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採用競合の理解が自社の採用力向上につながる|そのノウハウやメリット、差別化方法とは

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ここ数年の売り手市場の影響で、採用に苦戦している企業が多くなっている印象を受けます。

母集団形成に苦戦し、その中でようやく良い人材に出会えたとしても、内定辞退をされてしまう・・・。そのようなケースも少なくないでしょう。

そんな今の状況を少しでも変えたい方は、「採用競合対策」を練ってみてはいかがでしょうか。今回は採用競合を知ることのメリットや差別化を図るための考え方をご紹介します。

どのような企業が採用競合になるのか?

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採用競合とは周知の通り、採用において「自社の求める人材を奪い合う」競合となる企業です。自社の求める人材に対し、「他にどのような企業に応募しているのか」とヒアリングした際に、良く名前が挙がる企業は採用競合と言えるでしょう。

たとえば、ある製薬会社の新卒採用を例にして説明します。製薬会社Aでは、医薬に関心のある営業(MR)志望の学生をターゲットにしています。しかし、営業職(MR)を募集する製薬会社B・Cも同じ条件の学生をターゲットとして採用活動をしていたとします。そうした際、製薬会社Aにとって、製薬会社B・Cは採用競合となります。

また、上記のようなケース以外でも、業種や企業規模が違っていたとしても、求めるターゲットの志望軸によってはあらゆる企業が採用競合となり得る可能性があります

このように、自社の求めるターゲットを奪い合う状況になると他社との差別化が必要になってきます。では、どのように差別化を図っていけば良いのでしょうか。

まずは、自社の採用競合を知ろう

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まずは、差別化を図る前に採用競合を知ることが重要です。ここでは、「どのような企業が採用競合となるのか」「採用競合はどのような打ち出しをしているのか」を知るための、7つの方法をご紹介します。

1.自社の状況を把握する

  • 応募してくれる理由は何か?
  • 志望度が高い/低い理由は何か?
  • 自社の魅力の打ち出しポイント、ウィークポイントは何か?

2.面接でヒアリングする

  • 面接で「他にどのような企業を受けていますか」と候補者に聞く
  • またはエントリー時にアンケート方式で受験企業名を記入してもらう

3.新入社員からヒアリングする

  • 他社で印象に残っているHP・会社案内・説明会・求人サイト・SNSなどの内容やデザインはどのようなものか?
  • なぜ自社を選んだのか(内定受諾の決め手になったことは何か)?
  • どのような企業と最終的に悩んでいたのか?

4.採用支援会社や転職エージェントから情報を集める

  • 自社がよくバッティングしている企業の特徴・傾向はどのようなものか
  • 他社でエントリーが増えた募集内容はどのようなものか
  • 他社で取り組んでいる採用方法は何か

※情報を多く提供してくれる採用支援会社と付き合えているかがポイント

5.他社の求人票、求人広告を研究する

  • 他社が求職者に対しどのような訴求をしているか
  • 給与水準を自社と比較する
  • 福利厚生を自社と比較する

6.全社員にアンケートをとる

  • たとえば、営業や販売職は、現場でバッティングしている他社の職場環境や文化、仕事の進め方を知っていたりするので、「自社と比べてうらやましいと思うポイント」を聞き出す

7.ネットの口コミサイトを研究する

  • 自社、他社の応募辞退理由は何か?
  • 自社、他社の内定辞退理由は何か?
  • 自社、他社の退社理由は何か?

採用競合を知ることのメリットは何か

そもそも、採用競合を知るとどのようなメリットが得られるのでしょうか。ここでは6つのメリットを挙げてみました。

採用競合を知ることの6つのメリット

  • 転職市場や新卒市場での自社のポジション(人気や給与水準、福利厚生の充実、働きがいなど)を把握できる
  • 他社の福利厚生や給与水準を知ることで、入社で悩んでいる時に条件変更を検討できたり、事前に懸念点となりそうな部分を払拭するために手を打てたりすることが可能になる
  • ネットの口コミサイトで記載されている内容を分析することで、悪評もあるかもしれないが、自社の良し悪しを改善するためのヒントを得ることができる
  • 求職者に選ばれる企業づくりをおこなうことができる
  • 採用競合となる企業との明確な差別化を図ることができる
  • 選考の時期を競合企業と重ならないようする、内定出しのタイミングを調整するなど、選考スケジュールの工夫ができる

採用競合との差別化を図るために

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では、採用競合の採用手法がわかったとして、どのように差別化を図っていけば良いのでしょうか。4つの考え方を記載させていただきます。

