- 課題
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- タイムカードを使った手計算とオフコンへの手入力により、ヒューマンエラーが多く発生。
- タイムカードの収集と計算に1.5日、システム入力まで含めると2~3日を要していた。
- 30年以上前に作られたオフコンは保守管理が難しく、設計者がいなくなった場合にリスクが大きかった。
- 決め手
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- 操作画面が見やすかったため。年配の社員が多いので定着には使いやすさが重要だった。
- トライアル期間中にジンジャーでの勤怠集計が検証できたため。
- 導入後の
効果 -
- 勤怠集計から給与計算の業務が2~3日から1日に短縮し、業務効率が大幅に向上した。
- 手入力の作業が削減され、ヒューマンエラーが激減した。
- 打刻データが自動的に蓄積され、給与計算システムにデータを取り込むことで正確な給与計算が実現できた。
紙のタイムカードに手計算…給与処理に3日かかる非効率さが課題だった
-ご担当の業務と管理部の構成を教えていただけますか?
貫井さん:
総務部の課長として、勤怠管理や社会保険手続き、助成金・補助金の申請書類準備など、総務全般に携わっています。
総務部は6名体制となっており、私ともう1名の社員で、毎月の勤怠集計・給与計算をおこなっています。
-これまでの管理体制で課題だったことは何でしたか?
貫井さん:
勤怠管理と休暇申請をすべてアナログで対応していたことが課題でした。タイムカードで紙ベースの勤怠管理をおこなっていたため、給与計算を実施する際に自社のオフィスコンピューター(以下、オフコン)※に手入力していました。タイムカードの計算も、オフコンへの入力も手作業でおこなっていたため、ヒューマンエラーも頻発していました。
※オフィスコンピューター:事務処理に特化した小型コンピューター。
毎月、200名以上のタイムカードのチェックと集計作業をすることは、非常に骨の折れる仕事です。打刻漏れがあれば、店長や社員に個別連絡して確認する手間も発生します。タイムカードの収集と計算だけで1.5日、そこからシステム入力まで含めると2~3営業日を要していました。15日締め、25日支給の給与計算サイクルにあわせるため、土日が入ると前倒しで作業する場合もあり、常に時間に追われていました。
また、休憩時間が正確に記録されていなかったり、社会保険料の控除漏れなど、給与計算のミスも発生しやすい状況でした。有休申請もオフコンで出力した紙のカードを利用し、店舗から本部に郵送してもらっていたため、申請内容を確認するまでにどうしてもタイムラグが発生していました。
-システムの入れ替えを検討されたきっかけは何でしたか?
貫井さん:
人的ミスや工数を減らしたいと考えていたことと、社内の体制変更で全店舗のネットワーク環境を見直したことがきっかけでした。
また、現行のオフコンは30~40年前に作られたもので、設計者がいなくなればプログラム修正ができなくなるリスクを抱えていました。当システムは製造の受発注システムも搭載しており、事業の基盤となるシステムでしたが、数値の挙動に不安を覚える場面もあり、改善が必要だと考えました。
検討の結果、設計者の不足や保守の課題に加え、正確な勤怠管理および給与計算を実現するために、システムの機能を一部切り離し、刷新することにしました。
-具体的にどのようなプロセスでシステムを選定されましたか?
貫井さん:
最初に検討を始めたのは2021年ごろで、私が総務部に配属されたばかりのときでした。総務部の業務効率化を図るために情報収集を始め、いくつかのサービスを調べましたが、当時はシステム導入の優先度が高くなく、本格的な検討には至りませんでした。
その後、勤怠管理や給与計算の困難さ、そして老朽化したオフコンの問題が顕著になってきたため、2024年に改めて検討することになり、ジンジャーに問い合わせました。実は、以前一度ジンジャーの提案を受けた際、機能性が優れており、画面が見やすいと感じた記憶があったんです。
そしてジンジャーのトライアル導入で操作画面や、現行運用の再現度の高さを確認し、このシステムなら導入できそうだと確信を持てたため、導入を決めました。
トライアル導入で確信!直感的な操作性と業務の再現性
-最終的にジンジャーを選んでいただいた決め手は何でしたか?
貫井さん:
システム選定で重視したのは、操作画面の見やすさです。トライアルを実施したことで、管理者側と社員側、それぞれの使いやすさを実際に体感できたのが決め手となりました。
若い世代はスマホ対応ができても、当社は年配の社員も多いので、システムの浸透・定着には使いやすさが重要だと考えたためです。
ジンジャーは出退勤の打刻も分かりやすく、店舗のタブレットでの勤怠打刻はスムーズです。慣れている社員は現在、スマホ打刻をおこなっています。
-スムーズに導入を進めることができた背景について詳しく教えてください。
貫井さん:
社内のネット環境が整ったタイミングでジンジャーの案内を聞けたことは、導入がスムーズに進んだ要因だと思います。今まで社内の情報伝達は、電話やFAXが中心だったのですが、クレジットカード対応や情報処理、通信速度の改善も兼ねて、店舗全体にiPadを配布し、ネット環境を整備したところでした。タイミング良くシステム導入の基盤が整ったことも、システムの入れ替えができた背景だと思います。
また、振り返ってみると、導入前のトライアル期間に「自社でやりたいことをどこまでジンジャーで再現できるか」について確認できたことも要因の一つです。トライアルでは、最初の1週間で社員マスタや出退勤データを登録し、手作業で計算したときと同じ結果になるか検証をおこないました。この検証ができたからこそ、導入前後で期待値と実際の使用感に大きなズレが生じませんでした。
-ジンジャーの導入効果を教えていただけますか?
貫井さん:
まず、勤怠集計や給与計算のヒューマンエラーが激減しました。打刻データが自動的に蓄積され、給与計算システムに数値が取り込めるようになったため、入力作業が大幅に削減されたのは嬉しいですね。勤怠集計から給与計算の業務が2~3営業日から約1営業日に短縮できて、業務効率がアップしたのも大きな効果です。
有休申請のカードをシステムの情報と照らし合わせて確認する作業も不要になり、総務部の負担が軽減できて良かったです。
また、毎日開くスケジュール画面などが非常に見やすいと感じています。画面サイズやボタンの色なども視認性が高いです。サポート対応も迅速で、質問するまでもなく解決できることが多いと思います。
2024年8月から本格運用を開始していますが、社員も徐々に慣れてきており、「全体的に楽になった」という声をもらっています。有休申請もデジタル化できましたし、店舗と総務部間で勤怠ミスを確認する工数も削減できました。
-ジンジャー導入をきっかけに、この先どのような管理体制を作っていきたいですか?
貫井さん:
勤怠システムで取得したデータを活用して、新たな視点での分析に取り組んでいきたいと思います。例えば、製造工場と店舗の人件費を照らし合わせたときに、事業としての採算がとれているのかなど、人事データを経営視点で活用していきたいです。
現在は、オフコンから勤怠管理、給与計算、請求書などのシステムを切り離して運用を始めたばかりなので、新体制が機能するか検証が必要です。ゆくゆくは、ジンジャー勤怠以外のプロダクト導入も視野に入れて、総務部の効率化を進めていきたいと思います。
1952年創業。埼玉県内を中心に35店舗、群馬県内1店舗を運営し、和菓子・洋菓子の製造販売をおこなっている。お米の形をしたしっとりと白い肌の「十万石まんじゅう」は、「うまい、うますぎる」のキャッチコピーとともに看板商品として知られ、和洋色とりどりの菓子を地域密着型で提供している。