- 課題
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- 労働時間の集計、確認作業の負担が大きかった
- 勤怠管理と給与計算が連携されていないため、手計算が必要となり、ミスが起こる可能性があった
- 業務により使用するシステムが異なり業務が属人化していた
- 効果
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- 一元化されたデータベース上で、私学共済も加味した給与計算ができ、人事室の工数を削減
- 属人的な管理の脱却に一歩近づいた
※拠点数:大同大学、大同大学大同高等学校の2拠点。
※従業員数:臨時的職員も含む。
730人の勤怠管理や給与計算が大変だった
– ジンジャーを導入する前は、どのように勤怠を管理していたのでしょうか?
肥田さん:例えば事務職員は、紙の出勤簿などで労働時間を管理していました。年度始めに出勤簿を作成し、各自で出退勤時刻を記録してもらっていました。
そして、自身の上長に出退勤時間を記載した勤務命令簿を承認してもらい、問題なければ提出してもらっていました。提出してもらったものを、最終確認してExcelに手入力していました。
– 出勤簿で管理していたのですね。
菱田さん:出勤簿以外にも、休暇届も紙の申請書で管理していました。紙で管理していたので、保管する場所も必要でしたし、月末に出勤簿の出勤日数と休暇届を照らし合して、不整合がないかの確認作業も大変でした。
– 具体的にどのようなところに不便を感じていましたか?
日高さん:不便を感じていたところは、4つありました。
1つめは、労働時間集計時の確認作業に工数がかかっていたことです。当時の出勤簿の提出フローでは、人事室に提出する前に上長に承認してもらっていたのですが、提出の遅延があり、残業時間及び労働時間の確認・集計が煩雑になっていました。
そのため、注意深く人事室で確認する必要があり、手計算で集計したExcelデータを既存の給与システムにアップロードしていました。ミスができない仕事であるため、人事室でダブルチェックをおこなっており、非常に工数がかかっていました。
2つめは、年度始めに職員全員分の出勤簿を用意することに手間と時間がかかっていたことです。また、ペーパーレス化していきたいと考えていたので、どうにか変えたかったです。
– 毎年700部近く出勤簿を用意するのは大変ですね。残り2つは、どのような不便さを感じていたのでしょうか?
川角さん:3つめは、休暇管理です。毎日1時間程度かけて、申請書と出勤簿の情報を照らし合わせ、休暇の日数を確認することがかなり負担となっていました。
「誰が、いつ休暇を取得するのか」をリアルタイムで可視化したいと感じていました。
4つめは、勤怠管理と給与計算システムの連携です。700人のデータを各システムに入力していました。年度末・年度始めのデータ変更は、工数がかかり、ミスが起きやすい環境でした。
この属人的な給与計算から脱却し、ミスがなく、かつ素早く給与計算がおこなえるやり方を探していました。
これら4つの不便を感じていたタイミングで、働き方改革関連法が施行され、客観的で正確な労働時間の管理をしなければいけなくなり、システム導入を検討し始めました。
私学共済に対応した社会保険料の計算も実現!工数削減成功!
– システムを検討するにあたり、重視していたポイントはございますか?
菱田さん:勤怠管理や給与計算など、1つのシステム内でできる範囲が広いことです。
弊学が抱えている課題は、勤怠管理システムだけや、給与計算システムだけでは解決ができない課題でした。
そのため、勤怠管理機能だけを提供しているシステムだと、弊学の課題は解決できなかったので、1つのシステムの中で、いろいろな機能があるシステムを中心に見ていました。
弊学は学校法人特有の課題がありますし、今後も新たに見つかっていくかもしれません。長く使い続けるには、柔軟に対応できるシステムでなければならないと考えていました。
また、勤怠管理だけ、給与計算だけができるシステムを導入する場合、メンテナンスやアップデートの際に、それぞれのシステムにおける知識をインプットしなければならず、余計な工数が発生してしまいます。
そのため、各システムが一貫して優れており、一元管理ができるシステムであるかどうかに焦点を当てていました。
– 数多くの勤怠管理システムがある中で、なぜジンジャーお選びいただけたのでしょうか?
肥田さん: ジンジャーに決めた理由は、3つあります。
1つめは、菱田が話したとおり、勤怠管理、給与計算などの人事データが一元化されていたことです。
2つめは、他社のシステムは一元化されていたとしても私学共済の社会保険制度に対応しておらず、ジンジャーは一部条件付きにはなりますが、私学共済に対応していたからです。
学校法人は、一般企業と異なり、保険料率が一律でないなど特殊性があり、他社のシステムだと、この特殊性に対応した運用ができそうにありませんでした。
しかし、ジンジャーの場合、システム内で保険料率などが汎用的に設定できるので、運用ができると判断しました。
3つめは、ジンジャーはカスタマイズ性に優れている点です。私学共済の件もそうですが、かゆいところに手が届くので、非常に使いやすいシステムだと感じていました。
以上の理由から、ジンジャーなら、きちんと運用に乗せることができると感じたため、ジンジャーに決めました。
属人化しない管理体制を目指す
– 今後、ジンジャーをどのように活用していきたいですか?
肥田さん:ジンジャーの活用方法は、3つ考えていることがあります。
1つめは、紙媒体でおこなっている属人的な業務を電子化・自動化することで、ミスや工数の削減を実現し、人材育成に充てる時間を増やすことです。
具体的には、労働時間の集計や給与計算を自動化することで、打刻や計算ミスが減り、業務の工数も軽減できます。それにより生まれた時間を人材育成に使うことで、弊学の環境をより良いものにしていきたいと考えています。
2つめは、ルーティン業務を平準化することで、複数人で管理できる状態を作ることです。重要な業務だからといって一人に偏ってしまうと、有事の際に対応できる人が限られてしまいます。
たとえば、一番業務に詳しい人間が倒れてしまえば、他の職員は対応できないという事態が発生するかもしれません。そのような状況を防ぐためにも、システム化によって平準化された業務を複数の職員で共有することで、イレギュラーにも対応できる組織形態にしていきたいです。
3つめは、事務職員の労働時間のデータを活用し、労働時間の意識づけをすることです。ジンジャーでは、リアルタイムで職員の労働時間を可視化することができます。
管理職の方には、部下の労働時間を確認してもらい、業務の配分や遂行方法について再考してもらうことで、長時間労働の是正に努めてもらいたいです。
– ありがとうございます。最後に、勤怠管理や給与計算などのシステム導入を検討している学校法人様や企業様に、導入のポイントがあれば教えてください。
菱田さん:Excelや紙で管理している学校法人様は、一度システムを検討してみることをおすすめします。
Excelや紙での管理だと、法改正があれば、その都度法改正の内容を確認し、対応方法を検討する必要があるかと思います。私たちもそうでした。
しかし、クラウド型のシステムであれば、サービス提供会社のほうで、法律に沿ってシステムアップデートしてくださるので、心配が不要です。システム化することで、紙を中心とした属人的な管理方法から脱却し、工数削減を目指していくことができます。ぜひ、前向きに検討してみてください。