産後パパ育休の社会保険料免除の仕組み|免除条件と事例、手続きの注意点を解説
更新日: 2026.10.15 公開日: 2025.6.11 jinjer Blog 編集部

2022年より創設された産後パパ育休は「社会保険料は免除されるのか」「短期間の取得でも対象になるのか」など、疑問に感じている人事担当社も多いのではないでしょうか。
産後パパ育休の期間中は、通常の育休と同じく健康保険料や厚生年金保険料が免除されます。ただし、免除の判定にはいくつかの条件があるため、短期取得や分割取得の場合は判断に迷いやすい点に注意が必要です。
本記事では、産後パパ育休における社会保険料免除の仕組みや条件、具体的なケース、手続きのポイントまで、わかりやすく解説します。
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1. 産後パパ育休の社会保険料免除制度とは


産後パパ育休を取得した場合、手続きをすれば健康保険料(介護保険料および子ども・子育て支援金を含む)や厚生年金保険料(事業主全額負担の子ども・子育て拠出金を含む)の免除を受けられます。
免除条件を満たした月は、給与や賞与にかかるこれらの社会保険料が発生しません。また、免除されるのは従業員本人が負担する保険料だけでなく、企業が負担する保険料も含まれます。
なお、「産後パパ育休」とは、正式には出生後育児休業とよばれる制度で、子どもの出生後8週間以内に最大4週間(28日)まで取得できる育児休業です。2回まで分割して取得することができ、男性の育児参加を促す目的で設けられた制度です。
社会保険料が免除されるかどうかは、産後パパ育休の取得方法や期間によって判定されます。ここでは、社会保険料が免除される具体的な条件を見ていきましょう。
参考:産後パパ育休|厚生労働省
参考:男性の育児休業 ここがポイント|厚生労働省 群馬労働局
関連記事:産後パパ育休とは?育児休業との違いや申請方法、給付金について解説
1-1. 月々の社会保険料が免除される場合
産後パパ育休の期間中、次のいずれかの条件を満たす場合は、その月の給与にかかる社会保険料が免除されます。
- 月の末日が育児休業期間中である場合
- 同一月内で開始・終了した育児休業の期間が14日以上である場合
それぞれの条件を具体的に確認していきましょう。
1-1-1. 月の末日が育児休業期間であること
育児休業期間にその月の末日が含まれている月は、社会保険料免除の対象月となります。
例えば、産後パパ育休を「6月28日〜7月2日」の期間で取得した場合、6月30日が育休期間に含まれるため、6月分の社会保険料は免除となります。
なお、月の最終日のみ育休を取得した場合でも、月末を含んでいればその月の社会保険料は免除の対象です。ただし、月の最終日が休日の場合、その日のみを対象として育休を取得することはできないため注意しましょう。
1-1-2. 同一月内で取得(開始・終了)した育児休業が14日以上であること
育児休業の開始日と終了日が同一月内にある場合でも、休業期間が14日以上であれば、その月の社会保険料は免除されます。これは、産後パパ育休の創設とともに、短期間の育児休業でも社会保険料免除を受けられるよう、制度改正で整備されたものです。
例えば、産後パパ育休を「10月2日〜10月17日」の期間で取得した場合、育休期間は16日で「同一月内で14日以上」となるため、10月分の社会保険料が免除されます。
なお、この「14日」には、土日や祝日などの休日も含めてカウントされます。
1-2. 産後パパ育休中の賞与にかかる社会保険料が免除される場合
賞与にかかる社会保険料が免除されるのは、賞与月の末日を含んで連続1ヵ月を超える育児休業を取得する場合です。
しかし、産後パパ育休は最大でも28日間のため、産後パパ育休のみではこの条件を満たせません。そのため、賞与の社会保険料免除を受けるには、産後パパ育休の後に通常の育児休業を続けて取得する必要があります。
例えば、賞与月が2月の場合、
- 産後パパ育休:2月1日〜2月28日
- 育児休業:3月1日〜3月10日
のように連続して取得すると、賞与の社会保険料免除の対象となります。
賞与月に育休を取得していても、1ヵ月以下の場合は免除対象にならないため、取得期間の設計には注意が必要です。
2. 【ケース別】産後パパ育休の社会保険料免除となる期間


