健康保険厚生年金保険被保険者資格取得届とは?手続きの流れや注意点 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

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健康保険厚生年金保険被保険者資格取得届とは?手続きの流れや注意点

男性とチェックボックス

従業員の採用時に欠かせない「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」ですが、法改正による適用範囲の拡大や雇用形態の多様化、電子申請の普及などにより、実務が年々複雑になっています。

提出は法令で義務付けられており、原則として入社日から5日以内という短い期限内に正しく手続きを終えなければなりません。この記事では、健康保険や厚生年金保険の被保険者資格取得届の記入項目や手続き方法、提出時に注意しなければならないポイントを詳しく解説します。

関連記事:社会保険とは?企業や従業員の加入条件や手続き方法、適用拡大など注意点を解説

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1. 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届とは?

被保険者資格取得届

出典:被保険者資格取得届|厚生労働省

健康保険および厚生年金保険の「被保険者資格取得届」とは、従業員を採用した際に、社会保険の加入要件を満たす場合に作成・提出が必要となる書類のひとつです。提出は法令で義務付けられているので、該当する従業員については必ず手続きをおこなわなければなりません。

被保険者資格取得届に対し、従業員が退職または死亡したときに作成する書類を「被保険者資格喪失届」とよびます。

本章では、健康保険や厚生年金保険の被保険者資格取得届に記入する項目と健康保険や厚生年金保険の適用事業所を解説します。

1-1. 社会保険資格取得届との違い

「社会保険資格取得届(社会保険被保険者取得届)」という言葉は一般的な呼称であり、多くの場合は「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」を指します。

つまり、両者に制度上の明確な違いがあるわけではなく、「社会保険」という広い枠組みの中に健康保険と厚生年金保険が含まれていることから、便宜的な略称として用いられているに過ぎません。

ただし、実際に書類を提出する際には、正式名称である「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」を使用する必要があります。

なお、「社会保険資格取得届」という表現が「雇用保険被保険者資格取得届」を指す可能性も完全には否定できません。そのため、この用語を使用する際は、具体的にどの書類を意味しているのかを事前に確認することが重要です。

関連記事:社会保険被保険者資格取得届とは?書き方や提出先、添付書類について解説

1-2. 被保険者資格取得届の記入項目9つ

被保険者資格取得届の記入項目は次の9点です。被保険者資格取得届の作成にあたって、人事担当者の方は必ず確認しておきましょう。

  • 事業所番号
    事業所が健康保険および厚生年金保険の適用対象となった際、年金事務所より交付された5桁の番号を記載します。
  • 被保険者の氏名・生年月日
    被保険者となる従業員の氏名や生年月日(和暦)を記載します。
  • 種別(性別)
    次の通り、被保険者となる従業員の種別(性別)を記載します。

厚生年金基金の加入状況

性別

種別

厚生年金基金に未加入

男性

1

女性

2

坑内員※鉱業法に該当する事業所の場合

3

厚生年金基金に加入

男性

5

女性

6

坑内員※鉱業法に該当する事業所の場合

7

  • 取得区分
    被保険者となる従業員が、厚生年金保険に加入したことがない場合は「新1」、前職で加入している場合は「再2」を記載します。
  • 個人番号
    被保険者となる従業員のマイナンバーを記載しますが、基礎年金番号でも対応は可能です。
  • 資格取得年月日
    被保険者となる従業員の入社日を記載します。
  • 報酬月額
    「イ」の欄には基本給や残業手当など、通貨で支払われるすべての報酬を、「ウ」の欄には金銭以外の形式の給与を記載します。
  • 被扶養者の有無
    被保険者となる従業員の扶養家族の有無を記載します。
  • 郵便番号・被保険者住所
    被保険者となる従業員の住所および郵便番号を記載します。マイナンバーを記載した場合には不要です。

参考:記入例|日本年金機構

1-3. 被保険者資格取得届の適用事業所2つ

健康保険および厚生年金保険では、事業所は「強制適用事業所」と「任意適用事業所」の2種類に区分されます。

強制適用事業所とは、法人の事業所、または従業員が常時5人以上いる個人事業所(農林漁業、サービス業などを除く一定の業種)を指します。これらの事業所は健康保険および厚生年金保険に必ず加入しなければなりません。

