郵便法の改正で何が変わる?業務上で影響する2つのこと
更新日: 2024.1.17
公開日: 2021.11.20
jinjer Blog 編集部
2021年10月の郵便法改正の施行日から配達日や料金の見直しが行われました。
特に紙ベースで請求書や領収書を発行している企業にとっては、重要な変更となっているので変更内容を理解する必要があります。
この記事では、郵便法の改正が業務に及ぼす影響について解説します。
また企業が注意すべき内容まで紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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1.なぜ郵便法が改正されるのか
2021年10月から施行された郵便法。そもそも郵便法はなぜ改正されたのでしょうか。
郵便法が改正される背景には、郵便物の減少と配達員の人手不足が影響しています。
近年電子メールが普及したことで、パソコンやスマートフォンなどの通信手段を利用する人が増加しています。
はがきや手紙を郵送する必要がなくなったことから、以前に比べて郵便物の量が減少しているのです。
また企業のデジタル化も、郵便物減少の要因の一つです。
これまで紙で発行していた納品書や請求書などを、電子化する企業が増加しています。
電子メールによって書類を郵送する必要がなくなったことからも、郵便に対するニーズが変化しているのです。
そのため、郵便法もニーズに合わせて改正する必要がありました。
他にも、配達員の人手不足も郵便法改正に至る大きな要因の一つです。
現在配達員の人手不足が深刻化しており、これまでの郵便法での運営が難しいのが現状です。
配達員の作業負担を軽減するためにも、郵便法の改正に至っているわけです。
2.郵便法2021年10月の改正内容とは
郵便法の改正によって主に、以下の4つのサービスが変更されました。[注1]
・土曜日配達の休止
・お届け日数の繰り下げ
・速達郵便料金の引き下げ
・配達日指定郵便料金区分の変更
郵便物の配達に関するサービス内容の変更は「土曜日配達の休止」と「お届け日数の繰り下げ」の2点です。
また料金に関する変更は、「速達郵便料金の引き下げ」と「配達日指定郵便料金区分の変更」になります。
[注1]日本郵政|2021年10月から郵便物(手紙・はがき)・ゆうメールのサービスを一部変更しました。
2-1.土曜日配達の休止
2021年10月2日から、オプションサービスが追加されていない普通郵便とゆうメールなどの土曜日配達が休止となります。
土曜配達の休止に至る背景には、配達員の作業負担を軽減するためです。
配達頻度を「週6日」から「週5日」に緩和することで、作業量を減らすことを狙っています。
2-3.お届け日数の繰り下げ
郵便法の改正によって、郵便物やゆうメールのお届け日数が繰り下げされました。
従来は引き受け日の翌日を配達日としていましたが、今後は翌々日配達へと繰り下げられます。
たとえば、月曜日を引き受け日とした際には、配達日が水曜日になります。
ちなみに、金曜日が引き受け日になると、土曜日配達の休止と重なることで月曜日配達になります。
2-4.速達郵便料金の引き下げ
土曜日配達の休止やお届け日数の繰り下げによる影響を緩和させるために、速達郵便料金が引き下げられました。
以下に、従来の料金と10月以降の料金を表にまとめています。[注1]
重量 従来の料金 10月以降の料金
250g 290円 260円
1kg 390円 350円
4kg 660円 600円
10月以降の料金は、従来の料金に比べて1割程度安くなっています。
また新料金に対応した切手は、9月1日から販売開始されます。
2-5.配達日指定郵便料金区分の変更
これまで配達指定日が月曜から土曜日については、32円となっていました。
しかし、配達日指定郵便料金区分の変更によって、土曜日は日曜日や休日と同じく210円になり、以前よりも178円高くなります。
2-6.対象となる郵便サービス
主に対象となる内国郵便サービスは下記になります。
・郵便物・ゆうメール
→配達を休止する日:土曜・日曜・休日
→お届日数:現行+1日程度
・スマートレター
→配達を休止する日:土曜・日曜・休日
→お届日数:現行+1日程度
・特定記録
→配達を休止する日:土曜・日曜・休日
3.郵便法の改正が業務に及ぼす影響
郵便法の改正は、業務にも影響があります。
以下では、業務に及ぼす影響を主に2つ解説しましょう。
3-1.請求書の発送業務に大きく影響する
郵便法の改正によって、請求書の発送業務に影響が及びます。
たとえば、これまで木曜日に発送していた請求書は「土曜日配達の休止」と「お届け日数の繰り下げ」の影響によって月曜日に到着します。
