社会保険の扶養条件とは?手続きや必要書類、扶養のメリットを解説! - ジンジャー(jinjer)| クラウド型人事労務システム

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社会保険の扶養条件とは?手続きや必要書類、扶養のメリットを解説!

社会保険

雇用者から家族を社会保険の扶養に入れたいといわれたら、扶養に追加する人の収入以外に、続柄や生活実態(同居・別居)の確認が必要なケースもあります。

この記事では、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の扶養に入れる条件、扶養に入るメリット、具体的な手続き方法を解説します。

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社会保険とは?概要や手続き・必要書類、加入条件、法改正の内容を徹底解説

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1. 健康保険で扶養に入るための条件とは

条件
社会保険の中でも健康保険は、被保険者との関係性や収入など、一定の条件を満せば親族を扶養に入れられます。
今回は、加入者の多い全国健康保険協会(協会健保)の扶養親族追加の条件を元に解説します。

1-1. 年収130万円未満、被保険者の年収の1/2未満であること

扶養に入る前提の条件は、年収が130万円未満かつ被保険者の年収の1/2未満であることです。(※例外あり)

そのため、扶養内で働きたいパートやアルバイトの従業員を雇用している場合、平均月収が10万8,333円以下になるように調整するようにすると親切でしょう。

また、扶養に入るためには、年間収入だけでなく、被保険者から生計を維持されている必要もあります。
「生計を維持されている」の定義は、同居しているか別居しているかによって異なるので確認しておきましょう。

  • 同居している場合:扶養される人の収入が、被保険者の年間収入の2分の1未満であること。
    ※世帯の状況により判断する場合もあり。
  • 別居している場合:扶養される人の収入が、被保険者からの仕送り額より少ないこと。

    上記に該当することで、被扶養者としての条件が満たされることになります。

1-2. 被保険者と同一世帯の必要がないケース

親族を扶養に入れる際、同居が必要なケースと不要なケースに分かれます。別世帯でも問題がない(同居不要)被扶養者の範囲は、下記の通りです。

  • 配偶者(事実婚も含まれる)
  • 子、孫
  • 兄弟姉妹
  • 直系尊属(※)
    ※被保険者自身の父母、祖父母、など自分より前の世代の血族に当たる者のこと。養父母も含む。

    ただし、被保険者は扶養に入れる者の生計を維持している必要があります。そのため、例えば進学などにより別居している子供がいても、収入条件を満たせば被扶養者とすることが可能です。

1-3. 被保険者と同一世帯でなければいけないケース

続いて、被保険者と同居をしており、生計を維持していることを条件とし、扶養にできる対象者は下記の通りです。

  1.  被保険者の三親等以内の親族(甥姪、拍父母など)
  2.  内縁関係(事実婚)にある配偶者の父母または、子
  3.  2の配偶者が亡くなった後も同居を続ける父母または、子

    上記に該当する場合、収入だけでなく同居も条件となるため注意しましょう。

また、2020年4月1日より国内居住要件が追加されたため、以上で述べた条件に加えて原則として日本国内に住所を有している必要があります。

参照:健康保険被扶養者(異動)届|日本年金機構

1-4. 条件に該当すれば、年収180万円未満でも被扶養者になれる

下記いずれかの条件に該当する場合、年収の加入要件は180万円未満に引き下げられます。

  • 60歳以上
  • 障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者

なお、被保険者の年収の1/2未満である条件は変わりません。

2. 厚生年金保険の第3号被保険者は配偶者だけが該当

夫婦
厚生年金保険で配偶者を第3号被保険者とする場合には、下記の通り、さらに範囲が狭まります。

  • 第2号被保険者の扶養配偶者(妻または夫)のみ
  • 扶養者の年齢が20歳以上60歳未満であること
  • 扶養者の年間収入が130万円に達しないこと

    また、配偶者が厚生年金保険の適用事業所で働いており、厚生年金の加入条件(月収8.8万円以上など)に当てはまるなら、そちらが優先されます。

以上のように、社会保険といっても、制度により扶養にできる対象者の範囲が異なるため注意しましょう。

3. 社会保険の扶養に入る従業員のメリットとは?

メリット

社会保険の扶養に入る従業員のメリットは、以下の通りです。

3-1. 別途保険に入る必要がない

扶養に入ってさえいれば、国民年金や健康保険に加入する必要がありません。

社会保険のなかでも健康保険に関しては、3割負担で医療機関を利用できるなど、扶養に入っていても十分な恩恵を受けることができます。

4. 被扶養者を追加するときの必要書類

書類
被扶養者を新たに増やしたいときは、事業所(会社)が日本年金機構などで手続きします。また、手続きの際は続柄や年収を証明する各種書類が必要です。
なお、届出書など必要書類は日本年金機構のホームページからダウンロードできます。[注1]

[注1]関連書類|日本年金機構

4-1. 必ず必要な書類

①健康保険被扶養者(異動)届 国民年金第3号被保険者関係届
②被扶養者の戸籍謄本
③住民票の写し(被保険者が世帯主で、被扶養者と同じ世帯であるときのみ)
④被扶養者の収入が確認できる書類

②③はどちらか一方のみ提出すれば問題ありません。提出日から90日以内に発行されたものでなければならないので、注意しておきましょう。ただし、届書に被保険者・被扶養者双方のマイナンバーを記載していれば、②または③の提出を省略することが可能です。

④については、控除対象配偶者(※)の場合、事業主の証明があれば添付書類は不要です。
※合計所得金額が1,000万円(給与収入1,220万円)以下の給与所得者の配偶者のこと。

