働き方改革で「ITインフラ整備」に求められる攻めの姿勢とは?♯コクヨが提案する働き方改革

個人や組織の創造性や生産性の向上において、働きやすいオフィス環境は重要な要素の一つ。コクヨでは、単なるオフィスの改善のみならず、さまざまな働き方改革に取り組んでおり、働き方改革の領域における各分野のパートナー企業とも連携し、複合化する働き方の課題を解決しています。「働き方のプロであるコクヨ」が考える「働き方改革」とはどのようなものか、シリーズでご紹介していきます。

こんにちは、HR NOTE編集部 働き方改革プロデューサーの井上です。

今回は、働き方改革を推進していくうえで、どのようにITインフラ環境の整備を考えていくべきなのかについて、ご紹介します。

普段はあまりスポットライトが当たりにくい「IT・情報システム部門」も、働き方改革においては重要な役割を担っており、攻めの姿勢が求められているのではないでしょうか。

【人物紹介】伊藤 毅 |コクヨ株式会社 ファニチャー事業本部 スペースソリューション事業部 ワークスタイルコンサルタント

2007年コクヨ入社。セキュリティやITなど働き方を支援する仕組みや環境づくりに従事し、コクヨのクラウドを活用したワークスタイル企画に参画。現在は、働き方・IT・制度の3つテーマを働き方プロジェクトマネジメントとして実施。

働き方改革を考えるうえで、まずはITインフラ環境を把握しよう

-実際に、ITインフラの環境構築に関して、お客様に提案を進める際は、どのようなステップを踏んでいくのでしょうか?


伊藤氏
:まずは、「働き方改革のために○○をしたい」というお客様に対して、現時点でのITインフラの環境をすべてヒアリングさせていただき、具体的に何がやりたいのかをすり合わせていきます。

たとえば、「フリーアドレスを実施したい」という場合、ツールの準備、制度の整備、社員の意識改革などが必要ですが、実施環境の基盤となるITインフラの見直しも必須です。

「通信環境は大丈夫なのか?」「固定電話の扱いはどうするのか?」といったことが解決できなければフリーアドレスの導入は難しいです。


-「電話の問題」というのはどのようなものですか?


伊藤氏
:代表電話を個人へつなぐ方法は携帯電話普及の前後で変化したと思いますが、普及前は1つ(または複数)の代表電話をみんなで使い、普及後の現在は代表電話から個人の携帯に転送する、という仕組みになっている企業が多いと思います。

ただ、代表電話が固定である限り、誰かしらが固定電話のある場所にいなければならず、席が固定されてしまいます。電話ひとつをとってみても、「フリーアドレス」導入の課題となるのです。

ですから、「フリーアドレス」や「テレワーク」の導入を検討されるお客様には、今現在“固定”されているものを“フリー”にできるよう、ITインフラの環境を整えていきましょう、とご説明しています。

多様な働き方を実現するには、多様なITインフラ環境が求められる

-企業様のITインフラ環境の構築を支援する中で、苦労することはありますか?


伊藤氏
:苦労するのは、「働き方を変えたいけど、具体的な案は何もない」というケースで、提案が難しいですね。

一方で、「フリーアドレスを実施したい」など、やりたいことが明確な場合はスムーズに進みます。


-「何をやりたいのか?」は重要ですね。そこが決まらないかぎり、動きようがないですよね。


伊藤氏
:たとえば、「場所にしばられずに、自由に働ける環境をつくりたい」という要望に対して、「それは何のためですか?」と掘り下げて質問するのですが、「自由に働ける環境があれば、コミュニケーションが活性化し、移動工数も減り、お客様と接する時間が増え、結果として売上向上につながると考えているので」といったところまでイメージができていれば、あとは実現するための環境を整えるだけですので話がスムーズに進みます。

また、「何をやりたいのか?」「どんな働き方を実現したいのか」によって適切な道具とツールは違うため、お客様の要望にあわせて最適な道具とツール(ITインフラ)をご提案するように心掛けています。

たとえば、お客様の要望が「自席での業務を効率化したい」のであれば、席は固定でデスクトップパソコン、固定電話、収納はワゴンと、自席から動かずに効率的に仕事できる方法を提案します。

また、「外出先での仕事を快適にしたい」のであれば、ノートパソコンやWi-Fiを用意して、電話もスマートフォンを支給。収納には個人ロッカーを提案します。


-従来だと、一つの働き方のパターンだけを考えてIT環境を整備すれば良かったところ、働き方が多様になったため、対応も多様化が必要なんですね。


伊藤氏
:そうです。働き方の多様性を実現するのであれば、ITインフラも多様化が求められます。

しかし、多様化してしまうと、トラブル発生のリスクは上がるので、ITインフラの整備を担当する部署の方にとってみれば、リスクの高いチャレンジです。

そのため、チャレンジの重要性を理解してもらうためにも、初期段階から担当部署を巻き込み、安心感や納得感をもって前向きに進めてもらえるよう、調整していくのも重要ですね。

担当部署に求められる「攻める姿勢」

-IT・情報システム部門の方が前向きに進められるよう、どのようなお話をされるのですか?


