入社6ヶ月目に注目!フォローアップ面談により勤続年数が2.3倍に改善した話

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こんにちは!編集長の根本です。
 
今回、ITソリューションを提供する株式会社ネクストスケープ 橋本 祐造氏にインタビューの機会をいただき、記事にまとめました。
 
橋本氏は今まで、人事・総務とバックオフィス業務全般に従事してきており、ネクストスケープ社では、「人が最大限の力を発揮できる組織をつくる」ために人事・総務・広報・社内システムといった部署の垣根を超えた『人事企画部』を立ち上げ活動されています。
 
本記事では、橋本氏がどのような経緯で人事になったのか。また、どのようなスタンスで450社の人材会社と出会い、年間6,500人の応募者を一人で対応してきたのか。さらにフォローアップ面談で社員の平均勤続年数を2.3倍に改善したその秘訣をご紹介します。
 
 

橋本さん
人物紹介:橋本 祐造(はしもと ゆうぞう)|人事企画部 部長

1978年生まれ。2002年に早稲田大学卒業後、NHKに入局。営業職として約3年間従事。その後、人材コンサルティング会社を経て、GMOインターネット株式会社にてグループ人事部として活躍。以来、いくつかの会社で人材採用の戦略や方針、実行および人材育成プログラムの策定に携わる。現在は株式会社ネクストスケープ人事企画部 部長として従事。働くモットーは「人が最大限の力を発揮することができる組織づくり、社会システムづくりに一生を通じて携わること」。

 

 

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就活をはじめる前から人事を目指すと決めていた

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-人事を目指そうと思った経緯やきっかけは何だったのでしょうか?
 
 
橋本氏:大学のときにディズニーランドでアルバイトとしてキャストをはじめたというのがそもそものきっかけです。人に笑顔や感動を生み出すというあの環境の中で4年間、徹底的に学び、体験しました。そのような環境が、純粋に素敵だなって思ったところがまずあります。
なぜそのような環境をつくることができるのかと考えたときに、私が興味関心を持ったのは仕組みの部分でした。ヒトと組織の関係性がしっかりしていて、その結果、人を笑顔にしたり、感動させたりすることができるんだなと思いました。
 
自分も社会に入ったときに、人を笑顔にしたり、感動させたりできるような仕事に就きたい、組織をつくりたいという思いが強くなりました。経営資源は「ヒト・モノ・カネ・情報」の4つあると言われていますが、モノもカネも情報も、全部ヒトがつくりだしているものだと考え、ヒトの部分にアプローチできる仕事は何かと思ったときに、人事をやろうって決めました。大学3年生の就職活動をはじめる前の段階で、もう人事をやるって決めていたんですね(笑)
 
ただ、最初の3年間は営業の仕事に就きました。なぜかというと、たまたま私の父が営業職に従事しており、営業のおもしろさを教わっていたこともあったのですが、お金を稼ぐ、利益を生み出すとはどういうことかをまず最前線で知ることによって、血の通った人事ができるのではないかとそのとき思ったんですね。
ですので、3年間は営業職に就いて、4年目から本格的に人事業務に携わるようになりました。
 
 

人事として6年間で450社の人材会社と出会い、年間で6,500人もの応募者を一人で対応

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未経験からの挑戦。人事の中で営業をしていくことを意識

 
-人事になって最初に与えられたミッションはどのようなものでしたか?
 
 
橋本氏:最初は、コールセンターのアルバイトの方を採用するというミッションでしたね。ようやく人事としてスタートしたこともあり、はじめはものすごく楽しくやらせていただいていたのですが、1ヶ月もすると徐々に慣れてきて、物足りなくなってきてしまいました(笑)。
 
そこで、私の隣のデスクの中途採用担当をしていた先輩が結構大変そうだったので、その先輩の仕事を「1案件ずつ私にやらせてください」とお願いして、自分が担当する採用案件を増やしていきました。すると、やっていて3ヵ月もしないうちに、その先輩がおこなっていた案件は全部私がやるようになっていました
 
 
-ものすごくパワフルですね(笑)。未経験で人事をおこなう中で意識したことはありますか?
 
 
橋本氏:私が当時在籍していた企業は、ベンチャー企業でありながら人事経験が豊富な方がたくさんいました。人事11年目、9年目、4年目の方など数人いて、私はその中で人事未経験でした。
 
人事経験というところでは負けますが、この中でどう生き残るかと思ったときに、私は営業の経験があったので、まず人事の中で営業するということを考えたんですね。どういうことかというと、社外の方とネットワークをいかに持つかということを心がけました。そこで、人材ビジネスと呼ばれる人材紹介会社、求人広告、派遣、アルバイト、そのような企業に片っ端から電話営業をかけていったんですね。
 
 
-どのくらいの数の企業に電話されたのですか?
 
