- 課題
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- 勤怠管理と給与計算で同一のシステムを利用していたが、システム間でデータ連携できなかった。また、当社の給与形態に対応しておらず、一度システムからデータを吐き出してExcel上で計算し、そのデータを再度システムに入れ直す工数がかかっていた。
- ワークフローは全てメールで対応しており、承認者は社長一人。承認フローが整備されていなかったため、費用の使い道に関して適切な議論がおこなえていなかった。
- ワークフローの申請件数が非常に多く、申請メールの確認漏れが発生していた。
- 解決策
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- データ加工の手間が発生しないように、自社の給与形態に対応したデータ連動性のあるシステムに切り替える。
- すべての関係者が回覧できるワークフロー体制を構築する。承認の抜け漏れが発生しないよう、申請状況を一覧で管理できるようにする。
- 効果
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- 勤怠管理から給与計算までのフローが全てジンジャー上で完結できるようになった。
- 承認フローを細分化して適切なワークフローの体制を構築したことにより、内部統制が強化された。費用が発生する前に議論できるようになったことで、経費削減にもつながった。
- ジンジャーのトップ画面からで申請・承認状況が確認しやすくなり、回覧者を増やしても承認完了までの時間を削減することができた。
-普段おこなわれている業務について教えてください。
土門さん:
管理業務全般を統括しながら、実務をおこなっています。今年度から新しく管理担当者が入り、給与計算や経理財務の対応をしてくれるようになりましたが、それまでは実務に関しても私一人で全て対応していました。
加えて、「とどくすり薬局」事業のオペレーション改善などの特命的なプロジェクトにも携わっております。
-前職でもDX化のご経験がお有りと伺いました。今回のジンジャー導入でDX化に携わられたのは何社目でしょうか?
土門さん:
2000年前後からバックオフィスの業務改善に携わっており、システムの新規導入・リプレイスを合わせると今回で7社目になります。
これまでさまざまなシステムを利用してきましたが、どのシステムでもある程度は網羅的に対応できます。そのため、世の中のトレンドや、自社の規模・リテラシー・人員配置など、状況に応じて、何を重要視してシステムを導入すべきか考えるようにしています。
当社ではジンジャー導入を含め、システムを活用して積極的に業務改善をおこなっており、グループ企業の中でも注目いただいています。
システム間のデータ連携や各種申請のメール運用に課題を感じていた
-これまでの管理体制で課題だったことは何でしたか?
土門さん:
まず課題に感じていたのは、システム間のデータ連携です。
元々、勤怠管理と給与計算は同一のシステムを利用していましたが、システム間でデータ連携をおこなうことができませんでした。
当社の給与計算では、固定給は当月分、残業代は前月分が支給されるように運用しているのですが、当時のシステムではその運用に対応できませんでした。そのため、一度システムから吐き出したデータをExcel上で計算し、そのデータを再度システムに入れ直す手間がかかっていました。
また、有休/残業申請、稟議申請など、勤怠申請やワークフローをメールで運用していたことにも課題感を持っていました。
場合によってはメールのCCに関係者を入れるものの、基本的には社長にメールを送付するだけの申請フローになっていました。1万円以上の稟議は全て社長決裁必須であったため、件数が非常に多く、申請メールの確認漏れが発生している状態でした。
上記のような運用であったため、管理側には前触れなく請求書が届き、物品やツールを購入する前に議論が全くおこなえていませんでした。
-システムの入れ替えを検討されたきっかけは何でしたか?
土門さん:
将来的に会社のステージが上がっていくなかで、従業員スキルを向上させるべく、人材育成を強化していく方針になったのが大きなきっかけです。
たとえば、ワークフローのような責任を伴う業務に関わらせていくことで、組織に対する使命感やリーダーシップが生まれるだろうと考え、上の役職に集中してしまっている権限を徐々にマネージャーやリーダーに移譲していくことを目指していました。
これまでのDX経験から、一つのシステムでまとめて管理したかった
-最終的にジンジャーを選んでいただいた決め手は何でしたか?
土門さん:
ジンジャーを選んだ決め手は、統合データベースで一元管理を実現できた点です。
前職含めたこれまでの管理部経験を経て、バラバラのシステムで複数のマスタを持つことに不満を感じていました。特に、年に一度のタイミングで発生する組織や業務フローの変更では、毎回大変な思いをしていました。
また、社内にシステム管理者が居ないため、複数のシステムで煩雑な管理になるのは避けたいという想いもありました。
その点、ジンジャーは一つでまとめて管理できるため、システム間の連携や従業員データの更新にかかる手間を削減できて非常に良かったです。同じIDパスワードで利用できるので、ログインもスムーズでした。
さらに、これまで利用していたシステムは業務担当者向けで申請者側には使いにくいイメージを持っていました。そのような背景もあり、申請する従業員が使いやすいUIであったこともジンジャーを選んだ一つの理由でした。
-現在ジンジャーをどのようにご活用いただいていますか?
土門さん:
先述した通り、これまではメールでの社長承認のみでワークフローを運用していましたが、ジンジャー導入後は最大5段階の承認フローを組んでいます。回覧者は増えたものの、システム上で稟議を確認しやすくなったこともあり、申請から承認完了までの時間は以前よりも短縮できました。
システムの導入目的の一つであった権限移譲も徐々に進めることができていて、従業員も主体性を持って対応してくれています。
従業員側でジンジャーの利用方法について不明点があれば、社内のチャットグループに送ってもらうようにしていて、私の方で回答できなくても担当営業の中田さんにご連絡すれば丁寧に解決策を貰えるため、非常に助かっています。
また、すべての承認フローに自身も関わるようになったので業務自体は増えましたが、何に費用が発生するのかを事前に把握できるようになりました。費用が発生する前に適切なコミュニケーションが取れるようになったので、経費削減にもつながっていると思います。
社内統制や見える化という観点で適切な管理が実現できるようになり、ジンジャー導入に対して大きなメリットを感じています。
システムやAIでは対応できない業務スキルを身に着けていってほしい
-ジンジャー導入をきっかけに、この先どのような組織体制を作っていきたいですか?
土門さん:
システムやAIの活用は、業務を効率化できるという大きなメリットもありますが、人間が担ってきた仕事が奪われてきているというのも事実としてあります。
そのため、新しく入社するメンバーの方には思考をちゃんと前向きに持ってほしいと考えています。最終的にどんなスキルが重要視され、どんな業務が人間の手に残っていくのかを常に意識しながら、業務のスキルアップに時間を費やしてもらいたいです。
-これからシステムを導入する企業様に向けて一言いただきたいです。
土門さん:
まずは自社の課題は何なのかを文章化し、何をどう改善したいかを打ち出したうえで、システム選定を始めることをおすすめします。
“システムを導入する”という目の前のことを追いかけてしまうと、どうしても目的を見失いがちです。事前に課題や導入目的を洗い出し、プロジェクトの全体像を形にしてから導入を進めていくと、社内への説明もスムーズです。
また、管理部だけの課題解消を目的とした導入では、社内を納得させにくい場合もあるでしょう。そのような場合は、本来の目的と表面上の目的で出し分けをおこなうことも時には重要です。
システム導入には迷う要素が沢山ありますが、前提の課題や目的をしっかりと掲げておくことが、結果的にシステム導入の成功につながると思います。
TOPPANグループの医療ヘルスケア領域における新事業推進母体の1つとして、2019年に設立。コロナ禍で処方せん薬宅配サービス「とどくすり」を開始し、オンライン服薬指導に対応した薬局サービスの先駆けとして、患者様と薬局の双方が安全、かつ便利に医薬品をやり取りできるサービスを提供している。