- 課題
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- 現場の社員が出勤簿に手書きで出退勤時間を記入し、その出勤簿を各拠点で集めていた。その後、総務部門の担当者が各拠点から集めた出勤簿の勤怠データを給与システムに手入力する流れで対応しており、作業が重複している点に課題を感じていた。
- 人事データのマスタが10数個存在しており、管理が煩雑になっていた。誰がいつExcelデータを更新したのかも分からない状態で、データを探すのも一苦労だった。
- 手書きの出勤簿では建設業界2024年問題などの法改正にスムーズに備えることが難しく、総務の業務負荷が大きかった。
- 解決策
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- 勤怠管理システムを導入して、日々の打刻と勤怠情報の収集、給与計算までをワンストップで実施する。
- 紙・Excel管理を脱却することで、総務担当や現場社員の負担を軽減しながら、法令順守・管理体制の強化を図る。
- 効果
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- これまで紙で運用していた勤怠管理や入退社手続き、年末調整、ワークフローのペーパーレス化を実現。
- 各拠点の勤怠管理の課題を抽出することができた。属人化していた業務フローを見直すきっかけになり、改善すべき課題が整理された。
- 社員の勤怠データをクラウド上で確認でき、長時間労働を改善しやすい体制を構築。残業・有休申請がシステム上でできるようになったことで、申請工数が削減され、残業削減などにも意識を向けやすくなった。
手書きの出勤簿と給与システムへの手入力が総務業務を圧迫
-ご担当の業務と管理部の構成を教えてください。
冠野さん:
総務、経理、労務などを担当しております。弊社では、拠点ごとに勤怠管理の担当者を配置し、総務のメンバー数名で全社を管轄する体制を取っています。200名以上の社員数に対して総務や経理の人手が不足しており、日々の業務をギリギリで回していたため、以前からシステムの力を借りたいと考えていました。
私は元々、広島拠点の勤怠管理を担当していましたが、社内異動や世代交代の節目も重なり、今回ジンジャーの導入をメインで担当することになりました。
-システム導入を検討したきっかけは何でしたか?
冠野さん:
定期的に発生する2024年問題などの法改正への対応や、社会的にDX推進が話題になってきたこともあり、どこかのタイミングで紙の出勤簿での勤怠管理を辞めなくてはと考えていました。
手書きの出勤簿やExcel管理では記録ミスが発生するリスクもありますし、工数もかかります。また、月末にならないと勤務実績を確認できないため、残業が多くなっている社員に対しても、アラートを出すことができない状態でした。
このような背景があったので、期の変わり目を狙って全社でのシステム導入を決めたんです。
-これまでの管理体制で課題だったことは何でしたか?
冠野さん:
最も課題だったのは、紙とExcelでの管理で、勤怠集計から給与計算までに無駄な工数が多く発生していた点です。弊社では、給与計算は給与システムを使用しているものの、給与明細は紙で発行していました。ほかにも、出勤簿や入社手続き、年末調整やワークフローなど、ほとんどの人事業務を紙とExcelでおこなっていました。
特に勤怠管理は作業負担が多かったですね。現場の社員が出勤簿に手書きで出退勤時間を記入して、その出勤簿を各拠点で集めます。その後、総務部門の担当者が各拠点から集めた出勤簿の勤怠データを給与システムに手入力しており、出勤簿への記入とシステムへの入力で作業が重複していたんですよね。
本来は、勤怠集計から給与計算までの一連の流れを1つのシステムで実施すべきです。従来のやり方では、大型連休がある月の給与計算がギリギリになってしまい、担当者の負担が大きい点も課題でした。
ー業務工数以外の課題はありましたか?
冠野さん:
人事関連データのマスタが乱立していて、管理が煩雑になっていた点も気になっていましたね。ざっと挙げるだけでも、マイナンバー、住所録、電話、資格、評価査定など…。それぞれの項目に対して、Excelのマスタが存在していたため、誰がいつ更新したのかも分からない状態になっていました。
人事データの管理が不透明なままでは、データを探すのもひと苦労ですし、経営に活用できる状態ではなかったと思います。だからこそ、今回ジンジャーの話を聞いたときに、さまざまなデータのマスタを一元管理できる点はかなり魅力的だと感じました。
-ジンジャーを知ったきっかけは何でしたか?
