松嶋、会社辞めたってよ

今回は、HR NOTE初となる、個人の退職エントリーをご紹介。対象となるのは、外資系IT企業で12年間活躍されてきた、松嶋 活智さん。

なぜ松嶋さんは12年間勤めた企業から卒業する道を選んだのか。前職でどのような経験をしてきたのか。次は何をするのか。

そこには、「個人のパフォーマンスを最大化するにはどうすべきか」という、松嶋さんならではの働き方に関する想いや考え方がありました。

松嶋さんをご存知の方も、初めましての方も、是非ご一読いただけますと幸いです。

【人物紹介 】松嶋 活智|スペースルック株式会社ビジネス開発担当、yentaコミュニティマネージャー

1998年化学系部品メーカーに入り、潤滑剤の研究開発を担当。IT とコミュニケーションの可能性を感じ、コールセンターのアウトソース企業に入社、オペレーターからセンター長、アカウントマネージャーを歴任し、外資系 IT 企業に転職。外資系 IT 企業ではアウトソースマネジメント、マーケティング担当などに携わり、2018年8月に退職。2018年9月より、会社員・業務委託・プロジェクトベースの業務をパラレルワークとして開始。

外資系の IT 企業で過ごした12年間

-今回、HR NOTE初の退職エントリーインタビューになります。よろしくお願いします。まずは前職のお話をお聞かせください。

 

松嶋さん前職は外資系の IT 企業で、12年半くらい働いていました。

はじめは、コンタクトセンターの外部委託先とのコンタクトポイントになり、お客様対応を改善する、デリバリーマネージャーという仕事をしていました。

対象はBtoC、BtoB、パートナー向けなど、一通り経験しました。最後のほうは社内でインハウスのコールセンター立ち上げにも携わりました。


-そこから、どのようなキャリアを歩まれたのですか?


松嶋さん
それから、会社として1対1ではなくて1対nといった、大多数に対するサポートニーズが増えてきていたため、ソーシャルメディアを活用したサポート体制の立ち上げをさせていただきました。

その後、「ソーシャルリード」という、社内のソーシャルメディアアカウントをすべて取りまとめ、自社が届けたいマーケティングメッセージをいかに伝えていくかを考える業務を担当しました。

ソーシャルリードへのロールチェンジは社内異動制度を利用しました。前職では自分が異動したい場合に、手をあげて認められれば、やりたい仕事に就けるチャンスがたくさんあります。

そして、2016年に中小企業向けのマーケティングにうつりました。そこで上司に恵まれたのも大きかったですね。人としても、マーケッターとしても本当に尊敬できる上司に巡り会えました。

仕事の観点でも、 BtoBのマーケティングとセールスをどう結び付けるのか、製品をどのように打ち出していくのか、そのために社内やパートナーとどう連携すべきか、本当に多くのことを学ばせていただきました。

そこから、働き方改革の担当もしました。前職の企業では主に2011年ぐらいから働き方改革に注力して取り組んできており、その実践内容や成果を、他社のみなさんに伝えて、働き方改革を活性化させていくという役割です。

この経験が、これからの人生を考えるうえで一番大きな影響を与えてくれたと思っています。

社内外の方々と話す機会が増え、社内外での人脈が増えていきましたし、社会に対する理解が非常に深まりました。

「前職のここが良かった」と振り返って感じた3つのこと

-今振り返ると、前職の良さはどのような部分がありましたか?


松嶋さん
まずは、本当にビジネスの基礎を働く中で覚えさせてくれる環境でしたね。


-ここで言うビジネスの基礎とは?


