- 課題
-
- 複数システムにデータが分散し、人事異動のたびにマスタ更新の手間が発生。情報反映にタイムラグも生じていた。
- 基幹システムは多機能である一方、設定が複雑で属人化が進み、操作に慣れていない担当者にとってハードルが高い状態となっていた。
- 年末調整や社会保険手続きなど紙を前提とした業務が多く、書類回収や保管、データ加工に多くの工数を要していた。
- 決め手
-
- マスタの統合によって、これまで対応していたデータ抽出や加工の手間がなくなる。
- 機能が充実していて、他社システムよりも実現できることが多かった。
- 画面UIが直感的で操作がわかりやすい。各項目には説明リンクがついており、使い方をすぐに確認できる。
- 期待する
効果 -
- CSV加工や手入力などの作業を削減し、勤怠集計から給与計算までが業務効率化。
- 雇用契約や諸手当申請、年末調整の電子化によって万単位の紙を削減。紙の保管や回収などの負担軽減。
- 人事データを一元的に抽出・活用できる基盤を整えることで、他部署からの問い合わせ対応が迅速化。
- 人事データベースの統合により、部門間でのデータ連携や移行作業が不要に。タレントマネジメントから労務管理まで一気通貫で対応し、人事戦略の設計から実行までを最適化。
多機能な基幹システム構造によって業務が属人化。紙の対応も多く業務負荷が課題に
-これまでの管理体制で課題だったことは何でしたか?
菱沼さん:
既存の基幹システムは多機能である一方、設定が複雑で扱いづらいと感じていました。さまざまな機能が使えるのは便利ですが、どう操作すれば目的の機能にたどり着けるのかわかりにくい部分がありました。
また、設定を誤るとシステム全体に影響が及ぶ可能性もあるため、慣れていない担当者にとっては心理的なハードルも高かったと思います。システムのマニュアルも情報量が多く、必要な内容を探し出すのに時間がかかることが課題でした。
飯嶋さん:
物流・小売業界特有の事情として、自分専用のPCを持たない職員が多いことも、課題の大きな要因となっていました。実際に、業務用のIDやメールアドレスが付与されているのは全体の3割程度にとどまっています。
特に早朝勤務の職員は「朝5時に出勤して9時に退勤する」といった特殊な勤務形態の場合があり、正規職員が出勤する時間帯とは重なりません。そのため、対面でのコミュニケーションが難しく、人事関連の書類回収やアナウンスの伝達方法に頭を悩ませていました。
渡辺さん:
年末調整は紙で対応している職員が多いので、書類回収が期限どおりに進まないことがありました。回収状況の把握や督促にも手間がかかっていました。
-データベースが分散していることによる不都合や課題はありましたか。
菱沼さん:
例えば、4月の人事異動の際、人事給与システムと勤怠システムが別であるため、両方のシステムに人事異動情報を登録する必要がありました。また、3月の処理を終えてから4月の情報を登録する必要があったため、情報の反映にタイムラグが発生していました。このタイムラグを解消するために、休日出勤をして登録処理をおこなうこともありました。
こういった背景から、異動前に所属等の人事情報を予約設定ができる運用ができたらいいなと考えていました。実際にジンジャーはその対応が実現できるため、そういった課題が解消されることを期待しています。
機能面の充実と職員の使いやすさを両立するシステムを検討
-システムの入れ替えを検討されたきっかけは何でしたか?
飯嶋さん:
直接のきっかけは、既存システムの値上げでした。バージョンアップでコストが倍増すると聞き、システムの継続利用は難しいと判断したんです。
ただ、それ以上に大きかったのは、従来から続いていた「業務の属人化」という根本的な課題でした。複雑なシステム構造のために限られた職員に頼らざるを得ず、おまけに各所で工数が発生してしまっていたので、これを機に運用のあり方そのものを見直すべきだと考え、プロジェクトを推進させました。
菱沼さん:
人事異動など職員に関わる変更が発生した場合には、マスタをそれぞれのシステムで変更する必要がありました。
当組合の企業規模では異動件数も多いため、マスタ更新の対応に相当な時間を割いていました。また、二重で更新作業をおこなうことで、入力ミスが発生する可能性もありました。
これらの課題から、データを一元化できるシステムが理想だと考えて情報収集をしていたところ、人事系の展示会イベントでジンジャーに出会い、ぜひ話を聞いてみたいと考えました。
-システム選定の検討軸は何でしたか?