そのため、取引先との締め切りによっては、以前よりも請求書の発行業務を早く進めなければなりません。
また取引先から事前に請求書の内容を知りたいといった、個別の要望への対応も増える可能性があります。
月末に業務が集中する可能性があるので、経理担当者への作業負荷が大きくなってしまう恐れがあります。
3-2.月次決算にも影響が及ぶ
請求書の到着遅れによって、月次決算にも影響が及ぶでしょう。
現在はタイムリーに経営判断するために、一日でも早く請求書を必要とする企業が増えています。
しかし、郵便法の改正によって配達日が遅れることで、月次決算するのに時間がかかってしまうのです。
また企業によっては、到着の遅れを懸念してメールやFAXでの対応をお願いする場合があります。
請求業務が膨大になる可能性もあることから月次決算にも影響があります。
4.郵便法の改正で企業が注意すべき4つのこと
郵便法の改正に伴い、企業として注意すべきポイントがあります。
ここでは、企業が注意すべき4つのポイントを紹介しましょう。
4-1. 納品書や請求書等の到着遅れに注意する
郵便法の改正によって、土曜日配達の休止とお届け日数の繰り下げになります。
これまでの配達日よりも遅く到着するので、納品書や請求書等の到着遅れに注意が必要です。
特に取引先によっては、支払処理のために請求書の到着日を厳格に設定しているケースがあります。
この場合に請求書の到着日が遅れてしまうと、取引先に迷惑をかけてしまうので配達日に余裕をもって発送する必要があります。
4-2. 郵便料金が高くなるケースがある
郵便法の改正による影響で、郵便料金が高くなるケースがあります。
たとえば、普通郵便の配達日が1日遅くなることで、速達郵便が必要になる場合があります。
速達郵便の料金は郵便法の改正によって引き下げられますが、普通郵便と比べて料金が高いです。
また配達日指定郵便料金区分の変更によって、土曜日に配達を依頼する際は210円加算されます。
これまで32円でよかったものが178円も高くなります。
つまり、速達郵便と併せて土曜日の配送を依頼する際は、加算料金が増えるので郵便料金が高くなってしまいます。
4-3. 変更しないサービスもある
郵便法の改正では、変更しなかったサービスもあります。
たとえば、以下のサービスについては料金の変更はありませんでした。
・ゆうパック
・ゆうパケット
・クリックポスト
・レターパックプラス
・レターパックライト
・速達
・レタックス
・書留
・簡易書留
上記のサービスは、これまで通りの料金で利用することが可能です。
また配送についても引き続き、土曜日や日曜日及び休日も配達してくれます。お届け日数の変更もないので、これまで通り利用できます。
4-4. 書類を受け取る側としても注意が必要
郵便法の改正によって到着遅れのリスクがあるということは、受け取る側としても注意が必要です。
たとえば、指定された支払い日までに請求書が届かなければ支払処理に進めなくなります。
これが買掛金等の未払いになる可能性があるため、トラブルに発展する危険性があるのです。
このように、郵便法の改正による影響は受け取る側にも大きく影響を与えます。
トラブル防止のためにも、頻繁にやり取りを行う取引先については、改めて締め切り日の確認を行う必要があるでしょう。
5.郵便法の改正に対応するためには業務の効率化が必要
業務上では、請求書の発送業務や月次決算にまで影響が及びます。
特に土曜日配達の休止やお届け日数の繰り下げによって、従来の到着日よりも書類が届くのが遅くなります。
そのため、納品書や請求書等の到着遅れにならないよう注意しましょう。
また経理担当者の作業負荷が大きくなってしまう可能性があります。
負荷を軽減するためにも、業務の効率化を検討する必要があるでしょう。
この業務の効率化におすすめなのが、請求書発行システムです。
請求書をwebで配信すれば手間やミスがなく、そして取引先に早急に送付することができます。
特に請求書の送付はつい漏れやミスが発生する業務でもあるので、どれだけミスをなくし、ミスをした際にも早急に対応できるかが重要になってきます。
システムを利用してweb上で請求書を送付すれば、郵便法などの法改正なども気にすることがなく、迅速な請求書発行や柔軟な対応ができるようになります。
他にも一括でまとめて請求書を送信できたり、ミスや漏れがなくなったり、リモートワークにも対応できるといったあらゆる利点があります。いくつかシステムの機能などを確認して中長期的に検討することをおすすめします。
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