松嶋さん
例えば、KPIについて。私は当たり前に感じているのですが、社外に出るとまだKPIという言葉を上手く使えていない会社が多いように感じています。

前職では、KPIを定め、その達成に向けてどのようにPDCA回していくべきか、というKPIマネジメントが自然に身につくような環境にあるんです。

また、プレゼンテーションのやり方もそうです。当たり前のビジネスの基礎知識なのですが、それが非常に深いレベルで理解できるようになります。

2つ目は、さきほど少しお話したように、手を上げれば自分がやりたいと思った業務につけることです。もちろんさまざまな条件はありますが、多くの日本企業ではまだ導入できていない制度だと思います。


-たくさんのポジションがないと難しいですよね。


松嶋さん
コンタクトセンターの運営・立ち上げ、ソーシャルメディアのマーケティング、セールスのマーケティング、働き方改革の担当など、私がやりたいと思ったことを任せてもらえてきたのですが、前職にいたからこそだと感じています。

3つ目。社内外の人脈形成がたくさんできることですね。会社名のブランド力もあるため、社外の方とコンタクトをとりやすく、本当に多くの方にお会いできました。今でも親交のある方も多くいらっしゃいます。

一方で社内にも本当にすごい人がいっぱいいるんですよ。もうテレビに出ているような芸能人レベルの人もいるし、テクノロジー領域でいうと、日本トップクラスの人がゴロゴロいます。

「1対1で聞いてもったいない、講演会したほうが良いのでは?」レベルの話がしょっちゅう聞けるんです。部署を超えて、いろんな方の話を聞きにいきましたし、一緒に協力して業務にあたることもあり、非常に素晴らしくありがたい環境でしたね。

「人に会う」ことに慣れていないと、最初は精神的なコストが大きいのですが、やっぱり会ってくと多くの刺激がもらえて、もっともっと会いたくなってくるんです。

さらに、その人と別の人をつなげてみると、化学変化が起きてすごく面白くなって、その変化が自分にもまたプラスになるんです。

なぜ、前職を辞めようと思ったのか?

-そんな前職をなぜこの度は辞められるのでしょうか?


松嶋さん
私のやりたいことが、テクノロジーカンパニーでできる領域ではなく、別の領域のほうに向いてきたことが大きいですね。

そのきっかけは、さきほどもお話した「働き方改革の担当としての経験」ですね。

働き方改革の担当をすると、ITの課題ではなく、ビジネス課題の話が中心になります。多くの方から聞かれるのが「社員がどうやったら前向きに向けるか」「社長が本気で会社のことを良くしたいと思うためにはどうしたらいいですか」といったことです。

「どんな働き方が最適解なのか」をすごく考えさせられましたし、そのときにちょうど多くの方と接点ができ、人脈が増えたタイミングでもあったんです。

内省と外部の方からの刺激、両方が同時に起きて、この1年間で自分の中のさまざまなものがビルドアップされ、働き方についてあらためて考えるようになったんです。

これまでは正直な話、やりたいことの前に「稼ぐため、出世するためには何をやればいいか」を考えていました。しかしそうではなく、「本当にやりたいことをやってお金をもらう」ことが、自分の生き方に合っているのではないかと、強く想うようになっていきました。

この20年間を振り返ると、やりたいことやっているときが一番パフォーマンスが出たと思っています。「じゃあ、自分がやりたいことにもっとフォーカスして生きよう」と。しかも、やりたいことが一つじゃなくてたくさん出てきたんです。

やはり、企業成長には、一人ひとりのパフォーマンスの最大化が欠かせないものだと思います。

例えば、個人が一つの会社で全力で働いて10の成果を出せるとします。ただ、社会全体でみたときにそれが本当に最大のパフォーマンスといえるのでしょうか。

より個人が成果を出しやすい部分で2つの仕事をこなせたら、それは10ではなくもっと大きな成果を全体としては出せると思うんです。 この図のように、一つの企業だけに所属すると活かせない能力って必ずあると体感してる人も多いと思います。

会社を主にするのではなく、個人が主になっていたほうが、全体のパフォーマンスが上がっていくのではないかと考えていて、今回、そのような働き方をしようと決断したんです。

これから何をするのか?

-今後はどのようなことをやっていきたいとお考えなのでしょうか。

1、CEOが19歳のベンチャー企業にジョイン

松嶋さん 「1日求人アプリ」というサービスを提供しているSpacelookで働きます。

そこのCEOは谷口さんという方なのですが19歳と非常に若く、会社も設立してからまだ1年しか経っていない、スタートアップ企業です。

私がそこで何をするのかというと、立ち上げの時期なので、「なんでもやることはやります」といった感じですね(笑)。

前職の経験を活かして、組織の仕組みの構築や、伸ばしていきたいところに自分の時間をフォーカスして使いたいと考えてます。

[Spacelookのメンバー:左から、柳谷さん、谷口さん、松嶋さん、川田さん、石橋さん]


-入社するキッカケは何だったのですか?


