「GRIT」とは何か?成功者に共通するのは「才能」じゃなく「やりぬく力」

突然ですが「GRIT」という言葉を聞いたことはありますか?
起業家、ビジネスマン、アスリート、アーティスト、学者。様々な分野で多大な成果を上げた「成功者」に共通するのがこの「GRIT」であると、今非常に注目を集めている能力です。最初に言ってしまうと、このGRITとは日本語で「やり抜く力」と紹介されることが多いのですが、それだけだと少し曖昧。ということで、今回はこのGRITについて解説していきたいと思います。
 

そもそもGRIT =「やり抜く力」とは?

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GRITという言葉自体は真新しいものではありませんが、なぜ今改めて注目を集めているのか。その理由の1つに、アンジェラ・ダックタース氏というペンシルバニア大学心理学教授の研究の存在があります。
 
2016年に発売された書籍「Grit: The Power of Passion and Perseverance」はベストセラーとなり、TEDに登壇した際の動画は900万回以上再生されました。
 

 
この書籍は「やり抜く力――人生のあらゆる成功を決める『究極の能力』を身につける」というタイトルで9月に日本でも発売されていて、書店やAmazonなどで見かけた方、すでに購入した方もいらっしゃるでしょう。
 
マッキンゼー、公立中学の数学教師を経て心理学者と彼女は、研究の中で人生で何か大きな物事を成し遂げることができるかどうかは、才能よりもGRIT(やり抜く力)だと結論づけています。
 
このGRIT(やり抜く力)ですが、具体的には「情熱」と「粘り強さ」という2つの要素から成ります。
 

みごとに結果を出した人たちの特徴は、「情熱」と「粘り強さ」を合わせもっていることだった。つまり、「GRIT」(やり抜く力)が強かったのだ。

 

才能がある人、知性がある人 = GRITが強いというわけではない

この研究で面白いのは、才能や知性とGRITに関係はないということ。
 
実際に様々な実験を通じて、高い才能をもちながらGRITがないために途中で挫折してしまった人。反対に周りの人と比べて際立った才能をもっているとはいえなくてもGRITがあるために成功を収めた人がいたことが紹介されています
 
これは才能は重要ではないという話ではなく、才能があったとしてもそれを生かせるどうかは別の問題ということです。
 

GRIT(やり抜く力)は、伸ばせる

そしてこのGRITを考える上で押さえておきたいのは、この能力は後天的に伸ばすことができるということ。
 
つまり、トレーニングをすれば今からでもこのGRITを高め、大きなチャレンジをすることも不可能ではないのです。
 

GRIT (やり抜く力)を伸ばすための方法

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では実際にどうすればGRITを伸ばすことができるのか、ここではその方法を5つほど紹介していきましょう。
 

1.興味があることを見つけ、それに打ち込む

GRITは「情熱」と「粘り強さ」から構成されると紹介したように、まずは自分が情熱を傾けられることを見つけることが大切です。
 
自分が興味を持てないことに粘り強く取り組むのはかなり難易度が高いこと。それこそ学生時代の部活動や課外活動のように、自分が長期間本気で打ち込めるものを探してみましょう。それが本業に直結しなかったとしても、その活動を粘り強くおこなうことでGRITが育まれ、別の物事にも活きていきます。
 
学生時代に何かに必死で打ち込んでいたという方は、すでにその効果を実感されているのではないでしょうか?
 

2.失敗を恐れずチャレンジし続ける習慣をつける

GRITを伸ばすために必要なのは、何事も最初から無理だと決めつけないことです。もし自分に思い当たる節がある方は、まずは「無理」と言わず「もしかしたら、できるんじゃないか」「どうやったらできるだろうか」と物事を前向きに捉えるクセをつけることから始めましょう
 
その上で果敢に挑戦し、失敗したとしてもチャレンジし続けましょう。GRITが高いとされている人たちも数え切れないほどの失敗を経て大きな成果を残すに至っています。
 

3.小さな成功体験を積む

GRITが高い人は自分に自信を持っている、自分ならやれるという信念を持っています。
 
その信念を支えている要素の1つは過去の成功体験。まずは自分でもできそうなところから始め、徐々に自分のスキルより少し上の目標を設定しそれをクリアする経験を積むことでGRITを高めていくことができます。
 