飯嶋さん:
まず課題を洗い出し、4つの軸を持って検討を進めました。
1つ目は、スマートフォン対応です。既存の基幹システムでもオプションを追加すれば対応可能でしたが、基幹部分の費用が倍増するなかで、さらに追加費用が必要でした。先ほど申し上げた通り、当組合はPCを使わない職種も多いため、スマートフォンで各種申請ができる環境は必須だと考えていました。
2つ目は、属人化の解消です。既存の基幹システムは多機能がゆえに専門用語が多く、長年担当している菱沼さん、村山さん、渡辺さんに頼らざるを得ない状況がありました。そのため、誰でも直観的にわかりやすいシステムであることは重要でした。
3つ目は、機能面です。既存の基幹システムが多機能であったため、機能面は充実させつつ、より実務に即した機能を備えた仕組みのほうが望ましいと感じていました。
4つ目は、人材確保に伴う制度変更への対応です。制度変更の一つに手当の新設があるのですが、既存システムへの登録作業は非常に複雑で毎回苦労していました。そのため、こういった対応へスムーズに対応できるかどうかは重視していました。
完璧なシステムを求めるのではなく「システムに柔軟にあわせる」姿勢も大切にしたい
-最終的にジンジャーを選んでいただいた決め手は何でしたか?
飯嶋さん:
今回はジンジャーを含めて3社を比較検討しました。ジンジャーには細かい点まで質問を重ねましたが、そのやり取りのなかで機能要件を満たせそうと感じられたことが決め手の一つになりました。また、最初の商談の段階から、営業担当の方が私どもの課題感についてとても理解してくださり、一貫して寄り添い続けてくださいました。その姿勢から、先ほど申し上げた細かい質問にも親身になって回答してくださったのだと思います。そして「こういう寄り添い方をしてくださるのであれば、今後契約して永くお付き合いさせていただく場合でも安心して利用できるのではないか」と思ったことも決め手の後押しになりました。
菱沼さん:
すべてを100%実現できることを求めていたわけではありません。ただ、比較したなかで、ジンジャーは他社よりも“できることが多い”という印象が強くありました。
以前の状態を10とするなら、9程度までは実現できるイメージです。さらに、雇用契約関連の手続きがWeb上でその場で完結できるなど、これまでになかった効果も見込めます。トータルで見ると、課内の業務時間は削減できるのではないかと期待して導入を決めました。
渡辺さん:
これまで運用の難易度が高く活用できていなかった既存システムの機能がジンジャーにも備わっているため、できることの幅が広がりそうだと感じました。
飯嶋さん:
また、別チームの人事・育成課では人事評価に課題があったらしく、他社システムでの運用を試みていました。しかし、同タイミングに給与課でジンジャーの検討が上がっていたこともあり、上層部も交えて総合的な判断で、今後は一元管理できるシステムに統一したほうがよいのではないかという話になり、課を跨いでジンジャーを導入することになりました。
-導入後、ジンジャーを利用された感想を教えてください。
飯嶋さん:
画面のUIは、かなり高く評価しています。各項目に説明リンクが貼られていて、すぐに説明を確認できる点は使いやすいと感じました。既存システムは、マニュアルを見ても内容が難しく、正直わかりづらい部分がありました。
村山さん:
開発の方に機能要望をお伝えいただける点も嬉しいです。こちらの要望を踏まえて改善を検討してもらえていると感じられ、ポジティブな印象を持っています。
伊藤さん:
非常に使いやすいと思います。着任当初、「設定を試してみてください」と言われた際、既存システムは正直お手上げでした。ある程度の経験や知識がないと扱えない印象があったんです。
その点、ジンジャーは項目の名称や並び方が直感的で、選んでいくうちに自然と目的の情報にたどり着ける感覚があります。職員側の操作画面も想像しやすく、使い勝手が良いと感じています。
飯嶋さん:
時給制の職員については、往復交通費と1か月定期代を比較し、安価な方を支給しています。ジンジャーでも2つの支払方法を設定して比較・支給できるとご提案いただき、まずは一安心しました。ただ、設定枠には上限があるため、多数の交通機関にまたがって通勤する職員にも余裕を持って対応できるようにしておきたいと考えました。
そこで、これを機に1か月定期の支給ルールそのものを見直すなど、組織として運用を整理することも一つの選択肢だと考えています。まだ合意形成の途中ではありますが、システム導入を機に、現行制度をよりシンプルで分かりやすい形に再設計することも検討中です。
システムに100%を求めるのではなく、導入をきっかけに運用そのものを見直し、柔軟にシステムへ合わせていくスタンスで取り組んでいきたいです。
万単位の紙を削減!半日かかっていた給与計算データの反映はワンクリックへ
-ジンジャーに期待している効果は何ですか?
