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新卒採用の歴史|人事が知っておきたい新卒採用の変遷

新卒採用の歴史640

※年数の表記は、卒業年度ではなく、西暦を表しています。
 
こんにちは、HR NOTE編集部インターン生の須田絢香です!
 
就活スケジュールが変更になったり、インターンシップからの採用が解禁になったり、最近は新卒採用の動向が目まぐるしく動いているように感じます。2016年度、2017年度の新卒採用は3月に就職サイトがオープンしていましたが、過去には就活サイトのオープンが10月、12月という時期もあったみたいですね。
 
そこで、もっと過去に目を向けるとどのような採用スケジュールであったのかが気になったため、今回は新卒採用の歴史についてまとめました。
 
キーワードは
  • 新卒一括採用
  • 就職協定
  • 倫理憲章、指針

です!
 

新卒一括採用のはじまりは1985年|旧財閥系企業を中心に開始される

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大企業の新卒一括採用と戦争による選考開始時期の変化

 
新卒一括採用がはじまったのは、1895年。
海外事業の拡大を期に三菱(当時の日本郵船)や三井銀行などの旧財閥系企業を中心に学生の採用が始まりました。この時代の専攻は試験や学歴を基準におこなわれてはおらず、縁故採用が多かったようです。
 
その後、第一次大戦までは、大学卒業後に入社試験がおこなわれていました。人手不足から就職が「売り手市場」になるにつれて、多くの企業が学生と早いうちから接触を図りたいと、学校卒業前に選考が開始されるようになります。
 
戦後もこの卒業前選考は継続され、戦後の恐慌で就職が「買い手市場」になることにより、企業は採用数を絞って、より優秀な学生を採用する傾向となります。そして、優秀な学生を囲うため年々選抜試験の開始時期が早期化されていきました
 
 

「卒業後選考の協定」の始まりと終わり(1929年~1935年)

 
1928年に大手銀行の呼びかけによって、大手企業の重役が集まる会議(常磐会)が文部省に対して「大卒学生の採用選考時期は『卒業後』におこなうこととする」という協定が結ばれます。これにより、翌年の1929年から学生は卒業後の3月から採用選考を受けるということになりました。
 
この年には協定に同意しない企業も選考の開始時期を遅らせるなどの動きがあり、採用選考に大きな影響を及ぼしましたが、その翌年である1930年からは、協定加盟企業も卒業前の選考開始が目立ち始めます。そのため、1932年度卒業の学生から「選考開始時期を卒業年度の1月以降とする」と協定が緩み始めますが、更なる早期選考の動きは止まらず、1935年に協定は破棄されることになりました。
 
優秀な学生を確保したいと考える企業と就職する学生にとって、「卒業後」というスケジュール感が合わなかったのでしょうか。そもそも卒業後に就活をしていたことに驚きです。
 
 

「就職協定」の開始と廃止(1953年~1996年)

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「就職協定」の開始

 
卒業後選考の協定が破棄された後、採用選考は各企業に任されており、大学4年生の10月におこなわれるようになっていました。さらなる早期化により「学業の妨げ」を懸念した文部科学省と労働省は、大学と企業に「採用選考は1月以降とする」と通達。しかし、その後も早期化は止まることはありませんでした。
 
そのため、文部科学省は1953年に教育・財界関係者を集めて懇親会を開き「採用選考の推薦開始を卒業年度の10月1日以降とする」と決定。この取り決めが「就職協定」の始まりになります。しかし、破っても制裁措置などがないことから、この協定は名義上だけで効果が見られませんでした。
 
高度経済成長期も伴って、就職の「売り手市場」の状態が加速していきます。企業もより優秀な学生を確保しようと更に採用選考が早期化し、7月末までに採用活動を終えている企業もありました。
 
 

「就職協定」も数回の変更があった

 
「青田買い」「重複内定」など就職活動の早期化が招く混乱に伴い、1976年に就職協定の内容が変更され「大学4年の10月1日より会社訪問開始、11月1日に選考開始」となりました。
 
さらに、1986年に「男女雇用機会均等法」が施行され、一般職・総合職のコース別採用がスタート。そのタイミングで「大学4年の8月20日より会社訪問開始、11月1日に内定開始」に改定されました。
 
その後も数回の改定を経て、1992年には「採用選考開始は8月1日前後を目標、内定開始日を10月1日」としています。
しかし、早期化の状況は変わることはなく、ついに1997年に「就職協定」は廃止されることとなりました。
 
 

「倫理憲章」の開始と「指針」への変更|採用広報、選考の後ろ倒しの影響

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倫理憲章の始まり

 
「就職協定」の廃止後、企業側と大学側で新たに動きがあります。
企業側は日本経団連が中心に「倫理憲章(新規学卒者の採用・選考に関する倫理憲章)」を、大学側は「大学及び高等専門学校卒業予定者に係る就職事務について(申合せ)」を策定しました。
 
