社会保険とは?雇用保険との違いや種類、加入するメリットを徹底解説 | jinjerBlog

社会保険とは?雇用保険との違いや種類、加入するメリットを徹底解説

比較している様子
社会保険と雇用保険は、保障内容や加入条件に違いがあります。
また、社会保険と一言でいっても、広義の意味と狭義の意味があるため、どちらを指しているかの理解が必要です。

この記事では、社会保険の種類と雇用保険との違い、加入するメリットや条件などを解説します。

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1. 社会保険とは生活困窮への備を目的とした強制加入の保険制度

頭を抱えている様子
社会保険とは、国民が何らかの理由(病気・ケガ・失業・加齢など)により生活に困窮した際、一定の給付により救済を計ることを目的に作られた保険制度です。一般的には強制加入となります。

また、社会保険は相互扶助(社会全体での助け合い)の考えが基本です。
そのため、多くの国民が加入することで財源を確保し、万が一に備える仕組みとなっています。

1-1. 社会保険の大枠

社会保険と一言でいっても、「広義の意味」と「狭義の意味」があるため、実務の際は注意しましょう。
広義の意味の社会保険には、下記の5種類の制度が含まれます。

1. 健康保険
2. 厚生年金保険(年金保険)
3. 介護保険
4. 雇用保険
5. 労災保険

このうち、厚生労働省などが「社会保険」と呼称するものは狭義の意味であり、1.2のみを指しています。そのため、2022年、2024年の法改正で短時間労働者の適用範囲が拡大されるのは社会保険とは、健康保険と厚生年金保険のみとなります。

雇用保険や労災保険は労働者の安全や生活を守ることを目的とした「労働保険」です。「介護保険」は介護が必要な人を社会で支えることを目的としていることから、それぞれ運用目的が異なります。

2. 雇用保険とは労働者の生活安定と雇用の促進を計る強制加入の保険制度

ミーティング
雇用保険は社会保険の中でも、労働保険の中の1つです。
労働者の生活の安定と、雇用の促進を計ることを目的としています。

・失業時や休業時に一定の給付を行い生活を支援する
・労働者の能力開発を行い雇用機会を拡大し福祉向上をする

これらが主な役割です。

雇用保険も他の社会保険と同じく強制加入保険のため、会社は一定の条件を満たす従業員を雇用している場合、加入する必要があります。

2-1. 雇用保険の給付の種類と被保険者

一言で雇用保険といっても、給付は下記の4種類に大別されます。

【給付の種類】
・求職者給付:基本手当、傷病手当など
・就職推進給付:就業手当、再就職手当、など
・教育訓練給付:教育訓練給付金など
・雇用継続給付:育児休業給付金など

また、上記のうち、求職者給付は、どのような雇用保険に加入していたかにより内容が異なります。
雇用保険の適用事業所では、労働者の雇用形態により下記のなかから適切な雇用保険への加入手続きが必要です。

【被保険者】
1. 一般被保険者:2.3.4以外で、雇用保険の適用条件を満たす者
2. 高年齢被保険者:65歳以上であり、3.4.に該当しない者
3. 短期雇用特例被保険者:季節的または短期間のみ雇用される者
4. 日雇労働被保険者:日々雇用されるなど、一定の条件を満たす者

以上のように、雇用保険は、労働者の状況により加入する内容が変わる点に注意しましょう。

2-2. 雇用保険の加入条件

次に加入条件を解説します。

・1週間の所定労働時間が 20 時間以上であること
・31日以上引き続き雇用されることが見込まれること

上記に該当する労働者を1人でも雇用する会社は、必ず雇用保険の加入手続きが必要です。

3. 社会保険と雇用保険の違い

迷っている様子
狭義の社会保険(健康保険・厚生年金保険)も雇用保険も、強制加入の保険制度であり、国が主体となって運用していることに変わりはありません。

しかし、両者はその目的や保障内容、加入条件などに違いがあるため、詳しく解説します。

3-1. 加入できる条件が違う

社会保険(健康保険・厚生年金保険)と雇用保険は、加入できる条件が異なります。社会保険の加入条件は後ほど詳細を説明しますが、加入条件のハードルは、社会保険の方が高く、雇用保険の方が低くなります。

3-2. 目的や保障内容が違う

社会保険と雇用保険は下記のとおり、保障の目的が異なります。

社会保険
年金保障や医療費保障で、国民の生活を支える役割がある。
そのため、会社員は厚生年金保険と健康保険組合の健康保険、自営業者などは国民年金保険と国民健康保険など、全ての国民が何らかの制度に加入する必要がある。

労働保険(雇用保険)
失業・休業・労働災害など、働くうえで困難が起こった際に、労働者を保障する役割がある。そのため、条件を満たす会社員は強制的に加入するが、会社員以外(自営業者や専業主婦(主夫)など)は加入できない。

