- 課題
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- グループ会社とのシステム共有で、自社の勤務形態に合わせた運用がしづらかった。
- 新たな勤務体系の設定をシステムに反映するのに、非常に多くの時間がかかっていた。
- システムの設定が複雑で業務が属人化しており、引き継ぎ時の負担が大きかった。
- 決め手
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- 勤怠管理に強く、多様な勤務体系の設定をスムーズに反映できる点。
- 勤怠データがリアルタイムでシステムに反映される点。
- シンプルでわかりやすい操作性。画面が見やすく、社員からも好評だった点。
- 導入後の
効果 -
- 組織変更によるワークフローの見直しや、急な勤怠設定の変更が必要な際も、過度な残業なくスムーズに対応できるようになった。
- 給与計算にかかっていた時間が2週間から1週間へと大幅に短縮された。
- 統合型データベースの利用によって、登録した情報がすべての業務マスタにリアルタイムで反映されるようになった。
- 有休付与の自動化を実現。年5日の有休取得義務に対しても、従業員にアラートを出しやすくなった。
時差出勤や時短勤務の設定に1ヶ月以上。勤怠管理の属人化と業務の非効率さが課題に
-これまでの管理体制で課題だったことは何でしたか?
立花さん:
少し遡ってお話すると、当社は2018年の合併を機に、グループ会社が使用していた既存システムへ統合することになりました。当社がグループ会社のシステムに「乗り合い」で利用する形となっていたため、グループ会社側に影響を与えないよう、慎重に設定を進める必要がありました。その結果、設定作業は非常に複雑になってしまい、立ち上げまでは深夜残業が続いていました。
例えば初回の給与計算では、設定が不十分なまま3ヶ月間運用を続け、あとから正しい金額に清算するという苦渋の対応を取らざるを得ませんでした。
2019年以降もそのシステムを運用し続けましたが、勤怠・給与・人事の3つのデータベースがバラバラな点がずっと気がかりでした。設定さえ上手くできれば「できないことはない」はずですが、実際のところ運用しきれていない状態でした。
布野さん:
ジンジャー導入前、課題に感じていたのは、勤怠管理システムの設定や運用面です。元々利用していたシステムの設定が専門的で難しく、システム保守が特定の担当者に属人化してしまっていました。
特に困っていたのが、新たな勤務体系を導入する際の設定です。当時はコロナや法改正の背景があり、多様な勤務体系を早急に導入する必要がありました。
例えば、時差出勤などの新しい制度を導入しようとすると、グループ会社の勤務体系との兼ね合いもあり、勤務時間の設定に何日もかかっていました。
テスト環境で確認したつもりでも、他の社員の勤怠設定にまで影響が出てしまうことも多く、設定に1ヶ月ほどかかってしまったこともあります。時間がかかって設定できるならまだしも、最終的に上手くいかず、勤務体系の導入ができなかったケースもありました。
スピード感を持って新しい勤務体系を導入したいのにもかかわらず、システムの設定が追いつかず、当社にとって大きな課題になっていました。
-システムの入れ替えを検討された大きなきっかけはございましたか?
布野さん:
大きなきっかけは、M&Aによって管理本部の体制が大きく変わったことにあります。前述した通り、M&Aを機に導入をしたシステムは設定が複雑で属人化が進んでしまい、運用面でさまざまな課題が浮上しました。
その後、コロナ禍によって時差出勤や時短勤務への対応が急務となり、柔軟な設定が求められるなかで、既存の体制では後手に回る場面が増えていきました。さらに人事体制にも変化があり、業務の引き継ぎも数多く発生しました。
これらの要因が重なって、少しでも現場の負荷を軽減するために、勤怠システムの見直しをおこなうことになりました。
-具体的にどのようなプロセスでシステムを選定されましたか?
布野さん:
勤怠まわりの課題が大きかったことから、まずは勤怠管理に強いシステムを探し始めました。加えて、勤怠管理から給与計算までを一元管理できる、いわゆるオールインワン型のシステムを選定していきました。
情報収集の段階で、どこから手をつければよいか分からず不安もありましたが、システムに詳しい代理店の方に、各製品の違いを丁寧に教えていただけたので非常に助かりました。
最初に比較表を共有いただけたので、各システムの特徴を把握しやすく、検討の判断材料としても役立ちました。
また、導入を決定する前には、トライアル期間を設けていただきました。その期間中にジンジャーの担当者ともやり取りする機会があり、システムの使い勝手や対応のスピード感なども含めて確認することができました。
誰でも使いやすい直観的な操作性や、リアルタイムで反映される勤怠が導入の決め手に
-最終的にジンジャーを選んでいただいた決め手は何でしたか?
