「ミッション」と「カルチャー」が強い組織をつくる|コネヒト、LITALICOから学ぶ組織づくり

「ママの一歩を支える」をミッションにママ向けNo.1アプリ(※)ママリ」を提供する、コネヒト株式会社が「コネヒト―ク」というイベントを開催。

記念すべき、コネヒトーク第1回目のテーマは「社会のインフラを目指す事業/会社がどうやってつくられているのか」。

コネヒト株式会社代表取締役社長の大湯氏と、取締役CTOの島田氏のトークセッション、また、株式会社LITALICO取締役の中俣氏を加えてパネルディスカッションがおこなわれました。

コネヒト、LITALICOの2社は、強い組織をつくるために何を心がけているのか。本イベントの内容を記事にまとめましたので、ぜひ今後の組織設計のご参考にしていただけますと幸いです。

【登壇者】コネヒト株式会社 代表取締役社長|大湯 俊介

1988年生まれ、慶應大学卒。在学中にアメリカ留学を経て帰国後の2012年にコネヒト株式会社を創業。 2014年より、同社にて「人の生活になくてはならないものを作る」というミッションのもと「ママリ」事業を開始。2016年に同社はKDDIグループにジョインし、引続き代表取締役社長を務める。

【登壇者】コネヒト株式会社 取締役|島田 達朗

1988年生まれ、慶應義塾大学大学院卒。Sansan株式会社で名刺アプリ「Eight」の立ち上げを経験した後、コネヒト株式会社を創業。創業CTOとしてサービスの0→1の立ち上げをおこない、月間600万人以上が利用する「ママリ」を開発。 2016年にKDDIグループにジョインし、現在も取締役 CTOを務める。

【登壇者】株式会社LITALICO 取締役|中俣 博之

1984年新潟県新潟市内野生まれ。筑波大学第三学群卒業後、株式会社ディー・エヌ・エーに入社。新規事業開発をはじめ、国内・海外企業との提携・買収案件や、海外支社での経営企画・戦略を担当し、帰国後はゲーム開発の部長職などを歴任。2014年7月株式会社LITALICOに入社。同年10月、取締役に就任。
※妊娠中〜2 歳 0 ヶ⽉の⼦供を持つ⼥性 1,023 ⼈を対象とした調査にて、「現在使っているアプリ(妊娠・⼦育て系) をすべて教えてください」で第1位(2017 年 8 ⽉実施、調査協⼒:インテージ)

ミッションの必要性を感じたのは、「会社の軸がブレている」と感じたことから

 

こんばんは、大湯と申します。

コネヒトは、「人の生活になくてはならないものをつくる」というミッションを掲げており、その中でメイン事業として、現在は「ママリ」というサービスを提供しています。

会社にとってミッションは「なくてはならないもの」だと考えていまして、実際に事業の運営についてもメンバー全員でミッションに沿いながらおこなっています。

例えば、ママリのようなサービスは、ユーザーの声をとても重視しているのですが、特に「人の生活になくてはならないものか」という視点で、可能な限りユーザーの声を拾い上げるような取り組みをしています。

また、社内制度を考えるワークショップをおこなったりもしているのですが、そういった際にも「本当に社員の生活になくてはならないものか」ということを重要視しています。

 

初めまして、島田と申します。

今回のトークセッションは「ミッションの作成秘話」ということで、実際にどのように私たちがミッションをつくっていたのかをお伝えできればと思います。

もともとは当社の立ち上げ期は、長い間一緒にやっていたメンバーだけしかいなかったので、ミッションというものがなくても自分たちの考えや、やりたいことは、文字化しなくてもシンクロして同じ方向を向いていました。

しかし、転機がありました。VCから資金調達して採用を本格化していったタイミングです。この頃から、自分たちの会社を世の中に発信していく機会や、組織拡大のための採用をする機会が増えていきました。

新しいメンバーを迎えても全員が同じ方向を目指せるために「採用で何を伝えていくべきか」という話や、「どのようにPRしていくか」ということを少しずつ考え始めたのを覚えています。

たしかこの頃から、ミッションの必要性を感じ始めました。

ミッション作成へのこだわり。「視座の高い実現困難な内容」であるべき

私もこの時のことは覚えていまして、率直に言えば「それぞれのメンバーがそれぞれの言葉で会社のことを伝えていた時代」だったなと思っています。

それぞれのメンバーに「僕らのやっていることを一言でいうと何?」という質問をした際に、「根本は近いけれども、それぞれニュアンスが違う」という状況でした。

そのため、実際に面接時に他のメンバーの発言にも違和感に思う瞬間もあったりと、会社の軸がブレているなとも感じていて、島田と同じようにミッションの必要性は感じていました。