なお、2025年6月に成立した年金制度改正法により、2029年10月からは、常時5人以上の従業員を雇用する個人事業所について、業種を問わず適用対象が拡大されます。ただし、2029年10月の施行時点ですでに存在している事業所については、当面の間は適用対象外とされます。

任意適用事業所とは、強制適用事業所以外の事業所を指します。事業主が申請し、厚生労働大臣の認可を受けた場合、任意適用事業所であっても健康保険や厚生年金保険に加入できます。

いずれの場合も、要件に該当した際には速やかに必要な手続きをおこなう必要があるため、自社がどの区分に該当するかを事前に確認しておくことが大切です。

参考:適用事業所と被保険者|日本年金機構
参考:社会保険の加入対象の拡大について|厚生労働省

関連記事:社会保険適用事務所とは?適用拡大を受けた社会保険加入要件や遡及適用について解説

2. 被保険者資格取得届の手続きのポイント

仕事をする人

健康保険や厚生年金保険の被保険者資格取得届をスムーズに提出するため、あらかじめ手続きの流れを確認しておくことが大切です。また、流れを確認するだけでなく、それぞれの提出時期や提出先なども把握しておく必要があります。

ここでは、被保険者資格取得届の提出時期や提出先、提出方法、必要書類などのポイントについて、それぞれの注意点も含めてわかりやすく解説します。

2-1. 被保険者資格取得届の提出時期

被保険者資格取得届の提出期限は、原則として被保険者資格を取得した日、つまり従業員の入社日から5日以内です。この期限は法令で定められているので、月末や繁忙期には手続きが遅れないよう注意が必要です。なお、試用期間中であっても、実態として雇用関係が成立していれば、その日が資格取得日となります。

期限を過ぎた場合でも届出自体は可能ですが、資格確認書の発行が遅れ、医療機関の受診時に従業員が医療費を一時的に自己負担しなければならない場合があります。

このように提出期限が短いため、迅速な対応が重要です。あらかじめ内定承諾の段階で、マイナンバーの提供や年金手帳・基礎年金番号通知書の有無を確認しておくことで、手続きをスムーズに進められるでしょう。

2-2. 被保険者資格取得届の提出先

被保険者資格取得届の提出先は、加入している健康保険の種類によって異なります。全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入している場合は、健康保険・厚生年金保険ともに、日本年金機構の年金事務所へ提出します。

一方、健康保険組合に加入している場合は、厚生年金保険については年金事務所へ、健康保険については各健康保険組合へ提出します。

2-3. 被保険者資格取得届を提出する方法

被保険者資格取得届の提出方法には、窓口持参・郵送・電子申請の3つがあります。窓口や郵送による手続きは、移動や書類準備に時間やコストがかかりやすいです。

そのため、近年では電子申請の活用が一般的になっています。電子申請の方法としては、「e-Gov」や届書作成プログラムのほか、民間の労務管理ソフトを利用する方法があります。

なかでも、労務管理ソフトを活用し、GビズIDによる法人認証をおこなうことで、場所や時間にとらわれず効率的に手続きを進めることが可能です。この方法を用いれば、日本年金機構(協会けんぽ)や各健康保険組合への申請を一元的におこないやすくなり、実務の負担軽減にもつながります。

参考:事業所向けオンラインサービス(申請、各種情報・通知書の受け取り)|日本年金機構

参考:加入事業所のみなさまへ「電子申請について」|東京都皮革産業健康保険組合

2-4. 被保険者資格取得届の必要書類

「被保険者資格取得届」は、被保険者となる従業員1人につき1部を用意する必要があります。

そのほか、原則として添付書類は求められませんが、60歳以上の従業員を退職後1日も空けずに再雇用する場合は、次の1と2両方、または3の書類提出が必要です。

  1. 就業規則、退職日が確認できる退職辞令の写し
  2. 継続して再雇用されたことが確認できる雇用契約書の写し
  3. 「退職日」及び「再雇用された日」を事業主が認めた書類(証明書)

