離職を防ぐために有効な退職リスク分析とその活用方法

入社して数年たって戦力化してきた人材が退職してしまう・・・。費用をかけて採用して、教育してきたのに、また1からやり直し。その費用や時間などは決して軽い負担とはいえません。なぜ退職してしまうのか、どのような人が退職するのか、どうすれば退職を防ぐことができるのか、退職者の傾向を分析し見つけることで、離職率改善につなげることができます。退職者の傾向を分析することは、多くの企業でも取り組みはじめています。そこで今回は、退職者の傾向を分析するために、どのようなデータが指標となるのか、ご紹介します。
 

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離職率改善に有効な退職者の分析とは

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皆さんの会社では、従業員が退職する際に、面談を行っていますでしょうか。
退職前に面談を行い、退社理由ごとに事例をまとめ、適切な対処を行うことは、その後の従業員を引き留めることにつながります。
 
ただ、退職する本人に対する面談だけでは本音を見抜くことはできませんし、退職意向が固まっている段階で引き留めを行っても、時すでに遅しといったこともあります。
 
そこで、そのとき上司のマネジメント、給与、残業時間など、退社に至った背景事情を詳しく調べて、傾向をつかみ、事前に退職の芽をつもうという考え方が広がっています。
 
従業員に関するさまざまなデータを収集し、分析することで、退職する可能性が高い従業員を早期に見極め、離職率改善、退職コストの低減につなげることができます。
 
では、どのようなデータを活用すべきか。
まずは、退職理由、退職要因として、どのようなものが挙げられるのか考えてみたいと思います。
 

退職理由

 
エンジャパン 人事のミカタは、転職者の退職理由の本音と建前に関する調査をしており、その結果は以下のようになっています。
 

    [建前]
  • 1位 家庭の事情:31.9%
  • 2位 仕事内容:24.7%
  • 3位 体調の問題:11.3%
  • 4位 社風や風土:5.8%
  • 5位 給与:4.6%
  • 6位 人間関係:4.5%
  • 7位 待遇:4.2%
  • 8位 評価:2.3%
    [本音]
  • 1位 人間関係:25.8%
  • 2位 社風や風土:18.4%
  • 3位 仕事内容:16.3%
  • 4位 給与:12.3%
  • 5位 待遇:9.8%
  • 6位 評価:4.1%
  • 7位 家庭の事情:2.7%
  • 8位 体調の問題:2.5%

こちらを見ると、本音と建前で上位に違いがあることがわかります。
実際は、人間関係や社風・風土が合わずに退職につながっている模様です。
 
また、仕事内容は本音・建前ともに3位以内にランクインしています。
給与も本音では4位に入っており、無視できない部分かと思います。
 

退職要因

 
では、上記のような理由で退職に至ってしまう要因は何か。
本音の上位4つで考えてみたときに、プライスウォーターハウスクーパース株式会社 シニアアソシエイトの酒井雄平氏の記事を参考にすると、以下のような結びつきとなるのではないでしょうか。

  • 人間関係に対する不満 ⇒ 上司のマネジメント、評価方法、同僚の離職、職場での立ち位置などが要因
  • 社風や風土に対する不満 ⇒ 組織の士気の低下、会社のノリと合わない、組織のビジョンや方向性との乖離などが要因
  • 仕事内容に対する不満 ⇒ 残業時間、自身のパフォーマンスが出ない、昇格できない、仕事に対する閉塞感などが要因
  • 給与に対する不満 ⇒ 給料が上がりにくい、手当てがない、インセンティブが出ないなどが要因

では、それらの要因があったとして、どのようなデータを見ばいいのでしょうか。
 

退職に関するデータ

 
「このデータは必ずとらないといけない」ということはなく、どのデータに注視するかは、企業の課題によってさまざまかと思います。
ここでは、上記に挙げた要因の中において、思いつく限りでどのようなデータが取れるのか、以下にあげてみました。
 

    【退職リスク分析に役立ちそうなデータ例】
     
  • 評価内容に傾向はあるか(上司から部下、360度評価など)
  • 部署ごとに退職者傾向はあるか
  • 上司ごとに退職傾向はあるか
  • どのグレード、レイヤー、ポジションの従業員が退職しているか
  • 今のポジションから何年変わらずにいるかで退職傾向はあるか
  • 業務のパフォーマンスで退職傾向はあるか
  • 勤続年数でみると、何年での離職が多いのか
  • 出勤時間、残業時間での退職傾向はあるか
  • その退職者の採用時に誰が携わっていたのか、採用時の評価で何か傾向があるか
  • 社内イベントの出席率はどうか
  • 結婚、出産、引越しなど大きなライフイベントがあったかどうかで傾向はあるか

これ以外にも取れるデータはあるかと思いますが、これらのデータを収集し、比較することで何かしらの傾向を見ることができ、その傾向に沿って事前に対策が打てるかもしれません。

 
 

退職リスク分析事例

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たとえば「長時間の通勤によるストレスが退社の理由ではないか」という仮説を立てた場合、通勤時間に注目し、「同僚の離職率の増加が理由ではないか」という仮説を立てた場合、組織別や入社年度別の離職率を見ていきます。
 
そうすることで、「通勤時間1時間30分以上の従業員は離職傾向が高い」とわかれば、何が不満因子なのかヒアリングし、その上で近くに住んでもらうためにできることはないか、出勤時間を柔軟に対応することはできないかなどの対応策を打つことができます。
 
また、「業績評価の低い上司が一次評価者になっている」といった場合に離職率が著しく高いことがわかれば、それに応じた対応ができます。
 
ある生命保険会社では、退職者のパーソナリティ検査結果をもとに、退職者の傾向を掴みました。
早期退職者と似た傾向を持つ人を見つけるための適性検査を採用選考に取り入れたところ、1年間で離職率を10ポイント改善させることができたという事例もあります。
 
ほかには、退職者分析をしたところ、「自分の評価に納得感がない」という課題を発見し、従業員が人事制度を考え構築した結果、離職率を低減させた企業、ワークスタイルを柔軟にした結果、離職率を低減させた企業などがあります。
 
 

最後に

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いかがでしたでしょうか。
 
離職の原因は、その企業によって異なります。
ただ、退職者が退職理由を本音で語ってくれれば良いのですが、建前で話すこともよくあることです。
 
そこで退職者の傾向分析を行い、手遅れになる前に事前に手を打っていきましょう。

 

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根本 慎吾

根本 慎吾

人材サービス、Web広告の営業を経て、HR NOTE編集部にて活動。 人事領域に携わる方々が『最先端人事』となるために役立てるメディアとなれるよう盛り上げていければと考えています。 趣味は読書(漫画中心)、スポーツ観戦、ツーリング。最近は音楽フェスにも参戦。
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