【給与デジタル払いの認知度およびその実施状況に関する調査】 人事部門の約76%が給与デジタル払いについて認知 導入検討中の企業は約36%、中堅~大企業に多い傾向
公開日: 2024.12.18 AKASHIGE
クラウド型人事労務システム「ジンジャー」を提供しているjinjer株式会社(本社:東京都新宿区 代表取締役社長:桑内 孝志 以下、jinjer)は、企業の人事担当者の計361名を対象に「給与デジタル払いの認知度およびその実施状況」に関する調査を実施しました。
調査サマリー
調査の背景
2023年4月に労働基準法が一部改正され、新たな給与支払方法として電子マネー口座を利用する「給与デジタル払い」の利用開始が認められました。この改正は、給与支払い方法の多様化を目的としており、キャッシュレス化が進む社会において、従業員と企業の双方にとって、利便性や効率性の向上が期待されています。
一方で、本制度の導入にあたっては、企業がどの程度この制度を認識し、導入検討をしているのか、また期待するメリットや感じる課題についても、現状の実態は十分に把握されていません。
そこで今回の調査では、人事部門を中心に、「給与デジタル払い」に関する認知度や導入検討状況、期待されるメリットと課題、また効率化が期待される業務内容について現状を明らかにすることを目的とし、調査を行いました。この調査を通じて、給与デジタル払いの普及に向けた課題解決の一助となれば幸いです。
調査概要
・調査概要:給与デジタル払いの認知度およびその実施状況に関する調査
・調査方法:インターネット調査
・調査期間:2024年12月4日~同年12月5日
・調査対象:企業の人事担当者 計361名
≪本調査の利用について≫
1 引用いただく際は、情報の出典元として「jinjer株式会社」の名前を明記してください。
2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
URL:https://jinjer.co.jp/
回答者属性
給与デジタル払いの開始について、認識している人事担当者は約76%。
「給与デジタル払いが2023年4月から開始されたこと」について、認識している人事担当者は75.6%と、大多数の人事担当者が認識しているという結果でした。
実際に、給与デジタル払いを導入検討している企業は約37%。
「給与デジタル払いを導入検討しているか」について質問したところ、63.7%が「検討していない」と回答しました。一方で検討している企業は合わせて36.4%と、実際に取り組もうとしている企業が半数にも満たない現状があることがわかりました。
また従業員規模別で「導入検討している」企業群へ、クロス集計を行ったところ、「直近半年以内に導入を検討している」企業群で最も多いのは、従業員規模が「301~1,000名」および「3,001名以上」の企業であることがわかりました。また、1年以内での導入を検討している企業については、「301~1,000名」や「1,000~3,000名」と、中堅から大企業が、導入検討をしている傾向が高い結果となりました。
給与デジタル払いの仕組みや運用方法について、理解している企業は約48%。
給与デジタル払いの仕組みや運用方法の理解度について質問したところ、「非常によく理解している」「ある程度理解している」と答えた企業が合わせて47.6%でした。一方で「あまり理解していない」「全く理解していない」と回答した企業は52.3%と、半数以上の企業の人事担当者が、給与デジタル払いの詳細について理解できていない状況ということがわかりました。
給与デジタル払い導入で期待するメリットの最多意見は、「振り込み手数料の削減」。
給与デジタル払い導入で期待するメリットとして、最も多くあった意見は「振り込み手数料の削減(64.4%)」でした。次いで「従業員の利便性向上(55.5%)」、「給与支払い業務の効率化(48.7%)」という結果でした。その他にも、自由記述としては「デジタル払いで支払うことによる危険性が判っていない」という意見も挙げられました。
導入検討をするにあたって感じる課題/不安の最多意見は、「従業員からの合意獲得や制度変更が大変そう」。
導入検討をするにあたって、感じる課題/不安に関して質問したところ、「従業員からの合意獲得や制度変更が大変そう(47.1%)」が最多意見でした。次いで「現行の給与システムとの連携が難しそう(40.3%)」、「導入プロセスが複雑で手間がかかりそう」、「セキュリティ面のリスクが懸念される」が34.6%で同率の回答となりました。
給与デジタル払いを導入する際に行う手順の中で、効率化したい業務は「デジタル払いへ変更する、該当従業員の人事情報登録の自動化」。
給与デジタル払いを導入する際に行う手順の中で、効率化したい業務は「デジタル払いへ変更する、該当従業員の人事情報登録の自動化(39.6%)」が最も多い意見でした。次いで「従業員の周知の自動化」、「人事情報に基づいた給与計算業務の自動化」が35.5%と同率の回答となりました。
給与デジタル払いに対応するベンダーの選定時に、最重視するポイントは「システムの使いやすさ」
Q3で「検討している」と回答した企業を対象に、「給与デジタル払いに対応するベンダーの選定時に最重視しているポイント」について質問したところ、「システムの使いやすさ(53.4%)」が最多意見でした。次いで、「費用対効果が良いか(47.6%)」、「人事データと給与データの連携がスムーズか(46.6%)」という順で、意見が多くあげられました。
給与デジタル払いを導入検討するにあたり、最も障壁となるのは「導入コストの負担」。
給与デジタル払いを導入検討するにあたり、最も障壁となる要因について確認したところ、その最多意見は「導入コストの負担(55.4%)」でした。次いで「システムや運用面の複雑さ(46.5%)」、「従業員の理解や協力不足(45.7%)」という結果となりました。
jinjer CPO(最高プロダクト責任者)からのコメント
働き方や給与の受け取り方法が多様化する中で、「デジタルマネーでの給与支払い」という選択肢が新たに加わり、従業員の利便性が高まることが期待されています。
今回の調査結果で、導入検討をしている企業群の中で、特に中堅~大企業が自社への導入を本格的に考えていることがわかりました。これらの企業では、従業員数が多い分、従業員のライフスタイルの多様化が進んでいます。昨今の多様化に対応していくためには、「給与の受け取り方法の多様性」においても、従業員の利便性を高めていこうとしている各企業の努力がうかがえます。
「ジンジャー」においても、企業の人事業務を効率化し、従業員の皆様がより快適に業務に集中できる環境づくりを支援するために日々進化を続けています。今後も、時代の変化に対応した機能の充実を図り、企業と従業員がともに働きやすい環境を実現できるよう取り組んでまいります。