そこから「会社としてどんなことを背骨にしてやっていくのか」ということを決めようということで、今のミッションの土台になることを言語化しはじめました。

メンバー全員で、ホワイトボードに「それぞれが大事にしているキーワード」を書き出していきながら考えていったんです。

最後の方は、「。」をつけるかどうかというレベルまでこだわっていて、実際にこの時につくったものが今でも生きています。

島田さんはこの時のことを振り返ってみるとどうですか?

 

実は、このミッションに対して最後まで私は反対していました(笑) 。なぜかというと、当時の私にはこのミッションがあまりにも大それているなと感じていたからです。

「人の生活になくてはならないものって、水や電気のようなものではないか 。そういうものはインフラサービスであって、私たちがつくっているのはソフトウェアでありスマホアプリじゃないか」と。

ただ反対していたものの、自分の中でより良い代案も出せなかったので、「一回このミッションでスタートしてしっくりこなかったら1年後にまた考えれば良いや」と思い、このミッションを受け入れました。

それが今ではすごくフィットしていて、インフラをつくるという気概で仕事をしています。やっぱりミッションというのは「視座が高いミッション」が必要だなと。

「人の生活になくてはならないもの」は普通つくれないと思いますが、ミッションに対してメンバー全員が一丸となって向かっていくことで、良いプロダクトづくりが出来ているのかなと今は感じています。

 

私は「ミッション=指針を示すもの」だと思っていて、どの時代でも揺るがない普遍性が高いものであり、共通の価値認識をされやすいものがミッションには適しているなと思います。

ミッションを意識して変わったこと

 

ミッションがあることで、事業を展開するときに「何を選ばないか」が明確になりました。「何を選ばないか」は私が大事にしていることです。

例えば、私はもともとゲームやエンタメが好きなので、エンタメ事業をやりたいなと思うことがありました。

ただ、それは今集めたメンバーの人生を巻き込んでまでやることなのかと考えてみると、「ちょっと違うな」と踏みとどまったんです。

「人の生活になくてはならないものをつくる」というミッションが行動指針として機能しているなと感じた瞬間ですね。

 

私もミッションによって日々の行動は変わったと感じていて、その中でも大きいなと感じるのが「採用」です。

もともとはエンジニア側を私が面接して、ビジネス側は大湯さんが面接するみたいなことをやっていて、ある時に2人で面接に出てみたら、やっぱり伝えている内容が微妙に違うなと感じたんです。

それが、ミッションによって言葉が統一されることで、軸がぶれることなく面接に訪れてもらった方にメッセージを伝えることが出来るようになったなと感じるようになって、やはり共通言語のようなものは必要だなと改めて思いました。

 

加えて、個人的にはサービスづくりにも「ミッション」が大きな影響を与えたなと感じています。

どうしてもサービスをつくっていると、KGIやKPIに大きな影響を与える施策に目がいってしまいますが、ミッションのおかげで「ユーザーが生活において困った時に戻ってこれるサービスになるか」に立ち返ることが出来ているなと。

どうしても会社なのでKGIやKPIはどうしても重要になりますが、そもそもミッションに沿った行動ができているかは重要だと思っています。

カルチャーマッチを見るなら「心のパンツを脱げ」

司会:ここからは、株式会社LITALICO取締役の中俣さんをゲストにお迎えして、パネルトークをおこなわせていただきます。

最初の質問は「スキルは良いけど、会社にマッチしなさそうな人を採用においてどう判断しているか」です。それでは、セッションを始める前にまずは中俣さんから自己紹介をよろしくお願いします。

 

みなさん、こんばんは。株式会社LITALICOで取締役をやっている中俣と申します。本日はよろしくお願いします。

 

まずは私からいきますね。基本的に会社が人を見るときって「1、ミッションへの共感」「2、カルチャーフィットへのフィット感」「3、スキルや経験」の3つが、ざっくりと分けてあるのかなと感じています。

そして、この優先順位ですが、今話した順番で見ています。

私は会社を生き物みたいなものだと捉えていて、よく楕円形の球をイメージしながら採用について考えています。

会社としてはミッションの達成に向かっていっており、その途上では楕円のように周辺の事柄もトライしながら進んでいきます。その会社の楕円が候補者さんの持っている楕円と被っていれば、お互い幸せになれる可能性があるなと考えています。

そして、それがなるべく長く被っている人だったらすごく長く働ける人だなと判断しています。

中俣さんはどのように見ていますか?

