HR NOTE [HRノート]コンテンツ採用採用の本質(連載)今の学生が描く就活とは|『就活未来会議』から19卒以降の採用トレンドを読みとく

今の学生が描く就活とは|『就活未来会議』から19卒以降の採用トレンドを読みとく

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2018年の新卒採用もほとんど終盤となり、もう2019年卒の夏インターンの時期となりました。
 
「働き方改革」によって就活トレンドが大きく変わり、それに伴い就活生のトレンドも変わり始めています。2019年卒の採用活動前に、就活生の内情を知っておきたいところです。
 
参考:【速報】18年卒新卒採用の振り返り|新卒学生から内定承諾を促す取り組みとは?
 
本記事では、7月12日に「Offer Box」を運営する株式会社i-plugが主催する「就活未来会議」のイベントレポートです。当イベントでは、学生・企業・大学教授が集まり、今の時代にあった「理想の就職活動」の議論から2019年卒就活生の『生の声』を聞くことができました。
 

世の中は変化しても、就職活動は何も変わっていない

まずは、株式会社i-plugの取締役兼CMOの田中 伸明氏より「就活未来会議」の趣旨説明がありました。
iplug田中さん

 
田中さん:じつは『就活未来会議』の構想が始まったのは6年前。日本を代表する「人材育成」の研究者さんたちと議論したことがきっかけとなり、さまざまな出会いから本日のイベントが実現しました。
 
その頃から疑問に思い続けているのは、「世の中が変わっても、就職活動が全然変わらないこと
 
本日は、就職活動をこれからひかえている学生、採用活動に関わっている企業、学生をサポートする大学の教授が集まり「就活の未来」を描いた上で、変えていくべきところを議論しあう場にしたいと思っています。
 

タクトピア長井さん

 

次にタクトピア株式会社の代表 長井 悠氏の「21世紀を生きる」をテーマとしたスピーチがありました。『Did you know?』という動画を会場のスクリーンで再生し、21世紀をデータから読み解いていきました。

 
長井さん:まず、私たちが生きる時代がどんな時代なのかを共有するために、1本の動画を見たいと思います。「Did you know?」という、アメリカの先生方がつくった教材ビデオなんですが、21世紀を表す研究結果やファクトがたくさん出てきますので、新しい気付きとして楽しみにしていただければと思います。
 

Did you know?で出たキーワード
  • アメリカに生まれるすべての子どもより、インドに生まれる優等生のほうが多い
  • 今年つくられるオリジナルな情報は、過去5000年の合計より多い
  • 大学1年生のときに習ったことの半分は、3年生のときまでに陳腐化する
  • いまの学生は38歳までに、10-14の仕事に就く
  • 5,000万人の視聴者を獲得するまでにラジオは38年かかったが、Facebookは2年
  • 2049年には、1,000ドルのコンピューターが全人類を合わせた能力より計算能力が高くなる

 
長井さん:今観ていただいた動画に私なりの解釈を加えると、大きく二つあります。
 
1つは「複雑さ」です。何がどのように影響し、結果どうなるのかという因果関係がわからない時代になっています。めまぐるしい速さでテクノロジーは進歩し、情報はあふれかえっています。
 
もう1つが、「ボーダーレス」です。日本で暮らしているつもりでも、海の向こうから政治やテクノロジーなど新たな影響が押し寄せ、生活が一変することが当たり前になってきています。
 
つまり、もう「何をしていれば正解」という基準がない時代なんです。就職活動に置き換えてもこれは一緒で、学生は「こうやったら就活はクリア」なんてことはないし、企業も「こうやって採用すれば成功する」という『正解』はもうありません。
 
そんな中で大事なのは、ありがちな『正解』を探すのではなく、自分たちが『ありたい姿』を正解にすることです。次のセッションでは、自分たちの「理想の働く姿」を3つのフェーズに分けて、みなさんで考えてみましょう。
 

グラフィックレコーディング
長井さんが話す間は、スペース後方でグラフィックレコーディングが描かれていました。ここに議論での意見やアイデアが文字や絵となって描かれていきます。イベント終了後にどんな絵になるのかが楽しみです。

