副業容認、解禁に関して気をつけたい3つのポイント

こんにちは、社会保険労務士の近藤由香です。

2016年の末に、日経新聞の一面で副業について政府が副業を後押しするという記事が出ました。
今まで副業は禁止の企業が多かったのですが、働き方改革として副業を認める方向に世の中が動いているようです。企業ではサイボウズやロート製薬が副業解禁、容認というニュースが、取り上げられました。

ただ、安易に副業解禁にすることによってデメリットも発生します。
そこで今回は、副業容認、解禁に関して気をつけたいポイントをまとめて紹介します。

副業容認、解禁の3つの注意点

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副業の労務管理としての注意点、懸念点をまとめると、大きく3つあります。

  • 1.長時間労働で本業に支障をきたすのではないか
  • 2.情報漏えいにつながるのではないか
  • 3.労災の認定はどちらになるのか

 

それでは、これらに関して詳しく説明していきたいと思います。

1.長時間労働につながり本業に支障が出るのではないか

本業で1日働いた後、副業先で勤務するとなると、一般的には深夜まで働くケースを思い浮かべます。その場合は確かに長時間労働になり、どんなに元気な社員であってもそれがずっと続くようですと疲弊し、本業での業務に支障が出かねません。

もともと人間は起床後15時間経過すると、酔っ払い運転と同じ程度の能力低下の状態という実験結果もあります。また、深夜まで働くということは、睡眠時間が削られることになります。睡眠時間が削られるということは、メンタルヘルス疾患につながることは周知の事実です。この点からは、副業を許可制、または本業に支障がきたすようなら副業を停止することを指導し、許可自体を取り消すことをあらかじめ本人と合意しておくことが有効です。

2.副業で情報漏えいにつながるのではないか?

次に言われるのが、情報漏えいにつながるのではないかという懸念です。この「情報」というのは、以下の2つに分かれます。

  • 顧客データや本業の会社の事情、社員情報
  • 本人が持っているスキル

そもそも、顧客情報や本業の会社情報、社員情報というのは、副業をしてもしなくても本来守秘義があるものですが、副業をすることで漏えいの機会(リスク)が増えるのではないかという心配があります。それとあわせて、本人のスキルが流出しないためには、競合他社での副業を禁止する、許可しないなどの対策は取ることができるでしょう。

3.労災の認定はどちらになるのか

労災の認定がどちらになるのかも、慎重に検討しなくてはなりません。副業先で指を怪我した等の分かりやすい労災事故は問題になりにくいですが、懸念するのはメンタルヘルス疾患での労災です。

目に見えない原因であることが多いため、その認定が副業先なのか本業なのかは慎重に判断されることになります。具体的には、本人が「こんな出来事のせいだ」という申告に基づき、その事実があったのかを見ていくことになるでしょうし、労災は労働時間が判断基準になるケースが多く、まず労働時間が多い会社(一般的には本業の会社)の状況はどうだったのかを確認することになるでしょう。
ということは、メンタルヘルス疾患での労災の場合、副業先でも本業でも労災のリスクを抱えていることになります。

最後に

いかがでしたでしょうか。

いくつか副業に関する課題点を見てきました。
長い目で見ると、日本の人口はこのまま何もしないと2100年には約半分になるという予測もあります。そして2017年の今年から、1947年前後に生まれた団塊世代の70歳突入時代が始まります。70歳というのは、介護の可能性が高まる年代です。今40歳前後の団塊ジュニアたちは、実は介護が急激に始まる前の嵐の前の静けさという状況です。

これらの日本の状況を考えると、今までの仕事の仕方、働き方、考え方を変える時期が来ているのではないでしょうか。副業は「副業」ではなく、「複業(パラレルワーク)」という考えに、シフトする時ではないでしょうか。

 

 

 

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