また、退職者など下記に該当するものはそれぞれ所定の書類を添付します。

  • 退職した方:退職証明書など
  • 雇用保険の失業給付受給中の方:雇用保険受給資格者証の写し
  • 年金を受給中の方:現在の年金受取額がわかる通知書
  • 自営業・不動産収入のある方:直近の確定申告書の写し
  • 上記以外の方:課税(非課税)証明書

    なお、非課税対象でも、障害年金、遺族年金、傷病手当金、失業給付金、出産手当金などを受けたときはそれらの額が分かるコピーも必要です。

関連記事:国民年金第3号被保険者関係届の対象者や提出が義務付けられているケース
関連記事:健康保険被扶養者届を提出すべきケースや手続きの流れについて解説

4-2. 状況に応じて必要な書類

次に、別居や事実婚の場合に必要な書類です。

(1)別居の者で、仕送りをしている場合

  • 預金通帳等の写しまたは、現金書留の控え(写し)
    ※学生の場合は不要。

    (2)事実婚の場合
  • 内縁関係(事実婚)にある両者の戸籍謄(抄)本
  • 被保険者の世帯全員の住民票(コピー不可・個人番号の記載がないもの)

5. 被扶養者を追加するときの手続き方法

手続きの様子
被扶養者が扶養に入るためには、被保険者(扶養する人)が事業主を通して届出をする必要があります。従業員から子や配偶者などを扶養に入れたいと申し出があった場合は、以下の対応で届け出をしましょう。

5-1. 手続き時期

手続き時期は、事実発生から5日以内です。また、扶養の条件から除外されたときはその都度、速やかに処理します。

5-2. 届出書の提出先

前項の「4-1. 必ず必要な書類」で紹介した必要書類は、日本年金機構(事務センターもしくは管轄の年金事務所)に届け出ましょう。

なお、健康保険が協会けんぽでないときは、各健康保険組合に届け出ます。

そのため、例えば厚生年金保険と各健康保険組合に加入する雇用者の配偶者を扶養に追加する場合には、以下のとおり、書類の提出先が異なるため実務の際は注意しましょう。

  • 年金(第三号被保険者)の手続き→年金事務所
  • 健康保険の扶養の手続き→各健康保険組合

    また、各健康保険組合は必要書類が異なるケースもあるため、事前に確認しましょう。

5-3. 提出方法

提出方法は下記のいずれかにより選択が可能です。

  • 電子申請
  • 郵送
  • 窓口への持参

    なお、届け出用紙以外に、電子媒体(CD、DVD)でも提出できます。電子申請に関しては、e-Govのサイトより手続き可能です。

参照:e-Govポータル

6. 2022年10月から拡大する社会保険による扶養への影響

2022

2022年10月より社会保険の適用対象が拡大されました。これまでは年収が130万円以内であれば扶養内として社会保険料を納める必要はありませんでしたが、適用拡大の対象となった事業所に勤務した場合、被保険者として該当するときには加入しなければならなくなりました。

この適用は、2022年10月より開始されますが、従業員数に応じて対象となるタイミングが異なります。具体的な時期としては、以下の通りです。

【従業員数】
2022年4月現在:500人超規模
2022年10月~:100人超規模
2024年10月~:50人超規模

また、年収要件を含めて、以下の条件に当てはまる従業員に社会保険料の支払い義務が発生します。

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 月収8.8万円以上(年収106万円以上)
  • 2か月を超える雇用の見込みがある
  • 学生でないこと

関連記事:法改正による社会保険適用拡大で企業側が対応すべきポイントとは

6-1. 適用対象の拡大への対応

適用対象が拡大するタイミングで、企業は下記の対応をおこなう必要があります。

①自社の従業員数と加入対象者の確認
②新規加入者への説明
③被保険者資格取得届の提出

特に、現在年収が106万円以上130万円以内で扶養に入っている従業員は新たに社会保険料支払いの義務が発生するため、勝手に給与から社会保険料を控除してトラブルにならないためにも、あらかじめ周知しておきましょう。

また、従業員に説明した後は、新たに適用対象となる従業員の資格取得届を10月5日までに届け出る必要があるため、漏れが発生しないようにスケジュールをしっかりと立てて準備しておくと安心です。

参照:社会保険適用拡大特設サイト|厚生労働省

7. 従業員が社会保険の扶養を外れる場合の手続き

手続き

従業員が扶養から外れてしまう理由としては、下記のような事象が考えられます。

  • 配偶者と離婚した
  • 扶養者が死亡した
  • 年収が増えて130万円以上になった or 扶養者の年収の1/2以上になった

扶養から外れてしまった場合、従業員は別途保険に加入する必要があります。(扶養から外れても、年収が106万以下なら入る必要がない)

7-1. 職場の社会保険に加入する場合

被保険者資格取得届を提出し、事業所が加入にしている社会保険に加入します。

関連記事:社会保険被保険者資格取得届とは?必要になる事業所や手続きについて

7-2. 国民年金・国民健康保険に加入する場合

被扶養配偶者非該当届を、事業主経由で日本年金機構に提出して加入します。

8. 社会保険の扶養に入れるかどうかは、収入と扶養者の続柄によって決まる

ビジネスマン
健康保険や厚生年金保険では、一定の条件を満たす親族を扶養に入れることができます。
ただし、健康保険の扶養親族は範囲が広いのに対し、厚生年金保険の扶養(第三号被保険者)は配偶者だけである点に注意しましょう。また、収入条件の確認も大切です。

手続きは年金事務所や協会けんぽでおこなうことができますが、健康保険組合に加入する企業は、各健康保険組合で手続きするため、保険者(保険の運用元)がどこであるか正しく把握しましょう。

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