ワークスやLINEなど注目企業がぞくぞくと導入!企業内保育所のメリットと導入時の注意点とは?!

近年、女性雇用促進を背景に、企業内保育所を設置する動きが活発です。

育児と仕事を両立する女性の活躍を後押しする策として国からの助成金もあるなど、注目度の高い『企業内保育所設置』。企業に保育所を設置することは、たくさんのメリットがありますが、一方で注意点も。「通常の保育園となにが違うの?」「実際どんな企業内保育所があるの?」という疑問もありますよね。

現在内閣府が進める【企業主導型保育事業】という、企業内保育所導入のバックアップ制度もあります。

保育所の設置を検討されている企業様も、そうでない企業様も是非、組織活性化の一助として本記事を参考にしていただけますと幸いです。

※2018年6月時点での情報をまとめております。

企業内保育所の導入メリットとは?

企業内保育所の導入にあたり生じる効果は、さまざまな形で現れます。主なメリットとしては、次のような内容が挙げられます。

企業側

出産を期に退職してしまう社員を減らせる

女性にとって大きなライフイベントである「出産・育児」。『夫婦共働き』を希望する女性も多い中、出産を期に退職をする女性はまだまだ多いのが現状です。また、復職予定でも保育園入園競争の激化から予定通り復職ができないケースもよく耳にします。

企業内保育所を導入することは、「保育園に入れない」「仕事復帰したいけどできない」という女性社員が安心して復職するために非常に有効です。保育園の退園時間を気にすること無く、フルタイムで働けますし、子供が体調を崩しても職場のすぐ近くに子供がいるので安心です。

企業のイメージUPに繋がる

「社内に保育園を有する企業」は、まだまだ少数です。その分話題性も高く、印象良くうつります。新卒・中途に関わらず、就職活動の際、出産・育児に関する福利厚生に注目する女性は非常に多いです。女性が働きやすい企業、出産しても長く働ける企業としてアピールできるので、採用活動にはかなりのイメージUPが期待されます。

利用者側

なんといっても子どもが近くにいる安心感!

年齢が小さい子ほど体調を崩しやすいですよね。仕事もあるのに、熱が出るたび保育園へお迎えに行くのはとても大変です。しかし、会社の近くに保育園があれば、お昼休みや休憩時間に様子を見に行くことができるなど、安心して仕事をすることが可能です。また、それにより集中して業務に取り組むことができれば、会社全体の生産性向上も期待できます。

送り迎えに時間を取られない

ただでさえ、仕事が終わってからも毎日育児という重労働に追われる女性。送り迎えの時間だけでも短縮することされできれば、余裕を持った生活ができるはずです。

企業内、または企業近くに保育所があれば、送り迎えにかかる時間を最小限に抑えることができます。また、旦那さんの会社内にある保育所を利用すれば、お母さんに代わってお父さんが仕事のついでに送り迎え、なんてこともでき、『夫婦共働き』も実現できます。

職場内にママ友、パパ友が作れる

実際、部署という垣根を越えて仲良くなるのは、会社の規模が大きくなればなるほど難しいものです。「マーケティング部の○○さん、小さいお子さんがいらっしゃるのは知ってるけど、わざわざ話すような機会もないしなぁ...」なんて場面もあるかもしれませんね。

従業員が企業内保育所を利用することで、社内でもママ友・パパ友コミュニティが活性化し、自然と仕事の悩みや子育ての悩みも共有できます。育児に関する不安を解消する場ができ、仕事意欲アップにつながる可能性もあります。仲間がいるという安心感の中で子育てができるので、より社員が働きやすい環境を整えることができるでしょう。

企業内保育を導入する際の留意点とは?

園児減少で運営して行けなくなる可能性がある

特定企業内において園児が増えるかどうかは、社員の結婚や出産次第となるので不確かな部分でもあります。継続運営のためには、1年後、2年後にどの程度園児が増える想定ができるか、また自社内だけではなく、近隣地域・企業からも園児を受け入れるかなども、しっかり検討する必要があります。

保育士の確保が難しい

昨今、労働環境と給与の問題を背景に、「保育士不足」が深刻となっています。子供を預ける共働き世帯が増加し、保育士の需要は右肩上がり、加えて幼児教育無償化も検討されているため、今後もさらに保育士の確保が難しくなることが予想されます。