 
橋本氏:その会社には6年いたんですけど、全部で約450社の方とお会いしました。毎日電話が鬼のように鳴って大変でした(笑)。中途採用で入社している以上は、いかに人事未経験であろうとも、やはりプロとして入社しているということなので、どうやってこの世界で生き残るか、どうやったら自分のバリューを出せるのかを常に考えていました。
 
 

450社から継続して付き合うようになった15社とは今でも深い関係性を築いている

 
-人材会社の方とお会いしたときは、どのようなことを話すのですか?
 
 
橋本氏:ほとんど最初は仕事の話はしません。まずは自分の考え方、ポリシーや志、夢、価値観、そもそもこの会社で何を成し遂げたいのか、私はあなたとどんなことをしたいのかということを話します。お互いの価値観を語り合うということを最初の1時間とにかくやります。「一緒に仕事をしてくれるんだったら、おもしろいことをやっていこう」と、そんなコミュニケーションをとっていました。
 
 
-450社すべての企業と付き合うのは難しいと思うのですが、継続的な付き合いは何社くらいだったのでしょうか?
 
 
橋本氏450社の方とお会いして、実際に継続してやり取りしたのは15社になります。その15社の方々はどういう人たちなのかというと、新卒の方もいましたし、ベテランの方もいました。それは関係なかったです。
 
厳しい状況でも柔軟に対応してくれそうかどうかが決め手だったように思います。当時は3ヵ月で700人採用というミッションがいきなりくるなど、いろいろな課題が与えられる環境でした。私は基本的に無理とは言いません。そもそもやれない問題は私の目の前に起こらないと信じています。やれるから目の前に起こっていると思っています。
 
この考えを最初に話すと多くの方が引いてしまいます。考え方が合わないのかもしれません。その中で、諦めずにどういう視点で問題を解決できるか向き合ってきてくれたのが、先程話した15人でした。今でも深い付き合いがあります。いろんな相談を受けたり、私も相談したりすることもあります。
 
 

「あのとき背中を押してくださり、ありがとうございます」その人の人生を本気で考えて面接に臨む

 
-今までどのくらいの応募者の方と面接されたのでしょうか。
 
 
橋本氏年間でみると多くて2,000人ぐらいの応募者と会っています。。職種によってばらつきはあったんですけど、100人ぐらいの応募があって、30人ぐらいが書類選考通過となり、そのうち1人を採用するといった比率だったと思います。
 
 
-2,000人だと営業日が年250日あったとして、1日で8人・・・。
 
 
橋本氏:そんな感じですね。面接来た人は全部会います。当時は、よくわからないぐらい会っていました(笑)。
 
 
-面接をしていく中で、印象的なエピソードはありますか。
 
 
橋本氏:当時は、IT業界では採用競合が大手ばかりで非常に厳しい採用環境でした。競合は高い年収でオファーをしているのですが、我々はそこまで出せないという状況が多かったです。
 
ただ、その候補者の人生を聞くかぎりだと、明らかにこちらに来たほうが幸せになれるだろうと思いつつも、なかなかその候補者が踏み切れないというときがあって、誠心誠意、その人に寄り添って話をしたんですね。どんな話をしたかというと、その人の人生について真剣にホワイトボードを使ってキャリアビジョンを一緒に考えました。「人生というのはどう働くかじゃなくて、どう生きて、どう死ぬかということです。どう最後を遂げるかというところから逆算して、じゃあ今どうあるべきなのか」というようなことを話していきました。
 
どうせ亡くなる際には1円も持っていけないので、お金は関係ないんですよね。何を成し遂げていくのかが人生の中で一番大事なことだと思っています。「そうなるためにどの会社がベストか?」ということを突き詰めていくと、「この会社で働かせてください」となり、入社いただいたケースが何人もいました。
 
そんな中、入社して1年後にちょっと呼び出されて、どうしたのかなと思ったら、「この会社に入る決断を私にさせていただいてありがとうございました。私、本当に幸せです。あのとき背中を押していただいて本当にありがとうございます」って、数人の方に言われたのは、人事をやっていてよかったなと思ったことです。
 
あとは、縁がなくて不採用となった方、50人ぐらいから感謝の手紙をいただきました。私はその候補者を不採用と決めたら、その方のその後の人生、どうやったらハッピーになれるかっていうのを一緒に考えるんですね。「人生変わりました」「生きる力をもらいました」みたいなことを手紙でいただいて、本当に嬉しくて、ありがたいことです。
 
 

「1、3、6、12」が肝!入社後フォローアップ制度で勤続年数が2.3倍に改善

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車のメンテナンスのタイミングと入社後フォローのタイミングは似ている?