菱沼さん:
まず期待しているのは、勤怠集計から給与計算までの大幅な効率化です。これまでは、勤怠システムで残業時間の入力やチェックを終えたあと、CSVデータを抽出して給与計算システムへ取り込んでいました。しかし、一部取り込みきれない情報があり、不足分を手入力で補うなどのデータ加工が欠かせませんでした。この加工から取り込みまでの作業には、私一人で半日ほど費やしていました。勤怠と給与が一元化されれば、データ抽出や加工の手間は削減できるはずです。勤怠データさえ確定すれば、ワンクリックで処理が完了するような運用が実現できると期待しています。
亀井さん:
紙書類の保管スペースも深刻な課題でした。年に一度、まだ保管期限が過ぎていない古い書類を8箱程度、配送センターにある書庫へ運び出し、代わりに書庫にあった保管期限の切れた書類廃棄していましたが、それでも保管場所は常に逼迫していました。いざ必要な書類を探す際にも膨大な時間がかかっており、管理の限界を感じていたんです。
ジンジャーの導入によって、雇用契約や諸手当の申請、残業申請などは一気にペーパーレス化が進むはずです。これらを順次電子化できれば、紙の使用量は年間で万単位の削減になるでしょう。こうした利便性を高めることで、最終的には紙書類の「9割削減」を目指していきたいと考えています。
村山さん:
AIやデータ活用の観点でも期待があります。これまでは必要な情報を複数のデータベースから探し出す必要がありましたが、一元的に管理できるようになれば大きな前進です。
例えば、行政への報告業務などで職員の経歴情報を参照する場面があります。業務で必要な情報をワンクリックで抽出できるようになれば、業務効率化がさらに期待できると思います。
菱沼さん:
年末調整の画面も事前に拝見しました。電子化することで、書類を開封した時点で通知が届く仕組みがあると聞いています。紙よりも回収状況を把握しやすくなり、回収率の向上や業務の円滑化につながるのではないかと期待しています。
-ジンジャー導入をきっかけに、この先どのような管理体制を作っていきたいですか?
飯嶋さん:
給与課には「このデータを出せますか」と他部署から問い合わせが来ることが多くあります。その際に、必要なデータをすぐに抽出して共有できる体制を整えていきたいと考えています。
また、ジンジャーは権限付与をカスタマイズできる機能があるので、一定程度のものは、給与課に頼らず自部署でデータ抽出をしていただこうと考えています。これまでは複数のシステムを管理したり、紙資料を探したりと手間がかかる場面もありました。データが一元化されることで、問い合わせ対応も迅速になるのではないかと期待しています。
また、組織全体としては、まず職員にとって使い勝手がよく、わかりやすい仕組みを実現したいです。そのうえで、上層部にとっても人事配置などの判断材料として活用できるデータ基盤を作っていきたいと考えています。
現場目線では、ペーパーレスの推進と属人化の解消を進め、誰が担当しても対応できる管理体制を目指していきたいです。今回の導入を、その第一歩にしていきたいと思っています。

1970年に、パルシステム東京の前身となる辰巳団地生協、タマ消費生協が誕生。国産・産直・環境にこだわり、安全・安心な食材を届ける宅配事業のパルシステム、介護福祉事業所や保育事業所の運営など、福祉サービスを展開している。パルシステムグループ全体の組合員数(約173万人)の約3分の1、約53万人が登録している生活協同組合である。

































































