雇用契約を更新しない場合の正当な理由と社員への伝え方 | jinjerBlog

雇用契約を更新しない場合の正当な理由と社員への伝え方

契約社員など有期雇用の労働者は、契約期間を過ぎれば雇用契約も終了するのが原則です。

しかし、雇用期間の定めが曖昧、雇用契約書に更新の有無や判断基準ついて記載がない、雇用の継続について労働者に期待をさせるような状況の場合、労働契約法第19条により、雇い止めが認められないケースもあります。

今回は、雇用契約を更新せず雇用契約を終了する際、雇い止めが認められるケースと認められないケースほか、雇い止めの従業員への伝え方についてご紹介いたします。

「入社手続き・雇用契約のペーパーレス化を徹底解説!」

デジタル化に拍車がかかり、「入社手続き・雇用契約の書類作成や管理を減らすために、どうしたらいいかわからない・・」とお困りの人事担当者様も多いでしょう。

そのような課題解決の一手として検討していきたいのが、入社手続き・雇用契約のペーパーレス化です。

システムで管理すると、雇用契約の書類を作成するときに、わざわざ履歴書を見ながら書類作成する必要がありません。書類作成に必要な項目は自動で入力されます。

また、紙の書類を郵送する必要がないので、従業員とのコミュニケーションが円滑に進み、管理者・従業員ともに”ラク”になります。

入社手続き・雇用契約のペーパーレス化を成功させるため、ぜひ「3分でわかる入社手続き・雇用契約のペーパーレス化」をご参考にください。

1. 雇用契約を更新しない正当な理由

有期雇用契約においては、引き続き雇用関係を更新しない限り、契約期間満了とともに雇用契約も終了します。

契約更新をしないことについて、労働者からその理由について証明書を請求された場合は、使用者(雇用主)は速やかに証明書を交付しなければなりません。証明書に記載する「雇い止めの理由」には、契約期間満了以外の理由を明示する必要があります。

雇用契約を更新しない理由の例としては、次のようなものがあります。

  • 本契約を更新しないことについて、前回契約更新時に合意されていたため
  • 本契約が、契約締結の際に設けられた更新回数の上限にかかわるため
  • 担当業務が終了・中止したため
  • 事業縮小のため
  • 業務を遂行する能力が不足していると立証されたため
  • 職務命令に対する違反行為、無断欠勤などの勤務不良がみられるため

1-1. 雇い止めの効力が認められるかどうかは契約関係の状況に左右される

契約期間満了による雇用契約の終了について、原則通り雇い止めが有効かどうかは、労使間の契約関係の状況が重要なポイントです。

過去の有期雇用契約の雇い止め判例によると、次のような「純粋有期契約タイプ」であれば、雇い止め理由が正当かどうかにかかわらず、雇い止めの効力が認められます。

  • 業務内容が臨時的な事案である。または契約上の地位が臨時的・一時的なものである
  • 労使間において、期間満了によって契約関係が終了することに明確な認識がある
  • 更新の手続きが明示された判断基準によって厳格に行われている
  • 更新回数が少なく、通算契約期間が短い
  • 同じような地位の労働者について、過去に雇止めの事例がある

2. 契約を更新しない場合に会社がおこなう手続き

2-1. 契約締結時の明示事項

『契約締結時の明示事項』は、更新の有無や判断基準を雇用契約書に記載することです。会社は労働者を雇い入れる際に、更新について労働者に下記の項目を明確化しなければなりません。

①更新の有無の明示

明示すべき「更新の有無」の具体的な内容は、以下の3つが挙げられます。

  • ①自動的に更新する
  • ②更新する場合があり得る
  • ③契約の更新はしない

②判断の基準の明示

明示すべき「判断の基準」の具体的な内容は、以下の5つが挙げられます。

  • ①契約期間満了時の業務量により判断する
  • ②労働者の勤務成績、態度により判断する
  • ③労働者の能力により判断する
  • ④会社の経営状況により判断する
  • ⑤従事している業務の進捗状況により判断する

③その他留意すべき事項

トラブルを未然に防止する観点から、使用者から労働者に対して書面で明示することが重要になります。

これはアルバイトやパートの立場であっても同様です。

アルバイトやパート採用であっても、労働法を遵守した雇用契約書をできるだけ取り交わしましょう。

関連記事:アルバイト採用でも雇用契約書は必要?書き方の基本や注意点

関連記事:雇用契約を更新する手順|従業員に対して実施すべき具体的対応を解説

2-2. 雇止めの予告・明示理由

1年以上継続雇用されている、または、3回以上更新されて働いている労働者には、『雇い止めの予告(解雇予告)』が必要です。

雇い止め予告は、契約を解除する30日前までに労働者に伝えなければなりません。

また雇止めをする場合は、『契約締結時の明示事項』は、更新の有無や判断基準を雇用契約書に記載することです。

会社は労働者を雇い入れる際に、更新について労働者にきちんと説明しなければなりません。

2-3. 契約期間についての配慮

有期労働契約は、契約期間が終了したからといって、簡単に契約を打ち切ることはできません。

厚生労働省の「有期労働契約の締結、及び雇止めに関する基準について」には、下記のように記載されています。

有期雇用契約の締結、及び雇止めに関する基準について

使用者は、契約を1回以上更新し、かつ、1年を超えて継続して雇用している有期契約労働者との契約を更新しようとする場合は、契約の実態及びその労働者の希望に応じて、契約期間をできる限り長くするよう努めなければなりません。

