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【保存版】2年間で180社以上の採用広報を手がけて掴んだノウハウ、全てお話しします

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ミスマッチのない社会を実現するために「ストーリー」を通して共感を生み出すという、新しいPRのソリューションを提供しているPR Table

提供サービス・働く社員・企業カルチャー・働き方・福利厚生といった「会社の資産」を、ストーリー性のあるコンテンツにして届け、多くの興味や理解、共感を生み出す仕組みをつくっています。

そして、PR Tableは『採用広報』の支援にも活用されています。ここ数年でよく耳にするようになった採用広報ですが、どんなコンテンツを作成すればいいのか、そしてどのように求職者に届けたら良いのか。さまざまな課題を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

採用広報においても、ストーリー性のある“刺さる”コンテンツを求職者に届けることによって、企業認知、企業理解、魅力づけにつなげることができます。

そこで今回は、多くの企業の採用広報の支援を手がけているPR Tableの取締役 菅原氏と執行役員 後藤氏に、「採用広報を実践する上で意識したいこと」をお伺いしました。

菅原さん

菅原 弘暁 | 株式会社PR Table 取締役/共同創業者

老舗PR会社・オズマピーアール(内1年間は博報堂PR戦略局に在籍)を経て、国内最大級の共創プラットフォームを運営する会社で広報・ブランディングに従事。2015年9月より(株)PR Tableに参画。ストーリーテリング事業を立ち上げ、2年間で100以上の広報コンサル、500本以上のストーリーを監修。
後藤さん

後藤 亮輔 | 執行役員/エディター

編プロでの雑誌・CMのコピーライターを経て、エン・ジャパンで採用関連業務、CAREER HACKの運営を兼任。フォトクリエイトでのメディア事業立ち上げを経て、サムライトのCCO(最高コンテンツ責任者)として2016年朝日新聞へのバイアウトに貢献。2017年6月よりPR Tableに参画。

【目次】

採用広報が注目される背景

-PR Tableが考える採用広報とはどのようなものでしょうか?

菅原氏企業が持っている資産を“正しく料理”して届けることが採用広報だと考えています。しっかりと自社の素材を活かして、求職者が知りたい情報、働くイメージを持たせることができるかという調理の腕が試されます。

そして、そのように調理した情報を通して、最終的に企業と求職者が良好な関係を築けるようになることが採用広報では求められます。

-採用広報が注目されてきた背景にはどのようなものがあるのでしょうか?

後藤氏:少子高齢化により労働人口が徐々に減っていく一方で、有効求人倍率はあがってきています。採用における競合は増えているのに、採用ターゲットが減っている現状があるため、自社のことを採用候補者に魅力的に、かつ正確に認知してもらう必要性が生まれてきています。そういった背景があり、注目されているのではないでしょうか。

ただ、自社以外のメディアなどに情報発信を任せているだけではミスマッチが生じてしまいます。これは、良い意味でも悪い意味でも他者が書いてくれることと、自分たちの伝えたいことが違うためです。その微妙なズレがミスマッチを生むことにつながってしまいます。

「あの会社のサービス、社風、働く人はこういう感じだよ」という第3者評価ももちろん重要ですが、「そもそもその会社で働く人自身がどう思っているのか」というナマの情報があまり外に出ていないように感じています。

とはいえ、「どう伝えればいいかわからない」「社内ブログとどう違うのか?」など、Howの部分に課題があるのも事実です。届けたい人、届けるべき人にいかにして届けるのかが、今の時代では非常に大事です。

そこでPR Tableとしても採用広報に関するサービスを提供させていただいており、実際に企業様からの引き合いが増えてきています。

採用広報で意識すること|その1.まずは社内広報からはじめる

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『表裏一体』採用広報の前にまずは社内広報から

-PR Tableでは、採用広報の支援をする上で意識していることはございますか?

