採用×恋愛|人事界のメスライオンに学ぶダイレクトソーシング術

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こんにちは!HR NOTE編集長の根本です。

先月2月14日バレンタインデー。株式会社ネットマーケティングのメスライオンこと宇田川さんによる、バレンタイン限定イベントが開催されていました。

原宿にある「スイーツパラダイス」を貸し切って、なんと食べ放題のスイーツと軽食を片手に参加できる新感覚のセミナーです。

テーマはバレンタインデーにちなんで「採用を恋愛にたとえながら、求職者といかに出会い、惹きつけるのか」という内容。

メスライオンの採用ノウハウが満載で、女性人事を中心に大きな盛り上がりを見せていました!

特に、求人データベースの活用方法、求職者を魅力づけするための方法、スカウトメールの工夫のやり方などは必見です。

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参加者はケーキや軽食を片手に宇田川さんのセミナーが聞けるという形式
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セミナー講師:株式会社ネットマーケティング 宇田川 奈津紀

広告事業とメディア事業を行う株式会社ネットマーケティングにて人事採用責任者として従事。ダイレクト・ソーシングを中心に4ヶ月で20名の採用をしたことから、「肉食系人事」と言われ、それが転じて現在は「メスライオン」という愛称で、セミナー・講演など多岐にわたってご活躍。趣味はスカウトメール作成で、「スカウトメールは恋文」と言うほどのこだわりを持つ。

【目次】

第一章:求める人材と出会うための戦闘態勢とデータベースの活用方法

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必然の出会いを生むためにダイレクト・ソーシングを積極的に活用

宇田川氏:採用において「必然の出会い」を起こす方法はたくさんあると思っています。よく採用は恋愛に置き換えられますが、本当に一緒なんですよね。

たとえば、街で声をかける。これはいわゆるナンパですよね。採用に置き換えると、Facebookでメッセージを送ったり、セミナーやイベントと知り合った方に「すみません、実は、ネットマーケティングの人事に宇田川と申しまして・・・」と声をかけたりする。

ただこれは、相手の求めるニーズと合致する可能性が低いので、相当難易度が高いと思っています。

彼氏彼女をつくるために合コンや友人の紹介もあると思います。これは採用でいうと、紹介会社からのご紹介や社員紹介などになるイメージでしょうか。

ただ、人材紹介や社員紹介のみに頼っていては、お互いのニーズは合致する可能性は高いかもしれませんが、自社に合う人が紹介されるのをひたすら待っていることになります。

もしかしたら…紹介がこないかもしれません。私は、待っているだけなんてできないんです。待っている間に何かできることありますよね。たとえば、恋愛ならばマッチングアプリや結婚相談所に行くなどでしょうか。

ネットマーケティングでも『Omiai』という恋活マッチングアプリがあります。Omiaiに登録してる方は「真剣に恋をしたい、最愛の人に出会いたい」という想いがある方です。そういった方々のデータベースがあります。

このデータベースを採用に置き換えたら、DODA Recruitersなどのダイレクト・ソーシングと言われるものです。

恋活マッチングアプリは恋愛・結婚に近い出会いを求める方が多く集まっています。ダイレクト・ソーシングのデータベースだと、転職意欲の高い方々が多く集まっているじゃないですか。

ということは、企業からアクションを起こしやすく、必然の出会いを生む可能性が高いですよね。ですので、私はダイレクト・ソーシングを積極的に活用して採用をしています。

ネットマーケティングでは『Omiai』もそうですが、ダイレクト・ソーシングの『Switch.』も持っています。これ、すごくないですか?私は、現場のことを天才的!!って思ってます。

あんまり自社の事を話すとインテリジェンスさんに怒られちゃいますね。ごめんなさい(笑)。大事なのは、「目的に近道する手段を選べているか?」という事です。本質に直結かどうかです。

出会い方

ダイレクト・ソーシングは、そもそも「採用する戦闘態勢」ができていなければ効果は薄い

宇田川氏:必然の出会いを起こす前に、採用する戦闘態勢の準備はできていますか。

戦闘態勢ができていないとダイレクト・ソーシングを実践しても効果は薄いと思います。

恋愛で理想の人と出会うための準備は、まず「自分の魅力を理解すること」。「周囲の協力」が必要なときもあります。あとはそもそも「自分の理想のタイプを理解できているのか」。この3つが大事です。

採用もこれらと一緒なんですよね。採用に置き換えると、「自社の魅力を理解しているか」「現場の社員の協力は得られているか」「求める人物像は明確か」。

絶対的に社長や経営陣、現場責任者の力が必要になります。そうすると、現場の協力体制が必要ですし、理想のタイプを知るために現場のニーズを細かくヒアリングしなければいけません。

