- 課題
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- 紙やExcelでの管理が多く、社内のあちこちに紙の申請書やファイルが積み上がり、アナログな書類対応により職員の負担が大きくなっていた。
- 給与計算は1か月ほどかかっており、締め日に間に合うよう残業している人事課のメンバーもいた。
- 既存のオンプレミスシステムの保守切れ期限が迫っており、保守費用の発生や管理工数が課題だった。
- 解決策
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- 人事手続きをシステム上に移行していくことで紙管理を撤廃し、社内全体のペーパーレス化を図る。
- オンプレミス型のシステムからクラウド型のシステムに移行して、保守管理の工数を削減。
- 効果
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- 社内に積みあがる3,000枚以上の紙を削減し、人事や職員の工数を削減。
- 7か所ある事業所からの申請がシステム上で完結。これまで対応していた申請書の郵送対応などもすべて不要に。
- 給与計算に費やしていた時間を労務管理や助成金申請、人事評価システムの導入など新たなプロジェクトに充てる。
紙・印鑑・手作業による負担が課題!給与計算に時間がかかりすぎて人事の手が空かない状態に
-ジンジャー導入前に課題だったことは何でしたか?
下垣内さん:
人事課では計6名で勤怠集計、給与計算、採用や就業規則の見直しなどの人事業務をおこなっており、以前はとにかく紙や印鑑、Excel管理のアナログ作業が多く、人事の負担が大きすぎる点が目に見えて課題でしたね。
入退社手続きや各種職員情報の収集は紙、身上変更や年末調整も紙に手書きと押印で、アナログ対応ばかりでした。勤怠管理や給与計算でシステムを活用していたものの、残業申請や休暇申請の承認後はシステムに手入力していたり、Excelで職員情報をID順に並び替えたりなど、業務がとても非効率となっていました。
とくに給与計算は1か月ほどかかっていて、「働き方改革」を推進すべき部署であるにもかかわらず、締め日に間に合うよう遅くまで残業や休日出勤をしている人事課のメンバーもいました。
勤怠管理に関しても、ICカードで打刻をする場所が建物の入り口のため、「タイムカードの打刻時間=入館時間=労働開始時間」になっていたのが悩ましいところです。建物に入ったあとに階段を登って部屋に移動するため、始業・終業時刻が実態と乖離している点も是正が必要でした。
このように、人事労務のさまざまな課題が浮き彫りになっており、人事課の負担軽減のためにも改善が急務だったと思います。
-システムの入れ替えを検討されたきっかけは何でしたか?
下垣内さん:
ジンジャー導入のきっかけは既存システムの保守切れです。人事課で使用していた勤怠管理・給与計算のオンプレミス型システムの保守期限が、私が人事課に異動した半年後に迫っていたんです。
理想を言えば、1年ほど前に余裕をもってリプレイスしたかったのですが、あまりにも人事課の業務が忙しく、システムの更新まで手が回っていない状況でした。
しかし世間的にも、今は「医師の働き方改革」「WLB」「2025年問題」への対応が急務となっています。院内が忙しいとはいえ、システムのリプレイスは優先順位高く取り組むべきだと判断しました。
-具体的にどのようなプロセスでシステムを選定されましたか?
下垣内さん:
当初は、①クラウド型、②オンプレミス型、③ハイブリッド型(クラウド型+オンプレミス型)の3パターンで検討していました。既存のオンプレミス型システムの後継機を使用する方法もありましたが、勤怠管理や給与計算など複数の業務をワンストップで対応できるものを探したところ、ジンジャーに出会いました。そこで、クラウド型システムが良さそうだと思い、検討を進めることにしました。
クラウド型システムであれば、初期費用もそこまでかからず、サーバーの老朽化で見直しをかける手間も不要になるのが魅力です。私たちの地域にある労務研究会という地元企業の集まりでも、クラウド型システムの話題が出ていたので、最終的にジンジャーに決定した流れです。
人事情報を一元化でき、ジンジャー1つでさまざまな業務に対応できた点が決め手
-最終的にジンジャーを選んでいただいた決め手は何でしたか?
下垣内さん:
個人的には、ジンジャーはさまざまな業務に対応できた点が1番の決め手でした。加えて、今後は人事評価の機能も実装される(2024年現在、実装済)と聞き、システムの将来性に期待できたのもポイントですね。
他社システムでは、「勤怠は勤怠」「人事労務と給与は別」などと、各機能が分かれているケースが多かったと思います。一方ジンジャーは、1つにまとめられるのは強みだと感じました。複数のシステムベンダーとやり取りするのも大変ですから、オールインワンなのは最大の魅力でしたね。
また、職員の住所や名前変更履歴などの情報をすべて紙で管理していた私たちとしては、すべての情報をシステムのマスタに統一できるのは嬉しかったです!これほど便利なことはないと思います。
-期待されている効果について教えてください。
下垣内さん:
今後は、ジンジャーの活用を通して費用対効果が高まることと、人事課や管理者の工数削減に期待しています。ペーパーレスを実現できれば、人事はもちろんのこと、紙の対応を強いられていた全職員に対して負担軽減が見込めるはずです。
例えば、残業申請をおこなう際は、退勤時間を忘れずにメモして申請書類に記入をするステップが必要でした。この作業が積み重なれば膨大な時間になりますし、紙管理だと「人事に提出したのに処理されていない」「人事課で書類を受け取っていない」などと、トラブルのもとにもなり得ます。
今はまだ、社内の至るところに紙・ファイルが散乱していて積み上がっています。3,000枚以上の紙を早急に削減できるよう、どんどん導入を進めていきたいと思います。
また、各種申請は各職員が紙で対応しているため、部署長が自部署職員の労務管理ができず、情報の見える化ができていない点も大きな問題でした。
今回のジンジャー導入によって、部署長が部署全体と自部署職員をシステム上で管理できるようになります。そのため、部署長に対して、法人としての適切な労務管理という意識付けができることも期待しております。
-ジンジャー導入をきっかけに、この先どのような管理体制を作っていきたいですか?
下垣内さん:
ペーパーレス化を進めて無駄な仕事をなくし、人事課の負担を削減できたら、いずれは人事評価システムの導入を進めたいです。
現在、人事評価の情報はExcelで管理しているので、これらもペーパーレス&脱Excelを目指していきます。部署によっては50名以上の人事情報を日々管理しなくてはなりませんから、システム活用で効率化を図りたいですね。
今まで給与計算に費やしていた時間を使えるようになったら、労務管理や助成金申請など、新たな業務にも力を注ぎたいと思います。
働き方改革のために、時間外労働の削減も重要事項ですから、システムでスムーズに時間外労働のチェックやアラート管理をして、より良い職場環境を作っていきたいです。
1922年設立。三重県伊賀市で「おかなみさん」の愛称で親しまれる岡波総合病院を運営している。設立から100年以上にわたり、現代の医療・介護現場における、『ホスピタリティー』や『医療安全』、『患者満足(CS)、職員満足(ES)』などの概念に通ずる普遍の院是を大切にしながら、地域医療の中核を担っている。