年収103万円以下のアルバイトは年末調整が不要?令和8年分から178万円以下へ基準が変更!
更新日: 2026.9.1 公開日: 2021.9.22 jinjer Blog 編集部

年末調整は、会社が従業員の給与に対して正しく所得税を計算・納付するために実施する重要な手続きです。正社員であれば、原則としてすべての従業員が年末調整の対象になりますが、アルバイトの場合はその認識があいまいなケースも少なくありません。
年収103万円以下のアルバイトは所得税がかかりませんでした(※令和8年分から178万円以下に基準が変更)。しかし、非課税であっても、年末調整が必要になるケースがあります。本記事ではアルバイトにおける年末調整の考え方と実務上の注意点をわかりやすく解説します。
令和8年分の年末調整から、基礎控除と給与所得控除が同時に引き上げられ、所得税の壁は178万円になります。
申告書の該当欄と計算ロジックが変わり、多くの従業員で例年より還付額が増える見込みです。
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1. アルバイトでも年収103万円以下なら年末調整は不要(~令和6年まで)


結論からいうと、令和6年までは「年収103万円以下で所得税の源泉徴収が1円もない」のであれば、年末調整も確定申告も必要ありませんでした。しかし、令和7年度・令和8年度税制改正により、この基準は2025年分は「年収160万円以下」へ変更され、さらに2026年分は「年収178万円以下」へと見直されます。
年末調整は源泉徴収された所得税と本来支払うべき所得税の差額を精算するための手続きです。年収103万円以下であれば所得税がかからず、また源泉徴収された税金がなければ還付もありませんでした。この場合、所得税については、年末調整や確定申告をしたとしても何も変わらないのです。
なお、その年の源泉徴収がなかったとしても、年収が103万円を超えた従業員は所得税を納める義務が発生する可能性がありました。その際には年末調整を実施し、該当の従業員から支払うべき所得税を徴収することとなっていました。
関連記事:年末調整とは?目的や確定申告との違い、基本的な流れを人事担当者向けに解説
1-1. なぜ年収103万円以下だと年末調整は必要ない?
所得税は、その年の1月1日から12月31日までの1年間に得たすべての所得から、各種の所得控除を差し引いた後の課税所得に、定められた税率をかけて計算されます。
会社員やパート・アルバイトなどの給与所得者の場合、年収(給与収入)から給与所得控除を差し引くことで、給与所得が求められます。給与所得控除の最低保障額は55万円(令和6年分まで)です。また、所得控除にはすべての人(※合計所得金額が2,500万円を超える人を除く)に適用される基礎控除があります。基礎控除額は48万円(令和6年分まで)ですが、合計所得金額が2,400万円を超える場合は段階的に減額されます。
つまり、給与収入が103万円以下の場合、給与所得控除(55万円)と基礎控除(48万円)の適用により、課税所得がゼロになり所得税はかかりませんでした。この場合、年末調整をおこなっても所得税の金額は変わらないことになります。ただし、その年に源泉徴収されている所得税がある場合には、還付金が発生するので注意が必要です。
1-2. 2026年分から年収178万円以下に基準が変更!
令和7年度税制改正により、給与所得控除の最低保障額は55万円から65万円へ、基礎控除は最大48万円から最大95万円へ引き上げられました。これに伴い、2025年分の所得税が課税されない給与収入の基準は、従来の年収103万円以下から年収160万円以下へ引き上げられています。
さらに、令和8年度税制改正では、給与所得控除の最低保障額が74万円、基礎控除が最大104万円へと引き上げられます。これにより、2026年分の所得税が課税されない給与収入の基準は、年収178万円以下となります。
また、2028年分以降は、給与所得控除の最低保障額が69万円、基礎控除が最大99万円となる予定なので、所得税がかからない給与収入の基準は年収168万円以下となる見込みです。
このように、これまで「103万円の壁」「160万円の壁」とよばれてきた所得税の非課税ラインは、2026年分には「178万円の壁」へと引き上げられます。ただし、今後も税制改正によって基準が見直される可能性があるため、最新の情報を確認することが重要です。
参考:令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について|国税庁
参考:令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について|国税庁
関連記事:【2026年最新動向】年収の壁とは?所得税・住民税や社会保険の壁を徹底解説
2. 年収178万円以下のアルバイトで年末調整が必要になる条件


