契約書を紛失した時はどうすればいい?素早い対処法やリスクなど解説
更新日: 2023.1.20
公開日: 2022.6.14
MEGURO
企業間で契約が行われる場合、その契約に関する契約書が作成されるのが一般的です。
作成された契約書はそれぞれの企業で保管されますが、何らかの手違いによって、保管していたはずの契約書を紛失してしまう可能性も考えられます。
本記事では、契約書を紛失した際に起こりうるリスクや契約書の紛失に気づいた際に取るべき対処法、契約書を紛失しないための防止策などについて説明します。
「契約書が見つからない」
「まだ契約期間が残っている契約書を破棄してしまった」
そんなトラブルが発生する前に、契約書の管理を見直す必要があります。
契約書は一定期間、適切に管理する必要があります。
ですが、実際には取引を担当している部署や各従業員単位で保管している場合もあるでしょう。
適切な保管期間を知らない担当者が誤って契約書を破棄してしまうこともあるかもしれません。
紛失などを防ぐためには、法務部で契約書を管理するほかにも、全従業員が契約について理解を深めることが重要です。
本資料では契約に関する基礎知識から契約書の保管期間、保管方法についても解説しています。運用方法の見直し理由を説明する際にも活用できるので、ぜひご覧ください。
1. 契約書を紛失した際に起こりうるリスクとは?
契約書を紛失した際に起こりうるリスクとしては、主に以下のようなことが挙げられます。
・取引内容などの重要な情報が外部に流出してしまう可能性がある
・トラブルなどが発生した際に不利になる
・企業や組織としての信用を無くす
それぞれのリスクについて、説明します。
1-1. 取引内容などの重要な情報が外部に流出してしまう可能性がある
契約書には、自社と取引先の間で取り決めを行った重要な内容が記されていることが多いです。
どのような内容に関して契約を行った、どのような条件で契約を行ったという情報は、まったく無関係の第三者からすれば、価値のない情報かもしれません。
しかし、競合関係にある企業などに取引内容などが漏洩してしまえば、その情報をもとに自社にとって不利な交渉をしかけられる可能性もあります。
1-2. トラブルなどが発生した際に不利になる
取引先との間で何かトラブルが発生した場合、通常は契約書に記されている内容にもとづいて対処を行います。
しかし契約書を紛失してしまい手元になければ、そういった対処を行うことができずに、「言った言わない」の水掛け論になってしまうでしょう。
契約書を確認できれば、自社に有利な形でトラブルを解決できる場合でも、契約書がないがゆえに不利な条件を呑まなければならないことも考えられます。
1-3. 企業や組織としての信用を無くす
上述したようなリスクがあるがゆえに、契約書というものはきちんと保管しておくのが当然のこと、と考えられています。
その契約書を紛失してしまうというのは、企業や組織の管理体制としていかがなものかと思われて、信用を無くしてしまうことも十分考えられます。
その取引自体に影響が出るだけでなく、今後の取引にも大きな影響を与えかねません。
このように、契約書を適切に管理していない場合、大きな問題に発展する可能性があります。現時点で適切に管理しているとは言えない場合は、すぐに管理方法を見直す必要があるでしょう。
また、このときに「従来のやり方を変更することは従業員の負担になる」という点に注意しなければなりません。管理方法を変更する背景や、正しく管理されないことのリスクを伝えない場合、管理自体を軽視されてしまい、適切に管理できなくなる可能性があります。
管理を徹底させるためには、正しく管理されているかを確認するとともに、適切に管理する必要性を従業員に理解してもらう必要があるでしょう。
当サイトで無料配布している「【従業員周知用】ビジネスにおける契約マニュアル」では、契約の基本知識から契約書の役割、契約に関するよくある質問についてまとめています。契約書はいつまで保管する必要がある?というような従業員からのよくある質問もまとめており、ほか従業員の勉強用資料として活用できます。気になる方はこちらから無料でダウンロードしてご覧ください。
2. 契約書の紛失に気づいた際に取るべき対処法
契約書を紛失したことに気付いた際に企業や組織として取るべき対処法としては、主に以下のようなことが挙げられます。
・取引先に謝罪する
・契約書のコピーを探す
