- 課題
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- 手書きの出勤簿により、正確な勤怠時間や残業時間などが把握しきれていなかった。
- 給与計算の際は出勤簿の情報をExcelでまとめた上で、Excelの勤怠データを給与計算システムに手入力。さらに給与計算システムから会計システムへ手入力をしていたため多くの工数が発生していた。
- 年末調整の書類収集に時間がかかり、記入漏れ・記入ミスも多く煩わしかった。
- 解決策
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- システムでの勤怠管理に移行し、職員に負担をかけずに正確な勤怠情報を集計できる体制にする。
- 勤怠管理と給与計算など各プロダクトの連携により、出勤簿をExcelで集計する作業やExcelデータを給与計算システムに入力する作業をなくす。
- 年末調整をペーパーレス化することで、収集や差し戻しによる手間を低減させる。
- 効果
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- リアルタイムで職員の正しい勤務時間や残業時間を把握できるように。
- 勤怠管理から給与計算までの業務を自動化。統合型データベースによってデータを何度も入力しなおす手間を削減。
- 年末調整の書類収集にかかる時間を大幅に短縮。職員の記入漏れやミスを削減。
給与計算以外は全て紙かExcel。アナログな対応が多く業務負担に課題を感じていた
-ご担当の業務を教えていただけますか?
山崎さん:
総務課長として法人運営に関する人事管理や仕組みづくり、就労規則、予算・決算関係の調整など総務・庶務業務を幅広く担っています。法人内の人事労務担当は、私を含めて4名体制です。
元々私は米子市役所で働いており、社会福祉協議会の人手不足や財源不足、運営面に関する課題をサポートする目的で、市役所から出向する形で昨年度の4月から現職を担当しております。
-これまでの管理体制で課題だったことは何でしたか?
山崎さん:
最も課題に感じていたのは、給与計算以外の業務を全て紙・Excelで管理していた点です。
勤怠管理は出勤簿でおこない、残業や有休の申請は紙の申請書で運用していました。
職員から集めた出勤簿や各申請書類の内容は、Excelに手入力しながら集計をして勤怠実績を確認していました。その後、給与計算システムにCSV連携ができなかった背景もあり、ダブルチェックも兼ねて、Excelの勤怠データを給与計算システムに再び手入力をしていました。そして最後に、“Excelで集計した残業代”と“給与計算システムで再計算した残業代”が正しいかどうかを確認していました。
このように、二重三重で入力・確認する工数がかかっており、無駄な作業だと感じていました。現在、出向中の職員をあわせて約50名が在籍していますが、出勤簿の残業時間をExcelに入力しながら集計する作業には、毎月1営業日を費やしていました。
また、残業申請は自己申告制だったため、職員が実態とそぐわない残業時間を申請していても、確認する術がありませんでした。本当は実態よりも長く残業しているのに申請していない職員もいるのではないかと不安視していました。
出勤簿に関しても記載が曖昧で、残業申請が出ていない限り、空欄の場合は定時の時間を勤怠にカウントしている形になっており、実態にそぐわない形になってしまっていたと思います。
ほかにも、年末調整は紙で対応していたため、年に1回とはいえ非常に煩わしく感じていました。記入見本を職員に共有していても、何度も書き直して読みづらくなった書類を提出されたり、差し戻しが発生したりして困っていたんです。毎年11月頃の年末調整シーズンは、年末調整の書類収集にかなりの時間を費やしており、疲弊していました。
-システム導入を検討されたきっかけは何でしたか?
山崎さん:
長い間在籍していると、これまでの管理体制について気にならなかったと思うのですが、市の職員という外から新しく来た立場で見ると、課題のところで挙げている通り、いろいろ気になる点が多かったんですよね。
もう少し業務を効率化できないかなと考えたときに、解決策の1つとしてシステム導入を検討したのがきっかけでした。
-具体的にどのようなプロセスでシステムを選定されましたか?
山崎さん:
お金をかければいろんな取り組みができることはわかっていたものの、社会福祉協議会の財政面を考慮すると、なるべくスモールスタートできる施策が良いと考えました。そこで、インターネットで色々と調べながら模索をして、まずは勤怠管理や給与計算からDXを進めることにしました。
その後、ジンジャーを含めて3社からご提案をいただき、比較検討を進めました。システムを導入するなら、勤怠管理や給与計算など各プロダクトが連携しているものが良かったため、最終的にジンジャーを選びました。
各プロダクトの連携性により一連の業務がシームレスに
-最終的にジンジャーを選んでいただいた決め手は何でしたか?
山崎さん:
ジンジャーを選んだ決め手は、各プロダクトが連携していて、一連の作業がシームレスにつながっているためです。
実は今まで、Excelに書き起こした勤怠データを給与計算システムに手入力していただけでなく、給与の情報を会計システムにも手入力していたんです。
そのため、今回のシステム導入においては、そういった業務が細切れになってるような煩わしい状況を改善したかったんですよね。
さまざまな管理業務をスムーズにおこなうためには、ジンジャーのような統合型データベースで各プロダクトが連携しているものが必要でした。
ジンジャーのようにデータベースが1つにまとまっていれば、情報が自動で連携され、都度の入力業務が発生することはありません。
また、将来的に利用プロダクトを増やして管理業務を拡張することもできますし、コスト面も予算内におさまったため、導入を決意しました。
そして、今回のシステム導入によって余計な手間を増やすことだけは避けたいと考えていたので、ジンジャーの直観的な操作性も導入を後押ししました。
-今後ジンジャーに期待している効果はございますか?
山崎さん:
正しい勤怠時間の把握だけで終わらせずに、職員に負担なく情報収集ができる体制を構築して、働きやすい職場づくりを実現したいと考えています。また、システムの活用によって業務効率化が進んだら、じっくりと考える時間が必要な企画業務に取り組んでいきたいです。
我々、社会福祉協議会は地域住民の皆さんからいただいた寄付によって活動しています。DXで時間を創出したら、寄付をより有効活用する方法や、更なる業務の効率化、住民に対する情報発信方法などを積極的に考えていきたいと思います。
鳥取県米子市で昭和26年に創業。誰もが安心して暮らせるまちをめざして、地域の人々やボランティア、福祉団体、福祉施設などの協力を得ながらともに考え、活動し、地域福祉を進める非営利の民間団体。子どもや高齢者、障がい者など誰もが住みたい地域で自立した生活が送れるように、地域社会活動をおこなっている。