布野さん:
最終的な決め手は、やはり勤怠管理に強い点と、シンプルでわかりやすい操作性でした。
ジンジャーは、画面のどこを操作すればよいかが直感的に分かりやすく、マニュアルを見なくても自然と使い方を覚えられそうだと感じました。社員からも「見やすい」「使いやすそう」といった声が多く、実際の運用をイメージしやすかった点も安心材料になりました。
とくに良かったのは、打刻がリアルタイムで反映されることです。設定変更もすぐに反映されるため、管理者側も即時対応することが可能になりました。
従来のシステムでは、決まった時間に打刻データがまとめて取り込まれる仕様だったため、データ反映までにタイムラグが発生し、トラブルが起きてもすぐに対応できないことがありました。こうした点が解消される点は大きなポイントでした。
立花さん:
他社システムも含めて、複数のトライアルを活用しましたが、ジンジャーが最も勤怠管理に強いと感じました。ジンジャーは多様な働き方に柔軟に対応できる設定力があり、その点に大きな可能性を感じています。
-ジンジャー導入の効果はいかがでしょうか?
布野さん:
ジンジャーを導入してまず感じたのは、操作性の良さです。管理者側から見ても、少し触るだけで操作方法が理解でき、使いながら自然と覚えられる点がいいですね。当初の目的の一つでもあった「短時間で設定を完了すること」も問題なく達成できています。
実務面での効果も大きく、特に残業時間の削減につながりました。以前は、春先の組織変更時や、急な勤怠設定の変更が必要な場面では、深夜まで残業せざるを得ないこともありました。しかし、ジンジャー導入後は、過度な残業が解消され、作業全体の効率が大きく向上しました。
また、ジンジャーに切り替えたことで、勤怠確認を含めた給与計算業務を大幅に短縮できました。これまで2週間ほどかかっていた作業が、今では約1週間で完了できるようになっています。
他にも、ワークフローを一度設定してしまえば繰り返し使えるため、運用がスムーズです。条件分岐の設定は、組織変更があっても柔軟に対応できる点が便利だと感じています。
さらに、ジンジャーの統合型データベースを利用することで、登録した情報がすべての業務マスタにリアルタイムで反映されるようになった点も大きな改善点の1つです。
ー現在、ジンジャーでよく活用されている機能はありますか?
布野さん:
特に活用している機能は、データベースサマリです。ちょうど使い始めたタイミングなので、これからさらに活用していきたいと考えています。
▼データベースサマリの画面例
立花さん:
当社は、4月から人事評価をおこない、6月に賃金改定を予定しています。データベースサマリの機能で「どういう人員構成になっているのか」「どの社員の賃金を上げると、平均賃金やトータルコストにどう影響するのか」といった情報を集計できるようになればありがたいですね。今後はそういった各種データも出せるよう、活用を進めていきたいと思っています。
布野さん:
ほかにも、有休の自動付与はとても助かっている機能です。これまでは、毎年の更新時期である4月1日に手動で有休を付与していました。恐らく従来使っていたシステムでも設定できたと思うのですが、上手く使いこなせず、結局は手作業で対応していたんです。
今回ジンジャーに切り替えて、有休付与を自動化できたのは良かった点です。
それから年5日有休取得の義務に関しても、残り1ヶ月のタイミングでアラートを出すようにしています。そのおかげで、有休管理にかかる業務工数も削減できました。
さらに、36協定に関する残業時間の確認にも役立っています。リアルタイムで労働時間が反映されるので、申請が出ていないにもかかわらず、実際には多く働いているというような状況にも気付けるようになりました。
-ジンジャー導入をきっかけに、この先どのような管理体制を作っていきたいですか?
布野さん:
今後は、働き方の多様化がさらに進んでいくと思います。人事総務としては、多様な働き方にも柔軟に対応できる管理体制をつくっていきたいと考えています。
そのためにも、特定の人に業務が偏らないようにし、属人化も未然に防いでいきたいです。
また、勤怠管理や給与計算といった定型業務の効率化が進んだことで、これまで手が回らなかった福利厚生の説明会の開催などにも時間を使えるようになりました。今後は、付加価値のある業務にも、しっかりと時間を確保できる体制を築いていきたいと考えています。
立花さん:
管理職として、私は常に「業務の承継」を意識しています。人事業務は採用や研修など非常に幅広いため、メンバーには特定の業務に偏らず、さまざまな分野を経験してほしいと考えています。
ジンジャーを導入したことで、これまで課題だったシステム担当者の属人化を防げるようになりました。その結果、給与業務を担っていた入社3年目のメンバーを、採用担当へスムーズに配置転換することもできました。
人材をロールごとに柔軟に育てていける基盤として、ジンジャーはとても心強い存在です。
だからこそ、今後さらに多機能化が進み、現場の声に寄り添った機能が少しずつ追加されていくことを期待しています。私たちとしても、ジンジャーの進化にしっかり向き合い、前向きに協力していきたいと考えています。
昭和22年創業。回転灯において国内シェア70%、パトカー搭載用ではシェア80%を占める、情報表示機器のトップメーカー。「光」「音」「文字」を活用した報知機器を強みに、生産現場、オフィス、緊急車両など幅広い分野に向けて、見える化にまつわるソリューションを提供している。