職場環境が人材不足倒産を引き起こす理由 |年318社倒産時代

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こんにちは!HR NOTE編集長 根本です。

皆さんは、「人材不足倒産」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?
読んで字のごとく、人材が不足して倒産するという意味ですが、昨今人材不足倒産に関する話を良く耳にします。

そこで今回は人材不足倒産について調べてみました。

なぜ人材不足倒産が起こるのか

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人材不足倒産にはどのようなケースがあるのか

東京商工リサーチが発表した「2015年累計の人手不足関連の倒産」は、318件(前年比5.6%増)でした。

内訳は代表者死亡などによる「後継者難」が279件、「求人難」25件、「従業員退職」14件、「人件費高騰」22件でした。
後継者難による倒産が圧倒的に1番多く、後継者難による隠れ倒産(後継者難による自主廃業・解散)も増えているようです。
また、近年では求人難による倒産が増加傾向にあります。

後継者難の倒産に該当するのは中小企業で、その3分の2が後継者問題に悩んでいるとのことです。
業種別では、建設業とサービス業の後継者不在率が70%を超えており、旅館、商店、卸売、町工場、農業など後継者難に陥っている企業は数多く存在しています。

「求人難」「従業員退職」「人件費高騰」に関する倒産に関しては、建設業を始め、運輸業、サービス業、介護、情報通信・情報サービス業、不動産が続いています。

人材不足倒産が起きる原因はなにか

そもそも専門性が高く、求める人材が少なすぎる

いわゆる職人のような専門性の高いニッチなスキルを持った、育成にも時間がかかる人材を集めることは、非常に難易度が高くなります。
また、そのような人材は引く手あまたなので、競争倍率が高くなります。
早くから後継者を見つけ、育成をしてこなかったことが要因としてあるでしょう。

労働人口の減少

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査によると、生産年齢人口(15~64 歳人口)は、1995年の8,726万人をピークに減少し、2014年は7,785万人に。
今後も人口減少と少子高齢化を背景に生産年齢人口の減少が続くとのことで、2025年には7,000万人になると予測しています。
これは、1970年頃とほぼ同じ水準になります。

また、地方に目を向けると、今後全国に先駆けて急激な人口減少の進展が予想されており、観光地や地場産業でも人材不足が目立っています。いかにして地方に目を向けてもらい、労働力を確保できるかが重要です。

魅力的には見えない職場環境

「給料が安いのに、遅くまで働いている」「休みがなかなかない」「キャリアステップが見えない」「悪評が広まってしまっている」など、そもそも「この会社で働きたくない」と思われてしまっては、退職者も増え、労働者も集まりにくくなって人材不足に陥ります
特に現在はネットにより悪評が広まりやすくなっており、求人難、従業員退職が多い企業は、職場環境を見直す必要があるかもしれません。

ただ、待遇をあげることが改善の一つですが、利益とのバランスを鑑みないと「人件費高騰」による倒産を招いてしまいます。
給与面以外でも働きやすい環境に関して見直す必要があるでしょう。

人材不足倒産を防ぐためになにができるのか

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人材確保というものは頭数さえ揃えば良いというものではなく、業務に関して精通している、または教えていけば成長できる素養がある人材でなければ、採用しても意味がありません。

しかし、そのような人材をいざ採用しようと思ってもなかなか応募がこないものです。
そこで、欲しい人材像からかけ離れた人を「とりあえず採用」してしまい、当然のようにミスマッチが起こりすぐに辞めてしまいます。

採用も重要ですが、ネガティブな理由でせっかく採用したのに退職者を出してしまう、また長年勤めてくれた社員が退職してしまうということも企業にとっても大きなマイナスになります。

人口減少などによる外部環境や、職人のような専門性の高い職種に関しては、非常に難しい部分もありますが、それ以外の労働力の確保・定着・育成・活性化の部分に関しては改善の余地があります。

1.職場環境の改善

職場環境とは仕事場が新しい、古いというものから、賃金や人間関係まで幅広くありますが、それらすべてを1度見直してみてはいかがでしょうか。
職場についての不満を無記名アンケートで聞き出すのも良いかと思います。
従業員が安全で働きやすい職場作りをまず目指しましょう。