その年の給与収入が178万円以下であれば所得税はかからないと説明しましたが、年末調整が必要になるケースはあります。具体的には、次の条件を全て満たしている従業員であれば、年収178円以下のアルバイトでも自社で年末調整が必要です。
- 「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出を受けている
- 所得税が源泉徴収されている
- 年末の時点でアルバイトとして在籍している
- 災害減免法が適用されていない
それぞれの項目について詳しく解説していきます。
2-1. 「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出を受けている
自社に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出していることは、年末調整をおこなううえでの前提条件です。
扶養控除等申告書はその従業員が配偶者や扶養親族の有無を会社に申告するための書類です。配偶者控除や扶養控除の額を決定するために必要であり、同書類を提出していない従業員に対しては年末調整をおこなうことができません。
また、扶養控除等申告書は1人の従業員につき、1社にしか提出できません。そのため、アルバイトやパートなどで複数の勤務先を掛け持ちしている従業員については、どの勤務先に提出しているかを事前に確認する必要があります。
提出先は、原則として「最も収入の多い勤務先」です。他社に扶養控除等申告書を提出している場合、自社では年末調整はできず、原則として本人が確定申告で精算します。
なお、扶養控除等申告書の提出期限は、その年に最初の給与を受ける日の前日です。中途就職者は、就職後最初の給与を受ける日の前日までに提出する必要があります。
一般的には入社時にその年の分の書類を提出してもらい、年末に翌年分の書類を提出してもらいます。前年に提出した扶養控除等申告書の記載内容に変更がない場合は、申告書に記載すべき事項に代えて、「前年から異動がない」旨を記載して提出することも可能です。
参考:A2-1 給与所得者の扶養控除等の(異動)申告|国税庁
関連記事:【令和8年分】扶養控除等(異動)申告書とは?書き方や提出の必要性をわかりやすく解説
2-2. 所得税が源泉徴収されている
2つ目の条件は、その年の給与から所得税が源泉徴収されていることです。年収178万円以下のアルバイトの場合、原則として所得税はかかりません。
ただし、毎月の給与額などによっては、年の途中で所得税が源泉徴収されることがあります。この場合、源泉徴収税額は本来納める必要のない税金であるので、年末調整によって精算され、納めすぎた所得税が還付されます。
関連記事:給与計算における所得税の計算方法とは?源泉徴収の仕組みも解説
2-3. 年末の時点でアルバイトとして在籍している
3つ目の条件が年末の時点でアルバイトとして在籍していることです。正確に言うとその年最後(12月)の給与を受け取っていることが条件になります。
年末調整は、その年の給与総額が確定した後に、源泉徴収された所得税と本来納めるべき所得税との差額を精算する手続きです。そのため、年末まで在籍していないアルバイトについては、その後ほかの勤務先で給与を受け取る可能性があり、会社では年間の給与総額を把握できないことから年末調整をおこなえないのです。
退職した従業員は、年内に再就職した場合は転職先で年末調整を受けることが一般的です。年末調整を受けない場合は、本人が確定申告によって所得税を精算します。いずれの場合も、自社の源泉徴収税額を証明するために源泉徴収票が必要となるので、退職した従業員には速やかに源泉徴収票を交付しましょう。
2-4. 災害減免法の適用を受けていない
4つ目の条件は災害減免法の適用を受けていないことです。大規模災害により納税が困難となった従業員には、災害減免法が適用されることがあります。これにより所得税の源泉徴収に猶予期間が設けられるので、該当期間中は年末調整がおこなえません。
そのため、災害減免法が適用されている従業員に対しては、年末調整の手続きは不要となります。このような状況下では、従業員自身が確定申告をおこない、それによって税金の精算をする必要があります。雇用主としては、従業員が災害減免法の適用を受けているかどうかを確認し、適切な対応をすることが重要です。
参考:No.8004 災害により被害を受けたときの所得税の取扱い|国税庁
3. 年収178万円超えでも年末調整できないケースに気を付ける