その1|採用ブランディングの再設計

  • 求職者や社員からヒアリングした内容やアンケート結果、ネットで得た情報などをもとに自社の強みと弱みを分析する
  • 会社の経営方針や経営計画と採用計画を連動させ、どのような人材をどのくらい採用すべきか明確にする
  • 上記の内容から、求めるターゲットに訴求していくために、自社の強みを打ち出しつつ採用活動のテーマを決める
  • 採用活動のテーマを求人情報やパンフレット、説明会、面接などで打ち出し、求職者に自社の魅力を印象付ける
    【例】採用活動テーマを『passion(パッション)』とした場合
    求人情報やパンフレット、説明会ブースに『passion』の文字とともに赤を基調としたもので統一するetc…
  • WEBやSNS上でも、採用活動のテーマを打ち出し、転職潜在層にも訴求していく。さらに可能であれば、転職潜在層向けにイベントをおこない「あの会社、雰囲気がいいな」「いつかあの会社で働いてみたいな」というファンを増やす。
    【イベント例】
    ミートアップ、異業種交流会、自社のフットサルチームとの対戦、社長の講演会、プロボノへの参加、etc…

その2|採用計画の見直し

  • 自社の魅力を候補者に届けるためのツールをさまざまな角度から見直す
  • 採用基準の見直し
  • 採用競合よりもスピード感を持った選考フローの構築
  • 面接や会社説明会を求職者に合わせて柔軟に実施できるようにする
  • 誰を面接官にするか決める
  • スキルチェックや適性検査のやり方の見直し
  • 面接では会社の良い面だけではなく悪い面も包み隠さず話し、求職者にもありのままを話してもらうことでミスマッチを減らすようにする
  • 採用競合よりも給与や福利厚生の基準が低いときは、働きがいや専門性、社内の風通しの良さなどをアピールする
  • 内定直後に職場見学会や社員との懇親会を実施して認識のズレや現実とのギャップを埋める努力をおこなう

その3|3C/4Pマーケティング用いた採用戦略

3CのCはcompany(企業)customer(顧客)competition(競合他社)を意味します。これを採用の場面に当てはめると「company(自社)」「customer(求職者)」「competition(採用競合)」となります。

3C/4Pマーケティング用いた採用戦略方法
1.経営計画と採用計画を連動させる
2.採用計画で決めた求める人物像を採用するためにどう活動するか検討する

<company(自社)対策>

  • 採用競合に真似できない要素を洗い出す(企業文化や仕事の進め方etc…)
  • 採用競合が自社と比較して優れている点を洗い出す(自社の弱みを理解する)

<customer(求職者)対策>
ターゲットとなる求職者(新卒や中途)のキャリアプラン、ライフステージプラン、職業観、企業に求めていることを調査し分析をおこない、求める人物像への訴求ポイントのズレを修正する

<competition(採用競合)対策>
求職者の目線で採用競合の求人内容や収集した情報を見直して再度分析

3.マーケティングの4Pに当てはめて採用計画全体を見直す
  • product:求職者へ訴える自社の魅力や強みとは
  • price:採用予算や採用活動資金は十分か
  • place:説明会や面接会場は求職者にとって魅力的な場所か
  • promotion:採用広報や採用ツールは最適なものを選べているか

その4|エージェントとの付き合い方を見直す

  1. 自社を深く理解してくれるエージェントはいるか。いるのであればまずは数社に絞り込む
  2. 「求職者に訴えること」を考える
  3. エージェントに下記の4点を共有する
    【自社の採用方針・採用目的・求める人物像・求職者に訴えたいこと】
  4. エージェントのスクリーニング方法を詳しく聞き、共通認識を持つ
  5. 難しい案件は現場担当者からエージェントに説明してもらい、理解を深めてもらう
  6. エージェントに企業の魅力や求職者がどう活躍できるかを求職者に話してもらい、自社の選考を受けるように口説いてもらう
  7. エージェントにも採用件数や面接まで進めた件数などのノルマがあるため、自社で協力できることは協力する姿勢を持つ
  8. 求職者の選考結果は不合格理由だけでなく合格理由も詳細に伝える
  9. 内定受諾を迷っている求職者がどうしたら内定を受諾してくれるか聞き出して譲歩できるところは譲歩する

これらのことを実践するには、エージェントと会って話し合うと認識のズレがなくなりますが、時間的に難しい時はSkypeを利用してもいいかもしれません。

最後に

いかがでしたでしょうか。

普段、何気なく意識している採用競合をより深く知ることは、自社の採用力の向上につなげることができます。また、その採用競合は本当に適切なのか、求めるターゲットにしっかりと訴求できているのかを適宜確認することも必要です。

「いつもあの会社とバッティングして負けてしまう」というお悩みがある方にとって、何かしら参考となれば幸いです。

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