企業内託児所・保育所まとめ

現在、さまざまな企業が企業内に保育所・託児所を設置しています。
導入事例として企業内保育所と企業内託児所に分けてご紹介します。

保育所と託児所の定義の違いは以下の通りです。

  • 託児所:保護者による保育が困難な乳幼児を預かり、その保育にあたる社会的施設。
  • 保育所:児童福祉法に基づいて、保護者が疾病や労働などの理由から、昼間、養育できない学齢以前の乳幼児を保育する児童福祉施設。保育園。

(『新選版 日本国語辞典』小学館国語辞典編集部/編  小学館  2006年)

【1】託児所 | 5社

 株式会社ワークスアプリケーションズ | With Kids

【特徴】
  • 子どもと一緒にランチや夕食が食べられる
  • お迎え時間に融通がきき、延長保育料金がかからない
  • 保育士もワークスアプリケーションズの社員として採用
楽天株式会社 | 楽天ゴールデンキッズ

【特徴】
  • 楽天社内に設置される事業所内保育所
  • 楽天のグローバルな視点、ポピンズの保育ノウハウを融合
  • サイエンス、イングリッシュ、マスなど様々な視点での取り組みをしている
シスメックス株式会社 | シスメックスキッズパーク

【特徴】
  • “元気にあそんで いっぱい食べて 健康に生きる力を身につける”を保育理念としている
  • テクノパークの緑豊かな敷地の一角に保育施設を建設し、周辺には地元のアーティストがデザインした遊具施設を設置
  • 庭に自分たちで野菜を栽培するエリアを設けるなど、食育にも力を入れている
  • 最長20時までの延長保育可能
GMOインターネット株式会社 | GMO Bears

【特徴】
  • GMOインターネットグループは「世界一の人財(=スタッフ)」が集い、「世界一のサービス」を皆様にご提供するグループに成長することを目標に掲げているため、「キッズルーム GMO Bears」においても、「世界一」の託児所を目指している
  • 働くパパママが安心して子どもと一緒に出勤できるよう、タオル・おむつなどのかさばるものはすべてGMO Bearsが完備
設立:2011年
URL:http://bears.gmo.jp/
株式会社NTTデータ  |エッグガーデン

【特徴】
  • 首都圏域における待機児童問題が依然として解消していないことから、NTTデータ社員の中にも継続就業意欲がありながらも就業時間中の子どもの預かり先の確保の問題で、育児休職からの予定通りの復職ができず、復職延伸や離職せざるを得ないようなケースが多々あった
  • 待機児童問題に問題意識を持つ社員有志十数名の提案をきっかけに設立された

【2】保育所 | 15社

アルビオン株式会社 | Kuukids

【特徴】
  • 社員のみならず契約された近隣企業様、地域在住の方も利用可能
  • 東京・銀座で2009年4月に開園
  • 2017年4月には福岡・博多にも2ヶ所目のKuukidsを開園
  • 銀座は多様な就労形態で働く方が多い一方で、その多様な勤務時間に対応する保育所がほとんどなかったため、土日祝祭日も夜9時まで運営
日本アイ・ビー・エム株式会社 | こがも保育園

【特徴】
  • 日本IBM社員が”野鴨”の精神をいつまでも忘れず、次世代に伝えていくことを祈念して’こがも保育園’と名づけられた
  • 保育園で使用する衣類のクリーニングサービスやおむつの販売、20時までの延長保育など、保護者の負担を軽減する各種サービスを提供
  • Webカメラを設置し、いつでもお子さまの様子が確認できるようになっている。
設立:2011年
URL:http://kogamo.jp/
株式会社ドワンゴ | どわんご保育園

【特徴】
  • 満1歳~2歳の3月末までの乳幼児対象
株式会社ローソン | ハッピーローソン保育園

【特徴】
  • ローソン本社の入居するオフィスビル内に設置
  • 子供の保育とともに「ハッピーローソンプログラム」という子育て未経験の社員向けの講座も実施している
エスビー食品株式会社 | バジリッコ保育園

【特徴】
  • コーポレートシンボルとして『SPICE&HERB』を掲げており、そのハーブの代表的存在で、“ハーブの王様”とも呼ばれる「バジル」のイタリア名「バジリコ」を、園名に使用。
  • 太陽の光を浴びてぐんぐん育つ「バジル」のように、園児たちものびのびと元気に育ってほしいという願いが込められている。
株式会社ブリヂストン | ころころ保育園(小平) ・とことこ保育園(横浜)

