オンボーディング研修とは?メリットや注意点、実施する流れを解説
更新日: 2024.7.27
公開日: 2024.7.27
OHSUGI
「オンボーディング研修とはどういうもの?」
「オンボーディング研修の目的は?」
「オンボーディング研修を自社に導入するメリットは?」
上記のようにお悩みではありませんか。
オンボーディング研修は人材の定着に役立つ新人育成方法です。
本記事ではオンボーディング研修の概要や目的、実施ステップなどを詳しく解説します。人材がなかなか定着しない、早期離職が多いとお悩みの方は、ぜひご一読ください。
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
1. オンボーディング研修とは
オンボーディング研修とは、新入社員が早く職場環境に慣れられるよう配慮した形式の人材育成方法です。
集合研修とは別に個人に合わせて必要な技術や知識を提供したり、組織になじめるようサポートしたりします。
オンボーディング(on-boarding)とは英語で乗り物に乗っている状態のことです。新入社員を新しい乗務員にたとえています。自分たちの乗っている乗り物に慣れてもらうためのサポートを提供するイメージです。
2. オンボーディング研修の目的
オンボーディング研修の大きな目的は新入社員の早期離職の防止です。オンボーディング研修を実施することで人材の定着を目指します。
新入社員の早期離職は企業にとって非常に大きな損失です。人材の募集から採用まで、またさまざまな教育に多大なコストと時間がかかっています。時間をかけて人材を育てても、人材が定着しなければいつまでも採用活動を続けなければいけません。
オンボーディング研修では、個人が必要としている知識やサポートを提供することで「仕事が合わない」「組織になじめない」などのトラブルの予防に努めます。
また、オンボーディング研修では早く職場になじませることで成長の促進も可能です。
3. オンボーディング研修のメリット4つ
オンボーディング研修には以下のメリットがあります。
- コストの削減
- 生産性の向上
- チームの結束力向上
- 職場環境の改善
3-1. コストの削減
オンボーディング研修を上手に運用していけば、コストの削減が可能です。
新入社員の早期離職が発生すると、採用コストや教育コストが無駄になります。職場で活躍する前に離職するため、早期離職が続けば企業にとって大きな損失です。
オンボーディング研修で新入社員それぞれに最適なサポートを提供すれば、人材の定着を期待できます。長く真面目に働いてもらえる環境をしっかり整えることで、余計な採用コストや教育コストをカット可能です。
3-2. 生産性の向上
最適なオンボーディング研修を提供すれば、社員の生産性の向上にもつながります。
社員が能力を発揮するには働きやすい環境が必要です。オンボーディング研修により必要なサポートを提供すれば、社員が能力を発揮しやすい環境を作れます。
新入社員のできることが広がりさまざまなことが一人でできるようになれば、指導する先輩社員や上司も自分の業務に集中可能です。
オンボーディング研修の実施により新入社員の加入した職場全体の生産性の向上が期待できます。
3-3. チームの結束力向上
オンボーディング研修はチームの結束力向上にも貢献可能です。
オンボーディング研修では新入社員が即戦力になれるようチーム全体でサポートします。新入社員が加入する前の段階で業務の方針や考え方を共有・整理するため、結束力の向上を期待できます。
新入社員のまわりを中心にコミュニケーションの機会も増えるので、社員同士の交流も活発になるでしょう。
オンボーディング研修は単なる新入社員の教育ではなく、チーム全体の仲間意識や団結力の向上のきっかけにもなるのです。
3-4. 職場環境の改善
オンボーディング研修は職場環境の改善のきっかけにもなります。
オンボーディング研修で大切なのは新入社員が働きやすい環境を整えることです。質問しやすい環境を作ったり、信頼関係を構築するために積極的にコミュニケーションを取ったりします。
結果的に新入社員だけでなく全員にとってより働きやすい環境となり、社員の職場に対する満足度も向上するでしょう。
4. オンボーディング研修のデメリット2つ
オンボーディング研修は人材の定着を促進させる育成方法ですが、以下のようなデメリットもあります。
- 体制の構築に時間がかかる
- 既存社員の協力が得られなければ意味がない
4-1. 体制の構築に時間がかかる
オンボーディング研修は体制の構築に時間がかかります。実施を考えてすぐに実行できる研修ではないため、長期的な取り組みが必要です。
業務に必要な知識や技術の整理、マニュアルの作成など教育の準備そのものにも時間がかかります。加えてオンボーディング研修ではメンター制度や上司との1on1、懇親会など、多数の施策を実施するため、体制を構築するまで長期間の準備が必要です。
通常業務に加えてオンボーディング研修の準備をしていかなくてはいけないため、余裕のない職場ではさらに構築まで時間がかかるでしょう。
