HR NOTE [HRノート]コンテンツ人事雑学パラレルキャリアとは|副業との違い・メリットや注意点を総まとめ

パラレルキャリアとは|副業との違い・メリットや注意点を総まとめ

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みなさんはパラレルキャリアという言葉をご存知ですか。
 
「なんとなくキャリアアップとかに関係している言葉かな?」「パラレルワールドという言葉は聞いたことがあるけれども、パラレルキャリアはあまり耳にしたことがない」と思う人もいらっしゃるのではないのでしょうか。
 
そこで今回の記事ではパラレルキャリアとはなにか、そのメリットや、注意すべき点についてご紹介します。
 

パラレルキャリアとは

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パラレルキャリアとはP・Fドラッカーが『明日を支配するもの』(ダイヤモンド社)で紹介した考えで、簡単に言えば「本業を持ちながら、第二のキャリアを築くこと」です。
 
副業と似ていますが、副業と違うのは「報酬を得ることを目的にしていない」ことが挙げられます。自分のスキルアップや夢の実現、社会貢献活動などがパラレルキャリアに含まれます。
 
パラレルキャリアを始める時は、趣味から広げていく方法や起業をする準備として始める方法、中間団体(NPOや社会人学校等)やボランティアサイトを通じて活動をしている人が多いようです。なかには当初は無報酬でおこなっていた活動が、徐々に報酬を得るようになることもあります。
 
説明だけではイメージがわきにくいと思いますので、ここでパラレルキャリアの実例を挙げて効果をご紹介します。
 

テニスを通して人生をさらに豊かに|平日はOL、休日は県内有数のテニスプレーヤーKさん

Kさんは学生時代にバドミントン部、短大時代はテニスサークルに所属するスポーツウーマンでしたが、社会人になると仕事に慣れるのに精一杯でスポーツをしない日々が続いていました。
 
しかし、仕事でのストレスを上手く発散できないため、時間のある時に近所のテニス教室に習いに行くようになりました。テニスの腕が上がるにつれ、テニス教室だけでは物足りずにテニス教室で知り合った人と市内の大会に参加するようになると徐々に知り合いが増えていき、仲間同士で週末に練習をしたり合宿をして練習をするにつれ、県内のアマチュアテニス大会で次々と優勝をするようになりました。
 
次第に県内のアマチュアテニスプレーヤーの中で有名になり、声を掛けられるだけでなく、全国で発売しているテニス雑誌に大会で優勝した時の記事が掲載されたり、テニス仲間の建築会社社長がスポンサーになって社名入りのユニホームを着て大会に出たり、ユニホームを制作している会社からモデルを頼まれるといった、普通のOL生活では経験できないような体験をすることができました。
 
また、テニスをしていなければ出会えなかった職種も年代もバラバラの仲間との出会いにより、Kさんはテニス仲間の男性と結婚して新居はスポンサーになってくれた建築会社社長に破格の値段で建ててもらいました。
 
現在はテニス仲間がママ友にもなり、互いの子供の面倒を見ながらテニスを続けています。
Kさんは週末にテニスをすることやテニス後に、仲間で食事をすることがストレス発散や仕事へのモチベーションへ繋がって、仕事に集中することができるようになり、人生を豊かに過ごせるようになりました。
 
 

キャリアアップの例|「プロボノ」の活用で社員も企業も成長できる

プロボノ」とは本業で身につけたスキルをボランティアで活かすことを言います。
 
NTTデータ技術では、社外の多様性な価値観を取り入れるために、パラレルキャリアの仲介団体「二枚目の名刺」と共同プロジェクトで、中堅社員のリーダーシップ研修としてプロボノを利用しました。
 
プロジェクトやワークショップに社員を参加させ、多様なメンバーとチームを組み意見を言い合いながら、答えのない課題に取り組みます。
プロボノではシェアド・リーダーシップ制のため、年齢が違っても状況によりメンバーの誰がリーダーになっても良く、得意分野でリーダーが変わります。
 
プロボノでは本業と違い金銭的な心配やペナルティーがないこともあり、皆自由に発言することから本気で意見が衝突することがありますが、この経験から本当の意味で相手の考え方を理解することができるようになります。このように本業では出会えないような人と出会い、経験できないことを経験することにより、社員はキャリアアップすることができ、企業の成長に繋がります。プロボノは短期のプロジェクトでおこなうことができることから、推奨している企業も多くあります。
 
個人でパラレルキャリアを実践してみたい人やプロボノに参加してみたい人は、NPOやボランティアサイトで自分の経験やスキル、興味のあるプロジェクトに参加してみましょう。
 
 

メリットと注意すべき点

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メリット

 

自分の夢を実現できる

たとえば、子供にピアノを教えたくて音大に進学したけれど、現在は事務職に就いている人がパラレルキャリアで子供に音楽の楽しさを教えるボランティア活動を行うことで夢の実現につながることができます。
 

起業、副業の下準備として役立てる

昨今では、大手電機メーカーが海外に買収されるなど、いつ自分が在籍する会社の経営が苦しくなるのかわかりません。しかし、独立して事業をはじめて利益を得られるようになったり、フリーランスで現在の収入レベルまで稼げるようになるには長い時間がかかります。それまで、本業で生活費を稼いで利益を安定的に確保できる自信がついたら本格的に起業することができます。
 