 
-入社後のフォローアップに関してお伺いさせてください。
 
 
橋本氏:その当時、だいたい年間60人ぐらいの方を中途で採用していたのですが、年間で50人ぐらいの人が退職していったんですね。会社の風潮として「ベンチャーのスピード感についてこれない人はしょうがない」とか、「忙しいからなかなかフォローできない」とか、言い訳にしていたところが結構あったんですね。仕方がないところもあったと思います。
 
ただ一方で、そもそも1人1人、人生かけて面接にきてくれているし、私も命かけて採用をしています。そういう方を、単に忙しいから、フォローできないから辞めさせていく、この環境が自分の中でどうしても納得ができなくて許せなかったのです。そこで、部長、本部長、取締役関係なく、「なぜ我々が命をかけて採用をしているのに、フォローしないんだ。おかしいだろう」と、毎日のように怒鳴り込みに行っていました
 
怒鳴り込みに行って気づいたのですが、やはり聞いてみると本当に忙しいらしいのです。であれば、自分の中で時間をどうにかやりくりして、入社をしてきた方に対してフォローの時間を使いたいと思いました。どうしようかと悩んでいたら、たまたまそのとき、上司が車を買いまして、車を買った後どのようにメンテナンスのタイミングがくるのかを聞いてみたんですよ。
 
そしたらまずは納車、買う契約をしたときにいろいろなフォローを受けます。そして、納車した1ヵ月後に「点検に遊びにきませんか」みたいな感じで連絡がきます。そして3ヵ月後に「オイル交換しませんか」みたいな感じでまた連絡がくる。さらに6ヵ月後に「その後ご状況どうですか」と連絡がきて、1年後に「1年点検しませんか」っていうのがくるんですよ。
この「1、3、6、12」が、ちょうどいいタイミングで、確かにいろんなことが起こりやすい状況なんだと思います。車を購入してすごく嬉しいタイミングから、少し慣れてきた3ヵ月後、ちょっとアラが気になりだす半年後、そして一瞬買い替えを考える1年後、みたいな。
 
「このパターンは入社している人と一緒なんじゃないか」という話を上司と雑談の中でして、「中途採用のフォローアップにこの仕組みを入れてみたらどうなんだろう」っていうのをやってみたのが『入社後フォローアップ制度』で、勝手に始めてみました。
 
 

不平不満がでてくるタイミングは「6ヶ月目」

 
橋本氏:1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、12ヵ月のタイミングで、だいたい同月入社、もしくは同クォーター入社の中途社員の方々に集まってもらい、お茶とかお菓子とか食べながら、「最近どう?」みたいな話をそこでするようにしました。おもしろいことに、最初の1ヵ月目ってあまり不満が出ないんですよ。「やりたかった仕事につけてよかったです」みたいな。わりと前向きな意見が出るんです。
 
 
-とりあえず、周りがあまり見えていないため、がむしゃらに働く感じですよね。
 
 
橋本氏:そうなんです。3ヵ月間ぐらい経つと、部署や周囲の人たちの顔と名前と性格を一致させることができるようになってくるんですよ。それで6ヵ月経つじゃないですか。おもしろいことが起こるんです。ここで初めて不平不満がでてきます。ほとんどの会社がここのタイミングで不満の声を拾えないから、そのまま1年後に退職につながってしまいます。
 
ちなみに、一番最初に転職するタイミングで、いつが一番多かったかというと、1.8年で退職する人が非常に多かったんです。平均勤続年数も1.8年でした。退職者インタビューをしたときに、「どこでやめる決断をしたのか」と聞くと、「1年と1ヵ月目で決断した」とほとんどの方が答えるんですね。「そのきっかけはどこだったんですか」と聞くと、半年だったんですよ。「あの違和感がスタートでした」っていう、半年なんですね。そこのフォローをきっちり実施したおかげで、一気に退職者数が年間50人からググッと減りました。
この仕組みが非常におもしろくて、タイミングが実はすごく大事で、これ、はずしちゃだめなんですよ。1、3、5とかでもだめなんです。1、3、6なんです。
 
 
-12ヶ月目では何をするのでしょうか?
 
