- 課題
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- 年間約1,000人の入社手続きと2,000人の契約更新を紙でやり取りをしており、承認/締結されるまでに2週間以上時間が必要だった
- オンプレミス型のシステムを使っており、勤怠管理システムと人事給与計算システム間のデータ連携が大変だった
- 効果
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- DXの第一歩であるペーパーレス化をジンジャーで実行
- 今後は、人事データを蓄積し、そのデータを活用してタレントマネジメントに着手していく
入社書類を提出してから、承認されるまで2週間。社内から紙のやり取りをなくしたかった
– ジンジャーを導入する前は、どのような状況だったのでしょうか?
池田さん:
ジンジャー導入前は、異動/通勤費の申請や入社処理、年末調整など、多くの業務が紙でやり取りされていました。特に入社処理の部分が、人事・店長・入社者全員に負荷がかかっていました。
入社処理が大変だった理由は3つあります。まず1つめは、対応数が多いことです。弊社はアルバイトも含めて、年間約1,000名が入社いたします。そのため、毎月約100件は、入社処理が必要になります。そのため、ようやく対応が終わったと思ったら、もう次の月の対応分があるといった状況でした。
2つめは、入社書類の不備が多く、手戻りの回数が多かったことです。提出された入社書類のほとんどが、何かしらの不備ある状態でした。不備を見つけると、電話で確認していました。
3つめは、入社書類を郵送して、届くまでに時間がかかりすぎることです。弊社は関東のさまざまな場所に店舗があるのですが、一番遠い店舗だと、郵送してから届くまでに1週間かかることもありました。弊社に限らず、飲食業界はどこの会社も人材不足です。そのため、一日も早く店舗で働いてほしいのですが、入社書類の問題で、今日採用して明日から働いてもらうことが難しい状況でした。
また、入社書類に不備があると、再度送り返して、修正してもらい郵送してもらうので、2週間以上かかる場合もありました。
– 採用してから働き始めるまでに、2週間以上かかるのは、店舗からしてももどかしい気持ちになりますね。ほかに、店舗でパートやアルバイトの方とのコミュニケーションで困っていたことはありましたか?
野口さん:
入社書類以外にも、全パート/アルバイトの方と、年に一回更新の書類のやり取りをしていました。現在、パート/アルバイトが2,000人いるので、更新業務もとても大変でしたね。
これらのことは、経営陣も問題として捉えており、最新の経営方針の中に、DXを進めていくことを明示したことをきっかけに、検討し始めました。
– ありがとうございます。今回、勤怠管理システムや給与計算システムもご導入いただきましたが、このあたりは何か課題はございましたか?
池田さん:
今まで、人事業務をおこなう上で、人事給与システム、労務管理システム、勤怠管理システム、Web明細システムと4つのシステムを駆使していました。その中で人事給与システムはオンプレミス型のシステムでした。
各々のシステムが独立しているため、勤怠管理システムの情報を人事給与システムに連携するとき、勤怠管理システムから情報を吐き出して、データを一部加工し、人事給与システムに連携していました。
このような煩雑な業務プロセスを解消し、システム間の情報連携がもっとスムーズにしたいと考えておりました。
また、人の手を介すると、どうしてもヒューマンエラーが起きてしまいますので、このヒューマンエラーを極力なくしたかったです。
– ほかに、課題に感じていた部分はありましたか?
池田さん:
データ蓄積・集計の部分にも課題がありました。
人事データの蓄積がないため、エリアマネジャーから「自分のエリアにどういう経験を持った店長がいるのか?」「前のエリアマネジャーは誰か?」などの問い合わせがあっても、即回答ができなかったり、人事システムが共有されていないため、経営層から「労働時間や残業時間の推移、人件費などの労務データを出してほしい」などの依頼が多くありました。
このような依頼があったときは、その都度必要なデータを集めて加工に多くの工数をかけて対応していました。データがない、またはすぐに確認できないなど、見たいとき、必要なときにすぐに提供できないというのが課題でした。
この状況を踏まえて、必要とする部署が欲しいデータを自分で確認しにいけるようなデータ環境を持ちたいなと思っていました。
ジンジャー1つで、バックオフィス全領域をカバー。セキュリティの面でクラウドに移行
– なぜこのタイミングで、ペーパーレス化を実行に移したのでしょうか?