松嶋さん
CEOの谷口さんとはもとから交流があったのですが、ある日、組織についての相談を受け、話しているうちに「キャンプに行ったほうがいいんじゃないの」となったんです。

外資系で良くやるのですが、仕事の話をせずにみんなでチームビルディングをする機会があるんです。その経験を伝えたところ、「松嶋さんも一緒に行きませんか」って言われたんです。

それで、「別に社員じゃないし、キャンプとかあまり好きじゃないな」と思っていたのですが、すごく熱心に誘われたので参加しました。

参加した結果、組織がひとつにまとまった感ができて、「この会社はこれから伸びていくだろうな」と思いながら帰路についた翌日の朝に、谷口さんからメッセージが来たんです。「いつから入社してくれますか?」って突然(笑)。

入社なんて一切考えてなかったので非常にびっくりしたのですが、「本当にみんなが一緒にやりたいって思ってくれているなら考えます」という話をしたんです。

「ちょっと待ってください。数日ください」と谷口さんから返信があって、翌日の朝にすぐ連絡が来て、「みんな100%で来てほしいと言っています。お願いできませんか」と言われ、それで入社を決意しました。

9月1日から入社なのですが、この記事が出るころには入社していると思います。

2、yentaで業務委託としてコミュニティマネージャーに

松嶋さんまた、ビジネスマッチングアプリの「yenta」を提供しているアトラエで業務委託として働きます。

[アトラエ取締役の岡さん]

 

松嶋さんさきほど、人脈形成のお話をしましたが、いろんな方と会うためにyentaを活用していたんです。

そこからさらに、「もっと多くの人に会える方法はないか」と思ってやり始めたのが、「品川ランチ会」です。

1対1だけではなく、コミュニティベースで毎週10人ぐらいが集まってランチをしながら話しする機会をつくって運営していきました。


-ちなみにyentaでは何人ぐらいの方と出会ったのですか?


松嶋さん
多いときだと月に20~30人くらいですね。


-ほとんど毎日じゃないですか!


松嶋さん
結局、累計で100人近くの方に会いましたね。「マッチングしたらとにかく全部会う」というルールを1回決めて、会っていたんです。そしたら、事前のプロフィールを見てもよくわからなかった人が、実際会ってみると面白かったりするんです。

yentaを通して多く人と会ったことで、自分の人生観が結構変わったと感じていますし、実は周囲の人も結構人生観が変わったと言っている人が多いんですよ。

例えば、データベースマーケティングをしているランドスケイプ代表の福富さんともよくお話しするのですが、この出会いもyenta がつないでくれました。福富さん自身も 「yenta での出会いがビジネスに影響を与えている」とおっしゃっています。

「ちなみに二人の関係は何て言えばいいですか」と福富さんに聞いたら「社長のメンターでいいんじゃないか」とのことでした。恐れ多すぎです(笑)。

[ランドスケイプ代表の福富さん]

 

松嶋さんyentaを通して私と会ったことにより、自分でコミュニティ活動を始めた人もいますし、そんな感じで人脈や仕事の幅がどんどん広がっていく人を見ていて、yentaを通してもっと何かできるんじゃないかって思ったんです。

私が開催している「品川ランチ会」は、メンバーが300人くらいなのですが、yentaはユーザーがすでに数万人規模でいます。

そこで、yenta をもっと活用すれば、東京のビジネスコミュニケーションを変えることができるんじゃないかと思って、アトラエさんに提案しに行ったんです。

そしたら最終的に「面白いですね。やりましょう」となったんです。ですので、今後は yenta のコミュニティマネージャーとしても働きます。

3、他にもやりたいことは数知れず

-他にはどのようなことをされていくのですか?


