- 課題
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- 人事情報はUSBで管理しており、瞬時にデータを活用できない状態だった。また、USBのバックアップも随時取ることができていなかったことから、データを消失・紛失するリスクがあった。
- 人事労務担当の業務工数がひっ迫していた。業務量を緩和していかなければ、今後さまざまな部分に支障が生じる可能性があった。
- 勤怠集計から給与計算の期日が短く、毎月その期間に業務が集中してしまっていた。
- 解決策
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- データの管理体制を、USBから荘内サーバーに移行させる。
- システムの入れ替え、紙管理だった業務のシステム化を実施して、できる限り業務を自動化させる。
- 効果
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- どの担当者でも、瞬時に必要な人事データを活用できる状態に。データを消失・紛失するリスクを未然に防止できる。
- システムで業務効率化されることによって、担当者の業務工数が削減され、残業時間も減少する。
- 勤怠集計から給与計算までの期間に余裕ができ、そのぶん他業務に専念できるように。
アナログなデータ管理や、タイムカードの集計工数などに課題を感じていた
-これまでの管理体制で課題だったことは何でしたか?
吉田さん:
着任した当初は大変驚いたのですが、当荘のサーバーが十分に活用できておらず、紙やExcelのデータをUSBで管理している状況でした。複数のUSBが存在しており、ラベルも付けていましたが管理不足からUSBの色や形で選別していたこともありました。
このように、データ管理が確立されていなかったため、必要な時に瞬時にデータ活用できない点や、USBにおけるデータの脆弱性に対して課題感を持っていました。
また、勤怠の集計に関しては、タイムカードからCSVで出力したデータを簡単に10進数に変更することができず、再度数値を入力する必要があったのですが、かなりの時間を要して対応していました。
勤怠を締めた後、約1週間後に給与データを提出しなければならないのですが、全部で4日間(3時間程度/1日)かけて対応しており、スピード感を持って対応しないと支払いに間に合わない状況でした。さらに、集計ミスを防ぐため最終確認にも時間を要していました。
これらの課題から、データの一元管理や業務効率化が図れることを目的にして、クラウドシステムの導入を検討し始めました。
-システムの入れ替えを検討されたきっかけは何でしたか?
吉田さん:
システムの入れ替えを検討したきっかけは、これまで利用していたシステムの費用対効果が見込めなかったためです。
私自身、2022年9月に当荘へ着任し、組織の運営方法や実務体制等を日々探っていました。その中で、勤怠管理や給与計算をおこなってくれている担当者の業務工数がひっ迫しており、表情に出てしまうくらい余裕がない状態であることを感じていました。
その担当者は人事労務以外にも、施設に来訪されるご家族の対応や物品購入など、さまざまな事務対応を引き受けてくれていました。頼りにしているからこそ、業務量を緩和していかなければ、今後さまざまな部分に支障が生じる可能性があると考えたのです。
そこで、以前利用していたシステムのベンダーに対して、機能不足な点に関して要望をお送りしたのですが対応してもらえず、年間保守料に対して費用対効果が見込めないと判断しました。
私は前職でシステム管理者を担当していたこともあったので、これまでのノウハウを活かせると考え、責任者に対して業務効率化に繋がることを含めて、システムの入れ替えを提案しました。
当荘の要望に歩み寄ってくれた提案が、ジンジャー導入の大きな決め手だった
-具体的にどのようなプロセスでシステムを選定されましたか?
吉田さん:
前述した通り、業務体制に課題を感じたことから、責任者にシステムの導入許可を貰ったうえで検討を始めました。
さまざまなベンダーさまからご連絡いただき、5社ほどシステムのお話を聞きました。
ジンジャーの担当営業の方にご協力いただいたこともあり、システムの検討開始から2ヶ月という短い期間で導入を決定することができました。
-最終的にジンジャーを選んでいただいた決め手は何でしたか?
吉田さん:
将来的な展望を見据えつつ、まずは直近の課題解消を目的としてシステム導入を検討していました。その点、営業担当の方から当荘の展開方法に歩み寄った形で提案いただけたことがジンジャー導入の決め手となりました。
お若そうな方だったので最初は不安だったのですが、非常にプレゼン能力が高く、当荘の課題に寄り添って対応できる能力の高さには感動しました。
私自身の考え方を改めるきっかけにもなったこと、当荘のスタッフ教育にも活かしていきたいという気持ちにもさせられました。
また、システムの導入実績もチェックしていたのですが、幅広い業種・規模で実績があったのは安心材料の一つでしたね。
-ジンジャーのサポート体制はいかがですか?
吉田さん:
導入決定後はサポート担当の方に、パソコン操作に不慣れな担当者が複数回同じことを尋ねることがありましたが、親切丁寧に対応いただいています。直接やり取りしているうえで、担当窓口が一つである点も安心に繋がっています。改善点などのアドバイスもいただけるのでありがたいです。
また、打ち合わせ内容の録画をすぐに共有いただけるので、口頭で教えてもらった設定方法などを忘れてしまっても、後で見直せるのがとても良かったですね。
-ジンジャーに期待していることについて教えてください。
吉田さん:
ジンジャーを本格運用に乗せることができれば、管理業務の工数は導入前の半分程度に抑えられると想定しています。
正直、本来であればもう一名管理部の職員を雇用したかったのですが、その場合、費用対効果が見合わなくなってしまいます。
ジンジャー導入によって人件費の3分の1程度の費用で、業務をまかなえるようになればいいなと思っています。
また、私自身さまざまな業務を兼務しているので、指示を出すだけで各実務担当者が対応できるようにしていきたいです。
組織全体の協力体制を強固に。適切な人事評価によって、職員の定着率を向上させていく
-ジンジャー導入をきっかけに、この先どんな組織体制を作っていきたいですか?
吉田さん:
ジンジャー導入による円滑なデータ連携を実現させることで、組織全体の協力体制を強固にしていきたいと考えています。
直近では、責任者に各部署の業務状況を毎日入力してもらっています。業務状況を常に数値化していくことで、全員の力によって組織が動いていることを理解させていきたいです。
そして評価体制に関してですが、職員が頑張っていても、各部署の責任者しか把握できていない部分があります。そのため現在では、職員の取り組みを細かくデータ化し、管理者がリアルタイムで把握できる仕組みづくりをしているところです。
適切に評価をおこない、頑張っている職員に対してしっかりと報酬を与えていくことで、最終的には職員の定着率を向上させていきたいです。
管理業務の効率化や評価制度の構築など、さまざまな分野で一斉に改善を試みているので大変ではありますが、少しずつ改善させても、あまり良い結果にはならないと考えています。短期間で一気にプロジェクトを推進していくことで、早急に組織を最適な状態にしていきたいです。
1973年、岡山県倉敷エリアに設立。「人権を尊び、人の人生を思いやり、慈愛と奉仕の精神を貫く誠実・努力・健康」を基本方針に、特別養護老人ホームの運営、居宅介護支援などの事業を展開している。長年のノウハウにより、安全で安心の介護方法を確立しており、多職種協働で、施設利用者・スタッフの負担を軽減するチーム介護を実践。介護・育児休業など、諸制度の充実によってワークライフバランスが取れるため、スタッフの平均在籍年数は11年以上と高い定着率を誇っている。