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就活ルールが廃止?!企業側が今から準備しておくべきこと

こんにちは。HR NOTE編集部です。

今、中西経団連会長の2021年春入社組からの「就活ルール廃止」についての言及が大きな波紋を呼んでいます。本記事では以下の2点について考察をおこないました。

  • 就活ルール廃止が廃止された場合、学生・企業・社会に一体どのような変化があるのか
  • 就活ルールが廃止された際に、企業にはどのような動きが求められるのか

【1】そもそも就活ルールとは?

企業によって採用の時期が異なると、学生の本分である”学業”が疎かになる恐れがあります。そのため、企業が採用活動をおこなうにあたっては、広報・選考活動に時期的制限が設けられています。これが「就活ルール」です。具体的な内容は以下の通りです。

3.採用選考活動開始時期
学生が本分である学業に専念する十分な時間を確保するため、採用選考活動については、以下で示す開始時期より早期に行うことは厳に慎む。

広報活動 : 卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
選考活動 : 卒業・修了年度の6月1日以降

なお、活動にあたっては、学生の事情に配慮して行うように努める。

(引用:一般社団法人 日本経済団体連合会 採用選考に関する指針

上記をわかりやすく説明すると、「周知を開始できるのは3月、選考を開始しても良いのは6月から」ということになり、こちらが一般的に「就活ルール」といわれるものになります。

1-1  形骸化した就活ルール

上記のように指針を定める一方で、就活ルールが形骸化しているのも事実です。

リクルートキャリアの発表によると、6月1日時点での内定率は68.1%(3人に2人程)と非常に高い数値を示しており、マイナビの発表でも5月までに内定を出す企業が8割超、内定を出す企業が7割とこちらも高い数値であることが示されています。

このことから選考開始の6月以前から既に選考が開始されていることは火を見るより明らかです。

1-2  なぜ形骸化したのか

形骸化した要因については、以下のようなものが考えられます。

  • 人気企業へのエントリーが集中
  • 就活ルールを破る事による罰則がない(あくまで指針止まり)
  • 外資などを含む経団連非加盟企業による学生早期抱え込み

(参考:Yahoo! JAPAN ニュース 就活ルール廃止、企業に困惑=実情反映と評価も―経団連会長発言で

今まで、「選考は6月から」とルールが定められていましたが、そもそもそれを破ったからといって罰則があるわけではなく、またルールを守っているからといって、企業がなんらかのインセンティブを得るなどということも一切ありませんでした。

なんなら多くの企業が6月よりも前に内定出しをおこなう中で、ルールを守ることで、企業にとっては不利的状況が生まれてしまう、つまり「デメリットにしかなりえない」という現状がありました。

加えて、当然ながら採用活動をおこなっているのは経団連加盟企業だけでなく非経団連企業も含まれます。そのため、加盟企業にとっては、選考開始時期が非経団連企業より遅くなってしまうことによる「非加盟の同業他社への人員の流出」も懸念されます。

このような点から就活ルールについて考察をすると、就活ルール廃止説が浮上することも、致し方のないことかもしれません。

【2】<就活ルール廃止後の変化>企業に求められる動きとは??

2-1   通年採用をおこなう準備

就活ルールが廃止することにより、採用活動の通年化が予想されます。

今までは就活の時期にそなえて企業も準備し、学生に対して会社を良く見せようとすることができていました。ですが、採用時期が各社の裁量となることで、通年採用のような状態になれば、常に外からの目にさらされることになります。

ネット社会といわれている昨今。就活の時期にしか見られることのなかったネット上の会社の批評も、1年を通して常に、さまざまな人から見られることになります。

就活ルールの廃止は、企業にとって採用がしやすくなるという一方で、常に企業体を見られるという状況になるため注意が必要です。これを機に、見栄を張らずとも魅力的にみえる組織づくりをおこなってみてはいかかでしょうか。労働環境が改善されるきっかけになるかもしれません。
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2-2  早期活動学生に向けたインターンシップの受け入れ

提案通りに就活ルールが廃止されると、20年に大学4年生となる現在の2年生からが対象となります。そうなると当然、全体的に就活・採用の時期が前倒しにことが予想されます。

就活の早期化に対応するために、本選考の解禁日よりも前に学生と出会うことができて、かつ優秀な学生と話す時間を多く取ることができる手段として、すでに多くの企業が「インターンシップ」を実施しています。

就活ルールが廃止されれば、学生の就活開始時期はさらに早期化し、今以上に早くから企業の内定を獲得する学生が増えると考えられます。それゆえ、企業は「インターンシップ実施がより必須になる」といえるでしょう。早期から活動をおこなっている学生に向けたインターンシップの受け入れ視野に入れて準備を進めましょう。
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2-3  学生の学業に配慮した対応とスケジュール設定