産後パパ育休期間中の毎月の給与にかかる社会保険料は、次のいずれかの条件を満たす場合に免除されます。
- 月末(その月の最終日)を育休期間に含んでいる場合
- 育休を開始した月に14日以上取得している場合
ここでは、これらの条件がどのように判定されるのか、具体的なケースで確認していきましょう。
2-1. 月初に産後パパ育休を開始するケース
月初に育休をスタートする場合は、「開始した月に14日以上の育休を取得しているかどうか」で免除の可否が決まります。
| 具体例 | 免除の可否 | |
|---|---|---|
| ケース1 | 開始日:7月2日 終了日:8月15日 ⇒7月に30日間の育休取得 |
7月分:○ |
| ケース2 | 開始日:7月2日 終了日:7月13日 ⇒7月に12日間の育休取得 |
7月分:× |
ケース1では、7月に30日間の育休を取得しているため、「開始月に14日以上取得」の条件を満たし、7月分の社会保険料が免除されます。
一方、ケース2では、7月の育休期間が7月2日〜7月13日までの12日間となり、「開始月に14日以上」の要件を満たさないため、社会保険料は免除されません。
2-2. 月をまたいで産後パパ育休を取得するケース
育休が月をまたぐ場合は、月の末日を含んでいる月が免除対象になります。
| 具体例 | 免除の可否 | |
|---|---|---|
| ケース1 | 開始日:7月31日 終了日:8月10日 |
7月分:○ 8月分:× |
| ケース2 | 開始日:7月31日 終了日:8月14日 |
7月分:○ 8月分:× |
ケース1では、7月31日(7月の末日)を育休期間に含んでいるため、7月分の社会保険料は免除されます。一方、8月は8月31日(8月の末日)を含んでおらず、8月は育休開始月でもないため免除対象にはなりません。
ケース2では、8月の育休期間が8月1日〜8月14日で14日間あるため、一見すると免除対象のように見えるかもしれません。しかし、社会保険料免除の「14日以上」の条件は育休を開始した月にのみ適用されます。育休の開始月は7月であるため、8月分の社会保険料は免除対象にはなりません。
2-3. 2回にわけて産後パパ育休を取得するケース
産後パパ育休は2回まで分割して取得ができます。分割の仕方によっては、複数月の社会保険料が免除されるケースもあります。
| 具体例 | 免除の可否 | |
|---|---|---|
| ケース1 | 1回目:4月16日~4月29日(14日間) 2回目:5月1日~5月14日(14日間) ※4月30日のみ復職して勤務 |
4月分:○ 5月分:○ |
ケース1では、4月と5月の育休の間に4月30日の出勤日があるため、育休はそれぞれ別の育休として扱われます。そのため、
- 4月:14日間→開始月14日要件を満たす
- 5月:14日間→開始月14日要件を満たす
となり、4月・5月ともに社会保険料が免除されます。
| 具体例 | 免除の可否 | |
|---|---|---|
| ケース2 | 1回目:4月3日~4月20日(18日間) 2回目:5月27日~5月31日(5日間) ※4月21日〜5月26日は復職して勤務 |
4月分:○ 5月分:○ |
ケース2では、
- 4月:18日間→開始月14日要件を満たす
- 5月:5日間→月末(5月31日)要件を満たす
となり、4月・5月ともに社会保険料が免除されます。
| 具体例 | 免除の可否 | |
|---|---|---|
| ケース3 | 1回目:4月16日~4月29日(14日間) 2回目:5月1日~5月14日(14日間) ※4月30日は有給休暇取得 |
4月分:○ 5月分:× |
ケース3では、5月分の社会保険料は免除されません。
なお、4月30日に有給休暇を挟んでいるため、育児休業自体は2回に分割して取得している扱いになります。
一方、1回目の育児休業終了後に勤務日を挟まず、有給休暇も取得しないで2回目の育児休業を開始した場合(ケース4)、社会保険料免除の判定において1回目と2回目の育児休業は「連続したひとつの育児休業」とみなされます。
そのため、ケース4では次のように判定されます。
- 4月:14日間→開始月14日要件を満たす
- 5月:14日間→開始月ではなく、月末要件も満たさない