・契約書のスキャンデータや電子データを探す
それぞれの対処法について、説明します。
2-1. 取引先に謝罪する
契約書を紛失してしまったことが発覚した時点で、取引先に謝罪することを最優先しなければなりません。
契約書を紛失してしまったことによって即契約破棄となるわけではありませんが、契約書紛失という事態に関して、先方に誠実な対応を見せる必要があります。
なるべく早く対応することでこちらの誠意も伝わりやすくなりますので、初動の早さが非常に重要です。
2-2. 契約書のコピーを探す
契約書を作成した際に、そのコピーを取っている可能性も十分にあります。
原本とコピーを別々の場所に保管していれば、原本を紛失してしまってもコピーは無事ということが考えられるので、コピーを探してみるとよいでしょう。
コピーが見つからない場合は、取引先に頭を下げてコピーさせてもらうという方法も考えられます。
その際は、コピーさせてもらう契約書に、紛失した契約書が発見された場合でもその内容が無効になる、という旨の一文を添えておくと安心です。
2-3. 契約書のスキャンデータや電子データを探す
契約書は紙ベースでなくスキャンデータや電子データであっても、契約内容が分かるものであれば問題ありません。
そのため、紙の契約書を紛失してしまったとしても、スキャンデータや電子データによって再発行できれば、リスクを回避することは可能です。
3. 契約書を紛失しないための防止策
契約書を紛失してしまった場合でも対応することは可能ですが、そもそも契約書を紛失しないのがもっともよいことは、間違いありません。
契約書を紛失しないための防止策としては、主に以下のようなことが挙げられます。
・書類管理に関するルールを厳密に設ける
・書類の持ち出しを制限する
・電子契約を導入する
それぞれの方法について、説明します。
3-1. 書類管理に関するルールを厳密に設ける
契約書を紛失しないためには、契約書を含めた書類管理に関するルールを厳密に設けることが重要です。
きちんと運用することで書類の紛失を防ぎやすくなるようなルールを設ければ、契約書を紛失してしまう可能性は大幅に少なくなるでしょう。
また、契約書のような重要書類は開封時にパスワードを設ける、持ち出せる人を限定するなどすることで、契約書の重要度を認識しやすくなり、紛失しないような意識が働きやすくなります。
3-2. 書類の持ち出しを制限する
書類は保管場所から持ち出されることがなければ、基本的に紛失はしないはずです。
そのため、書類の持ち出しを制限して書類が保管場所にない期間を極力短くすることで、契約書を紛失してしまう可能性を抑えられるでしょう。
3-3. 電子契約を導入する
契約書を紛失してしまうのは、契約書が紙という「モノ」だからです。
上述したように、契約書は電子データであっても契約内容が分かるものであれば問題ないので、電子契約を導入することで紛失してしまう可能性がなくなります。
電子契約を導入することにはほかにも、文書作成や管理に関するコストを削減できるというメリットもあります。
4. 電子契約の導入は契約書紛失の防止に効果的な対処法
契約書を紛失してしまうと、取引内容などの重要な情報が社外に漏洩してしまったり、企業や組織としての信用を無くしたりといったリスクが考えられます。
契約書の紛失が発覚した時点で、取引先にきちんと謝罪をして契約書のコピーや電子データを探すなどして対処しましょう。
契約書の紛失を防ぐためには、書類管理のルールを厳密に設けることや、電子契約を導入することなどが効果的です。
「契約書が見つからない」
「まだ契約期間が残っている契約書を破棄してしまった」
そんなトラブルが発生する前に、契約書の管理を見直す必要があります。
契約書は一定期間、適切に管理する必要があります。
ですが、実際には取引を担当している部署や各従業員単位で保管している場合もあるでしょう。
適切な保管期間を知らない担当者が誤って契約書を破棄してしまうこともあるかもしれません。
紛失などを防ぐためには、法務部で契約書を管理するほかにも、全従業員が契約について理解を深めることが重要です。
本資料では契約に関する基礎知識から契約書の保管期間、保管方法についても解説しています。運用方法の見直し理由を説明する際にも活用できるので、ぜひご覧ください。
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