新卒採用の手引き|はじめて採用担当になったら読むノウハウまとめ

現在、新卒採用を実施しようと思っても、一朝一夕には成功しないのが実情です。求職者よりも求人が多い中、しっかりと戦略を練り、事前準備をしながら進めなければいけません。

新卒採用の流れをつかんで、具体的な取り組みのコツを実践に取り入れることで、新卒採用の効果を最大限に高めていくことができるでしょう。

今回は、新卒採用で使えるノウハウを新卒採用全体の流れの解説と合わせてご紹介します。

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1.新卒採用の採用スケジュール

まず、新卒採用の一般的な流れの基準やポイントとなる点をご紹介します。

1.1 経団連の方針

いわゆる新卒採用や就職活動のスケジュールを制定しているのが経団連です。

「採用選考に関する指針」の中で、広報(求人情報の公開)、選考、インターンシップや内定を出すべき時期の一定ルールが提示されています。毎年変更検討がされていますが、2019年卒は、直近年からの大きな変更はありませんでした。業務研修を伴わない、採用目的に傾いた短期インターンシップを行なわないとの要請も出されています。

「採用選考に関する指針」

  • 広報活動 : 卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
  • 選考活動 : 卒業・修了年度の6月1日以降
  • 正式内定日:卒業・修了年度の10月1日以降

参考▶︎http://www.keidanren.or.jp/policy/2017/030.html

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1.2 企業側の流れ

経団連の掲げる方針を受け、新卒採用市場には一定のスケジュールの流れが存在しています。

ただ、人材不足、売り手市場が続く昨今、企業の人材の争奪戦は激化の一途をたどっています。どこよりも早く、多く優秀な人材にアプローチしたいというのが企業の本音ですね。経団連の提示する一定スケジュールだけでは人材確保ができない企業が増えているのが実情です。

また、そのアプローチの手法やツールも多様化してきていて、「できる限りの手を尽くして自社に合う採用活動を行ないたい」と考える企業も少なくありません。

経団連の方針には法的効力もなく、規制も順守も難しくなっていると指摘され始めているようです。

1.3 学生側の流れ

一般の新卒生は、毎年の就活スケジュールの流れに沿って就職活動を進めます。

しかし、「ここで働きたい」という企業ありきの就職ですから、その企業の採用スケジュールに沿った就職活動になります。

企業が就活ナビや自社サイトなどで発信する企業説明会、インターシップには積極的な参加傾向が見られます。また、情報収集として、OB・OG訪問や、就活イベントに足を運ぶ学生も少なくありません。経団連が打ち出すスケジュールを基準にしつつも、募集企業が早期・短期の採用スケジュールを組む傾向が高まっているため、各メディアのアドバイスに学生側も奔放され気味というのが実情かもしれません。

1.4 グローバル新卒人材に着目

日本は少子化の影響も大きく、国内の新卒生だけでは優秀な人材の採用、目標人数確保が難しくなってきています。

そのため、新卒ターゲットの対象枠を広げる動きもあります。国内に留学している外国人留学生、海外に留学している日本人留学生、そして海外の外国人新卒生も視野に入れた採用です。

この場合、日本の一般的な一括採用スケジュールのままでは、各国の卒業シーズンや、就職への価値観に沿うことが難しく、ターゲット人材の状況に合わせた採用計画が必要になります。

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2.新卒採用でつかえるノウハウを一挙にご紹介!

では、新卒採用においてどのようなノウハウがあるのか、採用設計、母集団形成、選考、内定後の4つのフローに分けてご説明します。

2.1 採用設計におけるノウハウ

採用設計は、採用活動の要として行うべき、採用成果を左右する重要なフェーズです。

必要となる主な項目について確認していきます。

評価項目設計

スキル評価の面だけでなく、人物像評価の部分も明確に設計します。できるだけ細かく具体的なものとし、チェック項目や数値で評価できるようにしておくことをおすすめします。内容は、自社理念や採用目的、各部署などの意見を十分に配慮して、【①必須項目】と、あればなお良いという【②希望項目】に分けておくといいでしょう。求める人物像の行動特性を、採用に関わるすべての担当者で共通認識としておくことが大切です。

採用の予算取り

採用活動は、各段階でさまざまな経費が発生します。計画段階では、目標人数や期間、活動内容に応じて暫定値を取っておく必要があります。

全体像をしっかりと把握し、全体に掛かる予算と、個別に掛かる予算を見極めておくことが大切です。就活ナビなどの各メディアへの掲載料、採用コンテンツの制作料、パンフレットや資料の制作料、採用システム契約料などがあります。アウトソーシング活用費などもここで設定します。個別には、面接への交通費、採用活動スタッフの交通費、飲食費、宿泊費などが含まれてくるでしょう。

企業により予算設計の仕方は様々ですが、全体予算は、前年度の1人あたりの採用単価(全体でかかった予算÷採用人数)を割り出し、当年度の採用予定人数に掛け合わせる算出方法が一般的です。