一番大事なのがここです。現場の協力体制と求める人物像がわかっていなかったら、そもそも渾身の思いを込めたスカウトメールをつくっても、現場とミスマッチになり内定に結びつけるのは難しいです。

戦闘態勢

私は現場との協力体制を作るためにすぐ話をしに行きます。「事業部のことを理解したいです」「事業部の力になりたいです」「優秀な人材が採用できたら今よりもきっと売上も上がるし、みなさんの残業が減るかもしれません」ということを伝えています。

膝と膝を突き合わせてヒアリングすることによって、自社の魅力が理解できるようになりますし、1番は現場との信頼関係の構築ができます。チャットやFacebookではなく、直接「教えてください」なんですよ。

また、競合との違いをどう引き出すのか。自社の魅力や他社との違いは求職者からしたら分かりにくいんですよね。そこも現場から直接ヒアリングすることによって理解が深まるので、少しでもインパクトのある求人原稿を書き起こせて訴求力アップにつながります。

あとはピンポイントの人材を聞き出してください。これは何のために必要かというと、ダイレクト・ソーシングとなると「こちらから興味を持ったので一度お会いしたいです」とスカウトメールを送るわけですよ。そういう内容を求める人材かどうか曖昧な方に打てますか?面接確約でスカウトを送るのに怖くないですか?

ですので、「どういう人だったら会いたいと思いますか?」「こういう人ピックアップしたんですけど、だめですか?」「こういう人なら会ってもらえませんか?」と聞いて、「会うよ」となれば不安なく渾身の思いでスカウトメールを書けるじゃないですか。

あとは、現場からのニーズヒアリングで「そんなこと言いますけどもそんな人いないですよ!!」と思うときがあるかもしれませんが、「そんな人いませんよ」なんて絶対言っちゃいけないんですよ。

自分のことに置き換えてください。恋愛だったら「あなた、出会えるわけないよ」となります。凹みますよね。

「給料低いから無理ですよ、他社はいくら出すと思ってるんですか」と人事に言われたら現場はどう感じますか?恋愛だったら「市場価値低いから、結婚できないよ」って言われているのと一緒です。

現場のモチベーションが下がれば売上にだって影響が出てしまうだろうし、もしかしたら退職者を出してしまうかもしれません。とは言え、人事だって辛い。そんな時、私はこんなふうに伝えています。

『一緒に頑張って採用したいって思ってます!もし厳しかったらまた相談に乗ってもらえますか?』この言葉で一体感が生まれます。

データベースの抽出は4パターンを試してみる

宇田川氏:じゃあなかなか出会えない人材にどうやって会うのか。それは、データベース抽出になります。

まずはピンポイントの要件で探します。それでも出会えない際は、どこまで条件緩和できるかを考えます。「この条件がなかったらもう内定は出せない」というところまで広げます。

また、期間に関しては、DODA Recruitersだと、直近1日から抽出が可能です。ですので、3分前に登録した人ももしかしたら出てくるかもしれないですよね。

昨日今日、データベースに入ってきた人たちにも私はアクションをかけています。3通スカウトメールを送って、3通とも返信がきて、そこから1人内定がでるなんてこともあります。

直近でいなければ1週間、2週間と広げてみます。そこまで探してみていなかったら1カ月にしてみて・・・。だめだったら条件を下げて再度見てみるというイメージです。私はこの順番で採用をしています。

データベース

第二章:スカウトメールの方程式|返信率を高くするための特別感の伝え方

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辞退を怖がらずに、等身大の自社を見せてメール文面をつくる

宇田川氏:次はスカウトの方程式をご説明したいと思っています。

自社の魅力をどう伝えていますか?採用も恋愛も一方通行だとNGなんです。好きな人がいたら自分を必要以上によく見せようとしますよね。求職者が来てくれたら、「これ言ったら辞退されてしまうかも」ってちょっと隠している部分はありませんか。

でも私は、あえてそこを公開するようにしています。恋愛はだめな部分を隠して付き合えたとしても、いずれ本性が出るじゃないですか。

採用も同じで、入社後にわかるじゃないですか。ですので、嘘はNGだと思っています。希望を叶えてあげられるかどうかのすり合わせです。

ここに嘘があったら、恋愛だって採用だってすぐに別れにつながってしまいます。私たちは採用数を充足するために仕事をしているわけではなく、会社を大きく強くしていくために採用しています。

完璧な人を好きな人もいるかもしれないです・・・。完璧な会社を望む人もいるかもしれないです・・・。恋愛なら少しくらい欠点があるから愛らしく思えたり、採用ならば未完成だからこそチャレンジしたいと思う人もいたりすると思うんです。

そこが合致して理解ができたなら悲しい別れはなくなると思っています。

現場とのやりとりがメール文面の特別感につながる

宇田川氏:データベースを検索していて、ピンポイントの人材を見つけたとします。そこで条件が合うかチェックをしますよね。希望年収はどうか、大手かベンチャー希望か、仕事で何を求めているのか、などあります。