2.各業務の見直し

そもそも本当に人材不足なのでしょうか
業務工程に無駄がないか、人員配置は適材適所であるか、1度見直しをしましょう。

業務によっては「午前中は暇だけど午後は忙しい」というように、忙しい時間帯がある程度決まっているのであれば、アルバイトやパートを採用するだけで済むかも知れません。
各業務を見直すことで、本当に必要な人材像が変わってくるため、適切に人件費をコントロールできます。

3.雇用の多様化を検討する

「今まで男性社員しか雇ってきていないから今後も男性社員しか雇わない」という業界や企業は多いようです。
しかし、現在は「土建女子」「鉄鋼女子」のように各業界で女性が活躍しています。
さらに、外国人採用も活発化してきています。

もちろん、どちらも1人目を受け入れるのにはさまざまな問題が生じます。
例えば、女性専用トイレや更衣室の設置など、外国人の場合は文化や習慣の違いもあります。

また、既存の社員が出産や介護、自身の病気などで長時間労働ができない場合にも、雇用の切り替えや短時間勤務を検討して、退職せずに働き続けられるような環境整備をつくることが重要でしょう。

さらには新卒・第2新卒に目を向けてポテンシャル採用を行うのも一つの手かと思います。

今まで経験したことのない雇用を行うには、知識を身につけたり、受け入れの整備をしたりと、やらなければならないこともありますが、現代は採用や雇用に柔軟に対応できる企業が生き残れる時代ではないでしょうか。

4.学校と連携してインターンシップを開催

BtoB向けにニッチな部品を提供しているメーカーなどは、なかなか自分たちの仕事について理解してもらえないという悩みを抱えています。
その場合は、ターゲット校(工業系や理系の高校や専門学校など)に働きかけてインターンシップを開催して、実際に職場や仕事内容に触れてもらいましょう。

「身につけるまでには時間はかかるかも知れないけれど、独自の技術を受け継いで欲しい」
「実は日本でのシェア50%以上を誇る製品です」
など、厳しいけれどもやりがいのある仕事であることや、独自の技術を絶やしたくないという気持ちを説明することで、心を動かしてくれる学生が現れるかも知れません。

5.技術の伝承をするために動画を作成する

どこの企業にも独自の技術やノウハウがありますが、それらを口で伝えたり、紙のマニュアルで残したりしても、動画にして残しているところはまだ少ないようです。
現代はスマートフォンや安価なデジタルカメラでも動画が撮影できる時代です。
ぜひ、独自の技術を撮影して動画で残す、ノウハウをインタビュー形式で残すなどはいかがでしょうか。

一流の職人でも、初めは素人だったはずです。
そこからどのように技術を身につけたのか、どんな失敗から何を学んだのか、コツを掴んだきっかけは何か、というように「感覚」や「経験」でしか得られないようなことを上手に引き出し、インタビューを受ける方にも「技術を残したい」という気持ちを持って臨んでもらいましょう。

動画で残すことで、新入社員が今日学んだことを復習することもでき、早く仕事に慣れる手助けになります。

まとめ

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  • 人材不足倒産は外部環境の要因もあるが、まだまだ自社でやれることはある。
  • 人材採用の前に職場環境を見直す。
  • 人材採用の前に各業務を見直す。
  • 雇用の多様化を検討する。
  • 自社を知ってもらうために学校と連携してインターンシップを開催する。
  • 動画でのマニュアル作成を行う。

上記を見直すことで、募集方法に幅を持たすことができ、定着・育成に関しても貢献できるのではないでしょうか。

未経験者を採用する時にも「一流の技術者が教えてくれます」だけでなく、「動画などでマニュアルがあるので、学んだことをすぐに復習できます」と付け加えることで未経験者が感じる不安を軽減できます。

また、職場環境を見直すことで、会社の魅力(強み)が何か、弱みは何かを認識することができます。
強みは採用時の会社のアピールになりますし、弱みは「今後改善していくべき伸びしろ」と前向きに捉えて改善していきましょう。
自社の経営者や人事担当者が自社のアピールポイントを明確に理解しておくことは、採用において非常に重要です。

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