社会保険の加入条件とは?2022年の適用範囲の拡大や未加入時の罰則について解説! | jinjerBlog

社会保険の加入条件とは?2022年の適用範囲の拡大や未加入時の罰則について解説!


書類に記入する様子
狭義の社会保険(健康保険と厚生年金保険)は、適用事業所で勤めていて、常に使用される従業員は必ず加入が必要です。また、パート従業員なども一定の条件を満たすと加入する必要があります。
さらに、2022年10月、2024年10月の法改正により社会保険への加入が義務化される従業員の範囲が広がります。

この記事では、社会保険に加入が必要な会社・従業員の条件や、実際に必要な手続き、未加入の罰則を解説します。

▼社会保険の概要や加入条件、雇用保険との違いなどを詳しく知りたい方はこちら
社会保険とは?雇用保険との違いや種類、加入するメリットを徹底解説

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1. 社会保険に加入できる事務所とは?

オフィス

まず、社会保険は事業所単位で適用されるかされないかが判断されます。

適応する事務所には、必ず加入しなくてはならない「強制適用事業所」と任意で加入が選べる「任意適用事業所」の二種類があります。それぞれ詳しい要件を確認していきましょう。

1-1. 強制適用事務所

法律によって、社会保険への加入が必須と定められている事業所です。そのため、使用者などの意思に関係なく、下記条件に該当すれば必ず加入が必要です。社会保険の種類によって、若干条件が異なるので注意しましょう。

・農林漁業、サービス業など以外で常時5人以上の従業員がいる事業所
・国、地方公共団体、法人で、常時従業員を使用する事業所

1-2. 任意適用事務所

強制適用事務所に該当しない事業所でも従業員の半分以上が加入同意した場合、適用事業所となり社会保険へ加入することができます。任意適用事業所となるためには、事業主が事務センター(年金事務所)で手続きを行う必要があります。

・農林漁業、サービス業などで、常時5人以上の従業員がいる事業所

1-3. 一括適用ができるケース

本社が従業員の労務管理などを集中的におこなっている場合には、本社と支社を一つの適用事務所とみなすことが可能です。一括適用されると、本社と支社間で異動があった際でも社会保険の資格喪失届などの手続きをおこなう必要がなく、とても便利です。

もし一括適用を受けておらず、承認をもらう場合には、社会保険の届け出の処理過程や、労務管理の範囲や方法などについて説明した書面を所轄の年金事務所に提出する必要があるので、認識しておきましょう。

1-4. 適用除外とされるケース

適用事業所で働いていれば、原則すべての従業員が被保険者となる資格を持つことができますが、一部適用除外となるケースがあります。該当する従業員は以下の通りです。

・75才以上の方
・後期高齢者医療の被保険者の方
・パートタイマーで労働時間または労働日数が少ない方
・船員保険の被保険者の方
・所在地が定まらない事業所で勤務している方
・国民健康保険組合の事業所で勤務している方
・健康保険もしくは共済組合の承認を受けて国民健康保険に加入している方

2. 社会保険の加入条件

条件

健康保険・厚生年金保険の加入条件は以下の通りです。

・常時雇用されている従業員
・週の所定労働時間または月の所定労働時間が、常時雇用されている従業員の4分の3以上の者

このほか、パートやアルバイトの従業員なども条件に応じて加入対象となります。常時雇用されている従業員以外に対象となる条件をパート・アルバイト従業員と派遣社員に分けて解説します。

2-1. パート、アルバイトの社会保険加入条件

社会保険は正社員でなくとも、一定の条件を満たすパートやアルバイトの従業員に加入が義務付けられています。

「所定労働時間・所定労働日数が正社員の4分の3以上の者」「契約期間が2か月以上の者」に該当する労働者がいた場合、報酬額などに関係なく社会保険へ加入させましょう。

さらに、下記の条件に当てはまる従業員は社会保険への加入が必要です。

・週の労働時間(所定)が20時間以上
・月額賃金(所定)が8.8万円以上
・学生以外
・1年以上の継続勤務が見込まれる
・従業員が501人以上の事業所

現在は従業員人数がある程度多い企業のみ、短時間労働者の社会保険への加入が義務付けられています。

社会保険は複雑な制度となっているため、説明する際も伝わりづらいという問題が発生することが考えられます。そこで当サイトでは、社会保険の基礎知識から法改正の概要を解説した資料を無料で配布しております。手続き時に担当者がすべきことも解説しておりますので、社会保険について不安な点があるご担当者様は、こちらから「社会保険の手続きガイド」をダウンロードしてご確認ください。