伊藤氏
:お客様に一番響くのは、「事例見学」です。事例を見学してもらい「他の企業ではここまでやっているんだ」と、感じてもらうことです。

そのうえで、「他社様ではここまで挑戦したことで、〇〇な結果もでています。御社ではどうしますか?」と、伺っています。


-事例見学というのは、どのようにされているのですか?


伊藤氏
:働き方改革を積極的に実施している企業様にお願いして、約1時間から2時間くらい、オフィスでの仕事風景を見学させていただきます。

たとえば、固定席で仕事をしているので、「自分の場所(テリトリー)がなくなるなんて考えられないと」という企業様には、フリーアドレスのオフィスを見てもらい、漠然とした不安を少しでも解消していただきます。

そのうえで、自社の課題に対する解決策としてフリーアドレスが有効な手段であることをご説明し、「自分達もチャレンジしないといけない」という気持になってもらうのです。


-IT・情報システム部門の方も、攻める姿勢が求められてきているのかもしれませんね。


伊藤氏
:働き方改革というキーワードが声高に叫ばれるようになったことで、多くの企業で変革の必要性を意識し、新しいことに挑戦する機運が高まってきていると感じています。

意識の高いお客様は、働き方改革に積極的で、熱心に情報収集もされているので、私たちへの質問もとても具体的です。

また、こちらからの提案に対しても、ポジティブに受け止めてくださるので、良い関係を築くことができ、よりお客様の要望に沿ったご提案ができます。

ITインフラにおける、トライアルの重要性と効果検証方法

-実際、新しい仕組みを導入する際は、どのように進めていくのがよいのでしょうか?


伊藤氏
:「まずはトライアル」をしてみることが重要ですね。数百人規模で一気に導入するよりは、ある程度の規模の人数でトライアルしてみて、その結果を踏まえたうえで全社に展開していく。それが一番いい流れだと思います。

ただ、トライアルも4~5人程度ではあまり意味がありません。


-規模が小さすぎるということでしょうか?


伊藤氏
:そうです。対象が数人であれば、工夫次第で解決できてしまいます。

一定の傾向を見るには、30~40人くらいで、部門を越えて実施する必要があります。また、トライアルには時間をかけ過ぎないことも重要です。

目安は2、3ヶ月程度。3ヶ月経っても、まったく変化が見られないもの、効果がないものは、見直しをしたほうがよいでしょう。


-効果検証はどうすればよいのでしょうか?


伊藤氏
:そうですね。効果検証に関しては、まずはアンケートを取り、施策の前後で、デスク周りの変化、紙の使用量の変化、レイアウトの変化などを写真に撮って比較するとよいでしょう。

トライアルの前後で、どのくらいの違いが生まれたのか・・・、その差を見るだけでも納得感が生まれてきます。

どこまで将来を見据えて情報をキャッチアップしていくべきか

今後、ますますIT環境が加速化していくと思いますが、どのように最新の情報をキャッチアップしているのでしょうか?


伊藤氏
:私自身、あまり遠い未来の予測はしないのですが、今後を予測する際には、各社メーカー系が示す、将来の展望を参考にしています。

たとえば、「携帯電話は4Gから5Gになる」とか、少し前だと「パソコンは、RGBからHDMIに変わる」など、テクノロジーの進歩による、機能の進化をメーカーが発表しています。

今後もテクノロジーは進歩し、その恩恵を受けて、私たちの働き方も変わっていきます。また一方で、労働人口の減少が深刻化し、私たちは働き方を変えざるを得なくなるでしょう。

企業の成長のためにも、人材不足を補うためにも、求められるのは業務の効率化と生産性アップであり、それを実現させるためにITは欠かすことのできないツールです。

そして、IT活用のためには、基盤となるITインフラを整えることが必要なのです。

大きな変化にはリスクや不安はつきものですが、今よりも一歩でも前進したいのであれば挑戦すること。また、早い段階から関係部署を巻き込み、改革の目的を共有し連携していくことがとても重要です。

 

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