採用活動の人員手配

母集団形成に関わるスタッフ、説明会や企業セミナーの実施、応募後のスクリーニングや面接などの担当者や必要なスタッフ人員を把握します。大幅に配置人数がずれてしまうと選考の進捗が滞ってしまい、機会損失につながります。

新卒活動では、忙しくなる繁忙期と閑散期の差が大きいため、グランドオープン直後、面接選考時期などは、とくに不足のないように設計したいですね。母集団形成の段階においては、人事以外の部署の協力が必要な場合には、各人のスケジュール調整をスムーズにするためにも早めの要請は必須です。

採用スケジュールの策定

新卒採用においては、就活ナビ・人材紹介・就活イベント出展・スカウティングサービス・インターンシップなど、さまざまな手法があります。自社がどの手法を活用し、その開始はいつで、どのくらいの期間をかけるかを策定します。そのあとのステップは何かまで明確にスケジュール化しておくことが大切です。自社都合だけでなく、大学の行事など学生スケジュールにも気を配る必要があります。

最近は、募集する職種によって採用フローを工夫していたり、接触時期・接触場所により採用ステップに差異があったりと、採用スケジュールが五月雨のように組まれている企業も少なくありません。

他社との差別化・自社の魅力

新卒採用では、求人内容をはじめとしてさまざまな情報発信の機会があるかと思います。

自社サイトの新卒用の特設ページ、就活ナビの企業紹介などあらゆるコンテンツの内容を自社の魅力が伝わる内容にすることが大切です。そのためには、自社が求める学生の趣向リサーチも欠かせません。また、他の企業との差別化を図ることも重要です。

2.2 母集団形成におけるノウハウ

自社に興味を持ち、自社の求人募集に応募してくれる母集団を形成することは、新卒採用でも大きな課題のひとつです。重要なのは、「どれだけ多くの学生を集めるか」ではなく、「自社が欲しい人材をどれだけ集めるか」です。この1点に注力し「自社に合う方法」で活動していくことが採用担当には求められます。

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就活ナビを活用する

就活ナビは、多くの企業が掲載し、学生の活用度も高いツールです。使い方によっては、最も多くの学生へ一斉アプローチができ、自社露出を高めることができるため、就活ナビを通して学生のエントリーを集めることができます。

このエントリーをきっかけに、コンタクトを取り続け、説明会や選考参加などへ直接接触ができるよう誘導を図ります。知名度のある企業であれば、自社サイトでの求人公開も可能でしょう。

学生の多くがこの流れを認識しているため、学生の目に留まれば有効性は高いと思われます。自社の特徴、業務内容と求める人物像、学生の特性に合わせたサイトを活用すれば効率的な母集団形成ができるでしょう。

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就活イベント(合同企業説明会)への出展

学生と直接会える就活イベントでは、企業認知の向上や企業の特色をより詳しく知ってもらうことに関してとても有効的です。そこで出会った学生とコンタクトを取り付けることで選考応募に導いていきます。直接の接点で、学生の信頼度も高められるため、ターゲットとなる学生と出会えれば、歩留まりの高い母集団形成ができるでしょう。

大学と接点を作る

母集団形成の手法としては、大学に直接出向いての会社説明会やセミナー、ワークショップを開催するという方法もあります。ターゲットとしている人材の専攻や専門性が絞られているような場合には、対象大学がある程度しぼられるため、特に有効でしょう。

キャリアセンターへアプローチしたり、訪問したりすることも一般的ですが、今後長く続く大学との連携を考えるのであれば、特定の学科やゼミなどを教える教授と直接連絡が取れるよう、社員とも連携を取りながら進められるとより効果的です。

SNSで接点の醸成

上記でご紹介したような方法で学生と出会い、その後の直接接触、選考応募につなげるのに有効なのがSNSの活用です。

現代の学生は、かしこまったメールのやり取りよりも、FacebookやLINE、チャットツールなどでのやり取りを好むようです。連絡にしても、企業の情報発信にしても双方でより気軽につながれる点がメリットのようです。

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2.3 選考におけるノウハウ

採用のメイン業務ともいえる選考段階です。

書類審査から面接の実施までの選考における、有効なノウハウをご紹介します。

求める人材要件に沿った選考

新卒で入社する人材は職務経験がなく、人間的な要素や資質、いわゆるポテンシャルで見極めることが多くなります。複数の担当者で選考にあたる場合でも、客観的に判断することが求められます。このときに指針となるのが最初に設定する人物要件(求める人物像)です。「こういうときは、こういう対応のできる人」「こんなことがあれば、このような考え方のできる人」などの行動特性を細かに共有しておくことで、各担当者の主観的判断を最低限にできるでしょう。面接選考などの質問は、ある程度の内容まで決めておくことをおすすめします。

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再現性を見極める

経験の中での実績や結果を示すことがなかなか難しい新卒候補者には、プライベートや学生生活を含めた今までの経験を語ってもらい適性や資質をつかんでいきます。複数の質問、深掘り質問の中で、共通したものを見極めましょう。