池田さん:
もともと、2019年にペーパーレス化を含めて人事システムのリプレイスを検討していました。各社に話を聞いて、見積もりを取るところまで進んでいたのですが、そのタイミングでコロナがきました。
コロナが広まり、社会に影響を与え始めて、社内における投資の優先順位が変わり、一度ペーパーレス化のプロジェクトはストップとなりました。
しかし、改めて2021年に経営方針の一つとして全社のDXが掲げられ、人事部としてのDX化も本格的に進めていきたいという話になり、検討を再開しました。
– なぜクラウドに変更することを決めたのでしょうか?
野口さん:
ペーパーレス化を検討していたタイミングで、情報企画部門から、「社内のサーバーをなくしたいので、人事給与システムもクラウドを検討してほしい」と打診がありました。
もともと、セキュリティの面や扱いやすさでクラウドを検討していたので、タイミングが重なり、オンプレミスからクラウドに変更することと、それにあわせてシステムの一本化を決定しました。
– 数多くのシステムがある中で、なぜジンジャーをお選びいただけたのでしょうか?
池田さん:
ジンジャーを選んだ理由は3つあります。
1つめは、ジンジャー1つでバックオフィス業務の多くをカバーできたからです。もともと、データ連携の観点から、勤怠管理や人事管理、給与計算を1つのシステムで管理できないかと考えていました。
探してみると、ジンジャーを含めて、いくつかのシステムで可能でした。すべて話を聞いたのですが、すべてのシステムで強い領域と弱い領域がありました。そのなかで、ジンジャーは「今はこの領域は他社のシステムと比べるとできないことがあるが、こういう世界観を持っていて、今後開発していきます。それまではこういう風に運用回避できませんか?」と提案してくれていました。その世界観に非常に共感したのと、運用回避の提案をしてくださる姿勢を見て、ジンジャーがいいなと感じました。
2つめは、弊社は雇用形態や就業形態が複雑で、なかなか対応できるシステムがありませんでした。1つのシステムにせず、勤怠は勤怠、給与計算は給与計算と分けてシステムを導入すると問題なかったのですが、1つのシステムでやろうとすると、ジンジャー以外は対応できませんでした。そのため、機能要件的にもジンジャーがよかったです。
3つめは、ジンジャーの営業担当の方が、何度もオフィスに来てくれて、細かいすり合わせをおこなってくれたことです。こういう基幹システムは、1年2年ではなく、長いお付き合いになると思っています。長くお付き合いするのであれば、寄り添ってくれて、私たちが信頼できる企業がいいなと思い、その観点でもジンジャーがいいとなり、ジンジャーの導入を決めました。
ジンジャーが弊社のDXの要。ゆくゆくは、タレントマネジメントまで
– 今後、会社をあげてDXに取り組んでいくと伺っていますが、どのように進めていく予定ですか?
池田さん:
まず第一歩として、社内の紙文化をなくしていきたいと考えています。店長や従業員の工数を削減して、本業務に集中できる環境をつくりたいです。
また、その先には、人事データをジンジャーに蓄積し、そのデータを活用してタレントマネジメントをおこなっていきたいです。どういう人材が今どこにいて、どこに異動させたら会社として良い影響があるのかを科学してきたいです。
それをやるには、今回導入したジンジャーが肝であると、社長も全社員の前で言っているので、ジンジャーのサポート担当の方と早急に、そして着実に進めていきたいです。
–そのようなお言葉を言っていただけて、非常に嬉しいです。さいごに、今導入を考えている企業様に、導入のポイントがあれば教えてください。
池田さん:
我々のように、多くの従業員を抱えている企業は、その独自な雇用形態や就業規則により、オンプレミス型のシステムで管理している企業も多くいらっしゃると思います。
オンプレミス型のシステムだと、「自分たちでシステム更新をかけないといけない」「自分たちでサーバーを管理しないといけない」などと感じていて、クラウドへの移行を一度は考えた企業様も多いのではないでしょうか。
クラウドへの移行は不安なこともありますが、私は諸々比較して、最終的には「何か災害があったときに、サーバーがダメになると取り返しのつかないことになる。なので、クラウドでデータを預けて、しっかりとシステム提供者のほうで管理してもらうほうがいい」と判断しました。
ぜひ皆様の参考になれば幸いです。