菅原氏:おもしろいのが、採用広報でお問合せいただいても、実際には採用広報だけでなく、社内広報も手がけていくケースが多いんです。

弊社では社内広報のことを「インターナル・コミュニケーション※」という言い方をしていますが、社内広報と採用広報は表裏一体であると感じています。

インターナル・コミュケーション:社内コミュニケーションともいう。社内報、社員公聴会など、円滑なインターナル・コミュニケーションによって、「職場の連帯感と相互信頼」「社員への企業理念の浸透、共通認識と価値観の醸成」「社員の活性化」「新しい体質と文化の創造」「社員の声が経営トップに届くボトムアップ経営」などの成果が生まれる。[参照:日本パブリックリレーションズ協会]

たとえば、会社が発信した情報を求職者が見て面談にきてくれても、その面談をした社員が期待していたイメージと違ったらガッカリするかもしれない。それにせっかく意欲をもって入社しても、既存の社員やチームのモチベーションがイマイチだったら「話が違う!」となってしまう。

社外に打ち出す情報と社内の現状にズレが生じていると、当然ミスマッチにつながります。ですので、結局どんなに良いことを発信しても、会社の中から本質的に変えていかないと意味がありません

また、リファラル採用、ダイレクトリクルーティングといった採用手法が注目されてきていますが、これらも社内が魅力的な会社でなければできない手法だと思っています。

魅力的な会社とは、社員のエンゲージメントが高く、「この会社で働き続けたい。がんばりたい」といった働きがいを感じてもらえていることだと思います。そのような環境があることで、採用広報にうまくつながっていくと考えています。

「ストーリーテリング」を用いて自社の魅力を整理・言語化していく

-インターナル・コミュニケーションはどのようにおこなうのでしょうか?

菅原氏:まずは、自社の強みや独自性を整理していきます。そこで多くの会社で言われるのが、「特にないんだよ」「風通しが良いんだよ」「お客さま第一主義です」といった内容です。風通しが良いと言われても抽象的ですし、お客様第一主義も多くの会社では当たり前のことだと思うんですよね。要はリアル感や納得感がないんです。

じゃあ、その風通しがいいと感じられる具体的なエピソードは何か。お客様第一主義と感じさせる具体的なエピソードは何か。さらに深掘りして追求していくことが非常に重要です。それは、自分たちの会社のDNA、大事にしているものは何かを明確にしていくことです。そのために、弊社では「ストーリーテリング」という手法を用いています。

ストーリーテリングは、印象的な体験談やエピソードといったストーリーから、伝えたい想いやコンセプトをつくっていくやり方になります。会社の歴史や従業員の想いをインタビューさせていただき、その会社の強み、魅力を抽出していきます。

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私たちは「小さいころはどのような子どもでしたか?」といった過去の部分からインタビューしていくこともあります。そこから「なぜ入社しようと思ったのか」だけでなく、そう考えるようになったきっかけや背景までヒアリングしていきます。その人の価値観の根っこや原体験をつかみにいくイメージですかね。

そして、そのような会社や従業員のストーリーから導かれた強み・独自性は、具体的で濃いものになるので、人の心に響きやすくなるんです。

-なるほど。そうやってその会社独自の強みを抽出して整理していくのですね。

菅原氏:そうです。ストーリーテリングによって自社の魅力を整理していくことで、「この社員にはこの魅力を伝えてもらおう」といった、誰が何を伝えるべきなのかも明確になります。また、「あ、この人はこういった部分を魅力に感じているんだ」という気づきを得ることができたり、自社の魅力について目線合わせができることにもつながります。

-インタビューする社員をどのように選定しているのでしょうか?

