お知らせ
タレントマネジメントに必要な人事データの活用について「課題がある」と答えた「約50%」が、部門、担当者ごとで「バラバラ」に人事データを保有している ー 人事データの管理方法に関する実態調査 ー
クラウド型人事労務システム「ジンジャー」を提供しているjinjer株式会社(本社:東京都新宿区 代表取締役社長:桑内 孝志 以下、jinjer)は、人事業務をおこなう中で人事データを扱う担当者・課長・部長、経営者 533名を対象に、「人事データの管理方法」に関する実態調査を実施しました。
■調査サマリー
【調査概要】
・調査概要:「人事データの管理方法」に関する実態調査
・調査方法:インターネット調査
・調査期間:2023年9月28日〜同年10月1日
・調査対象:人事業務をおこなう中で人事データを扱う担当者・課長・部長、経営者 533名
≪本調査の利用について≫
1 引用いただく際は、情報の出典元企業として「jinjer株式会社」の名前を明記してください。
2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元企業として、下記リンクを設置してください。
URL:https://jinjer.co.jp/
■調査の背景
近年、少子高齢化に伴った経済成長の鈍化が懸念されています※1。とくに生産年齢人口の減少に関しては「働き手の減少」に影響することが言われています※2。
※1参照:日本経済新聞「出生急減、22年80万人割れへ 人口1億人未満早まる恐れ」
※2参照:内閣府「第2章 人口・経済・地域社会の将来像」
このような環境下で、日本が経済成長をしていくためには、働き手が少ない状況でも、事業運営ができる仕組みを、各企業で構築していくことが重要になっていきます。
上記については、企業の人事機能においても同様のことが言えるでしょう。昨今では雇用契約締結業務など紙管理が多い作業をペーパーレス化して業務の効率化を行なったり、適切な人事配置、また社員のパフォーマンス・エンゲージメントを向上したりすることで、戦略的かつ効率的なタレントマネジメントにつなげる企業が増えてきています※3。
※3参照:矢野経済研究所「ERP及びCRM・SFAにおけるクラウド基盤利用状況の法人アンケート調査を実施(2022年)」
一方で、まだまだ多くの企業において、ペーパレス化で導入した「複数システム間の連携」、またタレントマネジメントをする上で必要な「人事データの管理方法」に関して課題があることがわかりました※4。上記課題のさらなる深堀りを通じて、人事労務領域の業務効率化、タレントマネジメントを行う上で、「企業としてアプローチすべき課題はどのようなポイントにあるのか」を調査していきます。
※4参照:jinjerBlog「人事データの管理、蓄積、活用に関する実態調査結果」
jinjerBlog「人事系システムの利用状況に関する実態調査」
■人事戦略を実行する上で、約50%の企業が人事データを「あまり活用できていない」「活用できていない」。また、「理想通りに人事データを活用できている」と回答した企業は10%を下回る結果に。
人事戦略を実行する上で、人事データをどの程度活用できているかに関する質問をしたところ、「描いた理想に沿う形で活用できている(9.2%)」と答えた企業が全体の10%を下回る結果となりました。次いで「一部課題はあるが、ある程度活用できている(39.4%)」、「あまり活用できていない(29.6%)」、「活用できていない(21.8%)」と、人事データを活用できていない企業が約半数に上りました。
■人事データを活用できている企業は「データを集約して管理」し、人事データを活用できていない企業は「部門ごと・担当者ごとにデータを独立して管理」という結果に。
「描いた理想に沿う形で活用できている」、「一部課題はあるが、ある程度は活用できている」と回答した企業のうち、人事データを管理する方法について質問したところ、最も多かった回答は「ある程度集約してデータを管理しているが、個別で管理しているデータもある(49.4%)」となりました。
一方で、6社に1社は「部門ごとに独立してデータを管理している(14.3%)」ということも実態として明らかとなりました。人事データを活用できている企業ほど、データを集約して管理している傾向にあることがうかがえます。
対照的に、Q1で「あまり活用できていない」、「活用できていない」と回答した企業へ、人事データを管理する方法について質問したところ、最も多かった回答は「人事データの管理について把握できていない」が36.1%、次いで「部門ごとに独立してデータを管理している」、「担当者ごとに独自で管理している」が17.5%(同率)と、併せて企業の約30%強が人事データの管理先がバラバラであることがわかりました。
上記から、人事データを活用できている企業と、人事データを活用できていない企業の間には、人事データの持ち方に違いが生じる傾向がありそうです。
■データが散在することに対して「課題を感じている」と答えた企業は全体の約60%。課題に思うポイントは「データの信頼性」、「スピーディな意思決定ができない」、「人事情報の更新・反映の手間」。
Q2・Q3で、人事データを独立して管理している企業を対象に、データが各所に散在していることに対する課題感を聞いたところ、「非常に課題を感じている(13.7%)」「どちらかというと課題を感じている(48.3%)」と、併せて約60%弱が課題を感じていることがわかりました。
Q4で、データが各所に散在していることに対して「非常に課題を感じている」、「どちらかというと課題を感じている」と答えた企業を対象に、どのようなポイントで課題を感じるかについて聞いたところ、最も多かった回答は「どのデータが最新で正確なものなのか、正しい情報が容易に判別できず、データの信頼性が担保できない(44.7%)」でした。
次に多かった回答は「リアルタイムに必要な情報にアクセスできないため、スピーディな意志決定ができない(40.1%)」、「氏名、住所など従業員情報に変更があった際、各所で人事情報の更新・反映をしなければいけない(25.2%)」と、人事データが最新化されていないことが、様々な業務を滞らせる原因となっている傾向があるようです。
■データが散在する課題解決に向けた取り組みとして、最も多く取り組まれていたのは「各システムの接続」、「ベンダー統一」、「各所にある人事データ項目の統一」。
Q5で回答した課題の解消に向けた取り組みについて質問したところ、「各システムをAPIなどで接続して、データ連携をスムーズにしようとしている(31.7%)」が最も多く、次いで「システムベンダーを統一して、データ連携をスムーズにしようとしている(27.1%)」、「各所に存在する人事データのテーブル・カラム・レコードといった項目を統一させにいこうとしている(24.8%)」と、データ連携をスムーズにしようと取り組みをしている企業が多く見られました。
≪本調査の利用について≫
1 引用いただく際は、情報の出典元企業として「jinjer株式会社」の名前を明記してください。
2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元企業として、下記リンクを設置してください。
URL:https://jinjer.co.jp/
■jinjer CPO(最高プロダクト責任者)松葉からのコメント
「DX」という言葉が世の中に広まっていますが、さまざまな調査・レポートを拝見する中で、ビジネス変革を起こせるレベルで、ITを駆使した変化を実現している企業は、実態として少ないように感じています。
人事領域においても「人事データを活用して、適切な人事戦略を実施していきたい」といった、お客様からのご要望をいただくことが多くなりました。
要望が増えた背景としては、人事領域で複数のシステムを利用した結果として、情報の基盤となる人事データベースがバラバラになりやすく、管理しにくい体制が生まれてしまっているのではないかと考えています。そのような文脈でも、今回の調査から、前述した”適切な人事戦略”を行うためには「部門ごと、担当者ごとに必要なデータを持つ」のではなく「必要な情報を一元管理すること」への重要性が垣間見えた結果となったのではないかと思います。
ジンジャーは、複数システムにまたがる人事データを一括で管理できるシステム構造です。業務効率化をすること以上に、データを1つにした先を見据えた構想を実現し、よりユーザー様の利便性を高められるサービスにできるよう、日々開発を進めてまいります。