得意分野を確立することができる

たとえば、パラレルキャリアでデジタルコンテンツ制作の勉強をしていることを、会社で話したら他にデジタルコンテンツに詳しい人がいなくて、「デジタルコンテンツでわからないことは、あの人に任せよう」と仕事を任せてもらえるようというように、自分の得意分野を確立することができます。
 

軽い気持ちで始めることができる

「友達がやってたから始めてみた」「友達に誘われてプロボノに参加してみた」と軽い気持ちで参加することができます。また、「子供の頃から夢だったからやりたい」とか「絵を書くのが好きだから」という思いから始めることができるのもメリットです。
 

本業へのモチベーションに繋がる

先に紹介したようにパラレルキャリアでリフレッシュすることができたり、自分と違う考えに触れることで物の見方や考え方の幅が広がったり、新しい人脈ができて本業にプラスに作用して本業が面白くなった人もいます。
 

人脈が広がる

新しい活動を始めれば新しい出会いが生まれます。その出会いがたとえ本業に繋がるものではなくても、自分の人生を豊かにしてくれます。
 

自分の力を知ったり自分を見つめることができる

パラレルキャリアで活動をおこなうと新しい経験を積めるため、新しい考えに触れることができます。その一方で、自分の力不足や知識不足、認識の甘さを知り自分を見つめ直すきっかけにもなります。
 
 

注意すべき点

 

何がしたいのかわからない

enミドルの転職第121アンケート集計結果「パラレルキャリアについて」』では、「パラレルキャリアの考え方に共感できる」は91%ですが、「実際に活動している人」は26%でした。活動していない理由の1位は「明確に何がしたいか決まっていないため」、2位は「どう始めていいかわからないので」でした。
 
日本人は自由な社会で生きていますが、実は「自分のやってみたいことを自由に選んでいいよ」と言われると決められない人が多い傾向にあります。自由に人生を選んできたように思っている人も多いですが、実は良い就職先に入れる大学で就職活動に有利な学部を選んで入学していたり、大手企業や公務員を目指して安定した生活を手に入れられる就職先を選ぶなど、ある程度決まったカテゴリーの中から選択をして生きています。
 
このようなカテゴリーを持たない考えの人は、純粋に「好き」という気持ちだけで動くため、パラレルキャリアもすぐにネットで調べて始めることができます。つまり、根本的な問題はアンケートの1位も2位も同じなのです。
 
パラレルキャリアに興味がある人は、まずプライベートと仕事上で「好きなこと」「得意なこと」書き出し、次に「興味のあること」「やってみたいこと」を書き出してリスト化をした後、ボランティアサイトの案件を見ていずれかに該当する案件がないか、いくつかのサイトを見てみましょう。また、心理テストで好きなことや興味のある分野、向いている分野を診断してみるのも良いでしょう。
 

時間がなくなる

週末や仕事が終わった後の時間をパラレルキャリアに当てるため、時間がなくなります。ペース配分やスケジューリングが上手くいかないと、本業の繁忙期とパラレルキャリアの繁忙期が重なってしまうので注意しましょう。
 

お金がかかる

パラレルキャリアでは、活動内容によっては月に数万円かかることもあります。パラレルキャリアは副業と違い利益や報酬が発生しないこともあるため、すべて自分の持ち出しになります。
 

現実逃避していると思われる

周囲から本業から逃げていると思われたり「忙しいのに何やっているの」と言われることがありますが、パラレルキャリアをおこなうことで本業に向き合うモチベーションを向上させたり、本業に必要なスキルを身につけることができます。周囲の声に惑わされないようにしましょう。
 

継続しないと意味がない

パラレルキャリアが終わると普通の日常に戻ってしまい経験を活かせなかった、またはパラレルキャリアで学んだことを本業に持ち込んだら反発を買ってしまった、という人もいます。そのようなことにならないように考慮しながら、パラレルキャリアを継続的におこなっていきましょう。
 

会社の規則違反にあたる

副業を認めていない会社では、無報酬であってもパラレルキャリアでおこなっていることが副業をしていると勘違いされることがあります。
一部の企業では推奨しているプロボノでも、まだまだ認知度が低いため参加することに抵抗を感じる人おり、周囲には隠して参加しているようです。
 
 

まとめ

 
パラレルキャリアはパラレルワールドの入り口です。
 
パラレルワールドはある分岐点から分れたもう1つの道を意味します。本業だけに集中することも良いですが、1つのことだけに集中をすると視野が狭くなったり、心のゆとりがなくなります。
 
企業の人事は副業を認めることは難しいと思いますが、プロボノを上手く利用をして社員の視野を広げたり、同じ趣味を持つサークル活動や部活動を支援して他の企業と試合をおこなって交流を持てるような仕組みを作ってみてはいかがでしょうか。
 

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根本 慎吾

根本 慎吾

人材サービス、Web広告の営業を経て、HR NOTE編集部にて活動。 人事領域に携わる方々が『最先端人事』となるために役立てるメディアとなれるよう盛り上げていければと考えています。 猫背。とにかく姿勢が悪い。年中ダイエットをしている。
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