- 課題
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- 人事関連システムごとにマスタが分かれており、Excelや紙での管理も残っていた。そのため、人事データの重複や担当者ごとの属人化が発生していた。
- 年末調整や住民税、給与計算に必要な情報をExcelに入力したあと、給与システムにも手入力するなど、同じ情報を複数回入力する作業が発生していた。入力後のダブルチェックや読み合わせ確認も必要で、担当者の負担が大きかった。
- 給与明細や資格証、人事情報を紙で印刷・配布・保管していたため、拠点への共有や問い合わせ対応、行政監査時の確認に手間がかかっていた。
- 決め手
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- 人事・給与・労務に関する情報を、分断されたシステムやExcel、紙ではなく、統合型人事データベースとして管理できる点に魅力を感じた。
- 社会福祉法人では、システムに苦手意識を持つ職員もいるため、画面の見やすさや視認性の良さ、操作のわかりやすさを重視した。
- イラストやアクションを使った画面設計により、職員や施設の労務担当者にも使ってもらいやすいと感じた。
- 導入後の
効果 -
- 重複入力や確認作業の削減により、月68時間の工数削減を実現。年末調整では、本部給与担当の残業時間を月20時間ほど削減できた。
- 給与明細や源泉徴収票、給与の累計額などを職員自身がジンジャー上で確認できるようになり、再発行依頼や労務担当者への問い合わせが減少した。
- 資格情報や人事データをジンジャー上で確認できるようになり、行政監査への対応がスムーズになった。ジンジャーの情報を見ながら人事異動や評価について検討するなど、統合型人事データベースの活用が経営判断にも広がっている。
バラバラのシステムと紙・Excelの運用を脱却するため人事領域のDXに着手

-ご担当の業務と人事総務部の構成について教えてください。
奥原さん:
当法人は、愛知県で介護・福祉施設を運営する社会福祉法人です。各施設には、介護・福祉サービスを担うケア職員のほか、施設ごとの勤怠管理や人事業務を管理する労務担当者が1人ずつ配置されており、各施設をとりまとめる立場として法人本部が置かれています。本部のなかに総務課があり、私はDX推進責任者として、法人におけるシステムの導入・運営業務を担当しています。
板谷さん:
私は運営本部の総務課で、主に給与計算を担当しています。各施設の労務担当者と連携をとりながら、日ごろからジンジャーを活用していますが、ジンジャー導入の1年ほど前までは施設の労務担当者として働いていました。
-これまでの管理体制で課題だったことは何でしたか?
奥原さん:
当法人では、2004年頃からICT活用を開始し、事業系や財務系のシステムは比較的早い段階からクラウド型のシステムを導入してきました。
一方で、人事労務などバックオフィス領域は、システム自体は導入していたものの、それぞれ別々のシステムを使っている状態でした。紙やExcelで管理している業務も残っていたため、人事データが重複したり、職員マスタが複数ありました。また、担当者ごとに運用が属人化したりする課題がありました。
-システムの入れ替えを検討されたきっかけは何でしたか?
奥原さん:
2022年頃から、経営陣の間ではシステムの見直しについて話が出ていました。当時は、人材版伊藤レポート※をきっかけに人的資本経営への注目が高まっていた時期でもあり、当法人でも今後の人材戦略をどう考えていくか、意識し始めていました。その後、2023年には本格的なDX化に向けた計画書を作成しました。
もう一つ、本格的なきっかけになったのが、技能実習生の受け入れです。外国籍の方を受け入れるためには、業務の進め方や指導方法、働く環境を標準化していく必要がありました。そこで、職員が使うシステムについても、きちんと整備しなければならないと考えるようになりました。
※人材版伊藤レポートとは…2020年・2022年に公開された「人的資本経営」に関する報告書。
-最終的にジンジャーを選んでいただいた決め手は何でしたか?
奥原さん:
展示会などで、さまざまなシステムを見させていただきました。社会福祉法人の場合、スタッフの中にはITシステムに苦手意識を持っている方も多いため、できるだけわかりやすく使えるシステムを探していました。
担当者と一緒に展示会へ行った際、ジンジャーの画面はイラストやアクションが使われていて、画面が見やすいと感じました。最終的には、視認性の良さや見た目のわかりやすさが決め手になりました。
給与明細・年末調整・住民税対応を効率化。重複作業の解消で月68時間の工数削減へ

-導入後、どのような変化が見られましたか?
