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ボーナスにかかる社会保険料の計算方法とは?計算例や注意点をご紹介

ボーナスからも社会保険料を控除しなければいけないことはご存じでしょうか?きちんと給与明細を眺めて総支給額からどのような項目がいくらぐらい控除されているのかをご自身の中で精査しなければなりません。そうすると、浮かび上がってくる社会保険料が結構な額で控除されていることに気が付くでしょう。

今回は、ボーナスにおける社会保険料についてご紹介いたします。

賞与にも社会保険料がかかるのはなぜか

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結論からいえば、法律が賞与からも社会保険料を控除するようになっているからです。もともと賞与には、社会保険料は一律1%しか掛かっていませんでした。つまり、年収が同一であり、保険料負担という点でみると、ボーナスに対して一律1%ということは金額の多い方は負担が軽くて、少ない方は負担が重くなります。この制度を利用して支給する企業側では、暗黙の了解として月額の給与ベースを抑えて、その分を賞与で還元するというような手法を用いているところが多かったのです。

そうすることで、個人側というよりは事業主側が社会保険料の負担を軽減できました。

1.上述のような不公平感を解消する観点から総報酬制の導入

平成15年度以降に総報酬制が導入されることになりました。
総報酬制とは、従来までほぼ毎月の給与からのみ徴収していた社会保険料を、ボーナスからも同じように徴収する仕組みになることを意味しています。

ここで、賞与に対しても導入前の一律1%ではなく、標準報酬月額を基準として保険料率を掛けて保険料を負担することになりました。従って、賞与の額に応じて負担割合も多くなるようなしくみになってきたということなのです。

2.どの種類の社会保険から控除されるのか。

健康保険料介護保険料(40歳以上~65歳未満)・厚生年金保険料が控除されるのです。ボーナスの総支給額から控除をしていくことになります。

賞与支給の際の手続き

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賞与を支給した場合は、事業主は賞与支給日を起算日として5日以内に賞与支払届を管轄する年金事務所と健康保険組合に提出しなければなりません。また、賞与の支払いがなかった場合でも賞与支払届総括表で不支給と記載して届けなければなりません。

社会保険の計算はどうするのか、気を付けるべきこととは

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賞与に関する社会保険の計算方法とは

賞与額から1,000円未満の端数を切り捨てた額(標準賞与額)に保険料率を乗じた額となります。

保険料率

たとえば、東京都にある株式会社Aは、平成29年4月に従業員Bさん(25歳)に賞与を20万円支払いました。その時の社会保険料の算出根拠は上記の条件を当てはめると以下の通りです。

健康保険料:20万円×9.91%×1/2=9,910円
厚生年金保険料:20万円×18.182%×1/2=18,182円
介護保険料:40歳以下のため徴収対象外

これらを全て足し合わせることで社会保険料を算出することができます。
よって、従業員Bさんが負担するボーナスにかかる社会保険料は、

①+②+③=28,092円

と、なります。

その際に気をつけるべきこととは?

標準賞与額の上限については、健康保険は年間573万円(毎年4月1日~翌年3月31日までの累計額)となり、厚生年金保険は月間150万円となります。

また、社会保険の対象となる賞与は、賃金、給料、手当、賞与その他、現物支給等のいかなる名称であるかを問わず、労働の対象として支給されるもののち、年3回以下の支給のものをいいます。但し、結婚祝金や見舞金などの労働の対価でないものは対象外です。年4回以上支給されるものは賞与として取り扱わず、標準報酬月額の対象とされます。

まとめ

総報酬制が導入されてから約14年目を迎えています。その間、保険料率の改定等で個人負担額及び事業主負担額も増加の一途をたどってきました。それは、健康保険料の料率の改定や厚生年金保険料の平成29年9月まで段階的に保険料率が上がり続ける法律が根拠となっています。ただ、マイナスばかりではなく給付面では、賞与額も厚生年金の給付額に反映する形となりました。

しかしながら、保険料率の引き上げにより労使ともに負担が増えていることは確かです。今では、ボーナス時の社会保険料が賞与額の約15%にも達している事実を知っておかなければいけません。事業主及び人事として知っておかなければいけない社会保険料率をきちんと理解できるようにしましょう。

(監修:社会保険労務士 石原 昌洋)

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