年末調整が必要となるケースとは逆に、次のいずれかの条件に当てはまるアルバイトには年末調整を実施できません。
- 他社で「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している
- 年末時点で自社に在籍していない
- 災害減免法が適用されている
また、これらの条件とは別に、年間2,000万円以上の給与収入を得ている従業員も年末調整の対象外です。高収入を得ている方は年末調整ではなく確定申告で納税することが国により定められています。
アルバイトという雇用区分で該当する人は稀だと思われますが、年末調整の基礎知識として覚えておくと良いでしょう。
参考:No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人|国税庁
3-1. 年の中途にアルバイトを退職した場合で年末調整が必要なケースもある
年末調整の対象者は、原則として「年末に在籍している人」です。そのため、年の中途に退職したアルバイトについては、基本的に年末調整の対象外となります。しかし、次のいずれかに該当する場合は、年末調整の対象者に含まれます。
- 海外支店への転勤などの理由により非居住者となった人
- 死亡によって退職した人
- 著しい心身の障害のために退職した人(退職後に再就職をして給与を受け取る見込みのある人を除く)
- 12月の給与を受け取った後に退職した人
- その年に受け取る給与総額が123万円以下の人(退職後に他の勤務先から給与を受け取る見込みのある人を除く)
※令和8年度税制改正により給与総額の基準は「136万円以下」に引き上げられる見込み
令和8年度税制改正により、2026年12月1日から一部の基準が変更されるため注意が必要です。
なお「136万円以下」という基準は、給与所得控除の最低保障額(74万円)と扶養親族等の所得要件(62万円)を合計した金額を指します。
給与収入が136万円を超えると、合計所得金額が62万円を超え、税制上の扶養(配偶者特別控除の可能性はあり)から外れることになります。つまり、この基準は「扶養の範囲内で働きたい人」に限定された条件である点に注意してください。
また、給与収入が136万円以下の退職者全員が必ずしも年末調整が必要になるわけではありません。この点も押さえておきましょう。
参考:No.2665 年末調整の対象となる人|国税庁
参考:令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について|国税庁
関連記事:年末調整は退職者も対象になる?やるべき手続きや確定申告が必要になるケースを解説
4. 年収178万円以下のアルバイトの年末調整に関係する注意点