以上のように、社会保険と雇用保険は保障する対象が異なるため、誰が加入できるかも異なります。

そのため、従業員を雇用する際は、社会保険(健康保険・厚生年金保険)も、労働保険(雇用保険)も、どちらにも加入が必要です。

3-3. 以前は管轄する省庁も違った

社会保険と労働保険(雇用保険)は、2001年1月6日以降、どちらも厚生労働省が管轄し、保険事業を運営しています。しかし、以前は下記のとおり、保険を管轄する省庁に違いがありました。

・社会保険:厚生省
・労働保険:労働省

このように、運用の歴史から見ても、上記2つの保険制度には違いがあります。

4. 社会保険制度の種類

ルール
先述の通り、広義の社会保険には下記の5つの制度が含まれます。

・健康保険
・厚生年金保険(年金保険)
・介護保険
・労災保険
・雇用保険

ここでは既に解説の終わった「雇用保険」を除く、4つの社会保険について、概要を解説します。

4-1. 健康保険

健康保険制度の目的は、病気やケガ、出産や死亡の際に、医療給付や手当金などを支給することにより、国民の生活安定を計る制度です。

会社員か自営業者かなど、職域により加入する制度は異なるものの、日本では全ての国民が公的医療保険に加入する「国民皆保険制度」が取られています。

そのため、国民は医療機関を自由に選べるだけでなく、高度な医療も現役世代は3割り、それ以外は2~1割の自己負担額で受けられます。

さらに高額療養費制度なども導入し、安心・安全に医療を受けられる仕組みが整っています。

加入できる制度は、職業や年齢などにより、下記のように分かれます。

・健康保険
健康保険の適用事業所で働く会社員が加入できる。保険者(運用主体)は全国健康保険協会や各健康保険組合。

・船員保険
船員として船舶所有者に雇われる人が加入できる。保険者は全国健康保険協会。

・共済保険
国家公務員、地方公務員、私学の教職員が加入できる。保険者は各種共済組合。

・国民健康保険
上記1.2.3.の保険制度に加入していない自営業者や一般住民などが加入。保険者は居住地の市区町村。

・後期高齢者医療制度
75歳以上の高齢者などが加入。保険者は後期高齢者医療広域連合。

会社の場合、全国健康保険組合(協会けんぽ)か各健康保険組合、どちらに加入しているかによって事務手続きが異なります。保険者は、全国健康保険組合、各健康保険組合、市区町村と加入制度により異なります。

4-2. 厚生年金(年金保険)

厚生年金は公的年金保険制度の一つです。
公的年金保険制度では、基本的に20歳から60歳の人が年金制度に加入します。

全員が保険料を収めることで、高齢者や障害を負った人、会社員に扶養されていた遺族などに給付することで、支える仕組みとなっています。保険者は厚生労働省、事務処理は日本年金機構が行っています。

年金制度も、全国民が加入する「国民皆年金」である点が特徴です。
また、実際に加入する制度は、下記の被保険者区分により異なります。

第一号被保険者
自営業者や学生など第二号、第三号以外の被保険者が加入。
加入制度は国民年金保険。基礎年金を受給できる。

第二号被保険者
会社員や公務員などが加入。なお、保険料の半分は会社が負担する。
加入制度は国民年金保険と厚生年金保険。基礎年金、厚生年金を受給できる。

第三号被保険者
会社員などに扶養されている者が加入できる。保険料の自己負担はなく、会社を含む第二号被保険者全体で負担する。加入制度は国民年金。基礎年金を受給できる。

また、第二号被保険者は上記のように国民年金と厚生年金の両方に加入できるため、2階建て構造の年金制度となっています。

さらに、企業によっては3階建て部分に相当する「企業年金」を導入しているケースもありますが、こちらは国が運用している制度とは異なります。

厚生年金は加入の下限年齢が定められていないため、学生でない20歳以下の従業員は加入する必要があり、原則70歳未満の従業員まで加入対象となります。また、保険料は従業員の給与に応じて異なります。

4-3. 介護保険制度

介護保険制度とは、高齢者の介護を社会全体で支えあう仕組みとして、2000年に設立された制度です。自己負担1~2割程度で必要な介サービスを受けられます。なお、保険者は市区町村や広域連合です。

40歳以降の加入が義務付けられており、制度の内容は、下記の2種類の被保険者区分により違いがあります。

第1号被保険者
40 歳以上 65 歳未満の医療保険加入者が対象で、医療保険料と一緒に徴収される。
老化に起因する特定疾病により、要介護(要支援)状態となった場合のみ給付を受けられる。

第2号被保険者
65歳以上が対象。なお、第1号被保険者は所定の年齢に達すると、自動的に第2号被保険者に切り替わる。市区町村が徴収し、原則は年金からの天引き。要介護状態、要支援状態で給付を受けられる。

実際に介護を受ける際は市区町村の職員や主治医などにより要介護認定の調査を行い、下記の分類により要介護度を判定します。

・要支援(1~2):予防給付として、一部の介護サービスが受けられる
・要介護(1~5):介護給付として、介護サービスが受けられる

実際に受けられるサービスは下記の通りになります。

・訪問サービス:訪問介護、訪問入浴介護などを自宅で受けられる
・通所サービス:デイサービス、デイケアなどを施設で受けられる
・短期入所サービス:看護師の常駐する施設で短期間生活を送れる