4.GRITの高い人がいる環境に飛び込む

人は周囲の人や環境にどうしても依存してしまうもの。そうであればGRITの高い人にメンターになってもらったり、GRITの高い人が集まる環境に飛び込むことが実は1番効果的かもしれません
 
自分の意識や習慣を変えるのはなかなかハードルが高いですが、周りにいる人がみんなGRITが高いという環境に飛び込んでしまえば、自分もそうせざるをえない状況に追い込まれます。
 
もしあなたが人事担当で社員のGRITを高めたいと思ったら、GRITの高い人材をメンターとして配置したり、中長期的にはGRITを会社の文化として根付かせていくことが必要です。
 
もっとも、GRITが高い人材だけを採用することができるのであれば、それが近道でしょう。(そのような人材を採用することはかなり骨が折れる仕事であるでしょうが)
 

5.ハードなことに挑戦せざるをえない環境を作る

これは上記の方法と重複する部分もありますが、自分のルールとして、もしくは家族や友人、同僚と一緒になってハードなことに挑戦することを義務にしてみるという方法です。
 
実際にダックワース氏の家では「ハードなことに挑戦する」というルールがあるとのこと。1人だと難しいようであれば、周りの人も巻き込んでやらざるをえない環境を作ってみましょう。
 

GRIT (やり抜く力)が高い日本人

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イチロー(プロ野球選手)

「特別なことをするために特別なことをするのではない、特別なことをするために普段どおりの当たり前のことをする。」
「努力せずに何かできるようになる人のことを天才というのなら僕はそうじゃない。努力した結果何かができるようになる人のことを天才というのなら僕はそうだと思う。」
 
やり抜く力と聞いて、イチロー選手のことを想像する方も多いのではないでしょうか?
 
もはや説明の必要性はないかもしれませんが、当たり前のことを毎日積み重ね続けるまさに職人。1つ1つは地味に見えることを、ひたすら継続するというのはGRITが高い人に共通している部分です。
 

本田宗一郎(本田技研工業・創業者)

「私の最大の光栄は、一度も失敗しないことではなく、倒れるごとに起きるところにある。」
「得手に帆を揚げて」とはよく言ったもので、得意な道を一生懸命に打ち込んでおりさえすれば、チャンスは必ずある。」
 
今もなお起業家精神に満ち溢れた経営者として崇拝され続けている本田宗一郎氏。創業当初から世界を目指して高い目標のもと突き進んでいた同氏ですが、「倒れるごとに起きる」という精神はまさにGRITそのものだと言えるでしょう。
 

山中伸弥(京都大学iPS細胞研究所所長・教授)

9回失敗しないと、なかなか1回の成功が手に入らない
「ここで研究をやめたら、臨床医の世界から逃げ出して以来、二回目の挫折になる。それはあまりにも情けない。研究をつづけるべきか迷っているうちに、朝も起きられなくなっていきました。」
 
2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞された、山中教授もやり抜く力に長けた方です。前人未到の領域に長年取り組み、特許戦争や資金難など度重なる困難にも立ち向かい続けた上でのノーベル賞受賞。感銘を受けた方も多いでしょう。
 

伊能忠敬(江戸時代の測量家)

歩け、歩け。続ける事の大切さ。
 
急に歴史上の人物になってしまいしたが、私個人はGRITと聞いて伊能忠敬を最初にイメージしました。
 
50歳で天文学を学び、そこから17年という膨大な年月をかけて全国各地を測量し、『大日本沿海輿地全図』を完成させた、まさに凄まじいGRITの持ち主です。
 

今からでも、遅くはない

今回はGRITについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
 
「やり抜く力」「情熱」「粘り強さ」といったものは新しい概念というわけではありませんし、当たり前じゃない? と思われる方もいらっしゃるでしょう。
 
ですがその当たり前のことを長期的にやり続けることはかなり大変なことで、わかっていても実践できないという人がほとんどだと思います。
 
ただ、そんなに悲観的になる必要はありません。上述したようにGRITは今からでも伸ばすことができます。
 
今日から一歩踏み出してみてはいかがでしょうか?
 

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