奥原さん:
導入後は、作業担当者の作業時間を月間で68時間削減できました。特に変化が大きかったのは、紙を作成したり、同じ内容を何度も入力したりする重複作業が減ったことです。
導入前、ジンジャーの営業担当の方に試算していただいた際は、30時間程度の削減を見込んでいました。ただ、実際にはその試算を上回る削減効果が出ています。
目に見えてわかりやすかったのは、担当者の残業が減ったことです。上層部からも、残業が減っているというコメントがありましたし、幹部会議でも残業時間が削減できてよかったと声があがっています。
板谷さん:
他社のシステムを使っていた頃は、まず人事労務システムに情報を入力し、その後、同じ内容を給与システムにも手入力していました。つまり、同じ情報を2つのシステムに入力していたんです。
また、私が休むとシステムにログインできる職員が不在となるため、必要な人事データをすぐに取り出せない点がネックでした。資格証などの情報も、私がいないと確認できない状態では困るため、必要な情報を紙で印刷して、全拠点に配布することもありました。
ジンジャーの導入後は、こうした二重入力や紙での共有がなくなり、日々の細かな作業時間を削減できたと感じています。
-給与明細書の配布は、ジンジャーの導入によってどのように変わりましたか?
板谷さん:
ジンジャーを導入する前は、三枚複写の給与明細をインパクトプリンターで作成していました。守秘性を担保するためにこの方法に行き着いたのですが、約750名分の給与明細を印刷するだけで半日ほどかかるため、非常に負担の大きい仕事でした。
専用のインクと用紙を使うため、毎月3万円弱、賞与分も含めると年間で約50万円のコストもかかります。印刷中に紙が詰まったり、途中で紙を替えたりするため、付きっきりで対応が求められる点も課題でした。
印刷が終わった後は、給与明細を拠点ごとに振り分け、拠点の所属長などに渡し、その後さらに職員へ手渡しをします。印刷から配布までかなりの工数がかかる運用をしていましたが、ジンジャー導入後は、給与明細を職員自身がシステム上で確認できるようになりました。印刷や仕分け、各拠点での配布作業がゼロになったのは、本当に大きな変化です。
-年末調整や住民税の対応では、どのような変化がありましたか?
板谷さん:
年末調整は、今年初めてジンジャーで対応しましたが、大量の紙を削減することができました。
以前は、申告書4枚と職員への案内文に加えて、前年の保険料控除申告書などを記入例として印刷していました。1人あたり8枚ほどの印刷物を750名分(約6,000枚)準備していたので、紙の枚数が膨大で、それらを職員ごとに仕分けてセッティングする手間もありました。
提出後の確認作業も大きな負担でした。本人から提出された書類をもとに電卓で計算し、Excelに入力したうえで、保険料控除申告書だけでも1,500件以上を給与システムに手入力していました。入力後は、ダブルチェックも必要なので、拠点側で入力した内容の確認も合わせると二度手間、三度手間になっていました。
これらに対応するため、本部の給与担当だけでも30時間以上の残業が発生していましたが、ジンジャー導入後は10時間以下に。つまり月間で20時間ほどの残業が削減できました。
特別徴収住民税も、これまでは書面で届いた内容を750名分×12ヵ月分をすべて手入力していましたが、今ではeLTAXで届いたCSVを利用して、業務を丸ごと削減しています。
各入力データの読み合わせには何時間もかかりますし、もう1人の担当者と一緒に確認する作業はかなり神経を使います。これまでは、給与に関する業務を1人で完了できる状態ではなく、必ずダブルチェックする人が必要でしたが、ジンジャーの活用によって、こうした手入力や確認作業を減らすことができました。
-重複作業が減り、残業時間が削減されたことで、さらに得られた変化はありましたか?
奥原さん:
管理側としては、ジンジャーを見ればリアルタイムで進捗を確認できるようになったことも大きいです。
以前であれば、「作業は進んだ?」「それはもうやった?」と、その都度確認しなければなりませんでした。現在は、管理者側で進捗管理やチェックができるので、いちいち声をかけなくてもタスクの状況を把握できるようになりました。
板谷さん:
以前は、給与台帳を印刷して拠点に送っていましたが、その作業もなくなりました。また、職員からの問い合わせがなくなったことも嬉しいですね。
例えば、「資格証を印刷してほしい」といった依頼があるたびに、今まではファイルを探して書類をコピーし、送らなければなりませんでした。一つひとつは小さい手間ですが、重なると非常に時間を取られます。そうした都度対応の業務がなくなったことは、大きな変化だと感じています。
奥原さん:
もちろん、ジンジャーを導入したことで新たに発生した設定作業や説明資料作成の作業もあります。ただ、それは一時的なものだと考えています。ジンジャーを使うための手間を差し引いても、削減できた時間の方が大きいです。
-各施設で働く職員や現場には、どのような変化がありましたか?
奥原さん:
職員にとっては、年末調整の手間が減ったことが大きかったと思います。最初は操作がわからない部分もありましたが、去年のように紙に書く手間がなくなりました。設問に答えるだけで手続きが終わるので、「楽だった」という声もありました。
給与明細についても、以前は手渡しでした。変則勤務の職員の場合、なかなか受け取れないこともありましたが、今では給与支給日の25日にWEB明細で公開することで、自分ですぐ確認できます。
源泉徴収票なども、必要になったときに再発行の手続きをしなくてよくなりました。職員自身で確認できるようになったことは、便利になった点だと思います。
板谷さん:
扶養内で働いている方の場合、給与明細をなくしてしまうと、これまでは労務担当者に確認しなければなりませんでした。でも今は、ジンジャーを見れば自分で確認できます。
奥原さん:
当法人では、就業規則をジンジャーに読み込ませているため、若手職員から「ジンジャーAIに質問すると回答をもらえるので、労務担当者に聞かなくてよくなった」と感想を聞き、非常に利便性が高いと感じています。今後も機能の充実に期待しています。
データ整備と現場の不安に向き合い、施設側とともに導入を推進
-導入時に大変だったことはありましたか?
