繰り越し、法定労働時間を超過する分のみ給料を削減します。

【もっと詳しく知りたい方はこちらの記事へ】
フレックス制度の仕組みが分かる|残業と労働時間の計算とは

フレックスタイム制度の導入が適している職種とは

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フレックスタイム制の導入のためにはその職種がフレックスタイム制に適しているのか、良い効果を生むのかを考察する必要があります。

フレックスタイム制度の導入が適している職種

個人での業務、技術的な業務が中心となっている職種はフレックスタイム制の導入に適しているでしょう。連携する人、企業が増えるほどフレックスタイム制を導入するのは難しくなってきます。

そのため、個人での業務が多いことや仕事の割り振りが明確であることがフレックスタイム制を導入したほうがいい職種であるといえます。

フレックスタイム制度の導入が適していない職種

逆にフレックスタイム制の導入が適していない職種を考えてみましょう。先ほどのデメリットにあるように、「他の部署や企業との連携が多い職種」、また「営業職」などは相手先の勤務時間などが大きく影響するため、導入に適していないかもしれません。

個人での仕事ではなく、複数人でチームを組んでひとつのプロジェクトにとりかかる場合に『フレックスタイム制度』を導入してしまうと、そのチームの中で誰かが朝、誰かが夜出社してそれぞれが仕事をすることになりかねないので、仕事の進むペースは下がってしまいます。

そのため現在の日本の多くの会社ではフレックスタイム制度の導入をしているにもかかわらず、残業など多くの課題が出てきているのかもしれません。

【もっと詳しく知りたい方はこちらの記事へ】
フレックス制度の仕組みが分かる|残業と労働時間の計算とは

最後に

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いかがでしたでしょうか?

フレックスタイム制度に関してたくさんご紹介しました。社員は会社の働き方に従うのが普通だと考えられていた時代から、社員のライフスタイルにあわせて働き方を提供しなければいけない時代になってきています。

これからの時代に会社の業績を伸ばしていくには、フレックスタイム制度という働き方が必要になってくるのではないでしょうか。

各企業がどのようにしてフレックスタイム制度を活用しているのかを参考にした上で、今後の導入を考えてみるのも大事になってくると思います。フレックスタイム制度を導入した企業の成功事例をまとめた記事もあるので、気になる方は是非読んでみてください。

これから、社員が働きやすい環境をつくるためや、いい人材を手に入れるためにも人事まわりの業務をされるのであればフレックスタイム制度が企業のためになるように導入を考えることが必要なのだと考えます。

(監修:社会保険労務士 石原 昌洋)

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