新卒採用最前線!20新卒採用でポイントになる3つの戦略

2018年6月末時点の19新卒の就職内々定率は8割にせまる勢いです。この結果は、前年の6月末時点とくらべても上回る結果になりました。

”超”早期化の傾向が強い新卒採用ですが、翌々年入社の20新卒採用においても、インターンシップを通して企業と学生の出会いの場は広がっています。

今回は、ネオキャリアの採用コンサルタントが考える20新卒採用戦略のキーポイントをお届けします。19卒新卒採用のデータを見ながら、激戦が見込まれる20新卒採用をどう戦略を立てて進めていくべきか考察してみましょう。

佐々木 拓也 | 株式会社ネオキャリア 採用コンサルタント

​株式会社ネオキャリアに新卒で入社し、6年間新卒採用支援事業に従事。採用コンサルタントとして、採用人数300名以上の企業や採用難易度の高い企業を担当。採用広報に関わるクリエイティブの企画からデザイン、ディレクションまですべてに携わる。担当企業の人気企業ランキングを500番台から100番台に上昇させるなどの実績あり。

継続的な求人倍率の上昇、苦戦が続く人材獲得

2018年4月末に公開されたリクルートワークスの求人倍率調査によれば、大卒求人倍率は1.88倍となり、前年の1.78倍より0.10ポイント上昇しました。

(参照元|第35回 ワークス大卒求人倍率調査 )

また、全国における民間企業の新卒求人総数は、前年の75.5万人から81.4万人へと5.8万人増加しています。17新卒→18新卒の求人総数の増加は2万人強でしたので、19新卒の募集数は急激に増えたことがわかります。

求人数は14新卒時から増加傾向にありますが、一方で、民間企業就職希望の学生数は42万前後で横ばいが続いています。19新卒の民間企業就職希望者は43.2万人でしたので、企業側の求人に対して38.1万人の人材不足ということになります。

(参照元|第35回 ワークス大卒求人倍率調査 )

特筆したいのは、300名未満の規模の企業においては求人倍率が9.91倍と、特に中小企業において苦戦の流れが続いているという現状です。

(参照元|第35回 ワークス大卒求人倍率調査 (2019年卒))

昨年の18新卒時においても6.45倍と高い傾向がありましたが、今年その倍率は急上昇する結果となり、300人未満企業では、求人に対して41.6万人の人材不足。前年の36万人から不足数が大きく増加しています。

中途採用においても「25年ぶりの高水準」となり、これはバブル期並みの求人倍率。結果的に中途採用から新卒採用へ採用のメインをシフトしている企業も多くあり、新卒採用の競争率は上昇する傾向にあります。

超早期化・超短期化。「企業情報収集=インターンシップ」という常識

3月以降の学生の行動量は減少傾向。学生はいつ企業に出会うのか。

企業側の求人数が増える一方、就活サイトがオープンする3月以降に学生がエントリーする企業の数は、この3年間減り続けています。

過去3年間の平均エントリー数を並べてみると、見事に右肩下がりであることがわかります。

特に顕著なのは、19新卒における3月平均エントリー数の下がり幅です。3月が減った分、4月にエントリー数が増えるわけではなく、毎年この平均エントリー社数は減り続けています。

(参考|マイナビサポネットをもとに編集部にてグラフを作成)

同様に、学生が個社企業セミナー参加する平均社数も前年と比べると下がる傾向にありました。16新卒までは、企業セミナーへの参加ピークは4月でしたが、17新卒からはピークは3月に前倒されます。

19新卒においては、3月のセミナー参加数も、1人当たり平均8.4社と、17卒と同等数になりました。学生ひとり当たりの行動量はそれ以降の月でも変わらず、学生が実際に企業セミナーに足を運ぶ数も右肩下がりです。

(参考|マイナビサポネットをもとに編集部にてグラフを作成)