60歳以上の従業員を定年退職後に継続して再雇用する場合は、いったん使用関係が終了したものと取り扱い、被保険者資格の喪失および再取得の手続きをおこなうことが認められています。

この取り扱いにより、保険料算定の基礎となる標準報酬月額は、再雇用後の給与に基づいた金額へと見直すことが可能です。なお、この制度を適用する際には、被保険者資格喪失届と被保険者資格取得届の双方を提出する必要があるため、手続き漏れに注意しましょう。

また、国民健康保険組合に加入している従業員が、健康保険についてのみ適用除外の承認を受けたい場合は、「健康保険被保険者適用除外承認申請書」の提出が求められます。

参考:2-8: 60歳以上の方を、退職後1日の間もなく再雇用したとき|日本年金機構
参考:2-1:従業員を採用したとき|日本年金機構

関連記事:健康保険厚生年金保険被保険者資格喪失届とは?提出方法や記入例を解説

2-5. 被保険者資格取得届の提出後の流れ

被保険者資格取得届を提出すると、年金事務所や健康保険組合で内容の確認がおこなわれます。問題がなければ資格取得が決定され、「被保険者資格取得確認及び標準報酬決定通知書」が交付されます。

事業主は、従業員に資格取得が完了した旨を通知するとともに、必要に応じて速やかに資格確認書を従業員へ交付します。その後は、毎月の給与から社会保険料を算出し、控除していくことになります。

なお、資格取得の手続きが完了するまでには、一般的に1週間~2週間程度を要します。その間に医療機関を受診する必要がある場合は、事前に状況を確認したうえで、健康保険被保険者資格証明書の発行手続きをすることも検討するとよいでしょう。

参考:従業員に健康保険被保険者資格証明書を交付するときの手続き|日本年金機構

関連記事:社会保険料の計算方法とは?計算例を交えて給与計算の注意点や条件を解説

3. 健康保険や厚生年金保険の被保険者資格取得届の手続きで注意すべきポイント

ポイントをゆびさす

ここでは、健康保険や厚生年金保険の被保険者資格取得届の手続きで注意すべきポイントを紹介します。

3-1. 基礎年金番号またはマイナンバーが不明な場合の対応方法

被保険者資格取得届を作成する際は、被保険者となる従業員の基礎年金番号またはマイナンバー(個人番号)を記載する必要があります。基礎年金番号は、従業員が保有する年金手帳や基礎年金番号通知書で確認できます。

これらの書類を紛失している場合は、「基礎年金番号通知書再交付申請書」を日本年金機構へ提出することで再発行が可能です。なお、現在は年金手帳の新規発行は終了しており、再発行されるのは基礎年金番号通知書となります。

基礎年金番号が不明な場合は、マイナンバーを記載しましょう。マイナンバーは、マイナンバーカードや通知カード、個人番号が記載された住民票の写しなどで確認できます。なお、マイナンバーの提供を受ける際には、不正利用や誤登録を防止するため、番号確認および身元確認の本人確認措置を適切におこなう必要があります。

参考:7-2:基礎年金番号通知書の再交付を受けようとするとき|日本年金機構

3-2. 70歳以上の従業員を採用した場合「70歳以上被用者」の手続きをおこなう

厚生年金保険の被保険者資格は原則として70歳までですが、次のすべての条件を満たす従業員を採用した場合には、70歳以上であっても「70歳以上被用者」としての手続きが必要です。

  • 70歳以上の従業員
  • 過去に厚生年金保険の被保険者であった期間がある
  • 厚生年金保険法第27条に規定する適用事業所に雇用(法人事業所の事業主を含む)、かつ同法第12条各号に該当しない者

この場合は「70歳以上被用者該当届」を提出します。届出には「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」と同一の様式を使用しますが、記入区分が異なる点に注意が必要です。

なお、70歳以上の者は厚生年金保険の被保険者とはならないため、保険料の徴収はありません。しかし、在職老齢年金の支給停止の判定対象となるので、届出が必要となります。