 

1.『働き方』と『やりがい』どっちも大事

いよいよメインテーマである「21世紀の『働く』と『就活』を考える」ディスカッションが始まります。1つ目の議題は「夢のワークスタイル」でした。
 
「社長から『好きなように働いていいよ』と言われたら、あなたはどんなふうに働きたいでしょうか?」という質問がスクリーンに映し出され、参加者同士の対話セッションが始まりました。

 
長井さん:「夢のワークスタイル」ということですが、何の制限もなかった場合は皆さんどのように働きたいでしょうか。学生も社会人の方も、想像力を豊かにしていただきたいです。「社長から好きに働いていいよ」って言われたら、どんなふうに働きたいでしょうか。現状にとらわれず、グループで考えていただき、その後みなさんでシェアしてもらいたいと思います。
 

ディスカッション
模造紙を使って『夢のワークスタイル』の条件を書き出していきます。

 
参加者(学生①):私のチームでは『働き方』と『場所』を重視したいという話がでました。「まとめて働き、まとめて休む」というワークスタイルを実現したい人もいれば、ロケーションを変えて「宮古島で働きたい」という人もいました。
 
質問とは少し逸れますが、全員で一致したのは「仕事を楽しく、愉快にやる」こと。たとえば「得意分野を続けたい」だったり、「チームで一丸となって周りと協力したい」だったりと、それぞれが仕事を楽しめる環境をつくりたいと思いました。
 
 
参加者(学生②):私のチームでは『夢派』と『現実派』に分かれました。
 
長井さん:一応『夢のワークスタイル』っていうお題だったんですけどね。(笑)
 
参加者(学生②):理想としては、出勤時間をずらしたり、週休を増やしたり。現実派は、「決定権の大小」を大事に思う人が多い印象でした。「社長ぐらいの権限を持ち、それぞれの分野のプロたちが集まったチームで一つのプロジェクトをやりたい」という人もいました。
 
 

2.「働く会社を選ばず、パラレルに働きたい!」

2つ目の質問は「夢のワークスタイルを実現するためには、どんな能力が必要なのか?」でした。
 
ここで注目したいのは、「パラレルワークを実現するに当たって、現実的に何が必要か」ということ。権利を主張する一方で、どのような能力が自分にあるべきなのかを考えました。

 
長井さん:次は、1つ目の質問でみなさんに考えていただいた「どんな風に働きたい」をスタート地点として、「実現するために必要な能力」を考えていただきたいと思います。
 

ディスカッション2
チームメンバーをシャッフルした上で、次のセッションがスタートしました。パラレルワークを実現するためには、どのような能力が必要なのかを議論していきます。

 
参加者(社会人):1つ目のテーマで私は「平日5日間、それぞれ別の会社で働きたい」というワークスタイルを提案していました。その中で自分が興味を持っているさまざまな業界・事業に携わり、それを各々の会社に還元したいと思っていました。
 
ただ、絵空事だけ話していても意味がなく、パラレルに働くためには働く会社や一緒に働く人に対して、与えられる価値を明確にする必要があります。そのためにも、巻き込む人を『モチベートする力』が必要だと思っています。
 
参加者(学生①):僕たちの意見とも似ていますね。僕たちは『自分を知ること』『人を知ること』の2つが大事だというふうに話がまとまりました。
 
自分のことを知っていなければ、人に魅力を与えることはできないし、一方で人に感謝をしたりとか人の気持ちを知ることができなければ、その人に対して応えることができません。これから、さらにAIが発展していく中「人の心を読めること」が必須だと思っていて、多様性を重んじ、関わる人にどれだけ柔軟に向き合えるかが重要だという話になりました。
 
 

3.「企業には『人づて』で出会い、自分のビジョンを話したい」

いよいよ、イベントも終盤へ。最後の質問は「自分と理想とする仕事へは、どんなふうに出会えたら最高か?」です。『リファラル採用』への兆しが見えるコメントにも必見です。

 
長井さん:これまで、夢のような働き方と、それを実現する能力を持った自分たちを議論していただきました。すると、そんな仕事にはどのように出会うのでしょうか?あえて『就活』という言葉は使っておりません。現行のシステムにとらわれる必要はなく、自由に考えていただきたいと思います。
 