倫理憲章では「正式な内定日は卒業・修了学年の10月1日以降とする」と定め、大学側の申合せでは、大学内で行われる企業説明会や企業への推薦は大学4年の7月1日以降とし、内定日は10月1日以降とすること学生側に周知しました。
 
しかし、「採用選考活動の早期開始は自粛すること」「大学等の学事日程を尊重する」といった抽象的な内容が多かったため、効果はないに等しく、不況に伴い就職活動は更に早期化します。
 
2003年になると、経団連が「倫理憲章」の改定をおこないます。
「卒業学年に達しない学生に対して、面接など実質的な選考活動を行うことは厳に慎む」ということが具体的に明文化されました。「卒業年度になる4月1日以前の選考はおこなってはならない」ということにしたのです。また、経団連は同意した企業に署名をしてもらい、規則を遵守する企業が増加。結果的に、加盟企業のうちの約半数644社が同意しました。
 
しかし、実質的には採用活動の水面下で採用活動がされていました。この状況は今でも続いているようです。
 
 

採用・広報活動の後ろ倒しによる影響

 
「倫理憲章」を遵守する企業が増加しても、問題は尽きませんでした。
 
「倫理憲章」に広報活動についての具体的な規定はありません。そのため企業は、就職活動開始時期よりも前倒しで広報活動を開始。2000年代後半には、10月1日に就職サイトがグランドオープンし、採用選考のエントリーの開始は大学3年の10月という状況が一般的になります。
 
この、卒業年度以前の就職活動開始に対してさまざまな意見が飛び交い、2013年度卒の学生から、広報活動などの実質的な活動の開始が大学3年の12月1日に決定されました。
 
しかし、情報公開が後ろ倒しになったことにより、学生の業界・企業研究に支障が出てしまいます。その結果、「根本的な解決になっておらず、むしろ問題が生じてしまう」という意見が多く聞こえるようになります。
 
 

激動の時代へ|「倫理憲章」から「指針」へ変更

 
このタイミングで経団連に安倍晋三政権が、大学生が勉強に集中できる期間を長く確保するために活動時期を繰り下げるよう検討を求めます。
 
これを受けて経団連は2016年度卒の新卒採用より、就職活動の解禁時期を「大学3年生の3月1日以降」と3ヶ月遅らせ、選考の開始時期も「大学4年生の8月1日以降」と4ヶ月遅くすることを決定しました。同時に、経団連は企業の就職・採用活動ルールを定めた倫理憲章の名称を、この2016年度卒の新卒採用から「指針」に変更しています。
 
ただ、こちらに関しても企業や学生に大きな混乱を招くことになり、遵守していない企業が目立ちます。この年には、大企業より先に学生を確保しようと内定を早期にだす中小企業が特に多く、そのため学生の内定辞退も増加したようです。
 
2017年度卒の新卒採用からは、2016年度卒の状況を踏まえ選考開始時期を2ヶ月前倒しとする「大学4年の6月1日以降」となり、さらにインターンシップの1DAYやインターンからの採用を認める動きが出ており、新卒採用スケジュールやルールに関する変動が活発になってきています。
 
また、ここ数年で就活生の2極化が進んでいるように感じます。
4月の選考開始の準備として3月に就活サイトがグランドオープンしますが、インターン情報として大学3年の6月からプレサイトもオープンします。これに伴い、就職活動を早期に始める学生が増加。「インターンシップ」という名目上の企業説明会や、選考を伴うインターンシップが急増し、「インターン時期から活動開始する学生」と「グランドオープンまで活動しない学生」の差が顕著になりました。
 
 

まとめ

 
調べると、いつの時代も、優秀な学生が欲しい企業と早く内定が欲しい学生によって就職活動の早期化が進んでいるように感じました。
 
個人的な意見にはなりますが、就活開始時期についての規定を定めなくてもいいように思います。
実際に、就活支援サービスの増加やSNSの普及に伴い、インターンシップを通じて早期に内定を出す企業や、企業とのコンタクト、社員との交流が容易になりました。なかには、企業からオファーを貰えるというサイトもあり、就職活動に意欲的な学生やレベルの高い学生は時期に関わらず内定がもらえるという状況です。
 
文部科学省が懸念するように、就職を意識してか、大学の授業をほどほどにこなし、課外活動に取り組む学生も増加しています。どんなに社会が「学業がおろそかになる」と反対したところで、この傾向は変わらないように思います。
 
私も就活生として、スケジュールを含めた周りの動きに振り回されることなく、自分から情報を探して就活を頑張りたいと思います!
 

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須田絢香

須田絢香

新潟大学教育学部4年。学生の持つ就職や選考、キャリアに関しての意見や疑問などを題材にして「学生にも人事の方にも為になる記事」を作成していきたいと考えています。趣味は読書と料理とネットサーフィン。最近は他ニュースメディアでも執筆に挑戦中。
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