冠野さん:
実はジンジャーを導入する前に、格安の勤怠システムを試験的に一部拠点で導入していました。試験運用をするなかで、せっかく導入するのであれば、勤怠管理だけでなく幅広い人事業務をカバーできたほうがいいのでは?という意見が出たんですよね。そうして全社導入の話が上がり、各社に資料を問い合わせていたところ、たまたまジンジャーの営業担当の方からお電話をいただいたのがきっかけです。
-システムの選定基準やジンジャーの印象を教えていただけますか?
冠野さん:
当初はオンプレミスかクラウドのどちらを導入するか、特にこだわりはありませんでしたが、自社仕様でカスタマイズするというよりも、標準化されたパッケージ製品を利用したほうがスムーズだと考えました。そのため、自然とクラウドシステムを検討する流れになりましたね。
システムを選ぶうえで、大切にしていたのは主に次のポイントです。
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- 10代から70代まで幅広い年代の社員にとって使いやすく、わかりやすい画面感であるか
- 機能面の充実と金額のバランスは良いか
- 営業やサポート担当との相性は良いか
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最初に意識したのは、「打刻のしやすさ」でした。ジンジャーはスマートフォンアプリも提供していて、シンプルなUIでわかりやすい印象でしたね。
また、機能が多くて何でもできると、逆にわかりにくくなってしまうのでは?と考え、機能面と金額などは全体のバランスを見て判断しました。
3つ目に挙げた営業やサポート体制については、ジンジャーの担当者が1番熱意をもって、何度も丁寧に情報提供してくれたと思います。淡白な印象の競合他社もあるなかで、ジンジャーの担当者は嫌な顔せず何度も足を運んでくださって、画面を見せながら丁寧に説明をしてくださいました。
-ジンジャーを選んでいただいた1番の決め手は何でしたか?
冠野さん:
1番と言われると困りますが、総合的に良かったと思います!画面のUI、営業の熱量、担当の対応の質、金額など、すべてが揃っていました。ジンジャーは打ち合わせの数が圧倒的に多くて、色んな機能の話を幅広くしてくれて、本当にわかりやすかったですね。
働き方の見直しや社内ルールを整えるきっかけができた
-導入後に感じた変化を教えていただけますか?
冠野さん:
紙やExcel管理を削減し、業務効率化を図れたのはもちろんですが、ジンジャー導入をきっかけに各拠点の課題を抽出できたのは大きな収穫でした。今回、全社的にジンジャーを導入したことで、「あれ、この拠点はこんな風に勤怠管理をしていたの?」と気付くことが多々あったんです。属人化していた業務フローを見直すきっかけになり、改善すべき課題を整理できたのは良かったと思います。
-紙管理業務と比べて、便利だなと思う場面はありますか?
冠野さん:
管理者視点では、クラウド上で「働き方の見える化」ができるのは便利だと思います。細かい機能を活用していくのはこれからですが、手書きの出勤簿をクラウド化できただけでも、非常に便利だと感じていますよ。
手書きのころは、残業や有給の申請も紙で対応していました。クラウド化したことで、工事現場にいる社員も手書きの煩わしさがなくなり、残業削減や直行直帰の推進などに意識を向けやすくなったと思います。
また、勤怠情報が可視化されたことをきっかけに、施工管理の労働時間ルールの見直しもおこないました。ジンジャー導入のおかげで、社内のさまざまなところに前向きな影響が出ていると感じています。
-ジンジャー導入をきっかけに、この先どんなバックオフィス、経営体制を目指していきたいですか?
冠野さん:
業務工数を削減して、時間を生み出し、本当にやりたかった取り組みを進めていくのが理想です。今後、総務・経理・労務の仕事はAIで置き換えられると言われています。AIに仕事を奪われるという見方ではなく、「システムを使いこなす」力を養い、便利なシステムと共存していく視点を大切にしたいですね。
定型業務はシステムを活用しながら、経営に寄り添った総務・経理を目指し、新しい価値を生み出すことを目指したいと思います。
広島県に本社を置く株式会社アマノは、大正15年に個人事業として創業し、昭和26年に株式会社を設立。建設業界での専門商社・専門工事業者として、建設資材の販売から施工管理まで、責任を持った一貫体制でお客様のニーズにお応えしている。