【特徴】
  • 自然に囲まれた広大な敷地面積の環境の中で「人間力を育てる保育園」を目標に掲げる
  • 運営対象は生後9週目~小学校前までと幅広く、また保育時間は7:30~18:30 (延長保育あり) までと長い
  • 子どもの様子を見られるコミュニティスペースがある
株式会社資生堂 | カンガルーム汐留

【特徴】
  • 近隣企業へ定員枠の一部を開放
株式会社みずほフィナンシャルグループ|
みずほキッズかるがも(千駄ヶ谷)・ みずほキッズがじゅまる(内幸町)

【特徴】
  • エデュケアを実践するための独自の教育システムで、0歳児からの教育と保育を現場でどのように実践していくのかを学べる
  • プロアナウンサーによる正しい言葉遣いや現役クリエイターによる制作の指導など、自社研修は全て一流人から本物を学ぶ
  • 男性保育スタッフは業界最多の180人。ほとんどの園に一人〜複数人在籍して女性保育士同様に保育に関わっている
株式会社LINE | みどりの保育園

【特徴】
  • 0~2歳を対象に12名受け入れる少人数保育
  • 0歳児からの「エデュケア」を実践し、1人ひとりに向き合いながら子どもたちの才能や可能性を引き出し、グローバルに活躍できる人間の育成に努めている
  • 保育士と保護者はLINEを使って子どもの様子や、登園・持ち物等の連絡を行う
東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)| 駅型保育園(100箇所突破)

【特徴】
  • 事業内だけでなく多くの駅型保育施設を開設
  • 鉄道業界では業務上泊まり勤務となることもあることから24時間保育も受け入れている
  • すべての保育所が駅近

設立:1996年 ※2017年100箇所突破
URL:http://www.jreast.co.jp/kosodate/

大鵬薬品工業株式会社 | すくすく保育園

【特徴】
  • つくば研究所の敷地内に保育所を開設
  • 看護師が常駐し、延長保育の際は夕食を提供
マツダ株式会社 | マツダわくわくキッズ園

【特徴】
  • 本社(広島)敷地内にある独身寮「松風寮」の2階の一部を改造して設置されている
  • 保護者の勤務時間に合わせて、7時30分~21時までの長時間保育を行う
  • 子どもの手を引いて連れてくる父親の姿も多い
トヨタ自動車東日本株式会社 | ゆうゆう保育園

【特徴】
  • 宮城大和工場と岩手工場敷地内にある
損害保険ジャパン日本興亜株式会社|損保ジャパン日本興亜スマイルキッズ江戸川橋保育園

【特徴】
  • 東京都文京区の自社ビル1階フロアを活用
大塚製薬株式会社 | ビーンスターク保育園とくしま

【特徴】
  • 「ビーンスターク保育園とくしま」という名前は、子どもたちが健やかに育つことを願って、イングランド民話『ジャックと豆の木』に登場する“晩にまくと、朝には天まで伸びる豆の木”にちなんで名付けられた。

助成金対象!いま注目の「企業主導型保育事業」とは?

「企業主導型保育」は、企業のニーズに応じた、保育所の柔軟な設置・運営を助成する制度で、平成28年度から始まったばかりの新しい事業です。認可外保育施設ですが、国から、保育所の運営費・整備費の助成金が出ます。

また、こうした保育施設に関する国の支援に関しては、社会のニーズの変動に合わせて毎年見直しがおこなわれており、実施要領も変更されています。

参考
内閣府|企業主導型保育事業等
http://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/links/index.html

事業目的

  • 本事業は、企業主導型の事業所内保育事業を主軸として、多様な就労形態に対応する保育サービスの拡大を行い、仕事と子育てとの両立に資することを目的としています。
  • また、政府は待機児童解消加速化プランに基づく平成29年度末までの保育の受け皿の整備目標を前倒し・上積みし、40万人分から50万人分としましたが、本事業の創設により、一層の保育の受け皿整備を行っていきます。

内閣府ホームページ 「企業主導型保育事業の概要」より引用

従来の「事業所内保育」と「企業主導型保育」の違いとは?