たとえば、「マネジメントを経験したい」と求める人物像の方が言っているとします。でも、「うちの会社はマネジメントレイヤーで入ってくることなんてそうそうないから難しいかも・・・」と、ここで諦めてしまう方はいませんか。

マネジメントを希望している場合、現場の判断を仰がねばなりません。そうすると人事の方々は後ずさりされる場合があるんです。

違うんです!面接を受けに行こうと決めるのは求める人物像の方なんです。だから私は、「スカウトを送るか?送らないか?」と問われた時、私に送らないなんて選択肢はないんです。

じゃあ、返信率を上げるためにどうするか。現場に聞きにいけばいいんですよ。責任者に「すごくいい方がいます。ただマネジメントを希望です。今回はプレイヤーでの応募ですよね。でもこういう人が入社してくれたら会社変わっていくんじゃないですか?生意気なこと言ってごめんなさい」と話しをします。

「だったら面接で会って話そうか。僕が直接会って話してみるよ」って言ってくれるんですよ。

そしたらどうスカウトメールを送るのか。この内容を書けばいいんです。これがこの人に会いたい特別感になるわけです。その人だけのオリジナルの文面になります。なおかつ事業部の責任者が同席させていただきたいという事を書いて「あなたに会いたいです」と送れば返信率が異常に高くなります。

恋愛では想いを伝えるのがラブレター、採用で想いを伝えるのがスカウトなんです。好きな人にはちゃんと文章を考えますよね。相手がわかるし、相手が見えるから書くのに、どうして採用だと「我が社は創業何年、東証なんとか上場…」とか書くじゃないですか。

そんなこと求職者の方は聞いてないんですよ。そういう部分は求人ページに記載しておけばいいんですよ。「なぜ僕に送って来たの?僕のどこを見てくれたの?」求職者が気になるのはこういった部分だと思います。

好きな相手であれば何度も考えてメール送るのに、なんでスカウトメールになるとテンプレになってしまうのでしょうか。恋愛だって採用だって一緒なんです。

ラブレター

第三章:記憶に残るおもてなし面接の方法

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「テンプレ+ひと手間」が来社率の向上につながる

宇田川氏:ここからは求める人材と会うことが決まったあとの部分、「おもてなし面接」に関してお伝えさせていただきます。

求めていた人材と実際、会うことになりました。みなさんはデートの約束ってテンプレで送りませんよね。採用だとここの部分をテンプレだけで送っていませんか。「何月何日何曜日、場所、何階、持ち物、所要時間・・・。」これ、やっていませんか。

私は、面接来社率はほぼ100%です。まあブッチになったらその人を「どうしました?何か急なご予定入ってしまいました?」って追いかけているということもありますが・・・(笑)。

面接の連絡はどう送っているかというと、「お待ちしてます。当日はあなたのビジョンをお伺いしたいです。本当に志望動機は一切不要なので安心してくださいね。私と話してみて選考に進むかどうか決めてください」ということを文面に書いています。

渾身のスカウトメールを送って、面接設定のやり取りがテンプレになると、そのギャップを感じて「行かなくてもいいかな」なんて思いはじめてしまうかもしれません。それはもったいない。

時間、持ち物、場所という情報はテンプレでもいいです。でも「なぜあなたに会いたいのか」ということを、もう1度メールに加えてください。そうすると辞退率が減ります。テンプレ+ひと手間=来社率アップ

会いたい、採用したいという、気持ちが強くなれば、テンプレじゃなくなります。そのひと手間が苦ではなくなります。

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当たり前のことを徹底できているか?「最初の3秒」で好印象を与えよう

宇田川氏:次に、私がご来社時に何をしているのかをお話します。ご来社したら絶対に私がお出迎えします。

なぜなら私がスカウトした本人だからです。私は「初対面3秒を手に入れて」とアシスタントにもよく言っています。

人間の印象は3秒で決まってしまうと聞きました。最初に相手に好印象を与えてください。そのために私は出迎えるだけではなく、あらかじめ入口で待ちます。

そうしたら相手の心理ってどうなるかというと、「あ、待っていてくれた」と思うじゃないですか。入口で待っている人なんかいないですよ。そこで「やっと会えましたね」って笑顔でお話ができたら、スカウトメール通りの人だって思ってもらえるんじゃないかと思っています。

考えてみてください。人生の貴重な時間を削って、電車賃をかけて、わざわざ来てくれてるんですよ。しかも、私の送ったスカウトメールを読んで来てくれてるんですよ。がっかりさせることなんて1回もしたくない。これって恋愛も一緒ですよね。

この時期だと寒いから待たせない。温かいお茶を出そう。そこも当たり前のことですが、徹底しています。あとは「会えたら何話そう。緊張しているだろうな、共通点探そう」と考えています。

面接

採用における一目惚れを起こすための「聴覚、視覚、嗅覚」とは?