結果として、4月分は社会保険料が免除されますが、5月分は免除されません。社会保険料免除の判定では、勤務日を挟まない場合、分割取得しても独立した育児休業として扱われない点に注意しましょう。
2-4. 産後パパ育休中に就労するケース
産後パパ育休中は、一定の条件のもとで就労が認められます。ただし、どのような就労かによって、社会保険料免除の判定方法が異なる点に注意が必要です。
- あらかじめ定めた「就労予定日」(※労使協定の締結が前提)
→当初から休業日ではないため、育休期間(14日間のカウント)から除外されます - 一時的・臨時的な就労(急な対応など)
→休業期間の変更をおこなわない限り、育休期間に含めてカウントされます
なお、「就労予定日」としてあらかじめ働く日を定められるのは、産後パパ育休にのみ認められている制度です。通常の育児休業では、原則的に休業期間中に就労することは想定されておらず、やむを得ない一時的・臨時的な就労のみ例外的に認められています。
この違いを踏まえて、具体例を見ていきましょう。
| 具体例 | 免除の可否 | |
|---|---|---|
| ケース1 | 開始日:7月2日 終了日:7月20日 ※7月8日のみ就労 ⇒育休期間18日間 |
7月分:○ |
| ケース2 | 開始日:7月2日 終了日:7月25日 ※7月8日〜10日に就労 ⇒育休期間21日間 |
7月分:○ |
| ケース3 | 開始日:7月2日 終了日:7月15日 ※7月8日のみ就労 ⇒育休期間13日間 |
7月分:×(1の場合) ○(2の場合) |
ケース1とケース2では、いずれも就労日を除いても14日以上の育休期間があるため、社会保険料は免除されます。
一方、ケース3では、7月2日〜7月15日で14日間ありますが、このうち7月8日が「1.事前に労使で合意された就労予定日」である場合は、その日は育休期間に含まれません。その結果、育休期間は13日となり、14日要件を満たさないため、社会保険料は免除されません。
ただし、「2.一時的・臨時的な就労」であれば、その日は育休期間に含まれるため、14日要件の判定には影響しません。
産後パパ育休中の就労は、労使協定の締結や事前の取り決めが前提となるため、就労の位置づけを明確にして運用することが重要です。
参考:産後パパ育休|厚生労働省
参考:○全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律による健康保険法等の改正内容の一部に関するQ&Aの送付について〔健康保険法〕|厚生労働省
関連記事:労使協定とは?労働協約・36協定との違い、締結方法などを解説
3. 産後パパ育休における社会保険料免除の手続き方法


産後パパ育休中の社会保険料免除を受けるためには、企業が年金事務所などへ届出をおこなう必要があります。手続きをおこなわない場合、免除要件を満たしていても社会保険料は免除されないため注意が必要です。
ここでは、社会保険料免除の手続き方法について、準備する書類・申請方法・申請期限の順に解説します。
参考:育児休業等を取得し、保険料の免除を受けようとするとき|日本年金機構
3-1. 準備する書類
従業員が産後パパ育休を取得する場合、原則として休業開始予定日の2週間前まで(労使協定がある場合は最長1ヵ月前まで)に事業主へ申し出てもらいます。
事業主は産後パパ育休における社会保険料免除の申請では、次の書類を作成・提出します。
【提出書類】
この書類は、日本年金機構のホームページからダウンロードできます。
なお、産後パパ育休は通常の育児休業と同様に「育児休業等」に含まれるため、産後パパ育休専用の様式はなく、同じ申出書を使用します。また、従業員が複数回に分けて産後パパ育休を取得する場合は、その都度申出書の提出が必要になる点にも注意しましょう。
関連記事:育児休業等取得者申出書の書き方・記入例や提出期限・方法をわかりやすく解説
3-2. 記入内容と申請先・申請方法
申出書には、主に次の内容を記入します。
【主な記入項目】
- 被保険者整理番号
- 被保険者氏名・生年月日・性別
- 被保険者マイナンバーまたは基礎年金番号
- 養育する子の氏名・生年月日
- 実子・養子の区分
- 育児休業等開始年月日
- 育児休業等終了予定年月日
日本年金機構のホームページには記入例も公開されているため、作成時の参考にするとよいでしょう。
参考:[育児休業等を新たに取得する場合]健康保険・厚生年金保険 育児休業等取得者申出書(記入例)|日本年金機構