2-2. 派遣労働者の社会保険加入条件

派遣労働者の社会保険の加入条件については、基本的にアルバイトやパートタイム従業員と同じ加入条件となります。

「2-1. パート、アルバイトの社会保険加入条件」で解説したように、ベースとなる条件が、「1週間の所定労働時間が、正社員の4分の3以上(一般的に週30時間以上)であること」「契約期間が2か月以上であること」となっており、上記の条件を満たさない場合に、追加の5つの条件を満たしているか確認します。

「5. 社会保険の適用拡大は2022年、2024年で段階的に施行される」でも解説しますが、法改正により社会保険の適用範囲が拡大されるため、法改正後に条件を満たす従業員には、あらかじめコミュニケーションを取っておきましょう。

3. 社会保険加入に必要な手続きについて

手続き
社会保険(厚生年金・健康保険)の加入では、1.事業所自体の手続き2.従業員の加入手続き、2つの手続きがあります。ここでは、それぞれの手続きを解説します。

3-1. 事業所自体の社会保険適用手続き

事業所自体が社会保険の適用を受けるためには、「強制適用事業所」か、「任意適用事業所」かにより、手続きが異なります。

(1)強制適用事業所

事実が発生した日から5日以内に「新規適用届」を提出する。
法人事業所なら「法人登記簿謄本」を、個人事業所なら「事業主の世帯全員分の住民票」を添付する。[注1]

[注1]新規適用の手続き|日本年金機構

(2)任意適用事業所

下記書類を揃え提出する。[注2]

・任意適用申請書
・任意適用同意書(従業員の2分の1以上からの同意が必要)
・事業主世帯全員分の住民票
・公租公課の領収書

これらの書類を電子申請・郵送・または持参により、年金事務所などで手続きを行います。

[注2]任意適用申請の手続き|厚生労働省

3-2. 従業員の社会保険加入・適用除外手続き

会社で行う、従業員の社会保険手続きとしては、以下の2種類の手続きが発生します。

(1)被保険者の資格取得手続き(新規採用したときなど)
(2)被保険者の資格喪失手続き(退職したときなど)

(1)被保険者の資格取得手続き(新規採用したときなど)

社会保険に加入させる従業員がいるとき、事務担当者は、事実発生から5日以内に以下の手続きが必要です。[注3]

・「被保険者資格取得届」に必要事項を記載する
・事務センター(または年金事務所)に提出する

届出の作成には従業員の基礎年金番号、または、マイナンバーが必要です。

なお、会社が全国健康保険協会(協会けんぽ)ではなく、各健康保険組合に加入しているときは、別途、各健康保険組合でも手続きが必要です。

また、定年再雇用や70歳以上の従業員の厚生年金加入は、条件や必要書類が変わってきます。詳しくは年金事務所などに確認の上、必要な手続きを行いましょう。

[注3]就職したとき(健康保険・厚生年金保険の資格取得)の手続き|日本年金機構

(2)被保険者の資・資格喪失手続き(退職したときなど)

従業員が健康保険の被保険者の資格を喪失したとき(退職など)は、速やかに下記の手続きを行います。[注4]

・「被保険者資格喪失届」に必要事項を記載する
・健康保険が協会けんぽなら、健康保険被保険者証も合わせて返却する

なお、資格の喪失についても、各健康保険組合に加入しているときは別途手続きが必要です。

[注4]従業員が退職・死亡したとき(健康保険・厚生年金保険の資格喪失)の手続き|日本年金機構

関連記事:社会保険の加入手続き方法や必要書類を詳しく紹介

4. 社会保険の加入条件を満たさなくなった場合の対応

説明する様子

ここでは、社会保険の加入条件を満たしていた従業員が、勤務日数や労働時間が条件に対して足りなくなってしまい、加入条件を満たさなくなってしまった場合、どのような対応をおこなうべきかを解説します。

人事担当者がおこなう対応としては、下記の2点が挙げられます。

①対象の従業員が加入条件を満たしていないことを認識しているか確認する
②資格喪失時の手続きを行う

対象の従業員が、社会保険の加入条件を満たさなくなったことを認識しているのか、認識しているとして加入を継続したいのかをまずは確認しなければなりません。何も確認せずに社会保険の資格喪失手続きをしてしまうと、労使間でトラブルが発生する可能性があります。

