雇用契約の更新手続きや更新を決める判断基準を詳しく解説

有期雇用契約の期間が満了した労働者に対し、雇用関係を継続する更新手続きを行う場合は、労使間の合意のもと、新たな雇用契約を結びます。

契約更新の際は、たとえ同じ労働条件であったとしても、新たな雇用契約書を作成しましょう。労働条件や契約期間、更新の有無、判断基準などを改めて明示する必要があるからです。

契約更新をするかしないかは、労働者の能力や成績、勤務態度、会社の経営状況、担当業務の進捗状況などを基準に、客観性を保ちながら、総合的に判断します。

今回は、雇用契約の更新手続きについて、更新の方法や判断基準などを解説いたします。

1. 雇用契約の更新手続き方法

有期雇用契約は、契約期間が満了になった時点で契約が解消します。雇用継続したい場合は、新たに雇用契約を締結する更新手続きが必要です。

契約更新の面談は、雇い止めの可能性も考慮し、遅くとも契約期間満了の30日前には行いましょう。

労働者側が契約更新を希望しない場合は、使用者が希望したとしても、雇用関係を継続することはできません。労働者に退職届、または更新を希望しない旨を書面にして提出してもらいます。

1-1. 契約更新のたびに新たな雇用契約書を締結する

契約更新をする際は、更新のたびに雇用契約書を作成し、新たな契約期間を明示する必要があります。

労働条件が同じだからといって、新たな契約書を取り交わさずに自動更新を繰り返すと、実質期間を定めない契約だと判断されてしまうからです。

「実質的な無期雇用」や「労働者に雇用継続の期待をさせた」と判断された場合、労働契約法 第19条が適用され、期間満了による雇い止めが難しくなってしまいます。

2. 雇用契約の更新を判断する5つの基準

契約更新をするかしないかは、次のような事項を基準に判断します。

  • 契約期間満了時の業務量
  • 勤務成績や勤務態度
  • 労働者の能力
  • 会社の経営状況
  • 担当業務の進捗状況 

これらの判断基準は、雇用契約を結ぶ際、雇用契約書または労働条件通知書、就業規則にて明示する義務があります。また、契約締結後に更新の判断基準を変更した場合は、労働者に対して変更内容を速やかに周知しばければなりません。

雇用契約書の雇用期間や更新の判断基準が曖昧である、雇用継続について労働者が期待を抱くような言動や雇用関係があった場合、契約期間満了による雇い止めが認められない場合があります。

2-1. 反復更新で契約期間が5年以上になった

反復更新によって、通算の勤続年数が5年を超えた有期雇用契約は、労働者の申込みがある場合、無期雇用契約への転換をしなければなりません。

なお、契約期間満了から次の有期雇用契約までに6ヵ月以上の空白期間がある場合は、クーリング期間として、以前の契約期間をカウントしません。

3. 雇用契約を更新しない場合

雇用契約を更新しない場合は、労働者の今後の生活を考え、遅くとも契約満了の1ヵ月前に面談を行い、直接伝えましょう。

面談の結果、労働者側が雇い止めを不服とした場合、契約更新をしない理由についての証明書を請求されることがあります。

その場合、使用者は遅延なく証明書を交付する義務がありますが、証明書に明示する雇い止めの理由として、契約期間満了以外の理由を記載しなければばりません。

雇い止めの理由には、「客観的・合理的である」こと、「社会通念上の相当性」が求められます。

4. 雇用契約更新について客観的な判断基準を設けることが重要

雇用契約の更新を決定する際は、客観的な判断基準を設け、労働者の理解を得ることが重要です。

雇い止めの際のトラブルを避けるためにも、判断基準については、雇用契約書や就業規則にて、できるだけ具体的に明示するべきでしょう。

また、更新手続きの際は、同じ待遇・条件での契約であっても、雇用契約書を新たに取り交わす必要があります。