宇田川氏:採用における一目惚れはあると思っていて、採用一目惚れ三原則を考えてみました。恋愛における一目惚れって、「いい匂いだと思わせる」ってこと、「発する声のトーン」。女性なら少し高めにしゃべったほうがいいとか。あとは「ルックス」。嗅覚、聴覚、視覚。この3つに訴えるそうなんですよね。

採用における一目惚れを起こすのにも聴覚、視覚、嗅覚は重要です。

まずは嗅覚。「タイプを嗅ぎ分ける」ことです。その方が面接に来て、アイスブレイクを入れて、現場で仕事しているかどうかをイメージしながらコミュニケーションでタイプを嗅ぎ分けるんです。

「この人だったらうちのこの人と仲良くなってくれるかな」って。私はアイスブレイクを15分くらいします。アイスブレイクも無駄ではないんです。

次に聴覚。求職者のビジョンに耳を傾けることです。求職者からしたら、自分の経歴と志望動機だけでパッと面接が終わってしまう。物足りない感じがします。ではなくて、相手の将来のビジョンに自分が耳を傾ける姿勢を持ってください。

最後は視覚ですが、これは「求職者の将来のビジョンやキャリアステージを見せてあげてください」ということなんですね。

何度も言いますが、ここに嘘はNGなんです。『ウチの会社は、今後こういう展開をしていく予定です。その中でゼネラリストとスペシャリストの二軸があって、あなたのキャリアステージは描けそうですか?』と話しています。

採用における一目惚れというのは、タイプを嗅ぎ分けて、話を聞いて、ビジョンを見せて、なんですね。採用は求職者と人事、お互いが寄り添うことが大切です。どっちが上、どっちが下はないと思っています。

求職者も会社を見に来ているし、私も求職者を見ています。それであれば寄り添わないと、本音で話すことはできません。

面接でのサプライズが求職者への魅力づけになる

宇田川氏:次は、求職者を会社のファンにするために何をしているかお伝えします。面接でサプライズしていますか?

「もしよかったらオフィス見に行きません?」こんなことやってくれる会社って多くないと思っています。「もしよかったら営業部見に行きませんか?多分戻ってきてる頃なんですよ。」みたいな。突然のオフィス見学をいきなりやっています。

あとは突然の責任者の乱入です。私が「すごくうちの会社に合うな。いい人だな」と思ったら、サプライズで取締役に面接に飛び入り参加してもらいます。

「宇田川から聞いてきたんですよ。ごめんなさい、話したいなと思ってきました。嫌だったら帰りますけど・・・」って。相手は取締役です。びっくりしますよね。

でもいきなり取締役が出てきて、嫌な気分にはならないじゃないですか。自分は本当に必要とされていると感じるじゃないですか。私が「一緒に頑張ってみませんか?」って言うよりも取締役の「志が一緒ならきっと頑張れるぜ!!」の一言のほうが何百倍も何千倍もパワーあるじゃないですか!

あと、私たち人事ができることはこれです。たとえば、夜10時に面接が終わったとするじゃないですか。「夜遅いからメール送るのは明日にしよう」と思うかもしれませんが、私はすぐに送ります。

おそらく帰宅途中です。「夜分に申し訳ございません。今日は来ていただいたお礼をどうしても伝えたくて、夜遅くってわかっていたのですがお送りさせていただきました」と。「私はあなたにお会いできてとても嬉しかったです」と。最後に、「私の拙い文章を最後までお読みいただいて、あなたの貴重なお時間を私に預けていただいてありがとうございました」って。

こんなことを私は毎日やっています。

「そこに愛はあるのかい?」人事が諦めたらそこで試合終了

宇田川氏:最後に、人事は誰にでもできる仕事じゃないということを皆さんに伝えたいです。

ダイレクト・ソーシングでスカウトするように、想いを伝えることはすごく大変です。相手から返信が返ってこなくて辛いこともあります。でも想いを届ける努力をしなかったら、必然の出会いは起こせません。継続していればいつか運命の人に出会うことができます。

「愛をもって採用をしていますか?」相手から愛が届いたら愛で返していく。繰り返しになりますが、採用=恋愛なんです。同じなんですよ。

求人倍率は軒並み増えています。採用の難易度はどんどん上がってくると思います。ただ、求人倍率が増えたからといって、自分の会社では採用できないって誰が決めたんですか?

少なくとも私がネットマーケティングの人事でいるかぎり、絶対に諦めません。諦めずに一緒に人事を盛り上げて求人倍数に立向っていきたいと思っています。(了)

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