【申請先】
- 事業所を管轄する年金事務所または事務センター
なお、健康保険組合に加入している企業の場合は、年金事務所に加えて、健康保険組合への提出も必要です。
【申請方法】
- 電子申請
- 郵送
- 窓口持参
近年は電子申請が推奨されており、e-Govと連携した労務管理システムを利用して提出する企業も増えています。
3-3. 申請期限
「育児休業等取得者申出書の提出期限」は、次のいずれかの期間です。
- 産後パパ育休の期間中
- 産後パパ育休終了後1ヵ月以内
産後パパ育休中にすぐ手続きをおこなわなければならないわけではありませんが、期限を過ぎないよう、できるだけ早めに対応することが重要です。
特に産後パパ育休は短期間で取得するケースも多く、申請を後回しにすると期限管理が難しくなります。従業員から申出があった段階で必要書類を準備し、育休開始後は速やかに提出できる体制を整えておくと安心です。
4. 産後パパ育休の社会保険料免除手続きのポイント


産後パパ育休では、社会保険料免除制度や給付金制度が組み合わさることで、従業員の経済的負担を大きく軽減できる仕組みになっています。人事担当者は、社会保険料だけでなく税金の取り扱いも含め、正しく理解しておくことが重要です。
ここでは、産後パパ育休における社会保険料免除の実務上のポイントを解説します。
4-1. 従業員の実質手取りが10割へ
従業員が産後パパ育休を取得する場合、雇用保険から支給される「出生時育児休業給付金」と、2025年4月から創設された「出生後休業支援給付金」を組み合わせることで、休業開始時賃金日額を基準として合計80%相当の給付を受給できます。
「出生後休業支援給付金」とは、子の出生直後の一定期間内に原則として本人と配偶者がそれぞれ14日以上の育児休業を取得した場合などに、出生時育児休業給付金などに上乗せして支給される給付制度です。
具体的な支給額は次のとおりです。
- 出生時育児休業給付金 = 休業開始時賃金日額 × 休業日数 × 67%
- 出生後休業支援給付金 = 休業開始時賃金日額 × 休業日数 × 13%
なお、出生時育児休業給付金および出生後休業支援給付金は、所得税・住民税が課税されません。また、社会保険料が免除され、休業中に給与の支給がない場合は雇用保険料の負担も生じません。
これらを踏まえると、休業期間中の手取り額は休業前の手取りベースで10割相当に近い水準となります。そのため、産後パパ育休は「収入が大きく減るのではないか」という不安を軽減し、男性の育児休業取得を後押しする制度としても注目されています。
関連記事:2025年4月創設|出生後休業支援給付金の対象者・金額・申請方法や対象者をわかりやすく解説
4-2. 社会保険料免除でも年金額は減らない
社会保険料が免除されると、「将来の年金額が減るのではないか」と心配する声も少なくありません。
しかし、育児休業等期間中の社会保険料免除では、保険料を納付したものとして扱われる仕組みになっています。そのため、健康保険料や厚生年金保険料が免除されていても、将来受け取る厚生年金の額が減ることはありません。
この点を事前に説明しておくことで、従業員が安心して産後パパ育休を取得しやすくなるでしょう。
4-3. 所得税や住民税との扱いの違いに注意
従業員が産後パパ育休中に給与や賞与を支払わない場合、原則として所得税の源泉徴収は不要です。ただし、その従業員が年末まで在籍しているのであれば、休業中であっても基本的に年末調整の対象者に含まれるので注意が必要です。
一方で、住民税は前年の所得に基づいて課税されるため、産後パパ育休中であっても、前年所得に対する住民税の支払いは継続して発生します。
給与からの天引きができない場合、普通徴収へ切り替える方法のほか、企業が立替納付して本人に請求する、または復職後の給与からまとめて徴収するといった対応も考えられます。
従業員から「育休中は税金もかからないのでは」と質問されることもあるため、社会保険料と税金の取り扱いの違いを整理して説明できるようにしておくとよいでしょう。
関連記事:産休・育休中の配偶者特別控除を忘れずに!年末調整手続きの注意点も解説
関連記事:住民税は産休・育休中でも納付する?払い方や育休明けの手続きも解説
5. 産後パパ育休明けの社会保険料に関連する手続き


