- 課題
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- オンプレミス型のシステムだと、保守切れのたびに工数・管理コストがかかってしまう。また、特定のPCにインストールして使用するため、使用する場所・人が限定される煩わしさがあった。
- 雇用契約書や年末調整、ワークフローを紙で対応していたため、書類の作成、回収、データ登録などに一定の時間を要していた。
- 解決策
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- オンプレミス型からクラウド型のシステムに切り替えて、「誰でも」「どこからでも」、必要な情報にアクセスできる環境を構築する。
- 従来の業務フローを大きく変えずに新システムに移行することで、総務・経理担当の手間を最小限にしつつ、紙対応の業務をシステムに移行してペーパーレス化を図る。
- 効果
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- 給与明細や年末調整に関するデータの回収、各種届出や身上変更などの手続き業務、社内稟議のワークフローをジンジャーで一元管理。クラウドシステムにより、総務・経理担当者や各部門の管理者も柔軟に情報へのアクセスが可能に。
- クラウドシステムの活用で年間約4000枚ものペーパーレス化を促進しつつ、パート社員約1人分の人件費を削減。
オンプレミスの保守管理の手間や融通が利かない点が課題
-これまでの管理体制における課題や、システム導入を考えたきっかけは何ですか?
甲斐切さん:
ジンジャー導入前は、オンプレミス型のシステムで勤怠管理、給与計算などの人事労務業務をおこない、雇用契約書や年末調整、ワークフローの対応は紙でアナログ対応をしていました。
旧体制の頃は、システムをインストールした特定のパソコンでしか操作できない点に煩わしさを感じていましたね。業務効率化のためには、誰でもどこでも情報にアクセスできる、クラウドシステムが必要だと考えるようになりました。
また、コロナの時期にリモートワークでオンプレミスのシステムを使用した際、システムが重たくて処理に時間がかかったんです。通信環境にもよりますが、「クラウドであればもっとスムーズに動くだろうな」と考えたのも、導入のきっかけの1つですね。
弊社は通年で中途採用をおこなっており、グループ会社の採用管理も私たちが担当しています。グループ会社から雇用契約書が送付されても、内容に不備が発生すると差し戻し対応に時間がかかるため、入社者情報を揃えるのに時間がかかる点も課題でした。たとえば、マイナンバーの不備や、雇用契約書と一緒に提出してもらう必要書類が不足することが多く、業務のスピードが遅くなっていました。
-年末調整やワークフロー申請の工数はどのくらいかかっていましたか?
甲斐切さん:
年末調整に関しては、各部門で必要書類の提出と確認に一定時間を要し、私たち総務に書類が届いてから確認・処理をおこなうのに2週間半ほど費やしていました。事前に各部門長が必要書類の記入漏れなどをチェックしてくれていますが、総務でダブルチェックをすると、どうしても抜け漏れが見つかります。
2名体制で取り掛かっても2週間以上かかっていたため、それなりの業務負荷がかかっていました。
ワークフローに関しては書類を各部署に持参してもらっていたため、書類提出のための移動工数も業務改善ポイントだったと思います。
-システム導入のプロセスを教えていただけますか?
甲斐切さん:
既存システムの保守切れのタイミングで、クラウドシステムの導入を検討し始めました。導入期間も加味して、保守切れの期日に間に合うよう、スピード感を意識していましたね。
導入プロセスとしては、インターネット検索で比較サイトにたどり着いてジンジャーの存在を知り、問い合わせをしたのが最初です。比較検討したのは5〜6社ほどで、はじめからクラウドシステムに絞り込んで検討していました。オンプレミスだとバージョンアップのたびにコストがかかりますが、クラウドならバージョンアップ費用なしで常に最新版を使えるのが魅力だと思います。
また、せっかくリプレイスするのであれば、現行システムで使用している以上の機能面の充実はもちろんのこと、コストパフォーマンスの高さも求めていたのが本音です。値段だけ見て、今までより不便になったら元も子もありませんので、慎重に比較検討を進めました。
機能面よりも「使いやすいUI/UXかどうか」を重視
ーシステムを比較するうえで苦労されたこととジンジャーの決め手は何でしたか?
甲斐切さん:
どのシステムも、人事労務に必要な基本機能は揃っているからこそ、導入の決め手を探ることが1番難しかったですね。機能説明を聞いたり、各社と打合せをしたりするだけで容易に判断できず苦労しました。
その後、色々と情報収集をおこなって、最終的にジンジャーを導入した決め手は、操作性が高く使いやすい点でした。ログインするとメニューがわかりやすく一覧表示されるUIに魅力を感じて、「これなら使いやすそうで、情報の一元管理もできるだろう」と思いました。
また、コストパフォーマンスが高い点も魅力ですが、営業担当の方が小まめに連絡を下さって、「わからないことがあれば何でも聞いてください」と親身に対応してくれたのも評価ポイントです。実際に、コンタクトを取りはじめてから導入まで、非常にスピーディーに進めることができたのは営業担当の方のおかげだと思います。
ー社内稟議を通す際に大変だったことはありますか?
甲斐切さん:
総務の仕事に携わる人数が少なく、日々どのような業務をおこなっているかが伝わりづらい仕事の性質もあいまって、総務が抱える課題を社内共有するのは苦労しましたね。現状の課題をはじめ、ジンジャーを導入すると総務と会社全体にどのようなメリットがあるのか、複数の観点から情報をまとめました。
たとえば、新システム導入後はおおよそパート社員1人分の人件費が削減できるだとか、年間4000枚ほどの紙を削減できるなど、具体的な想定数値の算出も試みました。
-ジンジャー導入をきっかけに、この先どんな管理体制を作っていきたいですか?
甲斐切さん:
何か必要な情報があれば、出先からでもすぐにジンジャーで確認できるのは便利だなと思います。まだ初期設定を進めている段階のため、効果を感じられるのはもう少し先になりますが、ジンジャーを活用してどんどんペーパレス化を進めていきたいです。とくに、雇用契約書や年末調整の書類を中心に、紙の工数削減を実現させようと思います。
経営視点では、総務・経理の必要な情報にすぐアクセスできる環境を構築することで、よりスピード感のある経営を実現したいですね。また、各部署の管理職も勤怠情報を確認できるようになったため、労働時間管理や法令規制に伴う対応事項にも、柔軟に取り組めると期待しています。
今後もジンジャーを活用して、法令順守や働き方改革の推進、ひいては働きやすい職場づくりを進めることで『ホワイト物流』を実現させていきたいです。
1965年創業。滋賀県に本社を構え、全国各地へ物資を届ける輸送事業を中心に、8拠点の物流センターから成る倉庫事業、製造業、アグリ事業まで幅広く事業を展開している。
ホワイト物流推進運動への参画や、健康経営優良法人への認定など、SDGsへの取り組みを積極的におこなっている。