この平均エントリー社数・セミナー参加社数の減少から推察されるのは、【学生の企業情報収集行動の早期化】です。

3月の就職サイトオープンより前に、つまりインターンシップを利用して企業理解・企業訪問を進め、3月の就職活動本格スタートのタイミングには、すでに志望する業種・職種などを明確にしている学生が多いのです。

インターンシップが企業情報収集の場

19新卒では、実に8割近い学生がインターンシップに参加しています。

マイナビ社のアンケートによれば、2月以前にインターンシップに参加したことがある学生は78.0%で、前年より9.8pt増加。学生の間ではインターンシップ参加が就職活動の第一歩という意識が強いと考えられます。

(参照元|マイナビサポネット「2019年卒 マイナビ学生就職モニター調査 3月の活動状況 」)

また、実際にインターンシップについての学生の声を見てみると、参加に向けて前向きな意見が多いようです。インターンシップ 参加のためのオリエンテーションセミナーや書類選考などを実施する企業も多いようですね。

企業側も学生側も、良質な出会いを求めてインターンシップに本気で取り組んでいる様子もわかります。インターンシップ予約から参加までの間に、参加意思確認の電話をしている企業もあるようです。

20新卒のインターンシップは始まったばかり。まだ参加を悩んでいる学生もいるようですね。

20新卒の採用戦略のポイントは3つ

過去3年間と、19新卒の学生動向を踏まえ、20新卒採用戦略で挑戦すべきポイントをまとめてみます。「インターンシップ」をきっかけとする早期接触の最大化はもちろん、3月以降の就職活動本格スタート時期を見据えた戦略を検討することが必要そうです。

【1】早期に挑戦するべき「インターンシップ」

3月以降に接触する学生の母集団最大化、志望度の向上

上記でお伝えしたように、インターンシップは、学生が企業と出会い、研究をする場として活用される傾向があります。

少しでも多くの学生に自社を知ってもらう機会をつくり、3月以降の本格的な就職活動スタート時に選考を希望してもらえる母集団形成をしていく必要がありそうです。

現在インターンシップは、時期別に大きく分けて3種類のインターンシップがあると考えられます。

〇サマーインターンシップ

夏休みの時間を利用して参加してもらえるようなインターンシップ。
3日間~1週間など、長期で仕事体験ができるようなコースが多い。

〇オータム・ウィンターインターンシップ

主に10月~2月に実施されるインターンシップ。
サマーインターンシップとくらべて短期コースが多い。

〇直前期インターンシップ

3月の広報解禁直前に実施されるインターンシップ。企業セミナーのような会社説明も同時に実施する場合が多い。
ケースステディと現場社員からのフィードバック・実践など、1day完結型のコンテンツが多い。

セットで考えたい、つなぎ止め施策

早期からインターンシップを開催するときに成否をわけるのが、この「つなぎ止め施策」です。

サマーやオータムの早いタイミングから学生と出会えたとしても、その先の選考参加まで自社を魅力に感じ続けてもらえなければ、有効な母集団を形成したとは言えません。

インターンシップは、いわば「企業と学生が出会った」という点でしかなく、その先「企業理解が深まる」「企業をもっと好きなる」という、より入社につながりやすい心理変化までつなげていくことが重要なポイントです。

有効なつなぎ止めの施策としては、下記がよくみられます。

〇2段階式のステップアップコンテンツを用意

インターンシップのコンテンツを2段階にして、時期をずらし、次のコンテンツにも参加してもらう。

〇特別感を感じてもらえるコンテンツ・機会を提供

早期に出会った学生には、「特別な扱いをしてもらっている!」と感じてもらえるようなコンテンツ・機会を提供する。上位役職者との座談会や、出展イベントなどの見学、普段は参加できない統括会議等の見学など。

〇接触数を増やして、とにかく会い続ける

メンターがつくなど、学生の就職活動支援として定期的に会う機会を設ける。

地方都市がねらい目?!インターンシップコースは首都圏に集中

よく学生から聞く声に、「地元ではインターンシップを開催している企業がない」「インターンシップに参加はしたいが、東京までいけない」などがあります。実際に今年入社をしてきた18新卒メンバーからも同じような意見がありました。