参考:就職したとき(健康保険・厚生年金保険の資格取得)の手続き|日本年金機構

関連記事:70歳以上の従業員の社会保険を解説!必要な手続きや注意点とは

3-3. 外国籍の場合は別途必要な書類がある

外国籍の従業員を採用した場合は、通常の被保険者資格取得届に加えて、在留カードやパスポートの写しなどの追加書類の添付が必要になることがあります。特に在留資格の種類や期間は健康保険・厚生年金の加入要件に影響するため、正確な確認が不可欠です。

また、個人番号と基礎年金番号が結びついていない場合は「厚生年金保険被保険者ローマ字氏名届」も合わせて提出しなくてはいけません。

氏名や生年月日、ローマ字表記に誤りがあると届出が受理されない可能性があるため、各種書類の記載内容と公的書類の情報が一致しているかも必ず確認しましょう。

なお、電子申請によって被保険者資格取得届の手続きをおこなう際は、電子添付書類として画像ファイル(PDF形式またはJPEG形式)での提出も認められています。

参考:外国人従業員を雇用したときの手続き|日本年金機構

3-4. パート・アルバイトも条件を満たせば被保険者資格取得届の提出が必要

正社員に限らず、パート・アルバイトとして働く従業員であっても、一定の条件を満たす場合には健康保険や厚生年金保険への加入が必要です。短時間労働者の主な加入要件は、次の通りです。

  • 従業員数が51人以上の企業であること(企業規模要件)
  • 月額賃金が88,000円以上であること(賃金要件)
  • 週の所定労働時間が20時間以上であること
  • 2ヵ月を超える雇用見込みがあること
  • 学生でないこと

なお、2025年6月に成立した年金制度改正法により、これらの要件は今後段階的に見直されます。企業規模要件については、2027年10月に「従業員数36人以上」へ引き下げられた後、2029年・2032年と段階的に縮小され、2035年10月には撤廃される見込みです。また、賃金要件については、2026年10月に撤廃が予定されています。

このような制度改正により、短時間勤務の従業員にも社会保険の適用が広がることが想定されます。要件に該当する従業員がいる場合は、被保険者資格取得届の提出が必要となるので、早めに対応体制を整えておくことが重要です。

参考:社会保険の加入対象の拡大について|厚生労働省

関連記事:「年収の壁」撤廃はいつから?103万円・106万円それぞれの廃止時期を解説

3-5. 扶養に入れる場合は「健康保険被扶養者届(国民年金第3号被保険者関係届)」も提出する

従業員の「被保険者資格取得届」を提出する際には、その家族を扶養に入れる手続きもあわせておこなうのが一般的です。扶養の手続きをおこなうことで、被扶養者は保険料の自己負担なく、健康保険や国民年金の適用を受けられるようになります。

例えば、親や子を健康保険の扶養に入れる場合は「健康保険被扶養者届」を、配偶者を第3号被保険者とする場合は「国民年金第3号被保険者関係届」の手続きが必要です。

なお、扶養に入るためには、収入要件や同一世帯であることなど一定の条件を満たす必要があります。手続きに漏れが生じないよう、あらかじめ要件を確認し、社内での手続きをマニュアル化しておくと安心です。

当サイトでは社会保険に関する資料を無料で配布しております。資料の内容としては、法改正の細かい内容や、資格取得時・喪失時双方の必須の対応などを解説しているため、社会保険の手続きで漏れが心配なご担当者様は、こちらから「社会保険の手続きガイド」をダウンロードしてご確認ください。

4. 健康保険・厚生年金保険の被保険者資格取得届の手続き方法を確認しておこう

チェックマーク

従業員の採用時などに必要な「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」は、社会保険の加入要件を満たす場合に法令で提出が義務付けられている重要な書類です。提出期限は入社日から5日以内と短いため、あらかじめマイナンバーなどの必要情報を確認し、迅速に手続きを進めることが求められます。

近年は電子申請の活用により、業務の効率化が図りやすくなっています。また、パート・アルバイトの適用拡大といった法改正が段階的に実施されるので、常に最新の要件を把握しておくことが不可欠です。確実な手続きをおこなうために、社内マニュアルの整備やシステムの導入を検討し、適切に対応できる体制を整えましょう。

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