加入継続を希望された場合は、条件を確認しながら勤務状況の調整を行いましょう。また、継続しなくていいとのことであれば、喪失手続きを進めるようにしましょう。

関連記事:社会保険喪失証明書の発行までの流れや国民健康保険への切り替え方法

4-1. 扶養に入った場合

1年間の収入が130万円未満かつ被保険者の収入の2分の1未満になった場合、親族や配偶者の扶養に入ることができます。扶養に入る場合には、「健康保険被扶養者(異動)届 国民年金第3号被保険者関係届」を提出してもらう必要があります。

上記に加えて、下記の書類も添付して提出してもらいます。

・被保険者の謄本もしくは住民票
・被扶養者の退職証明書もしくは確定申告書の写し

4-2. 勤務日数が少なくなった場合

一時的(1~2か月程度)に社会保険の適用条件を満たさないだけであれば、加入させ続けても問題ありません。
ただし、3か月以上条件を満たさないことが見込まれる場合には、資格喪失手続きをおこなわなければなりません。

事実が分かったタイミングで、所轄の年金事務所に資格喪失届を提出するようにしましょう。

5. 社会保険の適用拡大は2022年、2024年で段階的に施行される

法改正

2022年10月と2024年10月の法改正により、「1-3. パート、アルバイトの社会保険加入条件」で解説した、短時間労働者に対する社会保険(健康保険・厚生年金保険)の適用範囲が拡大されます。

法改正後は、下記に該当する企業が短時間労働者を社会保険へ順次加入させなければいけません。
なお、ここで示す「従業員」とは、現行の厚生年金保険の適用対象者を指します。

【2022年3月現在】
・従業員数が501人以上の企業

【2022年10月~
・従業員数が101人以上の企業

【2024年10月~】
・従業員数が51人以上の企業

[注5]従業員数500人以下の事業主のみなさまへ|厚生労働省

特に2024年の法改正後は51名以上ということで、飲食などのサービス業でも社会保険の加入条件を満たすことが現実的になります。

2022年の法改正の時点で、事業所に関しては現行のものの5分の1、雇用期間の見込みはそれ以上に条件が緩和されるため、新たに被保険者となる従業員がいる事業所も数多くあるでしょう。そのため、担当者は以下の3点を必ず行いましょう。

① 新たに被保険者となる短時間労働者の把握
② 従業員への説明
③ 2022年10月以降の資格取得届の準備

従業員のなかには社会保険のメリットを理解していない方もいる可能性があるため、説明を行う際には資料などを見せながら納得してもらいやすいように準備をおこないましょう。

参考:厚生労働省「令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大

6. 社会保険への加入義務があるのに未加入だった場合の罰則

ペナルティ
社会保険の強制適用事業所が未加入の状態を続けていると、さまざまな罰則を受けます。
ここでは、実際にどのような内容の罰則があるのかを説明します。

6-1. 日本年金機構から加入指導が行われる

加入していない状態が続くと、最初は日本年金機構から加入状況に関する案内文章が届きます。ある程度の人数がいる企業で、案内を無視し続けた場合、日本年金機構の担当者が実際に会社に訪問し加入指導を行います。

それも無視すると、最終的には強制加入手続きが行われます。

6-2. 罰金や罰則も課せられる

悪質な違反企業には、6カ月以下の懲役や50万円以下の罰金が課されるケースもあります。

6-3. 過去2年分の追徴課税

強制加入が執行されれば、本来社会保険の加入が必須となる従業員の社会保険料を、過去2年間に遡り納付しなければいけません。また、退職した従業員分については、会社が全額支払う必要があります。

6-4. 事業所名の非公開やハローワークの求人不可も

日本年金機構で導入されている「厚生年金保険・社会保険 適用事業所検索システム」では、未加入の事業所が表示されないようになっています。そのため、このシステムを確認すれば、求人募集をおこなう際に、未加入の事業所であることがすぐに判明してしまいます。

ハローワークでは、社会保険に未加入の事業所の求人を取り扱うことができないので、載せようとしても求人票を受け付けてくれません。

7. 社会保険は従業員個別の条件を把握し、正しく加入しよう

チェックマーク
社会保険は、正社員のみ加入すればよいものではなく、パートやアルバイトも条件を満たすのであれば加入させる必要があります。

また、2022年10月、2024年10月の法改正では、今まで加入が必要なかった従業員を社会保険に加入させる必要が出てきます。

未加入のままの場合、罰則が設けられているため、従業員一人ひとりの雇用状況を把握して適切な社会保険の手続きをしましょう。

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