 

そもそもでいうと、当社の面接には「スキルはあるけど文化が合わない人」はあまり来ないというのが実態です。ただし、やっぱり年に数名くらいはそのような人と面接することがあります。

その時に気にするのが、「この人が会社において批判者側になるかもしれない」ということです。基本的には採用しないと決めていますが、実際にその時にどのように見極めるかというと、もう「とことん喋る」ということをやっています(笑)。

 

ちなみにどんなことを喋るんですか?

 

何を喋るかというと「僕のことどう思う?」みたいなそういう話をしています。

例えば、「僕と一緒にいて楽しい?」みたいな話ですね。そうすると大体の人が「楽しいです」と答えるので、そこから「どの辺が?」という質問をして深堀りをしていきます。

ここで重要なのが、こちらが心を開いて話した後に質問をした時に、心を開いて話をしてくれるかというところを見ているということです

個人的には「心のパンツを脱ぐ」と例えているのですが、実際に批判者側に回ってしまう人は、この脱ぐという行為が出来ないなと考えています。

僕と向き合えないなら、他のメンバーとも向き合うことは出来なさそうだから採用しない。そんな感じです。

もう「心と心でぶつかるのみ」だと思っています。あとスキルは後からどうにでもなるとも考えてますね(笑)。

 ミッションの浸透はどうやって実現させるのか?

司会次に、「ミッションを浸透させるために意識していること」についてお聞かせください。

 

これは1つで、「理念とビジョンと事業と人の一貫性をブラさないこと」ですね。

要は、「これをやるためにこの会社に入ったのに、なんでこの事業にアサインされているのだろう?」とか、「なんで俺はこんな業務をやっているのだろう?」とか、「なんでこういう人がいるの?」みたいなことです。

これは基本的に一貫性があれば絶対に起きないと考えています。実際に社員総会だったりで新しいことを発表した時にメンバーの反応が悪いと、これはブレてるなと反省したりすることもありますね(笑)。

 

コネヒトでいうと、「ちゃんと日々ミッションに触れる瞬間を増やす」ということを大切にしています。

例えば、オフィスの壁にミッションを書いていますが、このように毎日目に見えるようにするといった単純なことが実は大事だなと思っています。

接触頻度を増やすことで、仕事におけるさまざまな事象をミッションの観点から考えるようになり、結果としてメンバーの中にミッションが浸透していくと考えていて、常に接触頻度を高く保てるように工夫しています。

【私見】「感情の共有」が出来る組織かどうかが組織の試金石

「人間は感情の動物」であり、仮に相手の言っていることが正しくても、気に食わない人や気に食わ強い言い方だと、聞きたくないという気持ちになる。これは人間の持っている防衛本能でもあり、まず相手を好き嫌いで判断する。そして、「この人は信用できるな」と思った後に、初めて話を聞こうという気になるのだ。

これは、日本コカコーラの市場開発マネジャーやジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人営業統括部長を歴任して独立した松村清氏の言葉です。

今回のイベントでは会社組織をミッションやカルチャーの視点からディスカッションするイベントとなっていましたが、議論が交わされていく中で「強い組織をつくるためには感情に働きかけること」が重要だと個人的に感じています。

組織においてメンバーが自身のパフォーマンスを最大限発揮するためには、感情面において良いコンディションを保つ必要があります。

また、そのためには採用時点でミッションやビジョンに共感してくれるかどうかが重要であり、実際に働くうえでもこの状態を保つ必要があります。

この一連の流れを実現するためには、組織において「感情の共有」がそもそも出来ているのかどうかがカギとなります。中俣氏の発言にもあったように「心と心でぶつかる」ということが相互理解には必要不可欠です。

まずは自社において「感情の共有」が出来ているかどうかを見直すことが強い組織をつくるために必要なのではないでしょうか。

【講演概要】

  • 第1回コネヒトーク
  • テーマ:社会インフラを目指す会社/事業はどうやって作られるのか
  • 主催:コネヒト株式会社
  • 会場:コネヒト株式会社
  • 開催日時:2018/4/25(水)19:30開場/22:00閉会
  • イベント詳細URL:https://connehito.connpass.com/event/83932/

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