HR NOTE [HRノート]コンテンツ人事管理「もはや時代遅れ?」と感じた会社のルール・人事制度を考えてみる

「もはや時代遅れ?」と感じた会社のルール・人事制度を考えてみる

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こんにちは!Ad Libitum代表の松永 大輝です。
 
IT化により世の中にはどんどん便利なサービスが流通する一方、自社の中を見回してみると「これってもう時代遅れだよなぁ・・・」と感じる制度があるという方は少なくないのではないでしょうか。人事サービスも様々なものがIT化・クラウド化していく中で、こうした旧態依然として残っている古い制度・社内ルールは人事部門だけでなく全社的な業務の効率化を妨げる要因にもなりかねません。そこで、今回の記事では多くの会社にありがちな古い社内ルールや人事制度などについてご紹介していきたいと思います。
 
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社内ルール・人事制度編

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欠勤、休暇届

病気で会社を休んだとき、有給休暇を利用するときなどに未だに紙ベースの「欠勤届・休暇届」の提出を義務付けている企業があります。すでに多くの企業で勤怠管理はシステムが導入されているにも関わらず、わざわざどうして紙ベースで届出書を提出する必要があるのでしょうか。(会社によってはその届出書に関係部門長の捺印が必要な場合もあります。)
 
人事考課などのために欠勤数やその理由を把握したいから、というニーズもあるのかもしれませんが、それも恐らく導入されている勤怠管理のシステムで代用可能なことが多いでしょう。   
 
また、休暇届については有給休暇利用時に「休暇取得の理由」を記載する欄が設けられていることが多いものですが、そもそも従業員が年次有給休暇を取得するにあたり、会社に理由を申し出なければならない義務はありません。(裏返して言えば、会社には従業員の休暇取得理由を把握する権利はないということになります。)これらの届出書はもはや形骸化しており、多くの企業ではすでに既存の勤怠管理システムで代用するかもしくは届出自体を廃止しても良いのではないでしょうか。
 
 

身上異動届

住所が変わったとき、結婚によって氏名が変わったときなど「身上異動届」としてやはり紙ベースの書類提出を求める企業は多いものです。
 
ただ、この届出書を受け取った人事部門の多くはこの書類に記載されたデータを人事システムに手入力し、各種の手続きをおこなっています。だったら届出書は廃止し、最初から身上異動があった従業員本人が人事システムにアクセスし、変更後の情報を入力するとともに申請を行うというワークフローに変更した方が効率的と言えるのではないでしょうか。
 
 

社員旅行

会社によって賛否の分かれるところでしょうが、社員旅行という制度も古い人事制度の1つであると筆者は考えます。
 
目的としては「福利厚生のため」「社員同士の交流を深めるため」など様々な目的があるのでしょうが、果たして社員旅行によってその目的は達成されているのでしょうか。本来であれば目的にあった成果が出たのかどうか効果測定を実施すべきでしょうが、とは言え社員旅行に効果測定を行うのは難しく、また毎年恒例行事であることから惰性で残ったままになっている会社も少なくないのではないかと考えられます。
 
こう言うと、「若手社員が社員旅行の幹事をすることによって段取り能力や調整能力が磨かれるのだ」とお考えになる方もいるでしょうが、それは別に必ずしも社員旅行である必要はなく、本業や研修の中であっても磨くことができるのではないでしょうか。
 
 

副業禁止規定

まだまだ従業員の副業を「禁止」としている企業は多いですが、実際のところ会社は原則として従業員の就業時間以外の時間について口出しする権利を持ちませんから、実は副業禁止規定は法的な拘束力を持ちません。(自社の機密情報を不正に持ち出して同業他社で副業を行うようなケースなら別ですが)
 
場合によっては副業先で得たスキルや人脈が本業で生きる場合もあるでしょうから、むしろ積極的に副業を推奨するという施作が社内の活性化に繋がる、という考え方もできます。(もちろん、本業に支障のない範囲内で、という制限付きですが)
 
 

事業場外みなし労働時間制度

特に営業社員に多く適用される制度ですが、これは要するに「社外での業務は実態が把握できないから所定の労働時間働いたものとみなしてしまおう」という制度です。未だに労働基準法に残っている合法な制度ですが、この制度は大前提として「労働時間の算定が困難な場合」に導入できるものです。
 
よって、スマートフォンなどでどこにいようと常時連絡を取ることのできる2017年現在、単に社外勤務だからという理由で「事業場外みなし労働時間制度」を導入するのは労務リスクが非常に高いと言えます。(ちなみにこの制度自体、まだ携帯電話すらほとんど普及していなかった時代に設けられた古い制度です。)
 
 

手当編

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家族手当

扶養している家族の人数ごとに一定の家族手当を支給している会社は多いものです。ただ、よくよく考えてみると同じ仕事をしているのにどうして「家族を扶養しているから」という理由で給与が高くなるのでしょうか。
 
確かに家族を扶養すると生活費が増えることは確かでしょうが、それは個人の事情であってその社員のパフォーマンスとは何の関係性もありません。家族手当は福利厚生の一環として設けられた制度なのかもしれませんが、「同一労働・同一賃金」が叫ばれる昨今、扶養親族がいるという理由だけで給与額が高くなるというのはもはや時代遅れなのかもしれません。

 
 

通勤手当

税法上、一定の非課税枠があることからほぼ全額が社員に対して支給されていることの多い通勤手当ですが、実は労働基準法ではこの支給を必ずしも企業に義務付けていません。つまり通勤手当というのは労使慣行で多くの企業が支給しているのが実態ですが、支払わなくても全く問題ない手当なのです。
 
それにも関わらず、多くの企業が「交通費全額支給」としていると、働く個人としては会社が通勤のための費用を全て払ってくれるのですから住居費・生活費の安い郊外へ居住するインセンティブが働きます。結果として(非課税であるとは言え)通勤手当の負担上昇につながりますし、長時間通勤の疲労から生産性の低下につながっているかもしれません。
  
企業によっては通勤手当をあえて支給せず、職住近接を推奨するためオフィスから一定距離内に居住する従業員に住宅手当の増額をすることでワークライフバランスの向上を図っているところもあります。また、近年ではテレワークなど在宅勤務の導入も増えていることから、「移動」に関して会社が負担すべきコストが果たして適正なのか見極める必要があるのではないでしょうか。
 
 

まとめ

 
以上、ここまで時代遅れに感じる社内ルールや人事制度などについて私の見解をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
 
「そう言えば自社にもあるなぁ・・・」と感心している場合ではありません。こうした古い制度やルールが旧態依然として残っており、それが業務効率化のボトルネックになっているような場合、その状況を変革することができるのは人事の方々です。貴社内を「変革」するために、この記事が少しでも参考になれば幸いです。
 
 

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松永 大輝

松永 大輝

早稲田大学教育学部卒。在学中に社労士試験に合格し、大手社労士法人に新卒入社。上場企業からベンチャー企業まで約10社ほどの顧問先を担当。その後、IT系のベンチャー企業にて、採用・労務など人事業務全般を担当。並行して、大手通信教育学校の社労士講座講師として講義サポートやテキスト執筆・校正などにも従事。現在は保有資格(社会保険労務士、AFP、産業カウンセラー)を活かしフリーランスの人事として複数の企業様のサポートをする傍ら、講師、Webライターなど幅広く活動中。Ad Libitumの代表を務める。
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