松嶋さん
クラウドインテグレーションサービスのクリエーションラインの社長である安田さんと一緒にお仕事させていただく予定です。

すごく大雑把にはマーケティング的なお話になるのですが、詳細はまだオフレコです。

[クリエーションラインの社長、安田さん]

 

松嶋さんまた、21世紀学び研究所という社団法人があるのですが、そこが提供しているリフレクションのプログラムがありまして、要は学び方や内発的動機をつくるプログラムです。

[左からCrossboarders Innovation 茂木さん、21世紀学び研究所 半田さん、松嶋さん、大学生の加藤さん]

 

松嶋さん自分もそうだったのですが、やりたいことを見つけることで、すごく人生が楽しくなるし楽になるんですよ。

ただ、それは結構難しいと言われていて、なぜかというと、気づきがある人は気づきを持った理由や瞬間を実は覚えてないんです。ですので、気づきがない人に、自分の経験を教えてあげることができないんです。

そこで、このプログラムを通して、まさに気づきを自分で持つための基礎知識をつけていこうと。今はフィジカルでやっていますが、今後はデジタル化することも視野に入れて、21世紀学び研究所 半田さん、Crossboarders Innovation 茂木さん、学生の加藤さんと話を進めています。

私は上記のようなことすべてを包み込むような形でコミュニティをつくりたいと考えています。

一つのコミュニティに固執するのではなく、「気づき」「学び」「経験」「働く」のそれぞれに並走する人たちが必要で、それをコミュニティという形でもう少し自由度を持ちたいと考えています。

自分の強みを活かした働き方にフォーカスして貢献していく

-どんどん新しいことにチャレンジされていく、そんな松嶋さんがビジネスにおいて大事にしているものって何ですか?


松嶋さん
まず、私は本を読むことをすごく大事にしています。本の値段が千円ってすごく安くないですか?

あの本の情報量を自分で書こうと思ったら何万円とか何十万円かかると思うんですよね。あれが千円で買えるって実はすごく安い。

また、自分の中でなんとなく感覚で持ってるものを上手く体系立てて言葉にしてくれていて、そうすると説明上手になるんです。情報の整理に、本はすごくいいなと思っています。

次に、人脈の話は結構しましたが、本当に「人と会う」ことは、学びとしてすごく大きいと思っています。

人と会うことは、コミュニケーションが上手になることにもつながりますし、あとはアイデアを磨くことができます。

この一年ぐらい、会う人に自分の想いをスライドなどにして説明して、それに対するフィードバックをもらって修正してスライドをアップデートしての繰り返しをしていたんです。

自分のアイデアを人に話すことはすごく大事だと思っていて、「これが得意です」「こういう熱意を持っています」と話すと、「あいつこんなこと思ってるからとりあえず話してみなよ」みたいに、人を紹介してくれるんです。

そうするとさらにその人たちから人脈を広がっていって、磨きたい方向がどんどん磨かれていくんです。

本を読んで人脈をつくって、そこで自分のアイデアを発信していく。これをやり続けると、自分のやりたいことが早く見つかるんじゃないかと思っています。


-なるほど。人と会って自分の想いを話すことで、それが磨かれていくと。


松嶋さん
私もこんなこといっていますが、社会人1年目からできていたかって、全然そんなことはありません。

この社会人生活20年間で学んだことがすごく大きいです。いわばこの20年間で武器をたくさん貰ったような感じです。「今から戦いに行け」って言われてもいくらでも戦えるのですが、新卒のときだと何も武器がないので、おそらく戦えていないと思います。

ドラクエでいうとレベル1でボスが目の前にいる状況です。何をやってもやられるじゃないですか。それってしんどいですよね。

やっぱりドラクエは上手くできていて、弱いとこから強いところにだんだんレベルを上げてく道のりがあって、あの過程をやっぱり踏んだほうがいいんだろうなと。

ただ、行き着く先である、「自分が実現したい環境」を忘れてはいけません。モンスターを倒してレベルを上げることが目的ではなく、クリアすることが目的です。

目的を忘れなければ、そういった実力を積み上げる経験はしたほうが良いと思っています。

たまたま自分はそのような経験を積み上げてこれて、しかも全方位で学ぶことができました。

今後は、いろいろな人や会社からいただいた経験をもとに、自分は何ができるのかにフォーカスして貢献していきたいと思っています。

もし、この記事をお読みいただき、私に興味を持ってくださる方がいらっしゃれば、是非コンタクトいただけますと幸いです。

 

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