菅原氏:「2:6:2」の法則のように、上位の2割にインタビューさせてもらうようにしています。これは「ファン:ノンポリシー:アンチ」といったように分けることができます。

ここでのポイントは、6割のノンポリシーの方々にいかにファンである2割の声を届けるかです。

「うちの会社は外に向かってこういうこと言っているから、もっとがんばらなきゃ」「私は会社の求める人材になれているかな」「こういう人間を会社は評価してるんだな」と感じてもらえる機会につながるんです。

そこから社外に情報発信し、「あの会社の社員は頑張っているよね」「あのサービスコンセプトはいいよね」「あの会社のビジョンは共感できるよね」といった声が社外からあがってくれば、その声に応えようと奮起する従業員が増え、良いサイクルが生み出すことになります。

このノンポリシーの6割が、ファンかアンチかどちらに振れるかで会社の成長は大きく変わると思っています。

採用広報で意識すること|その2.どうやって社外に届けていくのか?

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WhoとHowを徹底的に意識すること

-ここからは外部に対してどのように打ち出していくかになると思います。

後藤氏:そうですね。ここからはコンテンツにして届けていくフェーズになります。意識したいことは「伝える」と「伝わる」は違うということです。

現在は多くの情報が世の中に溢れていて、届け方は考えておかないと確実に埋もれてしまいます。ですので、採用のコンセプトメイキングを考える時点から、「誰に届けるか」「どのように届けるか」という、WhoとHowの部分は絶対に意識する必要があります。届けたい人に届けたい情報が辿り着かないと意味がないんです。

特にWhoが大事です。WhoによってHowの部分の全部変わってくるんですね。起業エピソードを届けるのか、プロダクトの想いを届けるのか、社員の経歴を届けるのかなど、大きく打ち出しポイントが変わってきます。

コンテンツをつくる上で意識したいこと

-コンテンツを作成する上で意識したいことは何でしょうか。

後藤氏:まずは他者のやり方を真似することが上達への近道だと思います。「学ぶ=真似ぶ」ということですね。

たとえば、PR Tableでもいくつかのパターンに分けて記事を作成しているので、そちらを見ていただき、何かイメージに合う内容のものを活用してもらうとやりやすいかもしれません。

【必見】PR Tableの記事作成パターン

  • パターン1|中途社員のキャリアを、“丁寧に”洗い出してあげる
    一般的に社員の過去というのはダイジェストで語られることが多く、「現職との出会い〜今が重点的に描かれている」と思います。ただ、それでは社員がどう働いているのかしか見えない。「過去に何をしていたのか」「なぜその仕事をしていたのか」「どういう転機があって今の仕事と出会ったのか」なども見せてあげると、共感からの応募というものが生まれる可能性が高まりますし、実際、そのようなケースがあったという声はいくつももらっていますね。
  • パターン2|社内制度を、「ファクト」ではなく「エピソードベース」で伝える
    よく、「女性が働きやすい職場です」とか「産休・育休の取得社員多数」とか求人広告などで見かけると思います。でも、ただの表記では温度感が一切、受け手には伝わってこず、他の制度と同等にしか見られないでしょう。しかし、その活用のシーンを可視化することで、一気にリアリティが増し、魅力も伝わるのではないでしょうか。

後藤氏:もちろんすべてを真似してほしいわけでなく、参考になる部分を切り取って活用していただけると嬉しいです。また、このようなコンテンツ作成は別に人事の方がやらなくてもいいと思います。人事の方も結構大変じゃないですか。

ですので、社員の持ち回り制でやった方が継続的にコンテンツを出し続けることができるのではないでしょうか。

どうやってコンテンツを届けていくのか?