「企業主導型保育」と「事業所内保育」の大きな違いは、「認可事業かどうか」である。

子ども子育て支援新制度の「事業所内保育」とは、前者の区市町村の認可を受けて実施する方法です。制度上、特に都市部で待機児童数の多い0~2歳児が対象で、定員4分の1を地域(地元区市町村)に開放することが義務付けられています

また、「事業所内保育」は区市町村が認可する保育施設のため、「保育の必要性」による利用調整や、自治体の指導監査など、行政のチェック下に置かれており、また、0~2歳児が対象、地域枠の義務付けなどにも決まりがあります。

一方で、「企業主導型保育」は無認可保育施設なので、都道府県に届け出れば、認可を受けなくても開設できます。

企業主導型保育事業の特徴

1.自治体を通さなくでも補助金が出る

将来の少子化による保育所余りを懸念してた自治体の、新たな認可保育所開設への姿勢はかなり消極的です。それゆえ、新設の際に自治体の許可を必要とする事業所内保育所の場合、事業者が新しく認可保育所を作りたくても、なかなか開園ができないというデメリットがあります。

一方で、企業主導型保育所はこういった自治体とのやり取りを省略でき、かつ認可保育所なみの助成金が国から出る、ということで、待機児童対策として期待されており、企業としても非常に活用しやすい制度です。

2.子どもを預ける親の多様な働き方に対応できる

「企業主導型保育」は遅い時間までの延長保育や夜間保育、日祝の休日保育、1日4~5時間や週2~3回などの短時間保育など、親の多様な働き方に柔軟に対応するような運営も可能です。

3.複数の企業の共同設置や地域の子どもの受け入れも可能

事業所内保育事業の場合、地域の受け入れ枠が義務として決まっているため、オフィス街など設置場所によっては、地域枠の子どもの利用が期待できない部分もありましたが、この「企業主導型保育」では、任意で他の企業や地域のお子さんを受け入れることもが可能になり、園児確保問題に対応できます。

4.利用者と施設の直接契約

認可保育所の利用にあたって、利用者は自治体に「保育の必要性」を認定してもらう必要があり、待機児童が多い地域ではそれだけ保育所に入りづらくなります。しかし、「企業主導型保育」の場合、就労要件などを満たせば、自治体の認定なしに契約ができ、さらには認可保育所並の保育料で利用することができます。

企業主導型保育事業の将来性

男性の育児参加への期待

企業主導型保育事業を推進することで、保育所の供給量を増やすことだけでなく、男性の育児参加が期待できます。企業内にある保育所・託児所を利用するのは、女性社員ばかりとは限りません。父親の会社に企業内保育所があれば、父親が会社に通勤するついでに子どもの送迎をすることが可能になります。

育児を夫婦間で分担することができれば、女性ばかりに偏りがちだった家事や育児の負担が緩和され、働く女性の活躍躍進も見込めます。

「保育の質の確保の難しさ」の課題

一方、企業主導型保育事業の懸念として、人員配置等の面で、認可保育よりも基準が緩和されていることによる「保育の質の確保の難しさ」があります。従来の事業内保育所の人員配置の要件が、「保育従事者の全員が保育士の資格を持っていること」だったの対し、企業主導型保育による事業内保育所の場合は、「保育従事者のうち、保育資格者の割合が半数以上」に緩和されています。

こういった配置基準の緩和は、保育士不足である昨今において、非常に現実的な対応だと思われます。そういった施設の保育従事者への助言や教育する制度を国がサポートすることによって、ただ保育施設数を増やすだけでなく、安心して利用できる保育施設を増やしていくことが望まれます。

さいごに

いかがだったでしょう。

施設の準備や運営にはもちろんコストがかかります。ただ多くの企業のシミュレーションでは、この施設によって就労可能になる女性がもたらす収益、従業員満足度の向上による社風の向上、新規採用時に求職者に与えるインパクトなどのメリットを考えれば、十分費用対効果に見合う投資であると言われています。

コストや運営面がネックになり、なかなか導入に踏み切れない企業も多いのが実際のところだと思いますが、企業内保育所の運営方法というのは、決してワンパターンだけではありません。子育てしながら働くママさんが、一人でも多くイキイキできる世の中に変えていくためにも、本記事で紹介したさまざまな企業の導入例を参考に、是非、企業内保育所の設置を検討する企業が少しでも増えれば一女性として嬉しく思います。

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