4-4. 労災保険制度

労働者の業務上、または通勤などによるケガや病気に対し保険給付を行い、社会復帰の促進を行う保険事業です。
療養給付、休業給付、障害給付、介護給付などが受けられます。

保険料は、原則会社が全額負担し、労働者が支払うものではありません。保険者は厚生労働省や各都道府県の労働基準監督署です。

会社は一人でも労働者を雇用する際は、必ず労災保険に加入しなければいけません。ここでいう労働者とは、正社員・パート・アルバイト・派遣社員などの雇用形態を問わないため、注意しましょう。

また、会社自体の加入手続きは、労働基準監督署やハローワークで行います。

5. 社会保険に加入するメリット

人が集まっている様子
2022年10月、2024年10月の法改正により、パート・アルバイトの社会保険(厚生年金・健康保険)適用範囲が拡大されます。

それに伴い、今まで国民年金に加入していた従業員も、厚生年金へ加入させなければいけないケースもでてきます。
なかには、保険料の自己負担分増加を嫌がり、加入を拒否されることもあるでしょう。
そこで、ここでは従業員が社会保険に加入するメリットを詳しく解説します。[注1]

[注1]社会保険適用拡大ガイドブック|厚生労働省

6. 厚生年金加入のメリット

年金手帳
国民年金から厚生年金に変わることで、従業員本人の老後の年金額が増えるだけでなく、障害を抱えたときの保障や、本人が死亡したとき年金が受け取れる遺族の範囲が拡大します。

6-1. 将来貰える年金額が増える

国民年金を40年間支払った場合受け取れる老齢基礎年金は、満額で78万900円です。(令和3年4月分からの受給額)
厚生年金に加入すれば、上記に加え支払った保険料に応じて老齢厚生年金が支給されるため、老後の安定につながります。

6-2. 障害年金の等級数が増える

国民年金にのみ加入している者が障害を負っているとき、1~2級の等級に該当する場合に限り、障害基礎年金を受給することができます。

しかし、厚生年金に加入すれば、上記よりも障害の状態が軽い3級が受給要件に追加されます。

1級:他人の介助がなければ、ほとんど日常生活を送ることができない状態
2級:他人の介助が必ずしも必要ではないが、日常生活を送ることが極めて困難な状態
3級:日常生活にほぼ支障はないが、労働に著しい制限が必要な状態

厚生年金に加入することで、労働者本人に病気などが見つかった際の保障の幅が広がります。

6-3. 遺族年金の受給範囲が拡大

また、厚生年金では、本人が死亡した際に遺族が受け取れる遺族年金の範囲も拡大します。

・遺族基礎年金(国民年金)を受け取れる遺族の範囲
死亡者に生計を維持されていた「子のある配偶子」または「子」のみ

・遺族厚生年金(厚生年金)を受け取れる遺族の範囲
死亡者に生計を維持されていた「妻」「子」「夫(55歳以上)」「父母(55歳以上)」「孫」「祖父母(55歳以上)」

以上のように、本人が死亡した際の遺族の保障範囲も広がります。

7. 健康保険加入のメリット

メリット
協会けんぽや健康保険組合の保険に加入することで、保険料が下がったり、手当金が受けられたりするようになります。

7-1. 国民健康保険よりも保険料が下がる可能性がある

国民健康保険は全額本人の自己負担なのに対し、会社の健康保険に加入すれば、保険料の半額は会社が支払うことになります。
そのため、保険料が安くなる可能性があります。

7-2. 傷病手当金を受けられる

国民健康保険と違い、会社の健康保険では傷病手当金が受けられます。

8. 社会保険の加入条件

条件
最後に、厚生年金保険と健康保険に加入できる従業員の条件を解説します。

・1週の所定労働時間が20時間以上である
・1カ月あたりの所定賃金が88,000以上である
・学生ではないこと
・雇用期間が1年以上と見込まれること
・従業員数が501人以上の会社の従業員であること
(500人以下の場合は、社会保険の加入について労使で合意がなされていること)

以上が現行の加入条件であり、上記に該当する従業員は加入が義務付けられています。

また、2022年10月の法改正では、以下の場合に社会保険への加入が必要です。

・従業員が101人以上の会社に務める従業員
・1.2.3.の条件を満たす
・雇用期間が2カ月以上と見込まれる

さらに、2024年10月の法改正では、従業員が51人以上の会社に務める従業員で上記と同じ条件の者は社会保険への加入が必要となるので、早めに従業員へ説明や面談を講じる必要があります。

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関連記事:社会保険の加入条件とは?2022年の法改定の内容や手続きなどを解説

9. 社会保険は種類を理解し、必要な手続きのもと加入しよう

働く女性
広義の意味の社会保険には、健康保険、年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険が含まれます。
これらの保険制度は加入条件に違いがあり、また、会社では加入が義務化されているケースもあります。
そのため、それぞれの特徴や被保険者を理解し、加入漏れのないよう、正しく手続きを行いましょう。

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