経団連の中西宏明会長は、大手企業の採用活動の日程を定めている経団連の指針を2021年卒業の学生から廃止すべきだとの考えを示した。現在の就活ルールが形骸化しているのは事実だが、競争激化で学業への影響が心配される上に、日本型雇用全体の変化につながる可能性もある。慎重な議論を求めたい。(引用:Web東奥

上記記事の文面にもあるように、就活ルール廃止すべきとの提案がされる以前から、優秀な学生を採用したい企業が採用活動の前倒しをするなど、就活競争激化による学生の「学業への影響」が心配されています。

一方で、従来の選考開始時期の大学4年生6月も、卒業を控え、単位が残っている学生にとっては、非常にセンシティブな時期ともいえます。

また、卒論や、場合によっては国家試験を控える学生もおり、就活ルールが廃止された方が、逆に「就活の仕方が個人の裁量に任せられるので都合がいい」と考える学生もいるかもしれません。

企業側は、学生の要望になるべく耳を傾け、かならず学業に配慮した行動を心がけるようにしましょう。たとえば、説明会や選考の日程候補を複数提示することで、多忙な学生は非常に助かります。また、授業・試験などの妨げにならないよう、余裕をもった連絡を心がけたり、平日の夕方、場合によっては土日の連絡対応をおこなったりすることも大切です。
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2-4  学生の情報格差を埋めるセミナーコンテンツの工夫

従来のように「大学3年の3月情報解禁、6月選考開始」といったような定まった期間が設けられていない場合に想定されるのが「学生間の情報格差が広がる」というものです。

意識の高い学生の動きは、以前にも増して早期化すると考えられます。一方、今までは「周りが就活してるから、私も頑張らないと…」と「周りに引っ張られて採用活動をなんとなく就活情報解禁日からスタートさせる学生」も非常に多いという現状がありました。

就活ルールの廃止により定まった期間がなくなることで、「同学年の就活が一斉にスタートする」という従来のスタイルが一変します。これにより、就活への意識が低い学生は、今以上に就職活動をスタートさせる時期が遅くなってしまうことも十分に考えられます。

そして、この現象により想定されるのが「学生間の情報格差が広がる」というものです。大学2年生や大学3年生から就活をはじめる学生と、4年生になってから就活を始める人とでは、当然、持っている就活に関する情報量や質に大きな格差が生まれてしまいます。

企業は、学生の情報格差を埋めるセミナーコンテンツの工夫が求められます。また、就活をおこなっている対象が、大学3.4年生とは限らず広くなるがゆえに、セミナーの内容を考える際には、時期だけでなく、ターゲットとなる学生を入念に検討し決定した上で、集客もおこなう必要があるといえるでしょう。

2-5  早期内定者に対する適切な内定者フォロー

採用が早期化すると、今度は早期内定者が増えるため、企業には「適切な内定者フォロー」が求められることになります。就活ルールが定められる現在ですら、内定辞退を採用における大きな課題だと感じていらっしゃる採用担当者も多いのではないでしょうか。

近年は売り手市場ということもあり、多くの学生が「複数の企業から内定をもらっている」という状態が割と当たり前になってきています。そこに就活ルールの廃止による内定獲得の早期化が重なることで、内定承諾から入社までの長い期間、企業はより入念に内定者フォローをおこなうことで、内定者を繋ぎ止めなくてはいけなくなります。

今や新卒採用においては、企業が学生を選ぶだけではなく、学生が企業を選ぶようになってきています。特に、内定辞退の原因の1つでもある「志望度が高くなかった」に対しては、企業側から内定者に積極的なアプローチをおこない、選考から入社するまでに志望度を高めるフォローをしていく必要があります。
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【3】まとめ

  • 今まで時期的制限が設けられていた採用活動のルールが廃止された場合、2020年に大学4年生となる現在の2年生からが採用の対象となる。
  • 就活ルール廃止後は、通年採用のような状態となるため、常に周りから企業体を見られているという意識を持つ必要がある。
  • 就活ルールが廃止されば、学生の就活開始時期がさらに早期化し、今以上に早くから企業の内定を獲得する学生が増えると考えられるため、インターンシップ実施がより必須となる。
  • かならず学業に配慮した採用活動をおこなう。
  • 大学2年生~4年生と就活生の幅が広がるため、説明会の内容を考える際には、ターゲットとなる学生を入念に検討し決定した上で集客もおこなう。

新卒一括採用の終わりは、日本企業の伝統的なメンバーシップ型雇用の在り方も変えてしまうかもしれません。そうであるならば、自動昇給や手厚い退職金、伝統的な企業中心の人事戦略といった雇用慣習も見直されていき、働き方、生き方、さまざまなものが次々と変わっていくはずです。

「就活ルール廃止」は、これから就活をおこなう学生だけにとどまらず、多くの企業、労働者のキャリアに影響しうる問題です。ぜひ、今回の就活ルール見直しを機に、自社の採用のあり方や組織のあり方、労働環境なども一度見直してみてはいかがでしょうか。

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