板谷さん:
導入初期の頃は、人事データを正しく整備することに苦労しました。資格名ひとつを取っても、「看護師免許」の旧表記である「看護婦免許」と入力されたものが混在しているものもありました。表記が統一されていないと、エクスポートするときに必要な情報が出力できないため、各拠点には登録内容の確認を呼びかけました。
もともとすべての情報がPDF化されていたわけではなかったため、資格証などの情報をPDF化して、人事マスタに登録していく手間もありました。登録作業でミスが起きることもありましたが、その都度修正しながら進めていきました。
奥原さん:
システム導入に対しては、職員本人よりも、各施設の労務担当者の方が不安や抵抗を感じていたと思います。労務担当者は、職員から質問を受ける窓口になる立場です。新しいシステムを導入すると、最初に負担がかかるのは各施設の労務担当者です。
そのため、事務局ではパンフレットやリーフレットなどを作成し、労務担当者や職員への周知に使えるようにしました。窓口になる労務担当者の負担を軽減できるように工夫しながら、導入も急ぎすぎず、段階的に進めていきました。
-各施設の労務担当者は、どのように巻き込んでいったのでしょうか?
奥原さん:
DXの推進を担ってもらいたい方には、外部研修や展示会への参加を促し、DXやICTに取り組む必要性を感じてもらえるようにしました。
また、施設側で労務担当の仕事をよく理解している方にも、推進者として協力を依頼しました。もともとシステム導入に懸念を示していた方でもありましたが、懸念があるということは、それだけ現場の課題点を把握している方だと判断しました。
そのため、あえて推進側に協力いただき、研修に参加いただくなかで「DXの重要性」の理解を促して巻き込んでいったんです。
本部が決めたことを施設に下ろすだけでは、現場に定着しにくいと思います。施設側にも一緒に進めてもらうことで、本部と施設が同じ方向を向いて取り組めるようになりました。
「ジンジャーを見ればわかる」状態へ。人事データを監査対応や経営判断にも活用
-統合型だからこそ、人事データを活用できている場面や、組織活性化につながったことはありますか?
奥原さん:
以前は、人事情報を紙で渡していても見てもらえず、電話で問い合わせが来ることもありました。現在は、「ジンジャーに研修の情報が登録されていた」といった声も聞かれるようになりました。
人事情報が確認しやすくなったことで、管理職や担当者の間でも、ジンジャーを前提に話が進む場面が増えてきています。
また、行政監査の対応でも、ジンジャーをフル活用できています。私たちの業界の行政監査では、以前はファイルや紙で保管している職員の資格証などを、全員分確認されることもありました。現在は、資格のデータをジンジャーに登録していることを監査官に伝え、画面を見せながら説明できるため、対応が非常にスムーズになりました。
このように、統合型の人事システムで管理していることで、社内外とのコミュニケーションにも、大きな変化を感じています。
-ジンジャーの活用を続けながら、この先どのような管理体制を作っていきたいですか?

奥原さん:
私たちの業界では、加算収入の関係上キャリアパスモデルの作成が義務化されており、当法人でも最近、キャリアパスモデルを刷新しました。現在、人事考課や評価制度は紙で運用していますが、今後はジンジャーと連動させていきたいと考えています。
人的資本に関する経営戦略も、以前より組み立てやすくなりました。データを見ながら検討できるようになることで、戦略を打ち出すまでのスピードも高めていけると感じています。
実際に、人事委員会でもジンジャーを見ながら話をする場面があります。人事異動、評価のタイミングなどを検討する際に、「あの職員はどういう人だったか」とジンジャー上の情報を確認しながら話すこともあります。
今後は、人事考課や評価制度も含めてジンジャーとの連動を進め、人事データを経営判断に活用できる体制をさらに整えていきたいです。
板谷さん:
経営側でもジンジャーを活用しているので、まだ入力しきれていない人事データについても、早く正確にジンジャーへ登録していきたいです。
人事データを正しく蓄積していくことで、現場の管理だけでなく、経営側の判断にも活用しやすくなると思います。

1993年6月7日設立。愛知県清須市に本社を構え、特別養護老人ホームや介護事業所、障害者支援施設などを運営する社会福祉法人である。現在は、6つの特別養護老人ホームと2つの障害者支援施設を中心に、高齢者福祉事業、障害者福祉事業、公益事業を展開している。

































