また、大手就活サイト運営企業が開催する【インターンシップ合同説明会】も、地方都市には、まだ出展企業枠が余っているという現状もあります。

インターンシップ開催を企画する企業側は、集客人数をの効率性を考えて、どうしても首都圏開催にこだわってしまいがちですが、地方都市で開催するコースを設けてみることも、新しい打ち手のひとつになるかもしれません。

地方都市で開催することが難しかったとしても、例えば、インターンシップ参加のためのオリエンテーションセミナーにWeb視聴枠を設けるなど、地方都市巻き込み型の戦略を立てられるといいかもしれませんね!

【2】3月からの短期決戦戦略の強化

インターンシップは、早期から学生に対して企業認知を広げ、選考に参加してもらえるような母集団形成に有効ですが、新卒採用全体から考えれば、本格的に新卒採用広報がスタートする3月以降の戦略も必要です。

3月以降の戦略もポイントは、「短い期間で、いかに多くの学生に自社を魅力に感じてもらえるか」です。

冒頭の学生の動向を考えれば、学生はインターンシップの期間中に、志望業界や職種など、選社軸をある程度明確にしています。この点から、インターンシップ期間で出会えなった学生に自社を知ってもらうためには、相当なボリュームで集客広報を実施し、なおかつ印象に残りやすいインパクトを考える必要があります。

短期間に企業認知を広げ、魅力訴求をするために、計画的な求人広告運用や打ち出しのクオリティアップなどを検討するといいかもしれません。

今は、求人広告(就活サイト)以外にも、学生と出会える手法はたくさんあります。自社の魅力を伝えやすい手法を選択できるよう、一度あらゆる手法を洗い出してみましょう。

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【3】「口説く」ストーリー構築

インターンシップから本選考へももちろんですが、選考過程でも、自社魅力度を高め続けることを忘れてはいけません。

学生は、インターンシップ期間を含めて、就職活動期間にたくさんの企業に接触をします。その中で、自社を魅力に思い続けてもらえるような情報提供・情報の伝え方を心がける必要があります。

魅力訴求の点で、一番のポイントとなるのは「学生満足度を高め、成長実感を感じられる体験を提供すること」です。

19新卒を対象としたマイナビ社の学生アンケートによれば、「企業を選ぶときに、注目するポイント」として、「社員の人間関係が良い」が1位という結果になっています。

昨年18新卒とくらべれば、「企業経営が安定している」という企業条件面よりも、「自分が成長できる環境がある」ことをファーストキャリアに求める傾向に変わってきました。

この結果を踏まえて、インターンシップや採用選考を通して、例えば、「社員の方同士の雰囲気が良くて、座談会に参加してみて本当によかった!」「この会社の選考を通して成長できた!」と思ってもらえるような仕掛けをつくることが、採用成功の近道になるかもしれません。

(参照元|マイナビサポネット「2019年卒 マイナビ学生就職モニター調査 3月の活動状況 」)

こうした学生が知りたい情報、企業を魅力に思うポイントなどをしっかりチェックし、自社プロモーションに組み込んでおくといいかもしれません。まずは、企業側が学生に伝えるべき情報をまとめてみることをおすすめします。

編集部より

いかがでしたでしょうか。

19新卒動向を見てみると、例年とくらべ学生の動きは明確に「早期化」していると考えられます。

インターンシップを企画し運営したり、新しく選考フローをつくって実施したりすることは、最初はとても労力がかかりますし、もしかしたらすぐに効果が出ないこともあるかもしれません。

ですが、採用競争率が高い今、あらゆる手法を検討し、挑戦しておけば、のちのち採用市況が変わった時にも対応できるノウハウをつかむことができるかもしれません。

ぜひ広い視野で採用をとらえ、20新卒採用戦略を検討いただければと思います。

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