- 課題
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- 毎月Excelの勤怠データを給与システムに手入力しており、手間がかかっていた。
- 人事データベースは決まったものがなく、業務ごとに別々のExcelが存在している状態で、情報が散在していた。
- 2024年問題への対応があるなか、会社全体の労働時間への意識が薄かった。
- 解決策
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- 勤怠と給与をジンジャーに統一し、給与システムへのデータ取り込みを自動化。
- 別拠点でもアクセス可能な、統一のデータベースを構築する。
- 労働時間を確認しやすい管理方法と、残業時間に応じてアラートを出せる仕組みを導入。
- 効果
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- 勤怠集計から給与計算までにかかっていた時間が1/2に削減。
- ジンジャーの統合型データベースによって情報が1箇所にまとまり、人事情報を活用できる体制を構築。
- 平均の残業時間が毎月徐々に減少。社員の労働時間への意識が向上した。
給与システムに勤怠データを手入力。データベースは決まったものがない状態だった。
-ご担当の業務、管理部の構成を教えていただけますか?
総務部門で部署全体の統括から、決裁処理などの実務を担当しています。
総務部門には私をあわせて9名在籍しており、工事に関する事務以外はすべて総務でおこなっています。
今回、ジンジャーを取り扱う人事労務に携わっているのは計3名となります。
-これまでの管理体制で課題だったことは何でしたか?
最も課題だったことは、勤怠から給与への入力作業でした。
元々勤怠管理はExcel、給与計算はシステムで管理をおこなっていたのですが、給与システムに勤怠データを入れる作業は毎月手入力で対応していたんです。その作業が結構手間になっていたので、これからを考えると運用を変える必要があると考えていました。
そして、データベースの管理にも課題がありました。人事データベースは決まったものがなく、業務ごとに別々のExcelが存在している状態で、情報がバラバラになっていたんです。
例えば、当社では社員が保持している資格に応じて手当を支給しているのですが、給与計算のデータには金額しか入っておらず、何の資格による金額であるかが確認できませんでした。本当にこの金額が正しいのかが分からず、毎回他のデータを確認しに行く手間が発生していたんです。
さらに、同じ勤怠のデータでも拠点ごとに別ファイルで管理されており、それぞれで管理されている社員も項目も違っていたので、月末にそれらのデータをまとめるのに手間がかかっていました。
-システムの入れ替えを検討されたきっかけは何でしたか?
システムの入れ替えを検討したきっかけは、建設業の2024年問題と電子帳簿保存法への対応でした。
これまでの勤怠管理は各社員がExcelに入力しておこなっていたのですが、出勤と退勤のタイミングでそれぞれ入力しているケースは少なく、多くの社員が日報を提出するタイミングで大体の出退勤時刻をまとめて入力しており、正確な勤怠管理ができていなかったんです。
また、どの社員も真面目で一生懸命働いてくれていましたが、月45時間という残業時間の上限があるなかで、労働時間への意識が不十分だったんです。そのため、社員の労働時間に対する意識を高められる管理の仕組みが必要だと考えていました。
2024年問題については同業種の企業からも話を聞き、どんな対応をすべきか検討を進めました。
そして、電子帳簿保存法に関しては、一部の業務は対応できていたものの、経費精算周りに関しては未対応であったことが後々判明したんです。社長からも直々に法対応を進めるよう指示があったこともあり、経費精算のシステム化は急務となっていました。
-最終的にジンジャーを選んでいただいた決め手は何でしたか?
ジンジャーを選んだ決め手は、必要としていたサービスを1つにまとめて導入することができたためです。
当初の導入は勤怠や給与、経費がメインでしたが、昨今のペーパーレス化の流れもあり、雇用契約・社保手続き・年調収集などのペーパーレス化も進めることができました。
できる限り1つにまとめて管理したいという背景もありましたし、これまでバラバラだったデータベースも1つに取りまとめられるという点は非常に良かったと思います。
また、クラウド型だった点も導入を後押ししました。これまでオンプレミス型のシステムを利用していましたが、サーバー管理の大変さは身に染みて分かっていました。定期的な設備の確認や、ビルの計画停電などへの対応など、場合によっては休日に対応しなければならないこともあったんです。そのような背景から、新しいシステムは絶対クラウド型にしようと考えていました。
勤怠集計から給与計算までの工数が1/2に!統一のデータベースも確立できた。
-ジンジャー導入後、感じていただいている効果について教えてください。
ジンジャー導入によって、統一のデータベースを確立させることができました。情報が1箇所に集まってくることに感動しましたし、散在していた情報を集約できた点も良かったと思います。
また、今回の導入をきっかけに、社員の誕生日を新たに登録するようにしたのですが、介護保険料の徴収開始タイミングがアラートで通知されるので非常に助かっています。これまでは思い立ったら誕生日を調べるという運用をしていたので、何かと気にかける必要があったんですよね。
勤怠集計から給与計算までの業務に関してはこれまで10日ほどかかっていましたが、ジンジャー導入後は集計から計算まで自動でおこなわれ、勤怠・給与間のデータ連携もワンクリックで対応できるようになり、5日で完了するようになりました。工数がほぼ半分になり、毎月の業務がとても楽になりました。
給与明細に関しても、紙からWeb明細に切り替えることができたので、封入や郵送の作業がなくなり嬉しかったです。
本格的にジンジャーの運用を初めて4ヶ月ほど(24年8月時点)となりますが、シンプルで見やすく直感的に操作できる画面感なので、すでにほとんどの社員がスムーズに利用してくれています。システムに慣れない方でも扱いやすい印象を受けました。
2024年問題(残業時間の上限規制)をきっかけにジンジャーを導入しましたが、残業申請の仕組みを取り入れたことで、平均の残業時間は毎月徐々に減少しています。社員の労働時間への意識も向上しており、とても良い傾向にあると思います。
-ジンジャー導入をきっかけに、この先どのような管理体制を作っていきたいですか?
元々、複雑化していた管理の仕組みをシンプルにできたら良いなと考えていましたが、今回ジンジャーの導入によって、1つのシステムに業務やデータをまとめることができ、段々とシンプルな仕組みを実現できていると感じています。今後はその体制の幅を広げて、会社全体の共通言語を増やしながら、より利用しやすいシステムにしていきたいですね。
また、業務効率化によって生み出された時間で、依然として残っていた会社独自の慣習を見直す機会を作ることができました。これまであまり重視できていなかった勤怠の部分を適正化させていき、より社員が働きやすい環境を構築していこうと考えています。
1909年創業。京都府福知山市に本社を置き、関西を拠点として建築・土木・舗装・リニューアル各種工事をおこなう総合建設会社。道路・河川・上下水道などの社会インフラ工事や、官公庁舎・マンション・事務所・店舗・病院・学校など、多彩な施工実績を持つ。
創業100年を迎えた2009年には京都府知事から「京の老舗」として表彰を受賞している。