 
橋本氏:最初は私がおこなっていたのですが、「この1年どうだった?」という振り返りを、その人と上長と専務取締役で三者面談のようなかたちでおこなうようになりました。上長が、いかにその人がこの1年間がんばってきたのかをプレゼンテーションしてくれます。
 
最終的に、専務取締役から「経営サイドとしても君のがんばりはいつも見てるよ、これからも一緒にがんばろうよ」って伝えると、その1年1ヵ月の壁を越えて、さらに仕事に励んでくれるようになりました。
 
 

入社前から社員の顔を見てきているのは人事。社員の変化を常にチェックしていく

 
-面談する人の中には、言いたいことを言わずに溜め込んで、表にはださずにそのまま退職してしまう方もいるのではないでしょうか。そこをどうキャッチアップしていくのでしょうか。
 
 
橋本氏:キャッチアップは2つ方法があります。
1つは面談のときに、いかに話しやすい環境を作るかです。あとこれは若干スキルとかテクニックもあるんですけど、表情や肩の位置、目の力、顔の緊張の度合い、それを見れば本音で話しているかどうかっていうのは、人事の人だったらわかりますね。
 
 
-それ、怖いですね(笑)。
 
 
橋本氏:しかも、「本音で言ってないでしょう」という聞き方をしないで、「まだ思ってることあるでしょ?わかってるよ」みたいな。そこで、なぜわかっているのかをちゃんと伝えてあげるんです。なんでそれが言えるかというと、ここがポイントなんですけど、入社する前の受付にいる段階から唯一顔を知っているのは人事の採用担当だけだからです。ずっと見てるんですよ。
 
あと、日頃から顔をよく見るようにしています。上司に起こられたときとか、仕事がうまくいかないときとか、ちょっと仕事で疲れてるとき、残業してるときの顔、朝部屋に入ってきたときの顔、すごいよく見てますね。ここは絶対人事としてやらなきゃいけないところだと思います。顔をよく見る。そういうのをやっていかないと、適切なフォローアップはできないと思っています。
 
 
-そこまでされたら「実は・・・」って言わざるをえないですね。本音を引き出してからはどのようにフォローされるのですか?
 
 
橋本氏:そこで不満が出たことは基本的には3営業日以内には必ず解決するようにしています。解決できないときは進捗報告をするって決めてやっていました。だいたいでてくる話って実はたいしたことないんですよ。ちょっとこれをこうしてほしいとか、そんな程度なんですね。ただ、みんな忙しくてできてないんですよ。だからそれをやっちゃえばいいだけなんで。
 
「対応完了しました。やりました」ってその人に連絡するじゃないですか。そのときに、同期入社の人たちにもCCでメールを送るんですよ。そうすると「言ったら会社ってこんなに動いてくれるんだ」と思ってくれるんですよね。するとだんだん言ってくれる環境ができてくるんです。
 
 
-なるほど。その結果として勤続年数に変化はあったのでしょうか?
 
 
橋本氏:なんと、平均勤続年数が4.2年に伸びたんです。フォローアップ面談を実施したときからぐーっと伸びて、全然人がやめなくなりました。

 
 

おわりに

 
いかがでしたでしょうか。
 
橋本さんは人事として幅広いご経験をされていますが、人材会社とパートナー以上の存在として関わり、求職者とは本気でその人の人生を考えて面接をされている、人事に対して熱い想いや信念を持って活動しています。
また、フォローアップ面談に関して、「1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、12ヵ月のタイミング」でフォローを実施する方法は、参考となった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 
橋本氏のインタビュー記事に関しては、近日中に後編の記事を公開する予定です
後編では、人事ではなく総務でおこなってきた「総務を『コストセンター』ではなく、『バリューアップセンター』にするための取り組み」や、ネクストスケープ社で『人事企画部』を発足し、現在取り組まれていること、今後成し遂げていきたいことなどをご紹介できればと思います。
 
 
【後編に続く】
※後編の記事は近日公開予定です。
 

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根本 慎吾

根本 慎吾

人材サービス、Web広告の営業を経て、HR NOTE編集部にて活動。 人事領域に携わる方々が『最先端人事』となるために役立てるメディアとなれるよう盛り上げていければと考えています。 趣味は読書(漫画中心)、スポーツ観戦、ツーリング。最近は音楽フェスにも参戦。
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