アルバイトの年収が178万円以下で、たとえ年末調整が不要となる場合でも気を付けるべき点がいくつかあります。ここでは、年収178万円以下のアルバイトの年末調整に関係する注意点について詳しく紹介します。
4-1. 年末調整をしない場合も源泉徴収票の発行は必要
その年の給与収入が178万円以下の従業員で年末調整をおこなわない場合でも、原則として源泉徴収票の発行は必要です。ただし、常時2人以下の家事使用人に対してのみ給与を支給している場合には、源泉徴収義務者に該当せず、源泉徴収票の交付義務が免れます。
源泉徴収票の交付期限は、翌年1月31日(退職者の場合は退職後1ヵ月以内)です。源泉徴収票を正しく交付しない場合、所得税法に基づき拘禁刑や罰金などの罰則が課せられるおそれもあるので注意しましょう。
関連記事:源泉徴収票作成の方法と記載内容を解説!注意点や訂正方法も知っておこう
4-2. 住民税の課税要件も正しく理解しておく
所得税と住民税では、非課税となる条件が異なります。住民税は「均等割」と「所得割」で構成されており、その非課税要件は自治体ごとに条例で定められています。東京都の例では、均等割・所得割ともに非課税となるのは、次のいずれかに該当する場合です。
- 生活保護法による生活扶助を受けている方
- 障害者・未成年者・寡婦又はひとり親で、前年中の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は、年収204万4千円未満)の方
- 前年中の合計所得金額が区市町村の条例で定める額以下の方
引用:個人住民税|東京都
例えば、東京都23区に住む単身者(障害者やひとり親などに該当しない場合)は、合計所得金額が45万円以下であれば住民税は非課税です。給与所得者の場合、給与所得控除(最低74万円)が差し引かれるため、給与収入が119万円以下であれば住民税非課税となります(令和8年分所得を対象とする令和9年度分より適用)。
なお、令和8年度税制改正の基礎控除の見直しは住民税に適用されません。とくにアルバイトを雇用する際には、所得税だけでなく住民税の非課税基準についても理解しておき、従業員からの質問に正しく対応できるよう準備しておくことが大切です。
参考:令和9年度以降適用される市民税・県民税に関する主な税制改正|名古屋市
関連記事:所得税と住民税の違いは?高いのは?計算・徴収方法の違いをわかりやすく解説
4-3. 扶養親族等の所得要件が改正(令和8年分~)
令和8年度税制改正により、令和8年分から扶養親族等の所得要件が次のように変わります。
|
区分 |
合計所得金額の要件 |
給与収入の要件 |
|
扶養親族・同一生計配偶者 |
62万円以下(改正前:58万円以下) |
136万円以下(改正前:123万円以下) |
|
配偶者特別控除の対象となる配偶者 |
62万円超133万円以下(改正前:58万円超133万円以下) |
136万円超207万円以下(改正前:123万円超201万6,000円未満) |
※ひとり親の生計を一にする子の総所得金額等の要件は62万円以下(改正前:58万円以下)に変更
例えば、アルバイトで年収155万円(令和8年分)のケースを考えてみましょう。このアルバイトの人の年収155万円から給与所得控除74万円を差し引くと、合計所得金額は81万円となります。
合計所得金額が81万円だと扶養親族や同一生計配偶者の所得要件(62万円以下)を超えているため、このアルバイトを扶養する人は扶養控除や配偶者控除は使えません。しかし配偶者特別控除は使えます。
このように、給与収入178万円以下であれば本人の所得税はかかりませんが、年収が一定額を超えると扶養に入れない可能性がでてきます。アルバイトを雇用する際には、本人の希望や事情を把握し、労働時間や勤務シフトを調整することが重要です。
4-4. 特定親族特別控除の対象になる可能性がある
特定親族特別控除とは、特定親族がいる場合に最大63万円の所得控除を受けられる制度です。特定親族とは、生計を一にする19歳以上23歳未満の親族で、一定の所得要件を満たす人(配偶者や青色事業専従者などを除き、いわゆる里子を含む)をいいます。
令和8年度税制改正により、特定親族の所得要件は次のとおり見直されます。
- 合計所得金額:62万円超123万円以下(改正前:58万円超123万円以下)
- 給与収入のみの場合:136万円超197万円以下(改正前:123万円超188万円以下)
また、合計所得金額が85万円以下(給与収入のみの場合は159万円以下)であれば63万円の控除を受けられますが、これを超えると控除額は所得に応じて段階的に減少します。
今回の改正では、給与所得控除の最低保障額の引き上げもおこなわれたため、扶養親族と特定親族のいずれに該当するかや、特定親族特別控除の適用の有無・控除額の判定に影響があります。
あわせて、令和8年分の年末調整で使用する「基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書」の様式も変更されます。年末調整を円滑に進めるため、従業員には新しい様式の記載方法を事前に周知しておくとよいでしょう。
参考:変更を予定している年末調整関係書類(事前の情報提供)|国税庁
関連記事:特定親族特別控除とは?適用要件・控除額や令和8年分の変更点をわかりやすく解説
4-5. 学生アルバイトは勤労学生控除の適用漏れに注意
勤労学生控除とは、自身が勤労学生に該当する場合に27万円の所得控除が受けられる制度です。勤労学生とは、勤労による所得があり、一定の所得要件を満たしたうえで、特定の学校に通う学生をいいます。
アルバイトをしている学生が対象となるケースが多く、令和8年度税制改正により、所得要件は次のように見直されます。
- 改正後:合計所得金額89万円以下(給与収入のみの場合は163万円以下)かつ、勤労による所得以外の所得が10万円以下
- 改正前:合計所得金額85万円以下(給与収入のみの場合は150万円以下)かつ、勤労による所得以外の所得が10万円以下
なお、勤労学生に該当する場合は、合計所得金額が89万円以下であり、基礎控除(104万円)だけで課税所得がゼロとなるため、所得税については勤労学生控除を適用しなくても税額は発生しません。
一方で、住民税の基礎控除は最大43万円のままであるため、勤労学生控除を適用しないと住民税の負担が生じる可能性があります。また、毎月の給与から源泉徴収する所得税の計算では、勤労学生は扶養親族等の人数を1人加算して税額を算定します。
そのため、従業員が勤労学生に該当する場合は、扶養控除等申告書にその旨を正しく記載してもらうことが重要です。年末調整の対象外などで確定申告をおこなう場合は、勤労学生控除の適用漏れがないよう、申告時に忘れず記載するよう案内するとよいでしょう。
参考:令和9年度以降適用される市民税・県民税に関する主な税制改正|名古屋市
5. アルバイトの年末調整に必要な書類と手続き方法