ディスカッション3

 
参加者(学生):「お互いがビジョンを語り合う場所が欲しい」という意見がありました。
 
面談でもイベントでも良いのですが、学生は「将来こういう仕事をしたくて、今こんなことに真剣に取り組んでいます。最終的にはこんな人になりたいです」と企業に語りかけ、企業は学生に対して「会社はこの方向で、こういう世界を作るためにドライブをかけている」とフランクに意見交換する。
 
「そういう仕事やりたいなら、社員でこういうやつ紹介するから」とプライベートでもつながりたいです。
 
もし、その場で出会えなくても「僕は御社の選考は受けませんが、この前会った学生とマッチするかもしれません」とお互いが、裏にいる人間をどんどん連れてこれるような形でつながっていく就活が理想です。学生は「知っている情報の中」でしか企業を選ぶことができないので「すでに知らないことを知っている学生や先輩」に企業と接する場に連れていってもらえるようなネットワークができるといいなと思いました。
 
 

テクノロジーが発展しても、最後にいきつくのは『人』

最後にイベントの感想を共有して、イベントは終了です。2時間の対話を通して、行き着いた就活の未来の形とは?学生・社会人・大学教員の3名に語っていただきました。

 

ディスカッション4

 
参加者(学生):私は修士2年生で、就活もほとんど終わっています。振り返って思うのは、「やはり日本の就活システムはおかしい」ということ。企業も学生も、こんなに疲弊しきる仕組みはどうにか変わってほしいし、回を重ねてここに参加してくれた企業さんと一緒に新しい形を考えていければと思っています。
 
参加者(大学教員):話をさせていただく中、テクノロジーがかつてない速さで進化していきながらも、僕たちはアナログなところに最終的には行き着くというのは、本当にその通りだなと思いました。
 
就活はもっと楽しくなるはずだし、もっと明るく未来を考えることができる。その未来の姿では、学生は嘘をつかない、企業も良いことばかり学生に伝えないという新しい形にしたい。そのためにも、企業と学生との接点をつくることは大学にいる人間としてもっと考えなきゃいけないと思いました。
 
参加者(社会人):企業と学生と大学の方と話をし、情報があふれている中でいかに情報を自分で取捨選択していくことが大事なのかを、改めて考える機会になりました。でも、これだけ技術やテクノロジーが発展しても、私たちが最後にいきつく結論は『人』だったことに、面白さを感じました。
 
この場で行きついた『人』っていう終着点をもっと掘り下げると、さまざまなアイデアが出てくるかもしれません。次回の「就活未来会議」では、それを議論できることを期待しています。
 

グラフィックレコーディング完成
序盤からつくられていたグラフィックレコーディングも、このタイミングでできあがり。色彩豊かに、イベントの要旨がまとまっていました。

 

集合写真

 
最後は、イベント参加者全員で記念写真の撮影。初回から大盛況のイベントになりました。
 
「就活未来会議」は今後大学や企業、行政などと一緒に手を組み、さまざまな場所で開催を考えているようです。また、参加者も大学や企業、学生だけではなく、メディアや行政、大学生をもつ親なども加わり未来の就職活動について話し合いができるイベントを目指しています。
 
次回の「就活未来会議」が楽しみですね!
 

イベント概要:就活未来会議
日時:2017/07/12(水) 19:00 ~ 21:00
場所:イトーキ東京イノベーションセンター SYNQA 2F セミナールーム
主催:株式会社 i-plug
協賛:一般社団法人 at will work
   株式会社イトーキ CSW事業部
   一般社団法人 全国学生連携機構 JASCA
   タクトピア株式会社

 

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奥岡 けんと

奥岡 けんと

平成生まれのライター、編集者。新卒メディアでの企画を経て、二兎を追って、二兎を得られる世界をつくるメディア『HARES.JP』編集長。採用、就職活動、複業、カレー、アイドルなど幅広いテーマに関心を持つ。読んだ人が「明日も頑張ろう」って思えるコンテンツを作れるよう、若さと元気さを酷使します。
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