たとえば、能動的なのか受動的なのか、一般的なのか独創的か、自己評価の度合いも見えてくるでしょう。個人プレーが得意かチームワーク派かという点もわかってくると思います。将来的に再現されると思われる特性が自社の人物像にマッチしているかが見極め時の大切な要素です。

面接官の注意事項の徹底

複数の面接官であたる場合は、教育やトレーニングを徹底して意識の統一化を図っておくことが大切です。評価基準を共有することのメリットは、無駄な対話を削ぎ落すことにも有効なので、面接を効率化することにも役立ちます。

また、面接での雰囲気作りやタブーになる質問についてはメンバーの誰もが十分に配慮する必要があるでしょう。

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2.4 内定後フォローにおけるノウハウ

売り手市場の昨今の新卒採用では、内定を出した後のフォローは欠かせないものとなっています。

内定辞退を阻止するためだけでなく、新卒内定者の入社までの不安の緩和やモチベーションアップにも役立つ工程です。

内定者と企業の信頼関係の構築

とくに必要となってくるのは、採用担当者が定期・不定期でコンタクトを取っていくことです。

何気ない近況うかがいから、企業の情報提供などをきっかけにして、いつでも質問や相談のしやすい間柄になることを目指します。内定者の不安の緩和になるだけでなく、入社してからの相談先としても機能するので、早期離職の防止策にもなりえます。

可能な内定者には、自社社員との交流の持てる機会を提供することも一策かもしれません。セミナーを開いたり、人事担当者を通じて入社後に関わる社員を紹介したりします。

接点が密になるほど、入社することに対する安心感を持ってもらうことができるでしょう。

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内定者に即した情報提供

入社してから関わる業務についての資料や学習教材の提供が役に立つこともあります。

オンライン学習を提供している企業もあります。業務知識が増えるほどに業務イメージも明確になっていき、実際に入社してからの心境をよりポジティブなものにできるでしょう。

また、内定者との接点で得られた趣向や志向などの情報を熟慮して、その内定者がモチベーションを上げるような内容の情報を提供することも一策です。それが上記のような「業務を知ること」にあたる内定者もいれば、「企業のキャリアステップの事例や知り将来像を描けること」がモチベーションにつながる人もいるでしょう。

内定者に負担をかけない

内定後にさまざまなイベントを開催したり、学習資料を提供したりすることで内定の確実化を図ることは有効ですが、強制にならない範囲とすることが大切です。負担となってしまえば、逆効果になるので注意が必要です。

3.新卒採用におけるその他のノウハウ

新卒採用に役立つ手法やノウハウは他にもあります。

自社の採用状況や活動スペックに合わせて試用、導入を検討されてみてはいかがでしょうか。

3.1 インターンシップの活用

1日、2日などの短期のインターンシップを開催することで、企業認知度の向上や母集団形成に役立てている企業が増えています。受講型の説明会よりも、ユニークな内容×参加型にすることで学生の印象度も高めることができそうです。

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3.2 リクルーターの活用

採用、面接などは、企業側も学生側も、かしこまった活動になりがちです。

間にワンクッション入れる役割を果たしてくれるリクルーターを活用するのもおすすめです。社内社員からリクルーターを選定すれば、その社員の意識向上という副産物も得られるようです。

3.3 アウトソーシングの活用

求める人材要件の設定や最終的な判断などは、自社にしかできないことです。

しかし、採用業務の全体をあぶりだしてみると意外に多くの「作業」があるものです。採用活動フローの一部をアウトソーシングすることで、採用に関わる基幹業務に注力できます。新卒採用紹介や請負サービスも充実してきているので、一考されるのも一策かもしれません。

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3.4 通年採用の導入

一般的な就活スケジュールの枠に囚われず、新卒の通年採用に踏み切る企業も増えてきています。有名企業では、ソフトバンク、ユニクロ、ユニリーバ、ネスレなどがあります。

「より個性的で、自立的な人材を確保したい」「採用競争から外れてじっくり選考ができる」「留学や海外の経験のある人材の確保」「就活スケジュールに囚われず独自の経験を積んだ人材に出会いたい」など各社の目的やメリットはさまざまです。一括採用でなくその時々で対応するため、コストが割高になるデメリットも踏まえつつ、検討することも採用手法を広げることにつながります。

3.5 リファラルの活用

既存社員に新卒学生を紹介してもらうリファラル採用も盛んになっているようです。母校というつながりをツテに新卒人材にアプローチしてもらったり、サークルや知人を通して紹介してもらったりという可能性が見込めるでしょう。

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まとめ

新卒採用の一般的な流れから、採用活動中のノウハウやコツをお伝えしてきました。

さまざまな方法がありますが、自社の採用方針やフローに適した方法を選択していくことが重要になります。設計段階で自社採用の全体を把握し、採用成果の高い方法で進めていきましょう。

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