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【NEWS】同一労働同一賃金、不合理な格差解消「期待する」は45%|派遣労働者に関する調査2019:日本労働組合総連合会

日本労働組合総連合会は2019年7月26日、「派遣労働者に関する調査2019」の結果を公表しました。

本調査は、派遣労働に関する制度や法改正に対し派遣労働者がどのような意識を持ち、また、働く上でどのような実感を持っているか、派遣労働者の意識と実態を把握するためにおこなわれました。

1|調査がおこなわれた背景

「派遣労働者に関する調査2019」は、2020 年 4 月の改正労働者派遣法の施行を前にしておこなわれました。

派遣労働で働く人は、2018年の労働力調査では136万人(役員除く雇用者のうち 2.4%)と、ここ2~3年は130万人前後で推移しています。

しかし、 10 年前の 2008 年には 140 万人いた派遣労働者が、その後3 年間で 91 万人にまで減少した現実があります。

2008年11月の金融危機をきっかけに、「派遣切り」によって派遣労働者への不当な解雇や雇止めがおこなわれたのです。

「派遣労働者に関する調査2019」は、派遣労働者が、2012 年改正の労働契約法による 5 年の無期転換権をどのように受け
止めているかを示しています。

また、雇用安定措置やキャリアアップ措置を盛り込んだ 2015 年改正の派遣法に対する意見や、2020年4月施行に施行される同一労働同一賃金を目指す改正派遣法をどのように受け止めているかを示しています。

2|調査の結果(一部)

2-1|2020年改正労働者派遣法の内容 「詳細まで知っていた」は5%

派遣労働者の同一労働同一賃金の実現に向けて、2020 年 4 月に改正労働者派遣法が施行されます。

まず、全国の 20 歳~69 歳の民間企業に勤務する派遣労働者 1,000 名(全回答者)に、2020 年 4 月 1 日に労働者派遣法が改正されることを知っていたか聞いたところ、「詳細まで知っていた」のは、全体で 5.2%、世代別にみると、60 代が 1.4%と最も低く、次いで 20 代と 50 代は 4.5%でした。

「詳しくではないが知っていた」も含めた認知率は、全体で 51.4%となりました。

2-2|法改正や制度についての認知経路 いずれにおいても「派遣元からの説明」は半数以下

労働に関する法改正や制度について知っていた人に、そのことを何から知ったか聞いたところ、「マスコミ(テレビや新聞報道など)」と並んで、「派遣元(派遣会社)からの説明」が高い結果となったものの、いずれにおいても「派遣元(派遣会社)からの説明」は半数以下となりました。

2-3|計画的な教育訓練の実施は 25%

また、派遣元(派遣会社)は、雇用している派遣労働者のキャリアアップを図るため、計画的な教育訓練や希望者に対するキャリア・コンサルティングを実施する必要があることが 2015 年の労働者派遣法の改正で定められました。

全回答者(1,000 名)に、自身が契約している派遣元(派遣会社)は、計画的な教育訓練を実施しているか聞いたところ、「している」は 24.7%、「していない」は 33.0%と、未実施が多い結果となりました。

3|調査結果のポイント

調査結果からは、3つのポイントがわかりました。

3-1|労働者保護ルールの周知が不十分

一連の法改正における労働者保護ルールの内容が、派遣労働者に十分に周知されていないことがわかりました。

法改正の認知経路はマスコミ経由が多いですが、本来は就業規則等によって派遣元事業者に伝える必要があります。

3-2|キャリアアップの制度が整っていない

2015年の改正派遣法で、派遣労働者保護の目玉とされたキャリアアップ措置が未実施であることがわかりました。

またそれだけでなく、派遣元事業者の義務である雇用安定措置の未実施、あるいは希望しても対応しないとの回答がありました。

コンプライアンス意識の希薄な派遣元事業者が存在する可能性があります。厚労省の指導強化などにより改正法の実効性を高める必要があるかもしれません。

3-3|2020年4月の法改正への期待が高まっている

2020年4月施行の法改正が目指す同一労働同一賃金の実効性を派遣労働者の多くが期待していることがわかりました。

本来、派遣先で同じ内容の職務に就く派遣労働者と派遣先労働者の賃金が同一であれば、必然的に派遣会社のマージン分だけ、派遣契約料金は派遣先労働者の賃金より高くなります。

この法改正には、派遣先事業者への派遣料金に対する配慮義務も規定されています。改正法の実効性に対して、派遣労働者の期待値が高まっています。

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