産後パパ育休を終えて職場に復帰した後、時短勤務への変更などによって給与が下がることがあります。ここでは、産後パパ育休明けに必要となる可能性がある社会保険料関連の手続きを紹介します。
5-1. 育児休業等終了時報酬月額変更届を提出できる
産後パパ育休を終了した後、育児との両立のために時短勤務に変更するなどして給与が下がった場合は「育児休業等終了時報酬月額変更届」を提出できることがあります。
この制度を利用すれば、通常の随時改定の要件を満たしていない場合でも、育休終了後の報酬に応じて標準報酬月額を改定できます。ただし、改定前の標準報酬月額と比べて1等級以上の差があることなどの要件を満たす必要があります。
原則として、育休終了日の翌日が属する月以後3ヵ月間の報酬をもとに標準報酬月額を算定し、4ヵ月目から改定後の標準報酬月額が適用されます。これにより、実際の給与水準に応じて社会保険料の負担を早めに見直せる可能性があります。
関連記事:育児休業等終了時報酬月額変更届とは?提出方法やデメリットをわかりやすく紹介
5-2. 養育期間標準報酬月額特例申出書もあわせて提出する
産後パパ育休明けに「育児休業等終了時報酬月額変更届」を提出すると、標準報酬月額が見直され、将来の年金額が減少する可能性があります。
このような場合は「養育期間標準報酬月額特例申出書」を提出することで、年金額への影響を抑えられることがあります。この特例は、3歳未満の子を養育している期間中に標準報酬月額が養育開始月の前月より低下した場合に利用できる制度です。
特例が適用されると、将来の年金額の計算では、養育開始前の標準報酬月額を基準として扱えます。そのため、現在の社会保険料負担を抑えつつ、将来の厚生年金額の減少を抑えられます。
ただし、この特例は厚生年金保険に関する制度であり、健康保険の標準報酬月額まで従前の額として扱われるわけではないので注意しましょう。
関連記事:養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置とは?申請方法や必要書類を解説
5-3. 【2027年1月開始】育児による給与減少時の標準報酬月額の特例改定
2027年1月から療養・育児・介護などで勤務時間を短縮し、給与が大幅に減少した場合、随時改定や育児休業等終了時改定より早く標準報酬月額を改定できる特例が始まります。育児の場合の主な要件は次の3つです。
- 小学校就学の始期に達するまでの子を養育していること
- 就労調整により標準報酬月額が従前より2等級以上低下し、その状態が3ヵ月以上続くことが見込まれること
- 本人が特例改定に書面で同意していること
この特例を利用すると、報酬が減少した初月の報酬をもとに、報酬が減少した月の翌月から標準報酬月額を改定できます。そのため、社会保険料の負担を実際の給与水準に早く合わせられます。
一方で、標準報酬月額が下がると、将来の厚生年金額や傷病手当金・出産手当金の額にも影響する可能性があります。「養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置」を利用できるかどうかもあわせて確認することが重要です。
産後パパ育休から復帰した後に給与が減少した場合は、育児休業等終了時改定の要件を満たすのか、2027年1月以降は新たな特例改定の要件を満たすのかを確認し、適切な手続きを選択しましょう。
参考:療養、育児又は介護により報酬が急減した者についての健康保険法及び厚生年金保険法の標準報酬月額の保険者算定の特例について|厚生労働省
6. 従業員へ産後パパ育休のスムーズな取得を促そう


産後パパ育休は、一定の要件を満たすことで社会保険料が免除される、従業員と企業の双方にメリットのある制度です。人事担当者は制度の仕組みや判定ルールを正しく理解し、育休申請の段階で社会保険料免除の可否を確認できる体制を整えておくことが重要です。
適切に制度を運用できれば、従業員は収入面の不安を減らしながら育休を取得でき、企業としても男性の育児参加を後押しする職場環境づくりにつながります。また、男性の育休取得が進むことで、女性の継続就業率や企業のブランド力向上といった効果も期待できます。
制度のポイントを押さえ、従業員が安心して育休を取得できる環境づくりを進めていきましょう。



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