-コンテンツを作成した後、届け方に関してはいかがでしょうか。

菅原氏:伝える手法はいくらでもあります。オウンドメディア、社外報、プレスリリース、SNS、求人広告もあります。HR NOTEさんのようなメディアのインタビューを受けるのもそうです。

後藤氏:あとは、PR Tableを活用していただき、その記事をどんどん2次利用してもらいたいですね。

Wantedlyに転載しても良いですし、プリントアウトして、インターン・新卒採用セミナーで配布する、人材紹介のエージェントへ共有するといった活用もできます。エージェントに自社の魅力がうまく伝えられていないときには効果的だと思います。

面接の事前に求職者にコンテンツを送付して読んでもらうことも効果的なやり方だと思います。

私自身も自社の採用に携わっているのですが、求職者と面談をする際は、なるべく相手のことを知るための時間にしたいもの。ただ、求職者の会社理解が足りないと、会社のことを一から知ってもらう時間になってしまうんです。

それを事前に「あなたが一緒に働く人はこういう人たちです。弊社の考え方、社風はこのようなものです。サービスに対してこのような想いがあります」と伝えることができれば、ある程度自社を理解して面談に臨んでもらえます。

求職者からの質問の内容も変わりますし、より深いマッチングにつなげることができるんですね。出会いの質が変わるんです。

後藤氏:相手が自社を理解した状態で出会えるので、話が早いですよね。

菅原氏:人事や広報の方からすると「コンテンツをつくるということは、余計な仕事が1個増えている」と思われこともありますが、結果的に効率的になっているんですよね。出会いの質を上げることで、会社の生産性が向上すると思っています。

採用広報を通して採用につながった2つの事例

-他社ではどのような活用方法をしているのでしょうか?

菅原氏:弊社が支援させていただいた事例を2つお話させていただきます。

CASE1:自分と同じキャリアで同じ悩みを抱えていた社員に共感

1つ目は、教育系の会社からWebマーケティング支援の会社に転職した方がいて、その方の転職ストーリーを書かせていただきました。その教育系の会社が意外とエンドユーザーと距離が遠く、そのことにすごくジレンマを感じていて、転職をするに至ったんです。

そうしたところ、同じようなキャリアで、同じようなジレンマを感じていた方がいて、そのストーリーを見たときに「あっ、自分にはこういう道があるかもしれない」「こういう思いは一緒だ」「この会社の門を叩いてみよう」と、これがきっかけで応募してくれて採用に至ったケースがあります。

CASE2:社内向けの共感が、社外の共感を生んだ事例

2つ目は、オンライン英会話を営んでいる会社の事例になります。その会社はオンラインのイメージが強いのですが、オフラインの英会話事業も展開されています。

これに対し、「何でうちはオンライン英会話の会社なのにオフライン事業をやっているの?」とクエスチョンマークが出る方が社内にもいたんです。

オフラインでの英会話事業は副社長の肝いりプロジェクトなのですが、サービスが立ち上がった背景や副社長の想いなどを社内に説明するためにストーリーを作成させていただきました。

それを外部にも公開したところ、とあるデータアナリストの方がたまたま見てくれて「すごく立派な方だなあ」「会いたい」と言うことで、そこから会って話をして、データアナリストの採用はものすごく難しいのですが、入社してもらえることになったんです。

採用広報を通じて社内・社外から評価される会社をつくる

-ありがとうございます。最後にそれぞれ一言ずついただけますでしょうか。

菅原氏:私がお伝えしたいのは、自社を発信していく最初の1歩を踏み出していただきたいということです。採用広報はすぐに効果が出るものではありませんし、すぐにできるようなものでもありません。

ただ、できないからやらないということが1番ダメなことだと思うので、まずはヒアリングベースでも、我々を頼っていただけたら嬉しいですし、徐々にでいいので何かしらトライをしてほしいですね。

後藤氏:しっかりと社内と社外がリンクするように採用広報をおこなうことが大事だと思います。

とはいえ、今の社員から愛されない会社でなければ何もはじまらない。まずは従業員に自社の魅力を知ってもらい、自社を好きになってもらい「社内から評価される」仕組みをつくる。そして、自社の魅力を外部に発信していくことで「社外から評価される」会社になる。そうなることで、従業員がさらに自社に誇りが持てるようになります。

採用広報をおこなうことで、このようなスパイラルを生むことができると思っています。

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