4-2. 既存社員の協力が得られなければ意味がない
オンボーディング研修は既存社員の協力がなければ成立しません。既存社員の協力が得られない場合、オンボーディング研修を成功させるのは非常に難しいでしょう。
既存社員の協力を得るには、なぜオンボーディング研修が必要なのか、既存社員にどのようなメリットがあるのか説明することが大事です。研修を導入する前にしっかり社員に説明し、全員の協力が得られるようにしましょう。
5. オンボーディング研修を実施するステップ・流れ
オンボーディング研修は主に以下の流れで実施します。
- 目標・プランの設定
- 体制の構築
- プランの見直し
- オンボーディング研修の実施
- 振り返り
5-1. 目標・プランの設定
研修を通して身につけてほしい能力や知識、なっていてほしい姿などを設定します。
いつまでにどの程度成長することを求めるかのおおまかなスケジュールも設定しましょう。1ヵ月や半年、1年など期間ごとにゴールを決めてください。ゴールは理想が高いと新入社員のプレッシャーとなるため、現実的なものを設定しましょう。
5-2. 体制の構築
新入社員の直属の上司や配属先、その他関係のある部署にもオンボーディング研修の実施を連絡しましょう。なるべく多くの社員に関わってもらうことでより充実した研修を実施できます。
オンボーディング研修の実施にあたり業務の調整が必要な社員がいれば、研修期間中の業務を軽減するなど配慮しましょう。
5-3. プランの見直し
体制の構築ができたら改めてプランを見直します。研修に関わるさまざまな社員に見てもらい、足りない事項や現場からの意見があれば修正しましょう。
5-4. オンボーディング研修の実施
プランが決定したらオンボーディング研修のスタートです。始めはなかなか思う通りに進まないかもしれませんが、次回の研修に活かせるよう改善点をメモしてください。
また、オンボーディング研修を導入したばかりの場合は新入社員にも伝えておくとよいでしょう。何か気づいたことがあれば共有してもらうことでより良い研修を実施できます。
5-5. 振り返り
オンボーディング研修の期間が終了したら、新入社員や直属の上司、その他の関わった社員にヒアリングを実施しましょう。
よかった点や悪かった点、今までの体制と比べて何か気づいたことなどがあれば共有してもらい、次回以降の研修に役立ててください。
6. オンボーディング研修を実施するときのポイント3つ
オンボーディング研修を実施するときは、以下のポイントを意識しましょう。
- 信頼関係の構築をサポートする
- スモールステップ法を導入する
- メンターを育成する
6-1. 信頼関係の構築をサポートする
人事部や採用担当者は新入社員が職場で信頼関係を構築できるようサポートしましょう。
信頼関係・良好な人間関係の構築はオンボーディング研修の重要な要素です。しかし、現場に余裕がなくなかなか新入社員とコミュニケーションを取れないこともあります。
チーム内で交流できるイベントや座談会などを企画し、信頼関係の構築をサポートしましょう。
6-2. スモールステップ法を導入する
新入社員が前向きに取り組めるようスモールステップ法を取り入れましょう。
スモールステップ法とは学習・目標のステップを細分化し、挫折や大きな失敗を防ぐ方法です。目標を細分化することで着実に前に進んでいる実感が持て、モチベーションの維持ができます。
オンボーディング研修のなかにスモールステップ法を取り入れ、達成感を味わえる研修にしましょう。
6-3. メンターを育成する
オンボーディング研修を実施する前にメンターを育成しましょう。
メンターは業務のことだけでなく人間関係など業務外の悩みの相談にも乗る存在です。優秀なメンターがいればより職場になじみやすくなるので、新入社員に近い立場社員のなかからメンターにふさわしい人材を探しましょう。
7. オンボーディング研修で人材を定着させよう
オンボーディング研修は新入社員の早期離職を予防する人材育成方法です。オンボーディング研修を導入すれば教育コストの削減や生産性の向上などが期待できます。
既存社員の協力など体制の構築には時間がかかりますが、しっかり体制を整えてから実践してみましょう。
人事評価制度は、健全な組織体制を作り上げるうえで必要不可欠なものです。
制度を適切に運用することで、従業員のモチベーションや生産性が向上するため、最終的には企業全体の成長にもつながります。
しかし、「しっかりとした人事評価制度を作りたいが、やり方が分からない…」という方もいらっしゃるでしょう。そのような企業のご担当者にご覧いただきたいのが、「人事評価の手引き」です。
本資料では、制度の種類や導入手順、注意点まで詳しくご紹介しています。
組織マネジメントに課題感をお持ちの方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
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