企業は、1年を超えるような契約については契約期間等に配慮する義務があります。

3. 雇用契約を更新しないことを認められないケース

有期雇用契約であっても、次のようなケースの場合、労働契約法 第19条の適用により、客観的・合理的な理由に欠け、社会通念上の相当性が認めらないと判断され、雇い止めができません。

雇い止めが認められない場合は、以前と同じ労働条件のもと、有期雇用契約を更新することになります。

3-1. 実質的に無期契約と変わらない状態である場合

該当労働者の勤務実態が、次のような場合は、実質無期契約となっていたと判断されます。

  • 業務内容や地位、職責が、正社員とほぼ変わらない場合
  • 更新回数が非常に多く、契約期間の通算が長い場合

雇い止めが認められるには、正社員と同等、またはそれに近い正当性が求められることが多いケースです。使用者が主張する雇い止めの理由が次のようなものであれば、雇い止めは無効となる可能性が高いでしょう。

  • 契約期間満了以外の理由が明示されない
  • 勤務不良を理由にしているが、勤務不良の内容や程度の基準があいまい。客観性・合理性に欠けるうえ、これまでに警告を一度も行っていない
  • 契約更新をしない理由が経営不振であるが、「整理解雇の4要件」を全て満たしていない

3-2. 雇用継続への期待が合理的である場合

通常、雇用契約の更新は、期間満了時に改めて契約を締結します。更新するかどうかは、使用者と労働者、双方の合意のもとで決定するものです。

しかし、有期雇用契約であっても、更新手続きが完全に形骸化し、反復更新によって長期雇用されているケースがあります。

このような場合は、以下のような判断基準のもと、雇い止めが無効となる可能性があります。

  • 業務内容や種類が臨時的・季節的でなく、恒常的なものである
  • 契約上の地位が正社員とほぼ変わらない
  • 反復更新の有無や回数、通算の勤続年数
  • 契約更新手続が厳格に行われていたか
  • 使用者から雇用継続の期待を持たせる言動があったか
  • 同様の職責・地位の労働者について、雇い止めの事例があるか
  • 勤続年数や年齢に上限設定があるか

また、有期雇用契約が繰り返し更新され、契約期間の通算が5年を超えた場合、労働者は期間の定めのない雇用契約への転換を申し込めましす。

使用者は労働者に対し、無期間雇用への転換の権利が発生したことを告知する義務があります。

4. 雇用契約を更新しないことの従業員への伝え方

雇用契約を更新しないことを従業員へ伝える場合は、本人と直接面談を行います。従業員の今後の生活や転職活動を考慮し、面談はできれば契約満了1ヶ月前に行いましょう。

契約更新を3回以上、または雇用期間の通算が1年を超える有期雇用契約者に関しては、契約期間満了日の30日前に雇い止め予告をしなければなりません。

面談の結果、従業員自身も更新を希望していない場合は、退職届または契約更新を希望しないことを明示した文書を提出してもらいます。

従業員が契約更新を希望している場合は、契約満了後の更新をしないことを告知します。

従業員に請求された場合、速やかに交付できるよう、雇い止め通知書は予め作成しておくことをおすすめします。

できれば契約不更新を告知した際に交付し、受領サインをもらっておきましょう。契約終了後のトラブル防止になります。

5. 契約時に契約更新・雇い止めに関する判断基準を明示しておくことが重要

有期雇用契約は、契約期間満了とともに契約が終了するため、契約不更新による雇い止めは違法ではありません。

しかし、一定期間雇用を継続した労働者に対し、契約期間満了を理由に雇い止めを行うことは、労使間でのトラブルに発展する可能性もあります。

雇い止めをめぐるトラブルを防ぐためには、雇用契約書を取り交わす際、更新の有無や判断基準について、きちんと明示しておくことが重要です。

入社手続きのペーパーレス化で工数削減を実現
近年、人手不足などの背景から、バックオフィス業務の効率化が多くの企業から注目されています。 

入社手続き・雇用契約は、書類作成時に履歴書を見ながら入力する作業がありますし、従業員に記入ミスがあると、書類を送り直して、修正してもらう必要があり大変です。

「今まで担当者がどうにかしていたけど、この春から従業員数が増えて、人力には限界がある。。」とお悩みの方は、入社手続き・雇用契約のペーパーレス化を検討してみましょう。

ペーパーレス化をすると、入社手続きをオンライン上で完結することができます。ペーパーレス化を検討することで、

・多様な打刻方法により、テレワークなどの働き方に柔軟に対応できる
・リアルタイムで労働時間を自動で集計できるため、月末の集計工数が削減される
・ワンクリックで給与ソフトに連携できる

など、人事担当者様の工数削減につながります。

「導入を検討するといっても、何から始めたらいいかわからない」という人事担当者様のために、勤怠管理システムを導入するために必要なことを21ページでまとめたガイドブックを用意しました。

人事の働き方改革を成功させるため、ぜひ「勤怠管理システム導入完全ガイド」をご参考にください。