アルバイトの年末調整でも正社員と同様の書類を用います。対象の従業員がいる場合、対応に漏れが発生しないよう用意が必要になる書類をあらかじめ確認しておきましょう。
5-1. 正社員同様に必要な書類
年末調整に必要となる主な書類は次の3種類です。
- 扶養控除等申告書
- 保険料控除申告書
- 基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書兼 所得金額調整控除申告書
扶養控除等申告書は、その年最初の給与を受け取るまでに提出することが義務づけられています。新規入社したアルバイトは入社時に書類を記入してもらうことが一般的です。
その他の2点の書類は毎年11月頃に年末調整の対象従業員へ配布し、必要事項を記入してもらったうえで回収します。なお、翌年分の扶養控除等申告書も合わせて配布し、他の書類と合わせて提出してもらいましょう。
なお、転職や再就職により、前職分も含めて年末調整をおこなう場合には、前職の源泉徴収票も提出してもらう必要があります。
関連記事:年末調整の必要書類一覧|記載する内容や書類の入手方法を徹底解説
5-2. 前職の源泉徴収票がない場合の手続き
従業員の中には「源泉徴収票を受け取っていない」または「紛失してしまった」という人もいるかもしれません。その場合は、前職の職場に問い合わせて再発行してもらいましょう。
源泉徴収票の発行は会社の義務であるため、断ることはできません。また、退職した元従業員から発行依頼があった場合も、対応する義務があります。
前の職場が倒産してしまった場合は、破産管財人に源泉徴収票の交付義務があります。再発行についても受け付けてもらえる可能性があるため、紛失してしまった場合は確認してみましょう。
なお、前職の源泉徴収票が提出されない場合は、自社で支払った給与のみを対象として年末調整をおこないます。この場合、所得税を正しく精算するため、従業員本人による確定申告が必要になることもあるので注意しましょう。
参考:「源泉徴収票不交付の届出書」を提出される前に、ご確認ください。|国税庁
関連記事:年末調整で源泉徴収票を提出しない従業員の対応方法とは?書類が必要な理由を解説
5-3. 従業員の年末調整を忘れてしまった場合の手続き
年末調整を適切におこなうには、対象者を漏れなく把握し、必要書類を期限までに提出してもらうことが重要です。
万が一、会社が年末調整を実施していなかった場合は、法令違反となり、ペナルティを受けるおそれがあります。期限を過ぎていても、気づいた時点で速やかに税務署や税理士などへ相談し、年末調整の手続きを進めましょう。
一方、従業員が必要書類を提出しなかった場合や、申告内容に誤りがあった場合は、確定申告によって税額を精算できることがあります。ただし、年末調整も確定申告もおこなわないと、従業員に延滞税や加算税が課される可能性もあります。
確定申告は従業員の負担となるため、会社は年末調整の必要性や、未提出時の対応についてあらかじめ十分に案内しておくことが大切です。
関連記事:年末調整を忘れた場合に発生する問題と対処法をわかりやすく解説
6. 短期バイトや掛け持ちバイトの年末調整のやり方


アルバイトの年末調整を複雑にする要因として、短期間での就業や複数の職場の掛け持ちが挙げられます。ここでは短期のアルバイトや複数の職場を掛け持ちしているアルバイトの年末調整について解説します。
6-1. 短期バイトの年末調整は源泉徴収票をチェック
短期間のアルバイトを繰り返している場合でも、その年に勤務した会社の源泉徴収票と扶養控除等申告書を提出していれば、年末に在職する会社で年末調整を受けられます。
一方、年末時点で退職しているアルバイトには、速やかに源泉徴収票を発行して自宅へ郵送しましょう。年末に別の勤務先へ在職している場合は、その勤務先で年末調整を受けられます。
関連記事:源泉徴収票の発行の仕方とは?いつ発行するか、どこでもらえるか解説
6-2. 掛け持ちの場合はメインとなる職場を聞き取る
複数の職場を掛け持ちしているアルバイトに対しては、どこがメインの職場になるのかの聞き取りが必要です。原則として最も収入が多い職場がメインの職場となりますが、特定の基準はないので従業員本人が自身で判断します。
掛け持ちで2ヵ所以上の会社から支払いを受けている場合、メインの職場の収入については扶養控除等申告書を出しているため年末調整が実施されますが、それ以外の会社の収入については収入金額次第では本人が確定申告をしなければなりません。
関連記事:年末調整を2箇所でしてしまったら?ダブルワークの注意点と正しい対処方法を解説
7. アルバイトの年末調整はミスが多いので慎重な処理が必要


年収が少ない従業員だからといって、必ずしも年末調整が不要ということではありません。複数の職場を掛け持ちしていることも多いアルバイトの年末調整は、ある意味で正社員以上に確認事項が多いといえます。所得税を正しく納めるためにも、各種要件をしっかり確認し、適切な手続きをおこないましょう。



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